ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する考え方・基本方針

KDDIは社会インフラを担う情報通信事業者として、24時間365日いかなる状況でも、安定した通信サービスを提供し続けるという重要な社会的使命を担っています。また、情報通信事業は、電波などの国民共有の貴重な財産をお借りすることで成り立っており、社会が抱えるさまざまな課題について、情報通信事業を通じて解決していく社会的責任があると認識しています。この社会的使命、社会的責任を果たすためには、持続的な成長と中長期的な企業価値向上が必要不可欠であり、お客さま、株主の皆さま、取引先さま、従業員、地域社会など、KDDIを取り巻く全てのステークホルダーとの対話、共創を通じて社会的課題に積極的に取り組むことで、安心安全でかつ豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献していきたいと考えています。コーポレート・ガバナンスの強化は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための重要な課題であると認識しており、金融商品取引所の定める「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に賛同し、透明性・公正性を担保しつつ、迅速・果断な意思決定を行う仕組みの充実に努めています。また、KDDIは、社是・企業理念に加えて、役員・従業員が共有すべき考え方・価値観・行動規範として「KDDIフィロソフィ」を制定し、グループ全体での浸透活動を推進しています。
「コーポレートガバナンス・コード」の遵守と「KDDIフィロソフィ」の実践を、会社経営上の両輪として積極的に取り組むことにより、子会社などを含むグループ全体でのコーポレート・ガバナンスの強化を進め、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。

コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスの強化に継続して取り組んでおり、現状、全てのコードについて「comply」としております。

コーポレート・ガバナンスの推進体制

KDDIは、企業価値を高める上でコーポレート・ガバナンスの強化が最も重要な課題の一つであると考え、経営の効率化と透明性の向上に努めています。
現在、KDDIは監査役会設置会社の形態をとり、業務の執行を適切に管理するため、執行役員制度を導入して権限の委譲と責任体制の明確化を図り、有効かつ効率的に業務を遂行しています。また、迅速な経営判断を目指して、社内意思決定フローのシステム化も推進しています。取締役は社外取締役6名を含む12名(男性9名、女性3名)で、うち4名が独立役員で構成されており、コーポレートガバナンス・コードにおいて東証プライム市場上場会社に求められている独立社外取締役比率(1/3以上)の基準を満たしています。また、監査役は社外監査役3名を含む5名(全て男性)で構成しており、社外監査役は全て独立役員に指定されています。独立役員については取締役・監査役合わせて7名であり、高い独立性を確保しています。(2024年6月時点)
社外役員に対しては、業界動向ならびに当社の経営戦略、主要事業、技術開発、コーポレート領域(経営管理・人事・リスクマネジメント・グループガバナンス等)について、各分野の責任者による研修の機会を定期的に設け、理解を深めることで、取締役会における議論の活性化を図っています。さらに、社外役員から要請があった場合には個別研修を設定するほか、必要と考えられる研修や知識向上の機会が得られるようにしています。また、研究開発成果の社内展示会や、通信設備、監視保守センター等の現場を視察いただく機会も設けています。
企業倫理活動、リスクマネジメント活動および内部監査活動については、半期ごとに報告を実施しています。さらに、社外取締役が情報収集力の強化を図ることができるよう、監査法人による第2四半期レビュー結果報告および期末監査結果報告に際して監査役会への同席を得ているほか、監査役との連絡会を四半期ごとに実施しています。このほか、社外取締役間にて連携をとっていただくための社外取締役のみの連絡会や、社外取締役と非常勤の社外監査役の連絡会も、それぞれ開催しています。
これらの取り組みを通じてKDDIの事業に対する理解を深めていただくことにより、取締役会における経営戦略に関する議論の活性化と、経営に対する監督・監視の実効性向上を図っています。
なおリスクガバナンスフレームワークとして、「スリーラインモデル」の考え方に基づいた体制を整備しています。第1線として、各現場部門で施策実施に伴うリスクについてコントロールを迅速に実行します。またリスク管理の状況を第2線へ適宜報告・相談しています。第2線として、リスクマネジメントの責任者であるコーポレート統括本部長は、KDDIグループのリスクマネジメントに関する業務を統括し、その整備、運用状況を、社長、取締役および監査役に報告しています。そして第3線として、1線、2線と独立した形で監査本部による監査を行うとともに、グループ会社の課題の把握と的確なサポートを行い、実効性を高めています。このような体制により、グループ会社とともに成長することを目指します。

