モバイル
2016年3月末の日本の携帯電話累計契約数は、前期末比4.3%増の1億5,648万契約 (注1) となりました。
フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行や、一人のユーザーが複数のデバイスを利用する「マルチデバイス化」が進むことで、モバイル市場は引き続き拡大を続けています。
また、ネットワーク・端末の進化による快適なモバイル利用環境の整備に伴い、モバイルコンテンツおよびモバイルコマース市場の規模も拡大している中で、通信事業者は新たな収益源として、通信以外のサービスへ事業領域を拡大しつつあります。
一方、日本のモバイル市場における環境変化としては、電波の割り当てを受けた通信事業者 (MNO) からネットワークを調達してモバイルサービスを提供するMVNO (注2) の新規参入が活発化しています。2016年3月末のMVNOサービス契約数は、前期末比32.5%増の1,269万契約 (注1) となり、モバイル通信市場に占めるシェアは7.8%まで拡大しています。総務省が2014年10月に発表した「モバイル創生プラン」の中で掲げられている「2016年中約1,500万契約」の目標に向けて、今後も拡大が見込まれます。
固定ブロードバンド
全国総世帯数に占めるFTTH世帯カバー率は9割超、CATVのホームパス (注4) も7割超に達しており、日本の高速ブロードバンド利用環境はほぼ整備されています。
2016年3月末の固定ブロードバンドサービス契約数は、前期末比2.8%増の3,781万契約 (注1) となりました。
固定ブロードバンドサービスの普及率がすでに約7割に達している状況ではあるものの、2015年3月から開始したNTT東西の光アクセス回線卸売を利用する新規事業者参入や、モバイル各社による固定とモバイルのセット割引サービス販売が進む中で、市場は緩やかに拡大を続けています。
モバイルトラフィックの増加
スマートフォンやタブレット端末の普及、端末の性能向上、通信技術の進化に伴い、日本のモバイルトラフィック量は急増しており、月間平均トラフィックは直近1年で約1.4倍に増加しています。
特に、モバイル利用の最繁時の平均トラフィックは、月間平均に対し約1.5倍の水準となっており、モバイル通信各社にとって、増加するモバイルトラフィックを効率的に収容し、設備投資を抑制しつつ、ネットワークを安定的に稼動させることが重要な課題となっています。