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災害に備える通信確保ガイド

災害発生後は、電話回線やインターネット回線が混雑・断線し、避難や復旧に必要な情報を得たり、家族や知人と連絡を取り合ったりすることが難しくなる可能性があります。
いざという時、どのように通信を確保するのか、日ごろから複数の手段を想定しておきましょう。

この記事では、地震・津波・台風・洪水・大雪・噴火など、さまざまな災害時に「通信手段を確保するため」に必要な行動のポイントをまとめてご紹介します。

1. 「もしも」に備えるオフライン防災メモ

被災時はどのように行動すればよいのか混乱してしまうことも。いざという時に備え、事前に情報をまとめていつでも見られるようにしておくと安心です。
KDDIでは、災害発生時にとるべき行動をまとめた「『もしも』に備えるオフライン防災メモ」を用意しています。スマートフォンやパソコンに保存しておくことで、インターネットにつながらない場合でも役立ちます。ぜひご活用ください。

2. 家にいる時の通信確保のための行動ガイド

2-1. 基本的な対応

家族との連絡方法、通信手段の確認

いつも

安否情報など優先度の高い連絡は「災害用伝言ダイヤル(171)」や、携帯電話会社が提供する「災害用伝言板サービス」などを利用し、メッセージを残しておきます。発災直後は電話回線が混雑することも多いため、SNSやメールでの連絡方法も家族で共有しておけると安心です。

モバイルバッテリーや予備バッテリーの常備

いつも

停電時や長時間の使用時に備えて、手持ちのスマートフォンなどを充電するモバイルバッテリーやポータブルバッテリーの用意を。また、定期的に充電残量を確認しておきましょう。

固定電話や公衆電話の利用方法の確認

いつも

インターネットや携帯電話が使えなくなった場合を想定して、身近で公衆電話や固定電話が設置されている場所をチェックし、電話機の利用方法も把握しておきましょう。

身の安全を最優先

もしも

災害が発生した場合、まずは自分の身の安全確保を。例えば地震の強い揺れを感じた場合、まずは机の下などへ入り、倒壊物や落下物から身を守りましょう。津波が予想される地域の場合は、可能な限り高台へ避難し、身の安全が確保されたのちに通信手段を確保します。

情報収集

いつも

もしも

日ごろからラジオやテレビ、気象情報やニュース、SNSなど多角的な情報源を確保しておきます。ただし、SNSなどの誰でも発信できるメディアにはデマ情報が紛れている可能性もあるため取り扱いは慎重に。国や自治体など、公的機関が発信している情報を確認しましょう。また、電池式または手回し式ラジオなら、電気やインターネットが使えない状況でも情報収集が可能です。日ごろは乾電池を抜いておくと、保管中の漏電などの心配もありません。

スマートフォンの通信会社によっては、「緊急速報メール」などの名称で、気象庁が配信する緊急地震速報や津波警報、国や地方公共団体が配信する災害・避難情報を、特定エリアの契約端末に一斉にお知らせするサービスを提供しています。日ごろから、こうしたお知らせの受信設定を確認しておきましょう。

2-2. 地震・津波

避難ルートの確認

いつも

地震・津波と、台風・洪水では災害の特徴が異なるため、安全に移動できる避難ルートが異なるケースもあります。避難場所への最短の道のりだけでなく、途中に倒れやすそうな古いブロック塀などがないか、海岸近くを通るルートになっていないかなど、避難に適したルートを日ごろから確認しておきましょう。
スマートフォンのマップアプリや、非常用のハザードマップなどに、避難ルートや要注意ポイントを書き込んでおくのもおすすめです。

2-3. 台風・洪水

水没リスクへの注意

いつも

洪水の恐れがある場合、防水ケースなどを準備してスマートフォンが浸水で故障しないように対策しておきましょう。ジッパー式ポリ袋は緊急時の代用にはなりますが、ジッパーの閉め残しですきまから水が入ったり、袋が破れたりするリスクも。また避難時、慌てずにスマートフォンや充電ケーブル・アダプターを持ち出せるよう、貴重品とともにまとめておくことも重要です。

避難ルートの確認

いつも

先に説明した通り、地震・津波と、台風・洪水では安全に移動できる避難ルートが異なるケースもあります。台風・洪水の場合、途中にアンダーパスなど冠水しやすい場所はないか、土砂崩れなどで道路が寸断される恐れのある場所はないかなどを確認しておきましょう。

2-4. 大雪

電波障害や停電対策

いつも

大雪の影響で通信障害や停電が発生することがあります。そして、スマートフォンは低気温によってバッテリー性能が下がり、残量が急激に減ることも。モバイルバッテリーと併せて、電池式の充電器なども余裕をもって用意しておくと安心です。