コーポレート・ガバナンス体制図

(2024年8月20日時点)

コーポレート・ガバナンス体制の変遷※1

  1. ※1表中に記載の人数は定時株主総会終了時点の人数を記載
  2. ※22000年10月のKDDI発足時の人数を記載
  3. ※3株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程436条の2に規定する独立役員

社外役員の独立性に関する判断基準

会社法上の社外役員の要件および金融商品取引所が定める独立性基準に加えて、KDDIの連結売上または発注額に占める割合が1%以上の取引先の出身者は、一律、独立性がないものとして扱っています。

取締役会および取締役

取締役会では、経営判断の公平性と成長戦略の着実な推進を両立するべく、法令などに定める重要事項や経営計画等の決定において、各領域の責任者を務める社内取締役が説明責任を果たし、さまざまなバックグラウンドを持つ社外役員の知見を活かした活発な議論を行うことで、実効性・公正性が確保された意思決定を行っています。
また、会社運営の基礎となる中期経営戦略・年度計画の進捗状況や達成状況について定期的に報告を行い、目標達成に向けた戦略や経営環境変化等により生じた経営課題への対策など、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据えた審議を行っています。

取締役会における具体的な検討内容

1 中長期戦略 中期経営戦略、経営環境分析等
2 全社計画・進捗報告 年度ごとの各種全社計画、四半期決算、業務執行報告等
3 個別事業部案件 出資、資産取得、他社提携等
4 法令・定款要請事項 資本政策(配当、自己株式関係)、役員人事・報酬、株主総会招集等

取締役会の開催実績(2023年度)

開催回数 社内取締役の出席率 社外取締役の出席率 社内監査役の出席率 社外監査役の出席率
12回 99.0% 100.0% 100.0% 97.2%

取締役会の実効性に関する分析・評価

実施目的

取締役会の現状を正しく理解し、継続的な改善に取り組むため、毎年定期的に取締役会の自己評価を行います。

評価プロセスの概要

  • 全取締役・監査役による取締役会の評価をもとに、その実効性を確認しています。
  • 評価手法はアンケート形式であり、5段階評価と自由記述を組み合わせることで、定量的評価と定性的評価の2つの側面から、取り組みの効果検証と改善点の発見に取り組んでいます。
  • 設問項目の設計、回答内容の集計、改善点や改善策の整理等にあたっては、本年より第三者機関を活用しており、客観性の確保を通じて実効性のさらなる向上に取り組んでいます。
  • 評価対象期間は直近1年間とし、毎年定期的に実施しています。
  • 評価結果は取締役会で報告し、今後の対応策等を検討しています。
  • 主な評価項目は以下の通りです。
1 取締役会運営 頻度、案件数、メンバー構成、資料・説明の分かりやすさ、適切な情報提供等
2 ガバナンスの強化 グループ経営基盤強化に向けた取り組み、企業理念の浸透等
3 中長期的な議論 持続的な企業価値向上に向けた取り組み、事業ポートフォリオの見直し等

評価結果の概要

KDDIの取締役会は適切に運営されており、実効的に機能していると評価されました。特に高く評価されたのは、以下の事項です。

  • 取締役会の構成と運営
    取締役会が果たすべき役割・機能に関する認識が共有されるとともに、その役割・機能を果たすために必要な知識、能力、経験および多様性が確保されたメンバーから構成されている。
    また、取締役会においては定例的な議題を含め過不足なく付議等がなされるとともに、自然災害や突発的事象に対する状況の共有、対応等についても適時適切な報告等が行われている。
  • 持続的な企業価値向上への取り組み
    取締役会においては、特に中期経営戦略や事業投資などの戦略案件について、活発な意見交換や質疑回答が取り交わされており、持続的な企業価値向上の実現に資する取り組みが行われている。

今後の課題

  • 強固なグループガバナンス体制の構築を通じた、経営基盤のさらなる強化
    新サテライトグロース戦略の推進に伴い事業領域が拡大していく中、グループ全体でKDDIフィロソフィをはじめとする企業理念の浸透を図るとともに、社外取締役と監査役間の連携強化や、取締役会によるモニタリング体制のさらなる充実を通じて、より一層のグループガバナンス強化を図っていきます。
  • サステナビリティに関する議論のさらなる充実
    KDDIは「サステナビリティ経営」を根幹として、ESGを巡る課題等について積極的に取り組んでいますが、事業戦略と連動した具体的方策等の議論のさらなる充実を通じて、より一層の企業価値向上、および取締役会の実効性向上を図っていきます。

