2007年3月期第1四半期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- 固定電話事業の減価償却費は310億円で、通期予想に対する進捗率も高いようだが、この理由は具体的に何か?
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前年下期の投資の増分が効いてきており、また計画が少し低かった点もあり、多少、通期予想に対する進捗率が高くなっている。
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- 「関東エリアで、東京電力との連携によりFTTH事業の成功モデルを構築」と資料にあるが、具体的にどういうイメージを描いているか?
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まず、STEP1として、関東エリアで成功させなければ他エリアで成功するはずがない。商品開発も含めて、東電とさまざまな連携を考えている。STEP2としては、東電の成功モデルをもとに、ほかの地域電力に対してシナジー効果をアピールできればと考えている。
質問者2
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- FTTHの販売チャネルについて、従来から変化はあるか?
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次のような販売チャネルを考えている。(1) 今後ISPフリーとする予定なので、ニフティなどほかのISPの販売力を活用する。(2) 量販店のチャネルを加え、KDDIとTEPCOのそれぞれの強みをうまく生かす。(3) auショップなどauの販売ルートでの試みも開始する。(4) ホームページのリニューアルを行い、直販を強化する。
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- メタルプラスは、上半期で年間計画の数字を達成するのでは?
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今後、関東エリアはFTTHにシフトしていくが、地方都市についてはFTTHはまだなので、ADSL加入増が課題である。また、ARPUを上げていくような、中身の質を上げていくような施策を考えていかなければならない。
質問者3
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- 携帯電話市場におけるauの競争優位を維持していくための施策は、どのようなものを考えているか?
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お客さまに価値を認めてもらえる商品力に尽きる。コンテンツ、端末、それらに対応できる独自サービスへの取り組みの強化で、優位性を確保していきたい。
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- コストについてはどうか?
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コミッションという面では、端末コストを下げることが重要。先日発表した新開発スキームを来期から採用していく予定であるが、これがコストセーブにつながっていくと考えている。
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- TU-KAと合わせたARPUのトレンドは? また今後、どのようなペースになるか?
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前年同期比 -130円 (-1.9%)。auだけのARPUを見ると、TU-KAによる希薄化、料金値下げの影響もあったが、トータルでこの程度に抑えられている。MNP向けには、「無期限くりこし」の導入で料金施策は打つべきものは打った。できればこの水準のARPUを維持していきたいが、シニア・エルダー・ジュニアに展開していくことで下がることもありうる。音声ARPUは下がったとしても、データARPUは高く維持したい。
質問者4
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- 「端末価格を高くする代わりに通信料を安くする料金体系を消費者が選べるような策を総務省が検討」との報道について、KDDIとしてはどう考えているか?
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総務省の勉強会においては、コミッションをなくすことが日本のためにならないという声もある。いずれにしても今の段階でなんらあわてることはない。仮にコミッションをやめろというのであれば、KDDIとしては、端末調達価格で優位性のある今やめたいくらいである。ただ、そう簡単にやめることはできないと見ており、例えば法的な手当ては必須だろう。
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- auの基地局の数が、他社と比べて大きく差が出ているが、インフラ面でサービスの劣後などの影響は出ていないか?
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単純に言えば、800Mと2G/1.7Gの差で、セル設計に大きな影響はない。むしろオプティマイゼーション (最適化) をどこまで上手に行うかにサービスの差は出てくる。逆に言えば、当社としてはCDMAで経験済みのため、オプティマイゼーションをきちんと行っており、基地局が少ないことは問題にはならない。いずれにしても、当面は、すでに設備を打っている我々の方が有利だろう。
質問者5
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- 携帯電話のプラットフォーム統合化について解説してほしい、また統合するということはコストダウンのメリットの一方で、メーカーのフレキシビリティをなくすことになるのではないか?
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まず、W-CDMA陣営も我々と同様のコストダウンへの取り組みをとるのではないか。その意味では、我々は先行しているという認識である。
フレキシビリティについては、各メーカーごとに得意分野があり、またデザイン面も含めて差別化は可能であると考えている。
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- 具体的なコストダウン効果の数値はどのくらいか?
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コストダウンについては、メーカー8社が2つのグループになるということで、単純に見れば1/4が考えられるが、実際には1/3程度か。
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- ソフトバンクもメデイアフローをやるといっているが、周波数の割り当てなど、どのような影響が考えられるか?
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ソフトバンクが何をねらっているのかわからない。したがって、現状では答えられない。
質問者6
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- 移動通信事業のEBITDAマージンが前年同期比で下がっているが、TU-KAの減損がなかった場合どうだったのか?
