2006年3月期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- 07.3期の営業利益予想3,180億円のコミット度を確認したいが、東電の光カンパニー統合やMNPは加味しているのか?
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東電の件はデューデリジェンスもまだ終わっていないので、影響は折り込んでいない。MNPについては端末の販売数はそれなりに見込んでおり、よほど大きな台数増加がない限り、営業利益は確保可能と見ている。
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- FTTH分を吸収し得るものは入っていないという理解でよいか?
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ある程度の赤字は折り込む必要はあるだろうと見ている。
質問者2
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- ARPUや解約率も厳しめであり、機種変更についても、もう少し台数が出てもよいと思うが、コミッションや台数のバランスはどう考えているのか?
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解約率も上期は下がるが、下期はMNPで上がると見ており、見通しを特段悲観的・楽観的に見ていることはない。ARPUについては、前年比音声で-500円を見ているが、主な理由は、(1)「くりこし」導入を含めての料金値下げの影響 (2) MoUが150分に低下 (3) ツーカーの同番移行などによる希薄化などである。データARPUは4Qにキャンペーン効果もあり1,960円に跳ねたので、4Qを見る限り、保守的に見えるかもしれない。総務省の調査によると「ユーザの15%程度はMNP利用意向」ともあり、年間十数%は動く可能性もある。月次で見れば1%弱解約率が上がる計算になる。機種変更のコミッション単価は自然体でと考えている。
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- 業界全体ではなく、auの解約率も同様に上がると見ているのか?
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業界全体よりは低めに見ている。
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- 固定でFTTHの事業統合がフルに効いてくる08.3期はどの程度の赤字を見ているのか?
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デューデリジェンス終了前でもあり、希望的観測も入るが、FTTH統合を入れても、前期06.3期が底の見通し。
質問者3
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- Yahoo!/Vodafone連携について、Yahoo! 検索や開放型での展開への対応策は?
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ダウンロード型コンテンツはauの利益の源泉でもあり、今後も拡充を図っていく。Yahoo!/Vodafoneのオープンサイト化についても、PCサイトビューアーの増加や検索エンジン強化の検討もしており、十分対応可能と見ている。データARPUの収益をほかにどこで確保するのかがないとYahoo! はもうかっても、Vodafoneのインフラ投資が成り立たないだろう。インターネット上の決済についてもauで検討しており、決済を考えた場合、PCとauのどちらでのダウンロードがいいのかも考える必要があるだろう。
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- 東日本以外のエリアでのFTTHで、KDDIとソフトバンク提携に経済的合理性はあると思うか?
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メリットは余りない。バックボーンは両社で持っており二重投資になるので意味はない。
PNJを通じ、ほかの電力会社ともいろいろとスキームを考えており、一部合意もある。電力会社がソフトバンクに流れるとは見ていない。
質問者4
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- FTTHは共同販売でも今期12万純増なのか? 販売体制は?
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当社の販売分のみでTEPCO光は入っていない。今期末29万稼動は、6月頃からの統合サービスがメインとなるが、光プラスマンション分も入っている。新規は量販店を中心に、既存はADSLからの移行も考えている。
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- 共同販売でも今期加速しないのか?
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6月からといってもプロビジョンニング、申込みフローの整備などもあり、下期には月次2万ペースに持っていきたい。
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- 今期の利益を上期と下期に分けるとどうなるか?
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移動通信は通期で微増だが、下期はMNPがあるため厳しい。その分上期は利益を見込んでいる。
質問者5
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- FMC展開を考えると、現在ケータイとブロードバンドの契約数のバランスが悪いがau/ツーカーで3,000万加入に対し、数年先にどれだけのブロードバンド顧客が必要で、そのために必要な経営コストをどう見ているか?
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全体でシェア3割はバランスがよいが、FTTHで3割とるとなるとかなり時間がかかる。光は個人より法人の方が先行しており、法人系を伸ばすのが大事。皆さんも法人系は値下げ圧力で収支が厳しいと見ていたかと思うが、 (1) パワードコムとの合併で販売力も強化 (2) 価格競争も従来の日本テレコム、NTTコム、KDDI、パワードコムの4社体制から、実質NTTコムと当社の一騎打ちに変わってきており、価格競争も過去ほどは厳しくなくなってきている。パワードコム合併の効果はまだ合併3カ月ではあるが、(1) Powered Etherは日本でシェア、顧客満足度ともにNo.1であり、KDDIの豊富なサービスと組み合わせることで法人市場での競争力向上と、(2) 営業力強化が図れた。法人向けはクロージングまでに半年はかかるので、数字ではまだ示せないものの、営業の現場で胎動は感じている。
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- FTTH事業統合の方式は?