監査役会および監査役

常勤監査役は、監査業務遂行のため、取締役会のほか、経営会議その他の重要な会議に出席し、必要に応じて意見表明を行っています。
また、稟議書、重要な会議の資料および議事録の閲覧や、本社、事業所および国内外子会社を対象とする監査等を通じて、取締役の職務遂行状況、内部統制システムの整備・運用状況等について重点的に監査を実施しています。代表取締役との間で十分な意思疎通を図り、相互認識と信頼関係を深めるため、監査上の重要課題、監査役監査の環境整備、監査結果および監査に係る要望事項等について、代表取締役との意見交換を年2回実施しています。
非常勤の監査役は、監査役会において常勤監査役の監査の方法およびその結果について報告を受け協議を行うほか、取締役会において経営方針や成長戦略等に関する説明を受け、独立役員としての立場から適宜意見を述べています。
また、代表取締役とのコミュニケーションを促進するため、意見交換を行うための懇談会を年2回実施しています。
このほか、監査役は、会計監査人の監査方針・監査計画や監査体制等が記されている監査計画説明書を入手し、その内容について説明を受け意見交換を実施しています。また、会計監査人より四半期ごとに監査の方法および結果(四半期レビューを含む)について報告を受け、協議を実施しています。加えて、必要に応じて会計監査人と連絡を取り、相互の監査意見の形成に資するための意見交換を実施しています。
なお、監査役の業務を補佐する部門として監査役室を設置しています。監査役室には専任の従業員を配置しており、当該従業員に対する指揮命令権は各監査役に属するものとし、その人事については、事前に監査役会または監査役会の定める常勤監査役の同意を得ています。

監査役会の開催実績(2023年度)

開催回数 常勤監査役の出席率 非常勤監査役の出席率
12回 100.0% 95.8%

監査役監査活動に関する実効性評価

監査役会は、監査役監査および監査役会運営の現状を正しく理解し、その際に認識した課題を踏まえた上で継続的な改善に取り組むため、監査役監査活動の実効性に関する自己評価を実施しています。2022年度までは隔年で実施していましたが、より時流に即した改善を行うべく、2023年度からは毎年実施することとしました。また、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を踏まえて、評価者を社外取締役にも拡大しました。さらに、匿名性の確保および客観的視点の導入の観点から、アンケートの実施および集計結果の分析にあたっては第三者機関の活用を開始しました。なお、評価結果については、監査役会において、今後の対応等に係る検討および合意形成を行うとともに、評価者である社外取締役へのフィードバックおよびその他の取締役に対する情報共有を目的として、取締役会にも報告しています。

評価実施方法の概要

監査役全員による自己評価および社外取締役による評価を基に、監査役監査活動の実効性を確認しています。評価手法はアンケート形式であり、選択式の評価と自由記述を組み合わせることにより、定量評価と定性評価の2つの側面から、監査役監査活動の効果検証および課題発見に取り組んでいます。評価項目および評価者は、以下の通りです。

大項目 小項目 監査役 社外取締役
監査役の構成 監査役の備えるべきスキル
監査役会の運営 資料の事前配布
監査役監査の環境整備 代表取締役との会合
社外取締役との連携
内部通報制度の整備状況
内部通報の報告の妥当性
業務監査 常勤監査役による監査役
監査活動の報告
子会社監査
内部監査部門との連携
会計監査 会計監査
会計監査人との連携
監査の方法 監査計画の作成
コーポレートガバナンス・コードを踏まえた対応 会計監査人の監査の妥当性の判断

評価結果の概要

アンケート結果はほぼポジティブであり、監査役監査活動の実効性は概ね確保されていると評価されました。しかしながら、「社外取締役との連携」「常勤監査役による監査役監査活動の報告」「会計監査人の監査の妥当性の判断」については、非常勤監査役または社外取締役から改善に向けた指摘がありました。

