2011年3月期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- スマートフォンの拡販に伴い、毎月割の影響で音声ARPUが低下していく一方で、11年度の対10年度コミッション削減額として330億円は少ないと思うが、ARPUの低下とコミッション削減額のバランスについてどう考えているのか?
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データARPUの上昇効果が見込めることや、市場におけるスマートフォンニーズの高まりを踏まえ、全社方針としてスマートフォンの拡販を進めていく。
毎月割によるコミッションの削減効果はあるものの、端末調達価格の上昇や、非トライバンド端末の巻取りコストの影響もあり、今期のコミッションは4,000円の低下にとどまる見通し。
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- 4Qの固定通信事業の営業利益は大きく改善しているが、特別な要因があったのか?
また、今期の営業利益目標400億円達成への自信は? -
10年度1Qは厳しい状況だったが、年末にかけてコスト削減を進めた結果、長年の課題であった固定通信事業の黒字化を達成することができた。今期についてもNWコストの削減を進め、目標を達成したい。
- 4Qの固定通信事業の営業利益は大きく改善しているが、特別な要因があったのか?
質問者2
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- 固定通信事業の黒字化において、移動通信事業への費用付け替えのようなものはなかったのか?
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販売の現場では、固定系と移動系の両サービスを販売する体制にシフトしてきており、コスト配賦の関係で固定通信事業側に費用削減効果があったのは事実。
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- 東京電力保有の株式売却リスクに対して、どう対応するのか?
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日本経済新聞に関連記事が出たが、東京電力から我々に対して何か打診があったわけではなく、現時点で具体的な対応は検討していない。
質問者3
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- 中期的事業方向性について、時間軸と定量的な目標値を示してほしい。
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これまではサービス・商品ごとに縦割りで営業戦略を立ててきたが、これからは世帯単位、RGU (注1) ベースで考えていく。
粗々な算出であり、あくまでも目安ベースであるが、当社サービスのご利用世帯数は、2010年度末で約1,500万強だが、2015年には約25%増を目指す。
また、RGUは2010年度末で約4,000万だが、2015年に約30%増を目指す。
ネットワークコストについては、モバイルのトラフィックを固定回線にオフロードすることで、3G/LTEだけでネットワークを構築するよりも約30%低減できると考えている。
質問者4
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- 今期の設備投資見通し4,600億円のうち、震災対応などによる追加分200億円を除くと4,400億円になるが、今後は4,400億円を下回る水準を維持していくのか?
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投資額は2010年度と同水準を目指したい。
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- 毎月割の中期的な影響について、どう考えているのか?
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毎月割のARPUへの影響については、10年度は大きな影響はなかった。11年度については、前年度比620円の音声ARPU減少のうち、約3割が毎月割の影響。
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- 今期の毎月割適用台数を400万台とした場合、コミッションを含めた影響はどの程度か?
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スマートフォンへの移行によるデータARPU上昇が約1,600円、毎月割の割引額が約1,500円とすると、総合ARPUへの影響はほぼゼロになる。現在はもともとデータARPUの高いお客さまがスマートフォンに移行していると見ており、今後裾野が広がって、データARPUの低いお客さまがスマートフォンに移行するようになれば、さらなるデータARPU上昇効果が期待できると考えている。
また、毎月割によるコミッションの削減効果もあるので、中長期的に見れば我々にとってプラスになると考えている。
質問者5
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- トータルARPUの反転時期をどう見ているか?
またその先のARPUの推移イメージは? -
シンプルコースへの移行影響は今期でほぼ終了する。一方、今後スマートフォンへのシフトによるデータARPUの上昇が期待できるため、来期には総合ARPUがプラスに転じると考えている。
- トータルARPUの反転時期をどう見ているか?
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- 一旦反転したら、しばらく上昇が続くと考えてよいか?
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今後のスマートフォンの販売状況次第。
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- 中期的事業方向性について、グローバル事業を柱にするとのことだが、どの程度の事業規模を想定しているのか?
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グローバル事業の売上は10年度実績で約1,600億円。2015年度で倍増以上にする計画。
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- グローバル事業の利益、利益率は?
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現在、グローバル事業は全て黒字になっているが、具体的な金額などはご容赦願いたい。
質問者6
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- 今回実施した特別損失による今期利益への影響は?
