2008年3月期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- auにおける割賦販売導入の判断はいつごろするのか? また割賦販売導入の影響は2009年3月期見通しに織り込んでいるのか?
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割賦販売については検討しているが、導入時期は決定していない。最も有効なタイミングで導入する予定である。2009年3月期見通しには当該影響を織り込んでいるが、その金額については公表を控えたい。
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- EV-DO以降のインフラについてはどのように考えているのか? これまで他社と異なるシステムを採用した事で、サービス面での他社優位性が顕著だったが、同じ方式を採用したらどうなるのか?
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WiMAX、UMB、LTEはいずれもOFDM方式であり、CDMA方式からの移行という流れは変わらない。システム選択に際しては、コスト面の考慮が重要であり、この点からも国際標準から外れるものを採用することはない。他社と同じ方式を選択してもサービスでの差別化を図る事は可能である。
質問者2
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- 設備投資が増加しているが、その背景は何か? 昨年の本決算では6,000~7,000億円には増えないとの事だったが、今後7,000~8,000億円規模になっていくのか?
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5,900億円に増えた要因としては、昨年計画時点で入っていなかったJCN、CTCの連結子会社化による増分がある。移動通信については、新800MHz、2GHzの投資は想定内だったが、データトラフィックへの対応の投資は行なわざるを得ない。来年からは新800MHzと2GHzへの投資前倒しも考えられるが、6,000億円を超えないようコントロールしていきたい。なお、データトラフィック増への対応としては、移動体インフラ以外へのデータオフロードも一つの方法であり、フェムトセルやWiFiを含めていろいろと検討している。これは設備投資を抑制する施策にもなる。
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- 2009年3月期見通しにauの割賦販売導入が織り込まれているとの事だが、ARPU見通しはどのような前提としているのか?
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音声ARPUは通期で3,490円、前年比650円の減少を見込んでいる。この減少要因は、MOU減少 (前年比10分減) で4割弱、料金施策の浸透 (誰でも割、家族間通話無料) が4割弱、そのほか新規施策による影響を見込んでいる。従って割賦販売導入による影響は2割程度の減少の範囲内にある。
質問者3
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- LISMO VideoなどFMBCサービスの現状と進捗は? また端末を含めたサービスの差別化はいつごろになるのか?
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FMBCとしては、昨年、ポータル統合 (au one) を行なった。また、LISMO Videoについては、世の中の動画に対する需要も出てきており、サービスの差別化に繋がるものと考えている。
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- auユーザと固定ユーザでの間の名寄せに何か問題となる部分があるのか?
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すでにまとめて請求を実施しており、特段問題はない。
質問者4
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- ウルトラ3G構想の進捗はどうなっているのか?
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まず、固定音声ネットワークのIP化を目指したが、お客さまのアナログ端末の一部で移行の問題が生じた。この問題を包括的に解決することとしたため、当初07年度末と考えていた進捗は少し遅れている。しかし、この問題の解決の方向性は見えてきており、全体スケジュールを繰り上げるかどうかは設備投資との兼ね合いにもよる。
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- 映像を見るに際して、ユーザ観点からはアクセス回線がIP・RFのどちらであってもあまり意識しないと思うが、将来的にIPへ収れんするとの考えなのか? またNTTはNGNで地上波再送信を行なうが、KDDIにおける課題は何か?
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CATVはRFで映像を流すが、それ以外は基本的にIPとなっていく。
地上波再送信の技術は確立しているが、ハイビジョンクオリティーのSTB対応が必要である。これに著作権の問題が解決できれば地上波再送信は可能である。
質問者5
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- 光ファイバの8分岐単位での接続については、事業者によりニーズの有無が異なるため、自前で行ないオープン化しない選択の方が正しいのではないか?
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ご指摘の通りである。NTT対オールNCCの状況だと認められるかもしれないが、現状での完全開放は難しい。設備競争が進展している地域としていない地域に分けて認めていく方向になるのではないか。
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- auのブランディングの考え方について教えてほしい。サービスや新端末投入のタイミングが適切でなく、サービスの先進性についてもが薄らいでいるのではないか?
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確かにauはここ1、2年落ち着いてきてしまっているが、コンテンツでは特に音楽・書籍について、auが先進的に進めている。今後は他社に対する先行優位性を盛り返して、チャレンジャーであるauを再構築していく。
質問者6
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- 昨年のチャレンジ2010策定時には割賦販売導入を見込んでいなかったと思うが、導入効果によって2011年3月期営業利益6,000億円の達成となるのか?