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未定。株式交換をしても大きな希薄化はないと見ているが、希薄化があれば、キャッシュもという選択肢もあるだろう。
質問者6
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- MoU150分という見通しは、既存ユーザが下がるのか、それとも新規ユーザによる希薄化か?
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今期の市場純増は400万の想定で、残っているユーザは小学生やシニア層。新規の希薄化に加え、ツーカー・ユーザのauへの移行、既存ユーザの音声からメールへのシフトなども折り込み、今期150分と見ている。
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- FMC推進にもかかわらず、DIONが減少しているのは、DIONのダイヤルアップ・ユーザが他社に流出するとの前提か?
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ADSLに取り込み、あるいは一足飛びにFTTHにセルアップを図っていきたいが、なにぶん当社のADSLのシェアが低いこともある。
質問者7
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- パワードコム合併の効果で価格やトラフィック面での変化は?
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まだ、効果を具体的な数値で申し上げられる段階にはないが、今後出てくると見ている。
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- ツーカーのauへの同番移行による収益の押し上げ効果はあるのか?
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ツーカーの中でもまずはARPUが高めのユーザから移行。残ってくる層はARPUも低くなるが、そこにどれだけコミッションをかけて移行させるのか。プリペイドからの移行を含め、今期の同番移行は90万と見ており、残り60万はauのプリペイドがEメール対応でないため流出、あるいは家族と同じキャリアにするため他社流出もあると見ている。
質問者8
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- 今期MNPで600億の費用増と200万純増を考えると、次の08.3期のauの営業利益は4,000億円超えをイメージしているのか?
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今期のMNPの状況を見て、来期どうするかは考えるが、来年度の上期でMNPもひと段落。解約率も落ち着き、利益水準も上がる。ただし、どの程度上がるかは現時点では不透明な条件もあり、下期のMNPを見てみないとなんともいえない。
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- 3Mカメラやワンセグなど今後部材費上昇となりそうな端末のイメージは?
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WINも高機能機、ミドル機、普及機とあるが、春モデルでワンセグやHDD対応の高機能機を出したが、数量はミドル機・普及機が多い。今後も高機能機はフラッグシップモデルとして出していくが、今と割合はそう変わらない。LISMOのように今後も音楽とのコラボレーションを強調していく。
質問者9
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- 堅めの加入者目標でもあり、移動通信の今期の営業利益3,550億円にどれだけ意味があるのか? 経営的には外してもいいと考えているのか?
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MNPはシェア拡大のチャンス。コミッション単価37,000円を増やすことは考えていないが、その範囲内でできる限りはやっていく。仮に100万台増えればどうなるかは皆さんの方が想定できると思う。
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- FTTHは時間もかかるので5年後を見据えて、ノーマライズした固定の設備投資のイメージは?
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メタルプラスのNGWやCDN構築もほぼ終わりであり、FTTHで今後増える可能性があるとすればIPマルチキャストの普及に伴う映像関連の投資。総務大臣にもIPマルチキャストを放送として認めて欲しいとの要望を出している。ただし、現状はIPマルチキャスト用設備もそれなりに打っているので今期解禁になっても影響はない。
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- 映像配信の投資の方がアクセス系よりも重いということか?
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アクセス系はPONの設備を打ってあれば大きくないが、増分コストとなると映像。
質問者10
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- 2012年までの周波数再編やIPマルチキャストを含め、全体の設備投資の水準は?
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周波数再編対応は2012年までに終える必要があるので、今期・来期がauの設備投資のピーク。FTTHを含めても5,000億円を越えない範囲で十分賄えると見ている。
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- 以前のように償却費の範囲の水準にはならないのか?
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auについてはそうなるが、時期はお話できない。
質問者11
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- WILLCOMは月次7-10万の純増ペースだが、今期の市場全体で400万純増見通しに同社は入っているのか?
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純増はケータイだけで、WILLCOMは入っていない。(1) ジュニア・シニア層の伸び (2) 法人市場の伸び (3) ドコモのPHSからケータイへの移行などを折り込み、400万純増と見ている。
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- FCFの使途で、有利子負債の返済は?
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FCFの使途は合併当時2.2兆円の負債を抱え、有利子負債返済が最重要だったが、今は「戦略とスピード」で、まずは設備投資。有利子負債の返済は自然体でと考えている。
質問者12
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- 今期の営業利益について、auはMNPで、固定は光カンパニーで減少するリスクもあるが、来期4,000億円も出るので、前期比減益もあり得るとの理解でよいか?
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来期4,000億円出るとは言っていない。基本は増収・増益。大きくコスト、つまりコミッションをかけずにMNPでとれるのであればこんなチャンスを見逃す手はない。減益の可能性がゼロかというと、現時点では下期になってから考えるとしか言えない。
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