2008年3月期第3四半期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- 上期までの音声APRUが好調なため上方修正しているが、「誰でも割」の浸透による減収は当初見込みの200億円と比べてどうなのか? また第3四半期の音声ARPU4,090円が前年同期比10%以上下落している要因は?
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前年同期比480円のARPU下落要因は、MOUの減少4割、料金施策の浸透が4割、着信通話料単価下落が1割である。
「誰でも割」については12月末で11,211千契約となっている。足元からすると当初想定の200億円を上回る減収となっているが、今回の業績見通しには織り込み済みである。
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- 2月1日からのソフトバンクのホワイト学割開始により、今期業績に影響はあるのか? また春商戦に何か用意しているのか?
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ホワイト学割への具体的な対応策は現在検討中である。「無料」のインパクトがある事は強く認識している。2、3月は若年層が動く時期でもあるので、われわれも積極的な販売施策を実施していく。なお、当社としては、ある一定期間に契約した方だけが割り引きを受けられるスキームを導入するつもりはない。
質問者2
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- データARPUはどこまで上昇すると見ているのか? また上方修正後でも第4四半期のデータARPUは伸びていないように見えるが、今後のデータARPU向上施策は?
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データARPUは堅調に伸びている。われわれのユーザー層は、若年層やエンタメ系を好んでいる方が多いので、ポータルやさまざまな広告などによる当該層への訴求が功を奏しているとみている。また第3四半期は、PCサイトビューアーの利用促進や拡販などの訴求を地道にやってきており、第4四半期も継続して行っていく。EZの公式サイトに加えてオープンサイトのトラフィックも大きく伸びている。これからの時代を考えると双方のビジネスモデルを生かす必要があり、これに大きく舵を切りながら対応していく必要があると考える。
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- 第4四半期の販売一時金が総額1,620億円と第3四半期比320億円増加し、またMNP開始直後の昨年度第4四半期 (総額1,700億円) 並の水準となっているが、春商戦はかなり積極的にやっていくのか?
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年度末3,000万契約に向けて、春商戦は昨年並に積極的にやっていくつもりである。
質問者3
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- 3,000万契約は目前だが、その先はどうするのか? シェアの拡大と利益拡大のどちらを目指すのか?
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当然の事ながらシェアの拡大は狙っていく。ただし、どこまでお金を掛けて契約者数を増やしていくかは充分検討する必要がある。常に申し上げているように連結ベースで増収増益を継続する事が重要と考えており、この部分との兼ね合いにもよる。通期決算の時には来期見通しの話になるので、その際に方向性をお話ししたい。
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- ひかりoneの契約者目標を下げているが、固定通信事業の費用総額はあまり変わってないように見える。変わった部分は何か? またメタルプラスの黒字化は想定通りに進んでいるのか?
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固定通信セグメントについては、コストの問題だけではなく、実は既存音声系サービス (マイラインやこれに付随する市外電話・国際電話) の落ち込みが想定以上であり、この部分の利益が出てこなかったのが誤算である。FTTHのコミッション単価は大きく変えておらず、今の時点ではFTTHの赤字が大きく拡大したのではなく、ほかで期待していた利益が出なかったと理解いただきたい。メタルプラスについては今期の黒字化は難しい。個人向けは単月黒字化しているが、法人向けの立ち上げが遅かったのが影響したものであり、来期は間違いなく黒字化となる。
質問者4
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- 移動通信セグメントの設備投資が期初見通し比200億円増加している理由は? 来期分の前倒しなのか? それともauの設備投資水準において何か見込み違いが出ているのか?
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基本的な考え方は変わっていないが、auは想定以上にデータ系サービスが伸びており、Rev.Aの投資が増えている。2011年度の800MHz周波数再編に向けて多少前倒しの面はあるが、年度で見てもトータルで6,000億円を大きく超えるような想定はしていない。来期については今後検討していく。なお、トータルの設備投資にはJCNを連結子会社化した影響も含めている。
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- 固定通信セグメントは今期640億円の営業赤字だが、過去は前々年度の赤字 (613億円) 以上いかないと言っていた。既存音声系サービスもFTTHも厳しいとなると、今後どのような水準になるのか?