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昨年のチャレンジ2010策定時に割賦販売導入を見込んでいなかったのは事実であるが、割賦販売導入に関わらず2011年3月期営業利益6,000億円の目標を変えるつもりはない。
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- 移動通信事業の売り上げから推察すると、端末の店頭価格が上昇するように見えるが、端末調達原価は下がらないのか? また割賦販売導入による店頭価格はどのように考えているのか?
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2009年3月期見通しにおいて、KCP+導入による端末調達原価の低減がないのは事実である。ただし、端末については従来と異なるタイプの端末を考えており、これをコスト増と見るかコスト減とみるかは発表時に説明したい。もちろんKCP+導入による端末調達原価の低減効果は出していきたい。
なお、コストアップ傾向にある高機能端末をユーザへ届けるために、割賦販売は必要なツールだと考えている。もちろんユーザニーズの多様化に対応するため、高機能端末ばかりでなく廉価版端末にもきちんと対処していくつもりである。
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- 39,000円の端末調達原価が下がれば基本料を下げる方向性なのか?
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トータルの端末販売台数が今迄と同じで、その上で利益が出た場合は料金を下げる事も考えられる。ただし、携帯電話市場が飽和してきているのは間違いなく、また2年契約の導入により端末の利用期間は長くなっていく。従来は半期毎に機能アップを図ってきたが、これがお客さまにとって魅力的かどうなのか? 端末にもよるが、車と同じように利用期間が伸びる状況になるのではないか。いずれにしても従来通りの考え方ではいけない。
質問者7
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- 2009年3月期見通しにおいて、電気通信事業の売り上げが前年比で移動通信、固定通信共に減収しているが、今後電気通信事業においては減収フェーズなのか? また増収増益はどのように確保していくのか?
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電気通信事業だけに頼らずに、トータルの売り上げ、営業利益で増収増益を確保していく。
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- 動画需要への対応として、NTTドコモに比し、auは周波数が逼迫しているのではないか? 2012年ごろの周波数割り当てまでに周波数が足りなくなるリスクはないのか?
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データオフロードにおいて、FMCをどのように生かすのか、もしくは設備増設していくかは検討する必要がある。
質問者8
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- 割賦販売はなぜこの時期に必要なのか? 割賦販売導入による業績への影響は、2009年3月期および2010年3月期がピークで2011年3月期ころには一巡するのか?
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販売コミッションにより端末の販売価格を0円にする事については限界が見えている。割賦販売を導入する事により、新規契約/機種変更のいずれにおいても、お客さまの持ち帰り価格を0円にする事が可能である。なお、割賦販売導入による業績への影響は、2011年3月期ころには落ち着くと考えている。
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- 固定通信事業は新たにCTCが加わるなど規模が大きくなり、今後どのように収支均衡を図っていくのか? またどのようなサービスを提供していくのか?
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FTTH契約者数の伸びが当初の想定よりも小さいので、固定通信事業全体のコスト構造改革を行ない、収支均衡を図る必要がある。
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- 2011年3月期営業利益6,000億円の目標は変更しないのか?
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端末の競争力を確保し、端末販売で利益を確保していく事が重要となる。ソフトバンクモバイルのように6万円、7万円でも販売できるかどうかは、今後見極めていく。
質問者9
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- ユーザ別採算の観点においてヘビーユーザの採算は良くない中、周波数およびキャッシュフローの面で有利な立場にあるNTTドコモと同じ戦略をauが取る必要があるのか? ローエンドユーザへの施策やコンセプトはないのか?
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お話の通りであり、今の状況でNTTドコモと競り合う必要はない。外出時での動画利用は1.5M~3Mぐらいでのデータで楽しまれており、トラフィックの多くは自宅利用となっている。またユーザへの情報提供という点ではワンセグを投入するなど、高トラフィックユーザばかりを追いかけている訳ではない。
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- KCP+導入による端末調達原価の低減効果は秋冬モデルの端末あたりから出てくるのか?
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KCP+搭載端末は夏モデルに数機種出てくる。端末の高機能化も進んでいるので、原価低減の効果が発揮されてくるのは、09年春モデルあたりからとなる。
質問者10
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- 2011年3月期営業利益6,000億円の目標を変更しない状況で、2009年3月期見通しにおけるau契約者の純増数 (149万) から想定すると、費用を大幅にかけてまで契約者を獲得するのではなく、収益性に配慮していくということか?
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2008年3月期の実績においては、販売一時金だけでも5,800億円となっており、またそのほか販促費などを含めるともっと多額になる。コストを削減する要素は大きく、コスト削減がなければ2011年3月期営業利益6,000億円には到達しない。
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