課題と改善

指摘のあった項目を分析した結果、社外取締役に対する常勤監査役からの情報提供のあり方に課題があると認められました。このため、2023年度から主要な監査結果等の随時共有を開始しました。2024年度では、これ迄半期に一度開催していた監査役と社外取締役の意見交換を四半期毎の開催に改め、常勤監査役から社外取締役に対する重要事項説明の機会を拡充します。
なお、アンケートでは「監査役監査の実施にあたって今後重点的に監査すべき事項」等についても意見を求めており、2024年度における監査方針・監査計画の参考としてまいります。

内部監査

KDDIの内部監査は、社長直轄組織である監査本部の内部監査部が担っており、当社のガバナンスに貢献するため、リスクベースの内部監査(KDDIグループの重要な事業・戦略に係るリスクに関連する内部統制の有効性等を評価すること)を実施しています。
個別の内部監査の結果は問題点の改善・是正に関する要請・提言を付して代表取締役社長をはじめとする経営陣に定期的に報告するとともに、四半期ごとに取締役会にて内部監査の実施状況と結果を報告しています。また、監査役とは、概ね月1回の定例会を開催し、個別の内部監査の結果、内部監査の品質活動等について報告、意見交換を行っています。
2024年度よりリスクマネジメントプロセスに対して内部監査を実施しており、KDDIグループのリスクマネジメントの有効性を高めています。さらに、内部および外部による品質評価も実施しており、継続的な監査品質の向上に努めています。

諮問委員会

取締役・監査役候補の指名ならびに役員報酬の体系および水準について、その透明性、公正性を確保するため、取締役会の諮問に基づき審議を行い、助言する機関として、「指名諮問委員会」および「報酬諮問委員会」を設置しています。両委員会とも、議長・副議長および半数以上の委員を独立社外取締役で構成しています。

開催実績(2023年度)

指名諮問委員会は5回開催され、いずれも全構成員が出席し、取締役会に上程される役員人事に係る議案への助言、ならびにCEOのサクセッションプランについての議論等を行っています。
報酬諮問委員会は2回開催され、いずれも全構成員が出席し、取締役会に上程される業績連動型および株価連動型の報酬額の決定、ならびに役員報酬改定に係る議案への助言等を行っています。

社内委員会

  • KDDIグループ企業倫理委員会:当社グループのコンプライアンス関連事項を審議決定
  • ディスクロージャー委員会:決算期に開示する決算情報の審議
  • サステナビリティ委員会:事業を通じた社会課題の解決(SDGs)・社会貢献・環境などの持続可能性関連事項を審議する機関
  • 情報セキュリティ委員会:情報資産に係る統一的な情報セキュリティを確保するための機関

グループ各社の管理についてもシステム・体制などさまざまな面で連携し、KDDIグループ全体としてガバナンス強化を図っています。

取締役会の構成に関する考え方

KDDIは、経営上の重要な事項を含む判断や、法律で求められる監督を行うに際して、取締役会全体として高度な専門的知見と多様な観点を確保するため、性別、年齢、国籍、人種、民族等を考慮の上、次の基準を満たす人物を選任します。

取締役・監査役候補者指名の方針と手続き

指名・選任基準

  • 両候補共通:私心なく、高い倫理観を持ち、役員としてふさわしい人格であること
  • 取締役候補:以下のいずれかまたは複数の基準を満たすこと
    • 各事業分野における専門的知見と経験を有すること
    • 監督者にふさわしい経営上の知見または専門的な知見を有すること
    • 高度な独立性を有すること
  • 監査役候補:取締役とは独立の立場から、経営全般の監視と、より一層適正な監査を実現し得る豊富な経験と幅広い識見を有していること

取締役の指名・選任手続き

  1. 上記の基準に基づき、候補者を選定
  2. 指名諮問委員会で審議
  3. 取締役会で承認
  4. 株主総会で選任

監査役の指名・選任手続き

  1. 上記の基準に基づき、候補者を選定
  2. 指名諮問委員会で審議
  3. 監査役会で同意
  4. 取締役会で承認
  5. 株主総会で選任

取締役の解任等の検討基準

  • 取締役の担当事業の業績や担当部門の活動成果が著しく不良であるとき
  • 職務遂行に関して法令・定款に違反する等の故意または重大な過失により、会社に損害を与えたとき
  • その地位や権限を利用して不当に個人的な利益を得た等の事由により、会社の信用と名誉を著しく傷つけたとき
  • その他、取締役に留まることについてふさわしくないと会社が判断したとき

