2007年3月期中間決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- FTTH事業統合後の固定通信事業の赤字は、FTTH除きで損益がトントンになったにしても、東電側の今期の赤字見込みが250億円であることや今後の獲得コストを勘案すると、1,000億円を突破するシナリオもあるのではないか?
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FTTHを除いたベースでは来期ブレークイーブンに達し、その後はメタルプラスも利益に寄与してくる。もっとFTTHを早期に拡販すべきとの意見もあるかもしれないが、コストコントールをしながら、と考えている。昨年度の赤字613億円がボトムで、これを超える経営をするつもりはない。
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- 無期限くりこしの前受けの影響が第3四半期にはさらに拡大し、また、MNPで入ってくるユーザも高いARPUは期待できないと考えると、ARPUの通期見通し、6,580円は達成可能か?
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無期限くりこしの影響については、お客さまの利用状況によっても変わるが、第3四半期の影響拡大を見込んでも、データARPUは好調に推移しているので、トータルでは、若干上回る可能性もあると見ている。
質問者2
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- 上期の移動通信事業は利益進捗もよいが、下期は競争力強化のために何をやるのか? 同様に固定も損益が改善しているが、1月以降の差別化のために何をやるのか?
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利益進捗がよいので施策の自由度は増すが、利益が出たからと言ってあえて経費を使って何かをやるということはない。固定通信事業の赤字が改善したのは、ひかりoneの立ち上げが遅れたこともあり、拡販が低調だったため。第3四半期以降はキャチアップすべく、拡販していく。
質問者3
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- 固定通信事業の赤字が613億円には届かないという際のイメージは、600億円に近いのか? それとも2-300億円あたりなのか?
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連結で増収増益とすることが私 (社長・小野寺) の使命と考えている。移動通信事業でどれだけ利益が伸ばせるかにもよるが、来期の利益も見ながら、FTTHを最大限拡販していく。
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- プレゼン資料p.24の08.3期の増益イメージはどの程度か?
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当面は値下げ競争の状況にはないとはいえ、来年度以降の他社の動きも見えないのでなんともいえないが、今上期の増益も2桁成長であり、できるだけ2桁を目指していきたい。
質問者4
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- FTTH事業統合後の必要な設備投資額、および、拡販のスピード感は?
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基本的にはエリアはできており、今後必要な設備投資はドロップケーブルのみ。拡販スピードは赤字をどこまで認めるか次第であり、「いつまでに」というと誤解を与えかねないので、勘弁してほしい。
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- 他社もHSDPAを導入し、サービス面でキャッチアップしてくると思うが、今後どう対抗していくのか? また、HSDPAは今後12カ月で見た場合、脅威か?
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HSDPAはEV-DO Rev.0と同様に下りの速度が速くなるだけ。我々はRev.Aも導入予定だが、むしろ、今の時点では、Rev.AよりもBCMCS (BroadCast / MultiCast Services) の方がよりコスト競争力があると見ている。ニュースフラッシュを一時間ごとに配信しても無料にできるのは、BCMCSによりすべてのユーザに同時配信可能なためだ。ユニキャストだと、ユーザが増え、データ量も増えるとネットワークが逼迫するのでこうはいかない。当社のインフラの競争優位はまだまだあると考えており、コスト競争力とサービスで他社に先行していく。
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- ドロップケーブルのみでよいということは、今の東電のインフラの延長でよいのか?
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すでにこの6カ月間に中間局・分散局に東電と共同でPON ( = TEPCOひかりとは異なる共用型の設備) を打っている。エリアも十分できており、当面はこれで戦っていける。
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- 現在EZチャンネルが余り利用されていない理由をどう見ているのか?
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ユーザの受けの良いLISMOを中心としたLISMOチャンネルなど、従来の音楽に加え、今後は動画に力を入れていく。EZチャンネルは従来有料番組がメインだったが、EZチャンネルプラスについては当社も番組制作に協力し、無料モデルで拡販していく。
質問者5
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- 他社がHSDPAで14.4Mbpsのスピードをアピールしてきた場合はどう対抗するのか?
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技術的には14.4Mbpsはあり得ないので心配していない。体感速度もRev.0とそれほど変わらない。
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- ドコモのスーパー3Gは2GHzで20MHz利用という話もあるが、Enhanced 3Gはバックワード・コンパチビリティ ( = 既存システムとの後方互換性) が完全にはとれない中で、次世代の周波数の使い方はどう考えているのか?
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2012年の800MHz再編後は10MHzの空きが出てくるが、それ以上の帯域が必要な場合には2GHzをどう使うかにもよる。放送のデジタル化で空く周波数に加え、ツーカーの1.5GHz、マイクロの4G、5GHz帯もあり、割り当て可能な周波数は今までよりも出やすくなるだろう。将来的には周波数よりも、モバイルでそれだけのスピードでやるだけの需要があるかを見て、あとはコストをどう下げていくかにもよる。
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- コンテンツで、オープンなものだけではなく、クローズドもやっていく妥当性はあるのか?
