モバイル
2018年3月末の日本の携帯電話累計契約数は、前期末比4.1%増の1億7,009万契約 (注1) となりました。スマートフォンの普及拡大や、一人のユーザーが複数のデバイスを利用する「マルチデバイス化」が進むことで、モバイル市場は引き続き成長を続けています。
また、MVNO (注2) の契約数も大きく伸張し、前期末比16.0%増の1,840万契約となりました。モバイル通信市場に占めるMVNO契約数比率は10.6% (SIMカード型契約に限定すると7.4% (注3)) に達しており、今後も拡大すると見られるほか、2019年秋には、第4の通信事業者の参入も見込まれており、日本のモバイル通信市場は新たな局面を迎えています。
さらに、あらゆるモノとインターネットがつながるIoT分野においては、LTEネットワークを使用して低消費電力で広域通信が可能な「LPWA」(Low Power Wide Area) の仕様が確立し、さまざまな商品・サービス領域でIoT活用が本格化しています。
なお、IoTにより創出される市場全体の規模は、2017年の9,300億円から2023年には4兆400億円まで拡大 (注4) するとの予測もあり、モバイル通信市場拡大の牽引役としての期待が持たれています。
固定ブロードバンド
全国総世帯数に占めるFTTH世帯カバー率は9割超 (注5)、CATVのホームパス (注6) も7割超 (注7) に達しており、日本の高速ブロードバンド利用環境はほぼ整備されています。
2018年3月末の固定ブロードバンドサービス契約数は、前期末比1.9%増の3,935万契約 (注1) となりました。
固定ブロードバンドサービスは、普及率がすでに約7割に達している状況ではあるものの、モバイルとのセット割引型サービスの普及が進むことや、NTT東西の光アクセス回線卸売を利用する事業者による新規市場の開拓などにより、市場は緩やかに拡大し続けています。
非通信事業領域
国内通信事業が安定成長期へと移行しつつある中、モバイル通信各社は、新たな収益源の確保に向けて、国内通信事業の顧客基盤を活用し、コマースをはじめとした非通信事業領域の収益拡大に向けた取り組みを積極化させています。
その拡大を支える決済手段として、オンライン上ではキャリアビリングが浸透していることに加え、オフライン領域においても各通信会社が独自のクレジットカードを提供しており、オンライン・オフライン双方の収益を取り込む仕組みが整いつつあります。さらに、QRコードを使った決済への取り組みが進むなど、キャッシュレス化の動きが加速しています。
モバイルトラフィックの増加と通信各社への周波数割当の状況
スマートフォンやタブレット端末の普及および性能の向上、モバイルコンテンツサービスの多様化、通信技術の進化などにより、日本のモバイルトラフィック量は増加し続けており、月間平均トラフィック・最繁時トラフィックともに、直近1年で約1.4倍に増加しています。
モバイル通信各社にとって、増加し続けるモバイルトラフィックを効率的に収容し、ネットワークを安定的に稼働させることが重要な課題となっています。