取締役の解任等の手続き

指名諮問委員会の審議を経て、適時、取締役会で審議し、解任等の必要な対処を行います。

取締役・監査役の多様性・専門性

KDDIグループの持続的成長を実現する観点から、KDDIの取締役・監査役にとって重要と考えられる専門性・経験分野について、6つのスキルを定義しています。
なお、「サステナビリティ・ESG」のスキルは、下記6つのスキルの個々にそれぞれ含まれるものであり、サステナビリティ経営を推進している当社において、役員全員が各スキルを発揮する上で備えるべきものとしています。

各取締役・監査役の保有スキル

役員氏名 企業経営 営業・
マーケティング
グローバル デジタル・
テクノロジー
財務・会計 法務・
リスクマネジメント
社内取締役 田中 孝司
髙橋 誠
桑原 康明
松田 浩路
最勝寺 奈苗
竹澤 浩
社外取締役 山口 悟郎
山本 圭司
淡輪 敏
大川 順子
奥宮 京子
安藤 真
監査役 枝川 登
山下 和保
福島 直樹
小暮 和敏
有馬 浩二

社外取締役・社外監査役の選定理由と主な活動

社外取締役

氏名 当該役員の選任理由
(独立役員に指定している場合は、独立役員に指定した理由を含む)
2023年度の主な活動
山口 悟郎 山口悟郎氏は、大手電子部品・電子機器関連メーカーの代表取締役社長として培われた豊富な企業経営経験および優れた識見を有しています。取締役会においては、経営管理や事業運営等について、中長期的な視点から大局的なご意見を頂戴しており、KDDIの企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および幅広い経営的視点からの助言を期待し、引き続き社外取締役として選任しています。 取締役会出席
(12回中12回出席)
山本 圭司 山本圭司氏は、大手自動車メーカーのIT開発や電子技術部門において培われた優れた識見に加えて、同社マネジメントとしての豊富な企業経営経験を有しています。取締役会においては、KDDIにおける5G/IoT戦略の推進等に、中長期的な視点から大局的なご意見を頂戴しており、KDDIの企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および情報通信分野などにおける専門的視点からの助言を期待し、引き続き社外取締役として選任しています。 取締役会出席
(12回中12回出席)
淡輪 敏
(独立役員)
淡輪敏氏は、大手化学メーカーの代表取締役社長として培われた豊富な企業経営経験およびグローバル視点での優れた識見を有しています。取締役会においては、経営管理や事業運営等について、当社経営陣とは独立した立場で、中長期的な視点から大局的なご意見を頂戴しており、KDDIの企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および幅広い経営的視点からの助言を期待し、引き続き社外取締役として選任しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、引き続き独立役員として指定しています。
取締役会出席
(12回中12回出席)
大川 順子
(独立役員)
大川順子氏は、大手航空会社での勤務経験から、特にお客さま対応、企業再生、ダイバーシティ推進等の実務面において培われた優れた識見に加えて、同社マネジメントとしての豊富な企業経営経験を有しています。取締役会においては、経営管理や事業運営等について、当社経営陣とは独立した立場で、中長期的な視点から大局的なご意見を頂戴しており、当社の企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および幅広い経営的視点からの助言を期待し、引き続き社外取締役として選任しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、引き続き独立役員として指定しています。
取締役会出席
(12回中12回出席)
奥宮 京子
(独立役員)
奥宮京子氏は、法律事務所パートナーや諸委員会の委員等として培われた豊富な経験と優れた専門的知見を有しています。会社経営に直接関与した経験はありませんが、当社経営陣とは独立した立場から、法的リスクマネジメント等について、中長期的な視点を踏まえ、専門的なご意見を頂戴しており、当社の企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および弁護士としての専門的視点からの助言を期待し、引き続き社外取締役として選任しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、引き続き独立役員として指定しています。
取締役会出席
(10回中10回出席)
安藤 真
(独立役員)
安藤真氏は、当社事業と関連性の高い電気通信・情報通信分野に関する優れた専門的知見を有しています。会社経営に直接関与した経験はありませんが、当社経営陣とは独立した立場で、社会インフラを担う情報通信事業者としての戦略策定・事業運営等について、中長期的な視点を踏まえ、専門的なご意見をいただくことで当社の企業価値向上に寄与いただけると判断し、社外取締役として選任しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、独立役員として指定しています。
  • 奥宮 京子氏については、2023年6月21日開催の第39期定時株主総会において取締役に就任した後の出席状況となります
  • 安藤 真氏については、2024年6月19日開催の第40期定時株主総会において取締役に就任しています