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EBITDAマージンはTU-KAの減損に加えてCDMAの初期設備の償却終了などの影響で減価償却費が下がったことによるもの。TU-KA減損による年間の償却費減少は260億円程度であり、四半期に直すと影響は約65億円程度となる。
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- 固定通信事業のEBITDAマージンの、対前年同期比での改善の要因は何か?
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メタルプラスの増収、PWDの合併効果などにより利益が改善したのが大きな要因。
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- 固定通信事業のEBITDAマージンは今後のこの水準を維持できるか?
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メタルプラスの投資が一段落したため、維持は可能である。問題は、FTTHでどれくらい売り上げがあがり、また投資をしていくかによる。いずれにしても、大きく動かないような形でコントロールしたい。
質問者7
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- 設備投資の通期におけるアロケーションは?
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移動通信事業は、800MHz/1Xが650億、800MHz/1X-EVDOが170億、2GHzが1,240億、その他共通が1,270億。固定通信事業は、FTTHが60億、メタルプラスが60億、CDN構築関連が200億、ネットワークIP化が70億、そのほかが490億。
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- auのデータARPUを上げていくにあたり、プロダクトミックス以外にどのようなことが考えられるか?
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PCサイトビューアの利用喚起により、定額制到達上限を4,200円から5,700円に引き上げていく。Google検索エンジンの導入でPCサイトに違和感なく誘導していき、データARPU向上に貢献させたい。
Googleについては、今のコンテンツへのアプローチの裾野を広げるのが目的。EZwebとオープンインターネットの双方を対象とし、オープンインターネットへのアクセスを押し上げ、データARPU向上につなげたい。
質問者8
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- PCサイトビューアの月額5,700円という料金水準は高いのでは? 今後値下げなどありうるのか?
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当面、値下げは考えていない。
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- 移動通信事業のEBITDAは前年同期比で8%増であるが、成長がスローダウンしているのでは?
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個人向けのビジネスは以前に比べスローダウンしているのは事実だが、法人の一般端末はまったく別の動きを示している。一方モジュール系は、ARPUは低いが数は出る。いずれにしても利益成長は今後も続くと見ている
現状がまったくの「静かな状態」かというと、TU-KAの同番移行でかなり精力的に動いており、移行コストがここにきて利益を落とす要因になっているという面も否めない。
また、MNPのあとは大きな波乱がくるかもしれないだろう。
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- 法人サービスにおいてソリューションのパッケージングはできそうか。またその手ごたえは?
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手ごたえはある。昨年度比新規加入が6割アップ。今年度も同じ成長率を追求していきたい。
また、法人ソリューションユーザ100社のうち、40社は何らかのソリューションが乗っているとみてよい。個人にないもので、別のARPUを生み出す要因にもなる。
質問者9
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- Google検索の定量データの開示は? 一般/公式サイトへのwebアクセスの比率など。
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サービスを開始したばかりなので数値に関してはお話しできない。Googleでは、携帯一般サイトだけではなく、PC一般サイトもねらっている。
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- 東電提携など、回線自前化によるインパクトは?
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PWD合併により、auのバックボーンの回線使用料の外部流出はかなり減っている。東電FTTHについては、現時点では明確な数字はない。NTTに支払うものを自前化するが、すでに構築されたNTTのGCリングを使うCDN設備などは大きく変わらないだろう。
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- 移動/固定の会計のセグメント分けが将来変わる可能性はないのか?
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当然ありうる。ウルトラ3G以降、どのように案分するかは大きな課題だが、当面は今のような区分になる。
質問者10
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- FTTHにおける成功例とは? 具体的に教えてほしい。
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現在、東電との統合サービスではまずはホーム向けに開始しているが、特に関東エリアではマンションにどう食い込んでいくかが課題。東電との提携で、オール電化マンションとセットでアプローチしたい。インフラを担う事業者は実質2社ということで、新規5割が目標。ホームについては、短期的には新規獲得5割を目指す。トータルシェアで3割が目標。
単に回線獲得ではなく、本当にFTTHを使う意味を訴求した商品を出していく。
世帯数で言えば、ホーム1,000万世帯がターゲットになる。マンションについては、東電との協議で決めていく。
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- auの新規シェアが上がってこないのはなぜか?
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昨年下期、一時新規のシェアが落ちたが、現在は持ち直してきている。新規マーケットとして、シニア・エルダー・ジュニアはドコモに先を越されてしまったが、今後、この層にも力を入れたい。MNPにおいては流動率を上げて新規シェアを獲得したい。
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