2006年3月期第3四半期決算説明会 (質疑応答)
移動通信事業
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- 3Qでauのコミッションが低い水準となった背景は? これは持続可能か?
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端末納入価格の低減が一番大きい。3Qは、WIN普及機および1Xの比率が高かった。今後は春モデルなど高機能な端末をそろえている分、コストは高くなってくるが、共通プラットフォームの採用によってコスト削減できる部分もある。
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- 来期のコミッション水準はどうか?
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サービス競争により機能UPでコスト増となる部分と、販売台数の増加や共通プラットフォームで下げられる部分と、それぞれの要素がある。
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- MY割と3カ月くりこしについて。MNPでau有利といわれている中で、あえてこれを出す狙いは何なのか? また、既存ユーザ分での減収影響額はどのくらいか?
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MY割の大きな狙いは、家族単位の囲い込みが進む中、auを使いたい単独の人のチャーンイン障壁を崩すという狙いがある。リテンションの強化にもなる。くりこしについては、auだけやっていないもので、くりこしを希望される方が多いため。システムの都合で8/1の実施にはなるが、早く発表してauもくりこしをやることをアピールし、リテンション強化を図る。影響額については試算中だが、年間で2~300億円だろう。これと別に顧客増の効果がある。
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- 料金施策について、今回発表の1の矢で終わりか? それとも、2の矢、3の矢があるのか? 少なくともドコモが対抗してくることは必至だが、なぜ今でなければならなかったのか?
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年間最大の商戦期である春商戦の前にサービスと端末と料金を出すということが狙いだ。そこでよい戦いをすれば3年連続純増NO.1を達成でき、MNPにつなげていける。他社追随はもちろん覚悟してのことだが、ターゲットを絞り割引の効果を十分に吟味した上でサービスをだしているので、むやみやたらに割引の競争をするつもりはない。
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- 利益を犠牲にしてまでもシェアが大事なのか? 利益をだしながら中長期的にシェアを30%までもっていくことはできないのか?
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バランスだと思っている。ある程度利益を守りながら販売する。新規市場が減少しているので他社のユーザを狙うしかないが、ここでムリをすれば解約率に響くし、そういう経験は各社とも積んでいる。30%の意味あいは、3社ある中で1/3のシェアがなければ、コスト競争力もつかないと思う。ドコモとの差のどこまでが規模による部分なのか。ただし、短期的に費用を使って急激にシェアをあげることは考えていない。
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- 携帯の指標がいい状況だが、営業利益の修正が210億円増にとどまるのは、機種変更が増加しているからか? ツーカーからの同番移行で通常発生しないコストがあるからか?
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要因は、(1) 販売台数について、新規はツーカー同番移行による増で、機種変更は解約率低減の施策による増とある。(2) 4Qは端末の調達単価が上がるので、コミッション単価を上げようと思っている。(3) 料金値下げが3カ月フルに効く。(4) ARPUではアクセスチャージの遡及精算などがある。一言で言うと、春の商戦で売りにいくためのコスト。それとネットワーク設備の除却も予定している。
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- ツーカーの要因は大きくないのか?
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何か特別なコストがあるわけではなく、台数の増加分だ。
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- 同番移行の件をどのようにとらえているか。特に、メルアドを変えなければならない部分は大きいと思っていたのだが?
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ツーカーのお客さまは年代的にメールを使う方が少なく、例えアドレスが変わっても連絡先が限られているので簡単で済む。2月からはメルアドを引き継げるようにするが、お客さまの動向をみたい。
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- LISMO (au LISTEN MOBILE SERVICE) のビジネスモデルについて、他社は追随できるのか? できるとしたらどのくらい時間がかかるのか?
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LISMOはどういう意義があるかというと、1つはEZ「着うたフル (R)」のバックアップとして、ケータイの容量がフルになるとそれ以上は買わなくなるので、これで流通が増える。2つは、PCでDLするとARPUが下がるとの指摘があるが、リッピングするユーザほど音楽に関心が強く、単純に利用機会が増えることで流通も増える。接触が増えるので、音楽だけでなくECなどもできるようにする。他社追随については、当社も立ち上げに1年半~2年はかかっており、端末、アプリ、DRM (デジタル著作権管理) など、すべてをそろえた垂直統合モデル。そこまでやる場合は同じだけの時間がかかる。ドコモの場合、加入すればストリーミングし放題となるサービスをやると聞いており、それでは音楽業界の協力を得られないのでは。
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- メディアフローの企画会社を設立したが、710-722MHz帯が確保できるかにかかっていると思うが?
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確かに周波数の問題が一番大きい。なぜこの時期に出したのかというと、今年の6-7月に総務省が周波数の見直しをかけるということなので、その前に手をあげておくということ。
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- 新しい収益源を狙っていくということか?
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もちろんそうだ。
固定通信事業
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- 固定通信の数字について、従来見通しと比べるとメタルプラスの獲得が減ったのに費用が増えているイメージだが、170万開通を超えた時に来期の見通しはどうなるか?