社外監査役

氏名 当該役員の選任理由
(独立役員に指定している場合は、独立役員に指定した理由を含む)
2023年度の主な活動
福島 直樹
(独立役員)
福島直樹氏は、長年の行政実務および各種団体の業務執行等により培われた豊富な経験と優れた専門的知見を有しています。これらの経験と知見を、経営全般の監視と適正な監査活動に生かしていただく観点から、社外監査役として選任しています。なお、同氏は、常勤監査役として選定しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、独立役員として指定しています。
小暮 和敏
(独立役員)
小暮和敏氏は、公認会計士、監査法人社員、会計事務所代表等として培われた豊富な経験と優れた専門的知見を有しています。会計を中心としたこれらの経験と知見を、経営全般の監視と適正な監査活動に生かしていただく観点から、社外監査役として選任しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、独立役員として指定しています。
有馬 浩二
(独立役員)
有馬浩二氏は、大手自動車部品メーカーの代表取締役社長として培われた豊富な経験および優れた識見を有しています。これらの経験と識見を、経営全般の監視と適正な監査活動に生かしていただく観点から、社外監査役として選任しています。
また、ご経歴から、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、独立役員として指定しています。
  • 福島 直樹、小暮 和敏、有馬 浩二の各氏については、2024年6月19日開催の第40期定時株主総会において監査役に就任しています

取締役および監査役の報酬

取締役の報酬について

  • 業務執行に携わる取締役の報酬は、中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めるため、各事業年度のKDDIグループの業績、中期経営戦略の目標に対する進捗および株主価値と連動した報酬体系としています。
  • 業務執行を担当せず、経営の監督機能を担う社外取締役には、業績等により変動することのない定額の基本報酬を支給しています。
  • 役員報酬の体系および水準、それに基づき算出される報酬額の決定プロセスの透明性および客観性を確保するため、報酬諮問委員会を設置しています。本委員会は、議長・副議長および過半数の委員を独立社外取締役で構成しています。
  • 基本報酬、業績連動型賞与、業績連動型株式報酬および株価連動型賞与の個人別の支給額は、代表取締役への委任は行わず、報酬諮問委員会の助言を受けて取締役会決議により決定しています。
  • KDDIの役員報酬水準は、国内の同業他社または同規模の他社との比較およびKDDIの経営状況等を勘案し、決定しています。また、外部専門機関による客観的な調査データを参考に、毎年、報酬諮問委員会にて報酬水準の妥当性を検証しています。
  • 取締役の職務に関し、KDDIと取締役との間の委任契約等に反する重大な違反があった者については、業績連動型報酬の支給差し止めや返還請求等を行うこととしています。

取締役の報酬内容について

取締役報酬イメージ

グラフ:縦軸は年収、横軸はKPI達成度など。
  • 代表取締役社長の報酬モデルをもとに作成
  1. ※1株価連動型賞与はEPS成長率・株価変動率により増減するため、グラフはイメージ

役員報酬の内訳

円グラフ:固定報酬が約40%、変動報酬(※2)が約60%。
  • 24.3期の代表取締役社長の報酬実績より作成
  1. ※2CEO変動報酬(②~④)のうち、株式報酬比率は約40%、金銭報酬比率は約60%です。

①基本報酬

役位別の定額を月例で支払う金銭報酬としています。

②業績連動型賞与

以下の算定式により個人別の支給額を算出し、各事業年度終了後、最初に到来する6月に金銭を支給しています。
業績連動型賞与=役位別の基準額×会社業績およびKPIの達成度による掛率

③株価連動型賞与

以下の算定式により個人別の支給額を算出し、各事業年度終了後、最初に到来する6月に金銭を支給しています。
株価連動型賞与=役位別の基準額×係数※3

  1. ※3係数=(EPS成長率×50%)+(株価変動率×50%)
    EPS成長率=当年度末EPS/前年度末EPS
    株価変動率=(当年度末KDDI株価/前年度末KDDI株価)/(当年度末TOPIX/前年度末TOPIX)