また、来年7月の現行800MHz帯停波の際には、追加で減損が発生するのか? -
特別損失1,033億の内訳は、現行800MHz帯設備の減損などで414億円、レガシー系サービス関連設備の減損などで245億、震災関連損失で176億円、稼働率低下による減損が198億円。
この特別損失による11年度の営業利益影響は連結で + 220億円、うち移動通信事業で + 150億円、固定通信事業で + 70億円。
現行800MHz帯設備の減損については今回でほぼ終了する。また固定系では、合併以来冗長になっていた設備のうち、稼働率が低い設備やレガシー系の設備を今回積極的に減損した。
今後ネットワークスリム化2と運用コストの削減を進めていくことで、固定系ネットワークは適正な規模になると思う。
- 今回実施した特別損失による今期利益への影響は?
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- 今期と来期の移動通信事業のEBITDAマージンは30%前後と、競合他社と比べると見劣りするが、中期的な目標は?
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今期はまず基盤事業の立て直しにしっかり取り組むとともに、新しい時代に向けた準備を進める。EBITDAマージンの改善は今後の課題であると認識している。
質問者7
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- 移動通信事業の4つのKPIのうち、MNPと純増シェアの具体的な目標と時間軸は?
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10年度はMNPにおいて大きく流出したが、今期末にはMNPをプラスにしていきたい。純増シェアについても30%超を目指す。
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- UQの10年度、11年度の設備投資額と、債務保証額は?
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具体的な金額は非開示だが、UQは12年度に単年度ベースで黒字化の計画であり、11年度は10年度に比べて赤字は減少する予定。設備投資は2013年度までの累計で約1,500億円を想定しているが、現在までで1,000億円程度になっていると思う。
質問者8
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- 毎月割の割引額が足元で上がっているようだが、スマートフォン移行によるデータARPU上昇額と均衡すればよいと考えているのか?
あるいはデータARPU収入を数百円残すことを考えているのか? -
データARPUの上昇と毎月割の割引額は無関係。3Qのスマートフォン移行によるデータARPU上昇額は1,500円だったが、4Qは移行前のデータARPU水準がやや下がったため、上昇額は1,600円になった。
現時点の毎月割割引額は1,500円程度だが、競争環境によって変動する。また、一部の高機能フィーチャーフォンにも毎月割を適用していく予定。
- 毎月割の割引額が足元で上がっているようだが、スマートフォン移行によるデータARPU上昇額と均衡すればよいと考えているのか?
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- スマートフォンの裾野拡大のために、端末価格を下げる戦略をとるのか?
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端末の競争力が向上してくれば割引額を少なくすることも考えられるが、今期はモメンタム回復に向けて、端末の実売価格を下げて、シェアを取っていきたい。
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- マルチネットワーク戦略については以前からFMC戦略を展開してきたと思うが、今回は何か踏み込んだ料金施策や販売施策が打ち出されるのか?
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これまでの取り組みと違うのは、相互割引だけではなく純粋なFMC型商品として展開していくという点。具体的には営業戦略上の観点から回答を控えたい。
質問者9
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- (決算資料37ページ) 今期の移動通信事業営業利益の増減要因のうち、(d) その他の860億円の内訳は?
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端末販売・安心ケータイサポートなどの利益拡大と、一般経費の削減など。具体的な金額は非開示。
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- 端末粗利益、出荷価格の設定についてどう考えているのか?
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今期は端末粗利益を増やしていく。基本的な考え方は、コミッション、端末粗利益、ポイント費用を含めて総合的に判断し、トータルで安定的な利益を出すことを目指す。
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- 毎月割の割引額を引き上げるのか?
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一部の高価格帯の機種について、割引額を上げることは考えている。
質問者10
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- マルチネットワークのバックボーンにMPLS-TP (注2) や100G Ethernetを採用する予定は?
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コアネットワークについては、テクノロジーの進歩に合わせて技術を導入していく。
コスト削減という観点では、3.9G世代においては基地局コストが低廉化する一方、バックホール回線のコスト比率が高まる。従って、従来個別に敷いていたWi-Fi、WiMAX、LTEのアクセスネットワーク部分をシェアリングすることによって、大きなコスト削減効果を生み出していきたいと考えている。
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- 現状の無線系のネットワークでトラフィックを処理しきれなくなるのはいつ頃か?
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2012年末から2013年頃には無線系のネットワークはオーバーフローするため、さらにオフロードをかけていく必要がある。
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