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一昨年の赤字以上いかないと申し上げていたが、今回その水準をぎりぎりオーバーしている。固定通信セグメントは、法人向けと個人向けを合わせたものであるが、法人向けではパワードコムの合併効果がはっきり表れ、増収増益基調になっている。この部分は今後も継続的な増収増益基調が見込める。その一方で、厳しいのは個人向けである。ただし、ブレークイーブンの契約数は見えているので、赤字幅のコントロールはある程度可能である。お約束した数値をまったく超えなくて済むかは精査しないとわからないが、固定系で1,000億円の赤字を出してまでFTTHを取りにいくつもりはない。コストをコントロールし、連結ベースでの増収増益を目指す。
質問者5
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- 「au買い方セレクト」において、フルサポートコースの利用が9割以上との事だが、シンプルコースを魅力的にした上で、市場流動性を高める考えはないのか?
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シンプルコースの利用率は低いが、これは他社の例を見ても割賦の問題を含め検討する必要がある。割賦については前回の中間決算説明会の時にお話ししたのと同様に前向きに検討しているとお考えいただきたい。なお、12月の商戦ではNTTドコモの905iシリーズにおいて割賦の導入メリットがあったと報道されているが、春商戦における廉価版端末の状況も見極めた上で最終的な方向性は決めたい。今はフルサポートコースをわかりやすく伝える事が最大の課題であり、その上で春商戦を戦いたい。
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- KCP+の開発・検収の遅れは解決しているのか? 春商戦では対応端末は出てくるのか?
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KCP+については、遅れていた対応端末3機種を1月末ないし2月の限りなく早い段階で出す事ができるとみており、心配はしていない。春商戦についても問題なく出荷ができるとみている。
質問者6
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- NTTのFTTH契約数や他社直収サービスの伸びが加速していないのに、既存音声系サービスの落ち込み方が大きいのはなぜか? 競争環境の変化なのかブランドイメージが傷んでいるのか?
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ブランドイメージの問題とはみていない。既存音声系サービスの落ち込み要因の一つはIP電話の普及であり、これはマイラインが当初1,000万規模だったのが、現在は500万程度となっている事からもIP電話へのシフトが進んでいるとみている。また携帯電話へのシフトもある。もう一つの要因は国際電話のプリペイドカード部分の売り上げが当初より落ちている事によるものだが、この部分は競争上工夫してコントロールしていくのが可能とみている。既存音声系サービスの売上減への対応は充分検討していくが、今後は直収系サービスに力を入れていく。
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- アクセス網が大切なのは理解するが、FTTH・CATV含めてKDDIとしてのブランドが分散しているのではないか? どれか一つにKDDIのアクセス網を、まとめるつもりはないのか?
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現在、KDDIブランドを利用しているのは、メタルプラスとひかりoneの2つである。JCNについては現在KDDIの名前を一切出していないが、JCNにKDDIブランドを導入するメリットがあるとは思えないので、CATVはJCNのままで良いと考えている。今後も一緒にする考えはない。なおアクセス網については、FTTHだけですべてをカバーする事はできないので、さまざまな手段を持たざるを得ないと考えている。映像系が伸びているCATVの上に、電話を加えたトリプルプレーを実現するなどCATVとFTTHの両方を展開していく。最終的な姿についてはさまざまな検討をしているが、2010年度の断面でみるとNTTでもFTTHの契約数を3,000万から2,000万に落としている。その一方で現状契約数が伸びているCATVは今後もまだ伸び続けると考えており、まずはFTTHをその時点までにブレークイーブンにしたい。
質問者7
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- 既存音声系サービスが減収し、契約数についてもメタルプラスは現状維持、FTTHは伸ばしていくとするものの市場全体がそれ程伸びる環境になっていない状況では、第4四半期以降、固定通信セグメントの売上減収が起こるのではないか? 設備の減損や償却年数の変更など会計的な手当をしないと黒字化は難しいのではないか?