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来期はメタルプラスの赤字幅は縮むが、光によって損益状況は変わるだろうと見ている。今期の修正要因について一番大きいのは、(1) 開通50万の減による売り上げ減、(2) GC展開が遅れたことによる売り上げ減、(3)ARPUが想定よりも低い点、(4) 着信アクセスチャージ収入が伸びていない点、(5) 直販と代理店による間販の比率が当初想定より変わり、間販が高くなっているため販売費が平均して高くなっている、この5点。
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- ライブドアのWiFiサービスのネットワークを旧パワードコムが提供していたと思うが (事件があり) 足下の状況はどうなっているのか?
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今のところ、お支払いなどはまったく問題ないと聞いている。今回の件があって当社側で何か見直しをかけるという話は今の時点ではない。
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- 売掛金は大きくないか?
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長期契約であり途中解約についてもきちっと決めているので、問題はない。
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- 固定通信の収入はメタルプラスの効果を織り込んでいると思うのだが、その要素を除くと従来型のサービスでのトレンドをどうとらえているか?
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メタルプラスを入れても減少傾向なので、メタルを除いてもさらに減少だ。マイラインではNTTコムにとられている部分があるが、メタルプラスの増分は既存マイラインユーザと新規とで半々くらいにはなっているので、出ていく分はメタルプラスでしっかりとっていきたい。メタルプラスを始める前に比べ、アクティブユーザが50万くらい増えているので、きっちりやっていけば大丈夫。
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- メタルプラスは、開通数、開局数、ACは少なくなっているが、投資額は変わらないと思うので、損益分岐点の見込みは変わってきているのでは? どのくらいのユーザをとらなければならないのか? また、固定通信の黒字化はいつ実現させるのか?
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損益分岐はいろいろと計算しているが、今日は控えたい。メタルにしろ、光にしろ、お客さまさえとれれば見えてくるが、例えばソフトバンク式にガンガンやって早めに黒字にする方法と、ある程度赤字をおさえながら多少時期はかかっても損益分岐まで持っていく方法とあると思う。それと、auの増収増益とのバランスでみざるを得ない。基本的には増収増益を維持したいと思っており、今の時点では悲観的にはなってない。
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- auの場合、いまの競争力であれば、しっかり売ればしっかりとれると思うが、固定のほうはどうなのか? 例えば、規制が変わらなければとれないのか?
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光については、価格の問題や設備投資も大きく、ある程度の時間がかかる。ただし、東電との提携も3社合併の時も同じだが、KDDIとしてはNTTの対抗軸になるということが大きな目的だ。従って、固定を切り離すことは考えていない。それは日本の通信業界のためにならない。
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- 市場では光が増えてきた感があるが、その辺を見て来期の戦略を変える必要があるのか。月次の光の増え方をみて、どのくらいが転換点だと考えているか?
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難しい。まず関東とほかのエリアでは考え方を変えざるをえないだろう。東電との議論中なので待ってほしいが、のんびりしている訳にはいかない状況だと思う。まさしく、来期の目標を作る時は大きな議論になる。
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- 来期の投資は、光の先行投資がある程度はいってくるとみていいか?
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難しい。我々はメタルプラスでCDNを作っているので、追加コストは多くはない。設備投資としてはそう多くないが、むしろ販売戦略をどうとるかが大きな要素。
連結業績
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- 08/3期の利益水準はどうなるのか。当初の考え方と比べて、メタルプラスの損益分岐が高くなっている、東電の件もでている、などの変化があるが、来期が横バイで08/3期に大きく上がるという、従来の説明に対しては現状どうなっているのか?
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議論中であり詳細は申し上げかねるが、大きな傾向としては今までと変わらない。細かい影響は当然出るが、将来の流れに大きな影響は及ぼさないと思っている。
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- 減損の効果は来期に何があり、どういう形で出てくるのか?
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ツーカーの減損は、やれば来期の償却費が約200億円削減される。
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- 減損の対象になるものはもうないか? 固定通信でパワードコムとの重複資産はないか?
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今回の減損はかなり利用率の低いものを対象にしている。ツーカーは移行の状況を踏まえて通期に織り込んだ。パワードコムの分については未精査だが、大きな減損はないと思う。
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- 次の本決算で精査後の状況は報告していただけるか?
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本当に必要であれば、当期純利益が減ってもやるというのが基本だ。
そのほか
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- 竹中総務相の「通信と放送の在り方に関する懇談会」について、どういう意見があるか?
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当社に対して意見表明の要請は今のところまだ来ていないが、IP化の議論と両輪で動くと見ている。IP化の件については、2/1に意見表明をする予定。竹中さんのほうは、昨日の第1回目の資料をみるとNTT問題も入っているようなので、我々にとって悪い話ではないだろうと思う。
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- IP化の件では、何を主張するのか?
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IPの進展により通信事業者の状況がどう変わるかを説明する。つまり、IP化が進めば進むほどアクセス系の需要が増えるので、ダークファイバーやドライカッパーなどをきちんと開放してください、ということ。NTTの中期計画は、それに全く逆行している。NTTは法律の範囲内で再編をやるというが、法の精神については逸脱していないのか。
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