④業績連動型株式報酬

以下の算定式により個人別の付与ポイントを算出し、各事業年度終了後、最初に到来する6月にポイントを付与し、取締役退任時に、ポイント数の累計値に応じたKDDI株式を交付しています。
業績連動型株式報酬=役位別の基準ポイント×会社業績およびKPIの達成度による掛率

なお、それぞれの指標の選定理由および実績値は以下の通りです。

会社業績

選定理由:企業の業績を端的に示す基本数値であるため

KPI達成度

選定理由:中期経営戦略における各事業戦略の達成度を測るためのものであり、KDDIの事業拡大や業績向上にリンクする指標であるため
実績値:各事業戦略における指標のほか、ESG関連項目も指標として設定しています。
なお、ESGの重要性を考慮し、23.3期より、ESG関連項目の割合を変動報酬における②業績連動型賞与と④業績連動型株式報酬の算定基準のひとつであるKPI※4全体の約3割まで増加させています。

  1. ※4ESGに関するKPIには、カーボンニュートラルの実現、従業員エンゲージメント、グループガバナンス強化に関する指標が含まれています。

EPS成長率

選定理由:中期経営戦略の目標値として掲げた指標であり、中期経営戦略の目標達成を強く動機付けるため
実績値:0.97

株価変動率

選定理由:株主価値の増減と直接的に連動する指標であり、役員報酬と株主価値との連動性を高めるため
実績値:0.79

株式保有ガイドラインについて

代表取締役社長およびその他社内取締役は、基本報酬の1倍相当の当社株式を保有する方針としています。

監査役の報酬について

監査役の報酬は監査役の協議にて決定しており、KDDIの業績により変動することのない定額報酬のみを支給することにしています。

取締役および監査役の報酬等の額

社外役員のサポート体制

社外役員に対しては、取締役会の開催日程および議題についてあらかじめ連絡することに加え、開催日の3営業日前までに議案資料を送付し、案件に対する理解を事前に促すことにより、取締役会における議論の活性化を図っています。加えて、事前に質問を受け付けており、その内容を踏まえて取締役会当日の説明内容を充実させることにより、実質的な審議の深化にも努めています。
なお、社外監査役を含む全監査役の業務を補佐する部門として監査役室を設置しています。

親子上場に関する方針

KDDI子会社のうち、沖縄セルラー電話株式会社(以下 沖縄セルラー)は東証スタンダード市場に上場しています。
KDDIはグループとしての成長を掲げており、KDDIのアセットを最大限活用し、グループ会社の成長を支援することで、相互シナジーの最大化とグループ全体での新たな成長基盤の拡大・強化を目指しています。
また沖縄セルラーは、複数の地元有力企業の多大なご協力をいただいて設立された経緯があり、地元に貢献する地域密着型の企業としての色彩が強い会社です。
こうした経緯を踏まえ、沖縄セルラーが上場企業であることに以下のメリットがあると考えており、引き続き沖縄セルラーを上場子会社として有する意義があると考えています。

①出資者への還元

沖縄セルラーは、上場企業としての株主還元施策を実施することで、設立時にご協力いただいた地元企業などの出資者および上場以来ご支援いただいた投資家の皆さまへの還元が可能となります。
なお、沖縄セルラーの株主還元方針については、中長期的な事業成長と株主還元のバランスを勘案し、全ての株主の利益を考慮した上で決定すべきと考えており、実施については独立した上場企業として同社の判断により決定することとしています。

②沖縄県の雇用への貢献、優秀な人財の確保

現在、多くの沖縄県出身者が沖縄セルラーに入社し、活躍しています。地理的な特性を踏まえると、沖縄セルラーが、業務区域を沖縄県のみとしていることが地元就職を希望する沖縄県出身者のニーズに合致しており、かつ、沖縄セルラーが上場企業であることが優秀な人財の採用にもつながっていると考えています。

③沖縄県民の信頼獲得による沖縄セルラーのサービス利用促進・契約増加

沖縄セルラーは、KDDI同様のサービスに加え、地域の実情を踏まえた独自のサービスも提供しています。地域密着型の上場企業として地元の期待を背負って事業運営に取り組んでいることで、沖縄県民の信頼を獲得することができ、それが沖縄セルラーのサービス利用促進および契約増加につながっていると考えています。

