No. 2009-294
2009年11月23日
KDDI (旧KDD) が、1963年に「茨城宇宙通信実験所」として開所した「旧茨城衛星通信センター」が、世界最大の電気・電子関係の技術者組織であるIEEE (注1) より、電気・電子・情報関連の分野で社会に大きく貢献した発明や技術開発を称える顕彰制度である「IEEEマイルストーン」(注2) に認定され、2009年11月23日 (月) に受賞しました。
今回の認定は、同センターにおける初の太平洋横断テレビ中継とその後の技術的な貢献に対するものです。
「茨城衛星通信センター」は、1963年11月20日に「茨城宇宙通信実験所」として開所し、同年11月23日には、米国の周回衛星リレー1号を経由した初の太平洋横断テレビ中継を米国カリフォルニア州の米国航空宇宙局 (NASA) 地球局と当センターの、直径20メートルの大型パラボラアンテナの一種であるカセグレンアンテナ (注3) との間で成功させました。
その後、1968年には2基目の「茨城第2アンテナ」が、世界初の「インテルサット標準A地球局」(注4) として承認されました。以降、当センターのカセグレンアンテナは、給電方式や不要電波発射抑制技術などの改良を重ね、世界の衛星地球局のさきがけ的な役割を果たすとともに、44年間の長きにわたり、米国や環太平洋の国々との間の国際電話、テレビ伝送、高速データ伝送など拡大する国際通信需要を通信回線で支える、太平洋の玄関口の基地局として活躍しました。
「茨城衛星通信センター」は、多様化する技術革新の波の中で2007年3月にその使命をKDDIの他の施設に譲り、任務を終えました。現在、同センターの跡地は、高荻市、日立市に譲渡され、2基の大型カセグレンアンテナは、国立天文台と茨城大学が連携したプロジェクトにおいて電波望遠鏡として利用されています。