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モバイルWiMAXの市街地環境での実用化の確認と「ウルトラ3G」ネットワークの接続実験の成功について
No. 2006-043
KDDIは、国内で初めて、無線通信標準IEEE802.16eに準拠した無線システムであるモバイルWiMAXの実験システムを開発し、大阪地区中心部において、同システムの性能評価などを目的とした実証実験を実施してきました。この程、市街地環境での実用化が可能であることを確認するとともに、オールIPベースの「ウルトラ3G」実証システムとの接続実験にも成功しました。
モバイルWiMAXは、時速120km以下の移動環境でも安定した大容量通信が可能となるシステムです。一つの基地局が半径数kmのエリアをカバーし、都市規模でのサービス提供に適したシステムであることから、KDDIは、都市部における第3世代携帯電話システムを補完する無線方式としての性能を評価してきました。
本実験では、実効的な通信速度や基地局間の高速ハンドオーバーなどの基本的な性能や機能を評価し、市街地環境での実用化が可能であることを確認しました。今後は、将来の商用化を視野に入れ、多数の端末を同時に利用した際の性能やシステム性能改善技術としてアダプティブアレイ (注1) などの高度化技術の検証などを進めていきます。
また、今回の実験では、モバイルWiMAXを「ウルトラ3G」のアクセスシステムの一つと位置づけ、システムの接続実験を実施しました。アクセスシステムとして、モバイルWiMAXに加え、EV-DO、ADSLなどを併用し、世界ではじめてモバイルWiMAXとEV-DOとの間のシームレスハンドオーバーに成功するとともに、「ウルトラ3G」実証システムとしてIPv6ネットワークによりMMD (注2) アプリケーションサーバと接続しました。これにより、通信システム側が、モバイルWiMAXなどの移動体ネットワークと固定系ネットワークを横断してユーザに最適なアクセスを自動選択し、映像や音声をやり取りするアプリケーションなど、「ウルトラ3G」ならではのサービスの実験に成功しました。
注1) |
アダプティブアレイ
複数のアンテナを用い、希望する方向に電波を向けたり、不要な電波の影響を排除する技術。
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注2) |
MMD (MultiMedia Domain)
3GPP2で標準化が進められている移動体向けのオールIPマルチメディアプラットフォーム。SIPプロトコルを始めとしたインターネット技術が多く採用されており、インターネットと携帯電話網の統合が容易になる。
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実験の詳細は別紙をご参照下さい。
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