国内市場とKDDI
モバイル通信事業の市場環境
2019年3月末の日本の携帯電話累計契約数は、前期末比4.5%増の1億7,773万契約 (注1) となりました。スマートフォンの普及拡大や、一人のユーザーが複数のデバイスを利用する「マルチデバイス化」が進むことで、モバイル市場は引き続き成長を続けています。
MVNO (注2) の契約数も引き続き拡大し、前期末比13.8%増の2,094万契約となりました。
2019年秋には、電気通信事業法改正や消費税増税によるモバイル市場の端末販売低下や第4の通信事業者の参入などが見込まれており、日本のモバイル通信市場は新たな局面を迎えています。
国内通信事業が安定成長期へと移行しつつある中、モバイル通信各社は国内通信事業の顧客基盤を活用して、新たな収益源の確保に向けて非通信事業領域の収益拡大に向けた取り組みを積極化させています。その一方、非通信事業者が通信事業に参入する動きも出てきており、通信と非通信の垣根を越えた競争が熾烈化しています。
このような環境下において、日本政府は2025年の目標としてキャッシュレス決済比率40%を掲げるほか、消費税増税時の景気対策として、期間限定でキャッシュレス決済額に対するポイント還元を検討するなど、キャッシュレス決済の普及・拡大に向けた取り組みを積極化させています。
その中で、新たな決済手段であるスマホ決済は、加盟店側の初期投資負担が軽いことから小規模店舗までの裾野拡大が期待されており、この状況を好機と捉える数多くの事業者が、スマホ決済事業の拡充に注力しています。
モバイル契約数シェア (注3) (2019年3月末)
各国のキャッシュレス決済比率の状況 (2015年)
固定ブロードバンド事業の市場環境
2019年3月末の固定ブロードバンドサービス契約数は、前期末比1.5%増の4,025万契約 (注1) となりました。
固定ブロードバンドサービスは、普及率が既に約7割 (注5) に達している状況ではあるものの、モバイルとのセット割引型サービスの普及が進むことや、NTT東西の光アクセス回線卸売を利用する事業者による新規市場の開拓などにより、市場は緩やかに拡大し続けています。
FTTH契約数シェア (注4) (2019年3月末)
固定ブロードバンド契約数の推移 (注1)
IoT事業の市場環境
あらゆるモノとインターネットがつながるIoT分野においては、LTEネットワークを使用して低消費電力で広域通信が可能な「LPWA」(Low Power Wide Area) の仕様が確立し、さまざまな商品・サービス領域でIoT活用が本格化しています。
IoTにより創出される市場全体の規模は、2020年に日本で14兆円、世界では247兆円まで拡大するとの予測もあり、モバイル市場拡大の牽引役として期待が持たれています。
CPS/IoT市場の日本・世界需要額見通し
モバイルトラフィックの増加と通信各社への周波数割り当ての状況
スマートフォンやタブレット端末の普及および性能の向上、モバイルコンテンツサービスの多様化、通信技術の進化などにより、日本のモバイルトラフィック量は増加し続けており、月間平均トラフィック・最繁時トラフィックともに、直近1年で1.2倍に増加しています。
モバイル通信各社にとって、増加し続けるモバイルトラフィックを効率的に収容し、ネットワークを安定的に稼働させることが重要な課題となっています。
国内のモバイル月間総トラフィックの推移
国内のモバイル通信業社への周波数割り当て状況 (2019年4月10日現在)
- 統合レポート2019 (オンライン版)
- マネジメントメッセージ
- 持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現
- 価値創造の軌跡
- 中期経営計画 (2020年3月期~2022年3月期)
- リスクと成長機会
- 特集: 新たな成長ステージを目指して
- 通信とライフデザインの融合
- 5Gによる新たな成長機会と社会課題の解決
- パートナーとの提携によるビジネス拡大
- 社外取締役メッセージ
- KDDIのサステナビリティ
- セグメント別事業概況: パーソナルセグメント
- セグメント別事業概況: ライフデザインセグメント
- セグメント別事業概況: ビジネスセグメント
- セグメント別事業概況: グローバルセグメント
- 国内市場とKDDI: 国内市場の特徴
- 国内市場とKDDI: KDDIの状況