家屋周辺の動線確保

いつも

もしも

屋根や家屋周辺、公道までの通路などは、安全に作業できるときに除雪しておきましょう。除雪せずに放置しておくと、いざという時の避難経路が確保できなかったり、日中に溶けた雪が夜間に凍結して滑りやすくなったり、降雪量によっては雪の重みで家屋に負担がかかり、ドアなどが開けられなくなったりすることがあります。
除雪時には、雪に埋もれたりした際すぐ発見できるよう2人以上で行い、場合によっては電話で助けを求められるように、スマートフォンを身につけておきましょう。

2-5. 噴火

火山灰による機器故障を防ぐ

もしも

火山灰は人体に影響があるだけでなく、スマートフォンや通信機器の端子部、吸排気口などに入り込み、内部を傷めるリスクがあります。
降灰中や、降灰直後(地面から灰が巻きあげられる)はなるべく外に出ず、屋内での情報収集に努めましょう。

3. 外出時の通信確保のための行動ガイド

3-1. 基本的な対応

スマートフォンのバッテリー残量に注意

いつも

あらかじめスマートフォンや携帯電話のバッテリー残量を十分に確保しておき、モバイルバッテリーや充電ケーブル・アダプターを持ち歩く習慣をつけておきましょう。また、省エネモードに切り替える、画面の明るさを下げて暗くするなど、バッテリー消費を抑えられる設定も活用しましょう。
なお先に説明した通り、スマートフォンは低気温によってバッテリー残量が急激に減ることがあります。気温が低いときはポケットの中で温めるなどして温度を保ち、バッテリー切れを防ぎましょう。

公衆電話やWi-Fiスポットの位置把握

いつも

携帯電話の契約回線が通じなくても、公衆電話や公共の無料Wi-Fiが利用できる場合があります。普段から、駅や商業施設などのWi-Fiスポット、公衆電話の場所を確認しておくと安心です。

避難先での通信確認

もしも

外出中に台風や洪水が起きそうな場合は、早めの避難を心がけましょう。避難所や安全な建物に入ったら、まずWi-Fi通信環境や公衆電話の有無を確認し、必要に応じて家族や勤務先、友人などへ連絡します。

身の安全を最優先

もしも

外出時も、まずは自分の身の安全を確保しましょう。例えば地震の場合、揺れている間は転倒の恐れがあるため姿勢を低くし、バッグや上着などで頭をかばいながら揺れが収まるまでその場に留まります。揺れが収まった直後も、建物崩壊や落下物の恐れがあるため、それらの危険がない安全なスペースへ移動しましょう。津波の恐れがある場合は、地形や周囲の標識を確認しながら高台に避難することが最優先です。安否連絡などは、身の安全が確保できてからにしましょう。

災害用伝言板・SNSの活用

もしも

外出時に安否を伝える際などは、電話で直接会話しようとしたり、写真を送って状況を詳しく説明しようとしたりしがちですが、それが原因でつながりにくくなってしまうことも。発災直後のタイミングでは、携帯電話会社が提供する「災害用伝言板サービス」やSNSの「メッセージ機能」を利用し、短文やスタンプで端的に状況を伝えると、混雑時でも比較的つながりやすいと見られています。

3-2. 地震・津波

落下物や倒壊物に注意

もしも

発災直後、特に屋外にいる場合は、思わぬ落下物や倒壊物と接触する危険性も。まずは周囲を確認し、鉄筋コンクリート製ビルの中や、近くに建物のない公園、広い平面駐車場など、安全を確保できる場所へ移動しましょう。

海岸線に近づかない

もしも

発災後、津波の危険性がないと確認できるまでは、海岸線には近づかないようにしましょう。人は足元からわずか30cmほどの津波であっても流されます。スマートフォンなどで情報収集しつつ、油断せず海から離れた場所へ避難しましょう。

3-3. 台風・洪水

浸水リスク・停電リスクの把握

もしも

洪水が起きそうな地域を移動する際はスマートフォンなどでなるべく新しい情報の収集に努め、道路の冠水や停電の発生状況をこまめに確認しましょう。避難は徒歩が原則ですが、やむを得ず車で移動する場合も、水没の危険がないルートを選びます。もし車が浸水しても、ドアが開く深さなら大丈夫などと考えがちですが、水深が車の底面を超えると電気装置が故障し、自動ドアやパワーウインドウが動かなくなったり、水が吸気口・マフラーから入ってエンジンが止まり、再始動できなくなったりする可能性があります。

交通障害の把握

もしも

冠水・土砂崩れなどで道路・線路が寸断されるといった交通障害が起こることも考えられます。移動や避難の際にはスマートフォンなどで最新の道路情報や公共交通機関の運行情報を確認しておきましょう。