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詳細資料4頁のデータを参考にしていただきたいが、メタルプラスを含めた音声系サービスは、第3四半期に759億円と、前年同期比20億円弱の減収。一方、データ系サービスは3Q682億円と前年同期比60億円強の増収となっており、今後もこの傾向は大きく変わらないとみている。来期は、メタルプラスの今期契約数の伸びがフルに効いてくるので音声系サービスの落ち込みはそれ程目立たないとみている。またデータ系サービスは今期並もしくは今期以上の伸びを期待している。よってすぐに何かしらの会計的手当をしなければならない状況にはまだないとみている。今期は、固定系伝送路の一部について減損を適用するつもりだが、これはある一定の利用率以下の部分について減損するものであり、固定通信セグメントを無理やり黒字化する考えのものではない。来期は、既存音声系サービスの落ち込みによって大きな問題になるとはみていないが、それ以降についてはよく考える必要がある。
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- auの新規契約のシェアが第2四半期・第3四半期共にトップではなくなり、第3四半期の終わりには恐らく3位に転落していると思うが、お客さまが店頭に戻ってくれば、第4四半期での新規契約のシェアは上昇するのか? また各社の解約率が低下し、買替率もそれ程上昇していない中では、中期計画策定時よりも契約数の伸びが弱くなるのではないか?
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auの新規契約のシェアが落ちているのは事実だが、第3四半期での機種変更は順調に推移している。新規契約については、お客さまに店頭に来ていただけていないのが大きな問題と認識している。これはメディアなどの情報により端末の店頭価格が一律高くなるとの誤解や開発の遅れによる新端末発売が遅れた事に起因したものである。第4四半期では端末をそろえ、お客さまを店頭に呼び戻した上で、新規契約のシェアを伸ばしていきたい。なお、今後の契約数については、市場流動性が当初想定よりも若干落ちてきているのは事実だが、来期の施策も見直し中であるため次回ご説明させていただきたい。
質問者8
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- 一部報道によると、同業他社では自社の携帯電話と固定電話との間での無料通話の構想など一種のFMCとしてのコンセプトが出てきているが、体制はすでに整っていると思われるKDDIとしてはどのように対応するのか?
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法人向けサービスではFMCが当たり前になってきており、昨年10月には組織改正を行いICT事業本部とFMC事業本部として対応している。問題は個人向けにおいてFMCがどれだけ意味があるのかという点である。料金についてはさまざまな形があるが、固定電話と携帯電話間での通話が全体に占める割合は減っている中で、セットにする事が本当にお客さまに意味があるのか、またプロモーションとして成り立つのかは正直疑問である。むしろ個人向けのFMCについては違う形を検討している。
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- auはデータ系の設備が増加したとの事だが、一説によるとデータトラフィックはヘビーユーザーと普通のユーザーに二極化しており、すでに定額料金のヘビーユーザーが大容量データにて回線を占有しているのが問題ではないか? また同業他社がYouTubeなどのさらに容量を要するサービスを導入する中で、現状と今後の対応についてはどうするのか?
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auのデータ系サービスの利用において二極化が進んでいるのは事実である。auに限らずすでに定額制そのもののぜひについて議論がなされている固定系インターネットも含めて、定額制については今後考えをまとめていく必要がある。現状、auの端末やコンテンツ利用についてはさまざまな仕組みを導入し、無制限にデータ通信はできない工夫をしているが、データトラフィックは伸びている。よって当面の間はお客さまに迷惑を掛けないように設備を増設せざるを得ない。ただし、将来どのようにするかは、世の中の動向を見ながら判断していく。
質問者9
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- 固定のKDDIネットワークソリューションズ (以下、KNSL) の売り上げが大幅な下方修正だが、固定通信セグメントにどの程度影響しているのか?
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固定通信セグメントへの影響はない。これは昨年10月にKNSL事業をKDDI本体に戻した影響であり、本体側に売り上げがついている。
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