なお、利益相反の恐れがある取引については、沖縄セルラーにおいて、独立社外取締役および独立社外監査役による多面的な議論を経て、取引の実施の可否を決定しています。加えて、沖縄セルラーでは、取締役会の諮問機関として独立社外取締役が中心となって役員の指名・報酬を審議する任意の委員会も設置されており、経営者の指名・報酬に関しても、沖縄セルラーの独立役員による議論を経て決定し、透明性を確保しています。また、KDDIと沖縄セルラーの取締役を兼任している役員については、利益相反を適切にコントロールするために、両者に関係する事項の決議・審議には一切参加しないこととしており、独立性を担保しています。
こうした取り組みにより、少数株主保護の観点から経営の透明性を確保した上で、企業価値向上と株主還元により株主の皆さまの期待にお応えしていきます。
KDDIはこれからも、沖縄セルラーと相互に独立性、自主性を尊重しながら、協力して事業運営を行い、グループとしての発展を目指していきます。

政策保有株式に関する方針

KDDIは、お客さまにご提供するサービスの多様化・高度化には、さまざまな企業との連携などが必要不可欠であると考えています。
このため、政策保有株式を保有することがKDDIの事業目的に資するかを総合的に判断し、KDDIグループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上につながる場合に保有しています。
KDDIは、保有の意義が希薄と考えられる政策保有株式については、できる限り速やかに処分・縮減していく基本方針のもと、毎年度、取締役会で個別の政策保有株式について、政策保有の意義、経済合理性などを総合的に判断して、保有継続の可否および保有株式数を見直します。
なお、経済合理性については、直近事業年度末における各政策保有株式の金額を基準として、これに対する、発行会社が同事業年度においてKDDIの利益に寄与した金額の割合を算出し、その割合がKDDIの定める資本コストに係る基準を満たしているかを検証します。

株主との対話

KDDIにとって、株主・投資家の皆さまは事業継続への良き理解者・強力なサポーターであり、特に重要なステークホルダーであると認識しています。従ってKDDIは、株主・投資家の皆さまとの信頼関係の構築を経営の最重点事項と位置付け、企業価値経営の実践、積極的な情報開示、コミュニケーションの充実に努めています。
経営陣からKDDIの業績を直接説明する場として、決算説明会を四半期ごとに開催しているほか、国内外の投資家の皆さまとの個別ミーティングやスモールミーティングの実施、証券会社主催の各種カンファレンスなど、コミュニケーションの充実に継続的に取り組んでいます。

株主総会活性化および議決権行使の円滑化に向けての取り組み状況

施策 内容
株主総会招集通知の早期発送 電子提供(ホームページへの掲載)および郵送のいずれについても、法定期日より1週間程度早く開示・発送しています。
集中日を回避した株主総会の設定 集中日を回避して開催するよう努めています。
電磁的方法による議決権の行使 インターネット議決権行使サイトからの行使を受け付けています。また、QRコードを読み取ることで議決権行使サイトにログインすることができるシステムも導入し、株主の皆さまの利便性向上に努めています。
議決権電子行使プラットフォームへの参加 「議決権電子行使プラットフォーム」に参加しています。
招集通知の英文での提供 招集通知の英訳(全訳)をKDDIのホームページ、インターネット議決権行使サイトおよび「議決権電子行使プラットフォーム」にて提供しています。
その他
  • コーポレート・ガバナンス報告書より抜粋
  • より多様な株主の皆さまが株主総会へご参加いただけるよう、株主総会会場においてヒアリングループ(磁気ループ)、車いす席をご用意しています。
  • 当日の議事進行や質疑応答を遠隔地からご視聴いただけるよう「ライブ中継」を実施しています。なお、ライブ中継についてはリアルタイム字幕サービスを導入しており、当社の株主総会の模様を字幕でもご確認いただくことができるようにしています。
  • インターネットにて「事前質問」をお受けし、株主さまとのコミュニケーションの活性化に努めています。
  • 株主総会当日、会場へのご来場が難しい株主の皆さまにも株主総会の様子をお伝えするため、当社ホームページでオンデマンド配信を実施しています。オンデマンド配信時には字幕テロップをお付けしており、誰でも自由にご覧いただけるようにしています。

買収防衛策の導入の有無

買収防衛策の導入の有無 なし