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並存は可能だと見ており、Google導入後、公式サイトへのアクセス数は減少させずに、オープンサイトへのアクセス数は増加している。クローズドについては、我々はプラットフォームを提供し、コンテンツ・プロバイダーの力により、我々のサービス性を上げるというバリューチェーンを作っている。バリューのあるものを権利を守りながらユーザに提供する、というクローズドのビジネスは伸びており、今後も続けていく。au My Pageはストレージに加え、My Yahoo! のように、今までのすべてのサービスに横串をさしていくものであり、ご期待いただきたい。
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- 放送が検索利用などのトリガーになっているという理解でよいか?
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テレビCMは元々PCでの検索を意識したものになっていたが、秋以降はケータイ各社の検索機能も充実してくる。今後、放送をトリガーとしたケータイ検索→アクションは、公式コンテンツ利用も含め、期待できるだろう。
質問者6
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- プレゼン資料p.17のRev.B、Enhanced cdma2000の導入は決定したのか? 今後設備投資は現在の連結4,500億円から大きく増えるのか?
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会社として導入は決めてはいない。Rev.B以降はスペックすらまだ完全に固まっておらず、あくまで3GPP2 ( = CDMA2000陣営) でのロードマップと考えていただきたい。
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- 今後、営業利益率10%、EBITEDAマージン20%をどのくらいに上げていくのか?
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通期の決算発表では中期的なものについても話せるように準備をしているので、お待ちいただきたい。
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- 中期計画のようなものが出るとの理解でよいか?
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お話しできるようにしたい。
質問者7
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- Rev.Aのカバレッジの計画は? 今後2GHzの投資が大きく増えるのか?
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Rev.Aは、今期末までに東名阪、来期末までに主要都市に拡大予定であり、当面は2GHzと800MHz再編後の新周波数に展開していく。
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- 2GHzのエリア展開は大変だと思うが?
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2GHzを使うところは2GHzだけでも大丈夫なように、エリア拡大だけではなく、エリア内のカバレッジもきっちり作るように指示している。
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- FTTHでシェア30%に到達するには、「600億円の赤字が底」の足かせを見直さざるを得ない局面も出てくるのではないか?
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600億円の赤字の枠を見直すのはまだ先だ。単に量販で金をばらまくのではダメ。新たに販売網を構築しており、その成果を見てからだ。
質問者8
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- 来期の純増のイメージは? ネットワークの中期的な収容能力はどう見ているのか?
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来期の純増はMNPの状況を見てからであり、MNP開始後2カ月程度で見えてくると思う。2GHzと800MHzを使えばキャパシティの問題はない。むしろ一人当たりのデータ利用をどうするかによる。市場の伸びは、コンシューマについては人口の制約があるが、法人モバイルは別だ。法人モバイルはハンドセット型、カード型、マシーン・トゥ・マシーンの内蔵モジュール型の3種類がある。ハンドセット型は法人担当のモバイルソリューション事業本部ベースで見ると、新規販売で前年比60%の伸び。カード型も低速のPHSでは物足りないとの声も聞かれ、順調だ。モジュール型は現在、車やセキュリティがベースだが、まだまだこれから伸びる市場だ。
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- FMBC (固定、モバイル、放送の融合) でワンストップが可能な中核となる商品群はあるのか?
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FMBCの具体的な検討も進んでおり、早い時期にお話しできると思う。ケータイと放送が一体になったものになるが、具体的には勘弁してほしい。
質問者9
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- ITUテレコムで社長が講演をするが、どのような内容か、さわりだけでもお聞かせいただきたい。
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今回12月に香港で開催されるが、ジュネーブ以外での開催は初めてだ。準備は進めているが、内容については、後日講演集も出ると思うのでお待ちいただきたい。
質問者10
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- auとツーカーの加重平均ARPUとMoUの四半期実績は? 音声ARPUが弱いが、通期のARPU見通しは達成可能か?
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昨年度の第1四半期が6,590円、第2四半期は6,720円、今年度はそれぞれ6,460円、6,400円。MoUについては手持ちがないので、別途IR室より回答させる。 (回答: 昨年度の第1四半期のMoUは152分、第2四半期は155分、今年度はそれぞれ143分、143分)。第2四半期のMoUは前年同期比で落ちが大きく見えるが、希薄化の影響に加え、昨年度は台風3つ、集中豪雨2回、総選挙で前四半期対比4分伸びた特殊要因がある。要因分析をした上で通期のARPU見通しは達成可能だと見ている。
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- ツーカーの移行について、最後に残るプリペイド・ユーザはコストもかかると思うが、どうするのか? 巻き取らないという選択肢はないのか?
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プリペイド・ユーザの移行には苦労すると思うが、当社はPDC時の移行経験もあるのでコストは把握している。最終の巻き取りについては検討を進めており、決まり次第お知らせする。auのプリペイドはEメールを提供していないので、結果として移行されないことはあるかもしれないが、auへのご紹介はきっちり行っていく。
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