3-4. 大雪

交通手段・避難場所を確認

いつも

もしも

大雪で交通網が遮断される可能性があるため、鉄道やバスなどの運行状況を早めにチェックしましょう。スマートフォンが使えなくなる状況に備え、事前に地図や時刻表をダウンロードしておくことも有効です。

転倒リスクに備える

もしも

人通りの少ない歩道や自転車レーンでは、溶けた雪が凍結して滑りやすくなり、転倒のリスクが高まります。身の安全を第一に、移動時は焦らずスマートフォンから手を離し、すり足でゆっくり小幅に歩く、しっかり除雪されているルートを選ぶなどの対策を。

3-5. 噴火

避難経路と立ち入り規制の確認

いつも

もしも

活火山の登山や観光をする際は、噴火警戒レベルや立ち入り規制などの情報をこまめに確認し、常に最新情報を把握しておきましょう。山間部や谷筋などは電波が入りにくい場所も多いため、早めに情報を確認、連絡することが大切です。

火山灰から通信機器を守る

もしも

先述の通り、火山灰により通信機器が故障する可能性があります。屋外ではなるべく鞄などから出さないようにし、出す必要がある場合は端子部までカバーできるケースやビニール袋などで保護しましょう。灰がついてしまった場合は拭き取らずに吹き払うか、防水性能の高い機器であれば洗い流すのがおすすめです。

ゴーグルやマスクなどで健康を守る

もしも

火山灰が大量に降ると、人間の視界や呼吸も妨げられます。ゴーグルや高性能なマスクを着用し、目や呼吸器を守りましょう。コンタクトレンズは灰が入り込んで目の角膜を傷つけるリスクが高まるうえ、痛みで目が開けられなくなることも。ゴーグルの中であっても眼鏡の使用を心がけましょう。

4. 災害時に役立つ通信手段のポイント

災害用伝言板サービス(携帯各社提供)

大規模災害時、携帯各社は「災害用伝言板サービス」を開放します。
家族や友人へ向けた安否情報を登録しておくことができるので、通話がつながらない場合でもメッセージを残せます。

災害用伝言ダイヤル(171)

固定電話(プッシュ回線、ダイヤル回線)、公衆電話、ISDN、携帯電話・PHS、IP電話から171をダイヤルして利用します。市外局番で始まる電話番号、携帯電話・PHS、IP電話の電話番号をキーに、1件30秒までメッセージを録音・再生でき、災害時に混雑しがちな電話回線を分散する効果があります。キーとなる電話番号は、あらかじめ家族で「家の固定電話(市外局番から)」、「母の携帯電話」などを1つ決め、全員で覚えておくのがおすすめです。メッセージを集約でき、家族それぞれの電話番号へメッセージを登録する手間も省けます。

SNS・チャットアプリ

携帯電話の通話回線が混雑した場合は、テキストメッセージやSNS、チャットアプリを使った方がつながりやすいと見られています。短いメッセージやスタンプだけでも、まず「連絡がつくこと」を優先したい場合には役立つでしょう。

IP電話・Wi-Fi経由の通話サービス

携帯電話の通信回線が圧迫されているときでも、Wi-Fi通信が通じていれば、LINE通話やSkypeなどのIP電話サービスが利用できる場合があります。今いる場所から近い公衆Wi-Fiなどを探して活用してみましょう。また、災害時に無料開放される公衆無線LANサービス(公衆Wi-Fi)「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」も覚えておきましょう。

5. 災害時に役立つアプリのご紹介

東京都防災アプリ

防災ブック「東京くらし防災」「東京防災」の閲覧、「マンション防災」に関するリーフレットや関連ページの紹介、遊びながら防災力を高められる「防災クイズ」、「防災シティ」(コンテンツ)などの機能を持つアプリです。「あそぶ」「まなぶ」「つかう」をコンセプトに、楽しみながら防災の基礎知識を得ることができます。

iOS端末の方

Android端末の方

特務機関NERV防災アプリ

現在地の震度予想と主要動の到達をカウントダウンする緊急地震速報、地震・津波・噴火の速報、気象警報・注意報、土砂災害・浸水害・洪水害キキクル、雨雲レーダー、アメダス、天気予報、台風進路、降灰予報、積雪深、Jアラート(全国瞬時警報システム)やダム放流通知まで、1つのアプリでさまざまな防災情報を受信できます。

iOS端末の方

Android端末の方

6. 監修者プロフィール

セコム株式会社

1962年に日本で初めての警備保障会社として創業し、現在はセキュリティ事業を中心に、防災、メディカル、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT事業を展開。セキュリサービスのほか、防災グッズ、安否確認サービスなどの提供で、社会に「安全・安心」をお届けしています。