CFOメッセージ

先行きの情勢を慎重に見極めつつ、業績予想および中期経営計画の達成を目指す

企業価値最大化に向けて

コーポレート部門最高責任者に就任してからの2年間、企業価値の最大化に向けて、財務・非財務の両面から取り組んでまいりました。
財務面では、事業成長・構造改革を伴うEPS成長などの中期経営計画で掲げた目標の達成を最優先事項として取り組んでいますが、市場環境の変化が激しい通信業界において長期かつ安定的に成長していくには、経営資源を柔軟に獲得・活用するための財務基盤の強化も必要と考えています。そのために、売掛金回収の早期化 (CCC (注) 改善)・効率的な設備投資・クレジットカード債権の流動化などによるキャッシュ・フローの最大化や、バランスシートを意識した取り組みも進めています。
一方、非財務面では、ESGの公正かつ適切な開示に向けてWEBサイトの情報を充実させているほか、ESG説明会や株主・投資家の皆さまとの対話を通じて得たご指摘を真摯に受け止め、改善につなげています。また、2030年に向けたSDGs目標として、災害対策・通信基盤の強靭化、地球環境の保全など、8つの領域の目標を設定しました。公共インフラを担う企業の使命として、さまざまな社会課題に積極的に取り組み、社会と共に成長する企業を目指します。さらに、多様で優秀な人財を惹きつける人財ファースト企業への変革を推進します。ニューノーマルな時代の新たな働き方や、DX人財の育成を強化することで、イノベーションの創出・生産性向上を図り、企業価値の最大化につなげていきます。

  • 注)
    CCC: Cash Conversion Cycle

企画価値最大化に向けて

キャッシュ・アロケーション

引き続き持続的な利益成長のための成長投資を最優先に考えており、競争力の維持・強化を目的とした設備投資と、成長領域におけるM&Aを実施していきます。
2021年3月期の設備投資は、5G投資を積極的に進める一方で4G投資は減少することから、前期と同水準の6,100億円を見込んでいます。また、中期的には年間6,000億円水準でコントロールしていきます。
M&Aは、[1]「通信とライフデザインの融合」の基盤となるグループIDの最大化、[2]売上拡大とエンゲージメント向上によるライフタイムバリューの最大化、[3]5G/IoT時代のケイパビリティ獲得による新たな価値提供、[4]グローバル事業の拡大を中心に検討していきます。
株主還元は、中期経営計画に基づき、配当性向「40%超」に加え、機動的な自己株式取得を実施していきます。

コロナ禍における資金繰りについて

ストックビジネスである通信事業は、フロービジネスに比べて新型コロナウイルス感染症の影響が小さく、グループ全体のキャッシュ・フローに大きな影響は出ておりません。
KDDIは、コロナ禍の長期化やさらなる不測の事態に備え、手元資金について従来よりも余裕を持ったオペレーションとしているほか、コミットメントラインをはじめとした金融機関からの資金調達手段も確保しております。

株主・投資家の皆さまとの対話

株主・投資家の皆さまは、事業継続への良き理解者・強力なサポーターです。
皆さまとの対話の中で、KDDIが目指す「持続的な利益成長と株主還元強化の両立」についてご理解いただけるよう努めるとともに、皆さまから頂戴する貴重なご意見を経営に活かしていきます。
強固な信頼関係の構築を経営の最重点事項と位置づけ、企業価値経営の実践・積極的な情報開示・コミュニケーションの充実をお約束いたします。

このページを印刷する
文字サイズの変更

KDDI IRの最新情報を配信します。