- KDDIホーム
- 企業情報
- 地域共創 (Te to Te)
- 地域共創の取り組み事例
- 岐阜県飛騨市 スマート農業システムの実証事業
岐阜県飛騨市 スマート農業システムの実証事業
2019年4月からはじまったスマート農業システムの実証事業
水管理の作業時間の削減状況は?!
飛騨市の抱える課題
水田10a当たりの作業時間 (水稲8ha作付農家)
水田の水管理は総労働時間の約5割を占めており、農家の負担を減らす「省力化」が課題となっています。
水田の水管理はお米の収量や品質に密接に関係しており生育ステージや気象状況などに応じた細かな対応が必要です。これまでは農家の方の経験と勘で実施されていました。
水管理の作業時間を7割以上削減!
「水田センサー」と「自動水門装置」を導入し水管理にICTを活用したことで約7割の省力化に成功しました。
水田センサー
水位・水温・地温を計測することにより、1時間に1回クラウドにデータを送信します。農家の皆さんはスマホで情報を確認可能のため見回りに行く回数が軽減されました。水位異常時はアラートが発信されるため必要な対応を必要な時に実施することができるようになりました。
自動水門装置
水門とコードをつないだ水位センサーが連動し、水位低下時に水門の円柱が下がり自動で水門を開けることにより、水門の開閉作業を自動化しました。初期登熟時に水温を高くしないといけない時でも今までは「水を当てっぱなし」にせざるを得ませんでしたが、自動水門を導入したことで適当なタイミングで適量な給水が可能になりました。
担当者さまインタビュー
左: 飛騨市 地域振興課主査 土田 憲司さま
右: 飛騨市 農業振興課主任 上田 俊雄さま
飛騨市のお米は近年、米・食味分析鑑定コンクール国際大会で多くの賞を受賞するなど、その評価を高めていますが、農家の高齢化や減少による生産性の向上が課題となっています。
KDDI様からご提案いただいた水田の水管理省力化は、単なる機器の提供に留まることなく、ご担当者様が現地に何度も足を運んでくださり、設置作業以外にも農家の疑問や要望に真摯に応じていただいたことで労力削減以外の効果が表れています。それは、長年の経験と勘を頼りにしていた圃場管理において指標となる数値が出来たことにより、これらを活用して更なる品質向上につなげたいという営農意欲の向上に寄与していることです。
引き続き、KDDI様のお力を借りながら、生産性や品質の向上に向けて取り組んでいきたいと思います。
KDDI担当から
KDDI株式会社
ソリューション事業本部
ビジネスIoT推進本部
地方創生支援室
田中一也
2018年度から兵庫県豊岡市様で「スマート農業」を開始し、効果が確認できたため、協定を締結させて頂いた飛騨市様でも本年度から開始しました。
飛騨市様の案件では、「自ら体を動かす」ことを意識し、炎天下に機器設置作業を行ったり、稲刈り後の機器のメンテナンスを行い、会社にいては「絶対にわからない」使い勝手や改善点が見えました。
今回は目標であった「水管理の作業時間を80%以上削減する」ことは残念ながら達成できませんでしたが、改善点は明確ですので次年度では必ず達成できると考えています。また、飛騨のお米は第21回米・食味分析鑑定コンクールでも多くの農家さんが入賞する美味しいお米ですが、知名度に少し課題があります。その「知名度向上」「販路拡大」にもKDDIがお役に立てないか検討していきたいと考えています。
赤い法被の方々が飛騨市関係者の皆様