モバイル
2017年3月末の日本の携帯電話累計契約数は、前期末比4.0%増の1億6,273万契約 (注1) となりました。
スマートフォンの普及拡大や、一人のユーザーが複数のデバイスを利用する「マルチデバイス化」が進むことで、モバイル市場は引き続き成長を続けています。
また、MNO (注2) からネットワークを調達してモバイルサービスを提供するMVNO (注3) の契約数も大きく伸張し、前年同月末比6.8%増の1,586万契約 (注1) となりました。モバイル通信市場に占めるMVNO契約数比率は9.4% (注1) (注4) (SIMカード型契約に限定すると5.9% (注1) (注4) に達しており、今後も拡大が見込まれています。
さらに、あらゆるモノとインターネットがつながるIoT分野では、低消費電力での広域通信が可能な「LPWA」(Low Power Wide Area) の仕様が確立し、IoT時代に必要な通信環境が整いつつあります。企業や地方自治体などにおけるIoTの活用事例も増えており、モバイル市場のさらなる拡大が見込まれます。
なお、IoTにより創出される市場全体の規模は、2015年の5,200億円から2022年には3.2兆円まで拡大 (注5) するとの予測もあり、今後、モバイル市場の規模拡大を牽引すると考えられています。
固定ブロードバンド
全国総世帯数に占めるFTTH世帯カバー率は9割超 (注6)、CATVのホームパス (注7) も7割超 (注8) に達しており、日本の高速ブロードバンド利用環境はほぼ整備されています。
2017年3月末の固定ブロードバンドサービス契約数は、前年同月末比2.3%増の3,869万契約 (注1) となりました。
固定ブロードバンドサービスは、普及率がすでに約7割に達している状況ではあるものの、モバイルとのセット割引型サービスの普及が進むことや、NTT東西の光アクセス回線卸売を利用する事業者による新規市場の開拓などにより、市場は緩やかに拡大し続けています。
非通信事業領域
国内通信事業が安定成長期へと移行しつつある中、モバイル通信各社は、新たな収益源の確保に向けて、国内通信事業の顧客基盤を活用することにより、非通信事業領域での収益化に向けたさまざまな取り組みを積極化させています。
また、オンライン上のモバイルコンテンツサービスの決済手段としてキャリアビリングが浸透していることに加え、オフライン領域におけるサービスの決済手段として、通信会社独自のクレジットカードを提供するなど、オンライン・オフライン双方の収益を取り込む仕組みを整えています。
モバイルトラフィックの増加
スマートフォンやタブレット端末の普及および性能の向上、通信技術の進化などに伴い、日本のモバイルトラフィック量は増加し続けており、月間平均トラフィックは直近1年で1.4倍に増加しています。
特に、最繁時の平均トラフィックは、月間平均に対し約1.4倍の水準となっており、モバイル通信各社にとって、増加するモバイルトラフィックを効率的に収容し、ネットワークを安定的に稼働させることが重要な課題となっています。