2014年3月期第1四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2013年7月30日 (火) 18:00~18:50 |
---|---|
場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋専務、嶋谷専務、石川専務、田島事業本部長、東海林事業本部長、本田本部長 明田室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算プレゼンテーションでは、次の3点、「2014年3月期第1四半期の業績」、順調な「主要KPIの進捗」さらなる「3M戦略の推進」について、社長の田中が説明致しました。
2014年3月期第1四半期の業績
連結業績は、営業収益1兆24億円 (前期比+16.3%)、連結営業利益1,787億円 (同+89.6%)、経常利益1,819億円 (同+101.7%)、当期純利益682億円 (同+32.9%)、EBITDA3,050億円 (同+52.7%) となりました。
営業収益は、四半期業績で初の1兆円を超え、営業利益ともに過去最高となりました。
なお、当第1四半期から連結化しましたJ:COM影響は、営業収益+882億円、営業利益+162億円であり、当期純利益には、J:COM連結化による段階取得差損▲384億円が発生した影響が含まれています。
第1四半期業績のポイント
一言で言うと、第1四半期は「モバイルと固定通信双方の、通信料の増収をベースとした大幅な増益」となりました。
この成果の背景として、ポイントは、(1) auスマートバリューにより、モバイルとFTTHの両方で純増を伸ばせたこと (2) au通信ARPUが予想を上回って好調に進捗していることの2点です。
順調な主要KPI
auの純増数は、前年同期を約10万上回る66万9千契約、MNP純増は前年同期比約1.5倍の24万1千純増と大幅に増加し、21ヶ月連続でNo.1でした。一方au解約率は、0.56%と業界最低水準をキープし、過去第1四半期の中で当社の過去最低の解約率を更新しました。
au通信ARPUは4,110円、スマートフォンへの順調な移行によるデータARPUの伸びが寄与し、長らく一桁台後半の下落率が続いていた前年同期比の下落幅が1桁台前半まで減少しました。今期の重点課題である「第4四半期での前期比反転」に向けて、順調な進捗です。
3M戦略の推進
前期までの3M戦略は「スマートパスポート構想」として、オープンなインターネットを安心してご利用いただける環境を目指し、auスマートバリューおよびauスマートパスの拡販に注力しました。
auスマートバリューは、スマートフォン、FTTHの新規契約獲得に着実に貢献しており、auスマートパスは6月末で累計682万会員と、付加価値ARPU上昇に貢献しています。
今期は更に次のステップへ移行し、「スマートリレーション構想」のもと、誰もがスマートフォンを使いこなせる環境を目指して、auスマートパスのタイムラインUI導入のほか、スマートフォンとリアルな生活とのリレーション強化を目指したリニューアルを行いました。
また、スマートフォンのご利用をサポートするauスマートサポートを開始し、サービス開始後約1ヶ月の電話応対満足度は非常に高く、約9割のお客さまにご満足いただいております。
決算まとめ
当第1四半期は、連結営業利益の大幅な増益 (+90%) となり、今後の本格的な利益拡大に向けて、順調な滑り出しとなりました。
質問者1
-
- 今後の営業施策についてお伺いしたい。モバイル各社のショップを見るとauショップだけがキャッシュバックなどをしておらず、これだけの利益を出しながら、しっかりオペレーションをしていると感じた。
これからの夏から秋にかけての営業施策の考えについて教えて欲しい。 -
ガイドライン達成を目標に、最大限お客さまを獲得したいという思いで努めている。
各社、乱打戦になっているので、平日は極力抑えるなどのメリハリを利かせている。一見、コミッションが上がっているように見えるかもしれないが、一方で毎月割を抑制するオペレーションをしており、全体でのバランスを取っている。秋に向けての方針も変わらないが、競争環境に変化があれば対抗していく。ただし、むやみやたらにコストをつぎ込むということはしない。
- 今後の営業施策についてお伺いしたい。モバイル各社のショップを見るとauショップだけがキャッシュバックなどをしておらず、これだけの利益を出しながら、しっかりオペレーションをしていると感じた。
-
- 今後2年程度を見据えた場合、各周波数帯でどういうことに重点を置いて運用していく予定かを聞きたい。
-
モバイル端末のチップが、複数の周波数帯をサポートできるようになってきている。KDDIが持っている700MHz、800MHz、1.5GHz、2.1GHzの周波数帯をフルに使っていきたい。加えて我々の関連会社であるUQが新たに20MHz幅の周波数帯を取得できたので、拡大するスマートフォンの事業に活用していきたい。
-
- 2年程経過すれば、ある程度ネットワークのキャパシティやクオリティ、また端末対応などの状況もクリアになってくると考えてよいか。
-
並行してオフロードも進めており、充分に対応、維持できると考えている。
質問者2
-
- J:COM連結影響を除くと、営業利益の対前年同期増が営業収入の増加額を超えており、売上増が全て利益増に跳ね返っていると言える。拡大基調の中で、営業費用が下がるというのはどういう理由なのか。EBITDAマージンも30%を超えたが、この傾向は持続可能なものか。
-
4月の本決算発表の際に発表した通り、これから3年間は営業利益率二桁成長を目指している。3年間に対してここまでのコミットをするということは、それだけのことを想定してのことなので、基本的には上振れ傾向で行くだろう。
パーソナルセグメントだけでなく、他のセグメントも確実にプラスになってきている。ストックビジネスのモデルの基本通り、ある程度の規模になれば売上増が利益増に直結していき、合わせてコスト削減もしていくのでそれもまたポジティブに働く。若干の上下はあろうが、そういうフェーズに入ったと考えていただければと思う。固定費の削減などもしっかりオペレーションできている。
-
- ARPUが好調で、見通しに対して上振れするのではないかと感じる。解約率も2Qには更に下がるであろうから、ポジティブな意味で見通しとの整合が取れなくなっていくのではないか。上振れるときは利益の上振れになるのか、或いは、翌期の成長のために使うのか。
-
まだ1Qが始まったばかりであるし、他社からの人気端末発売などのリスク要因もあるので、もう少し時間をいただきたい。いつの段階になるかは分からないが、必要があればその時に業績見通しの修正もするであろう。
質問者3
-
- 1Qの前年同期比での利益改善に関し、バリューセグメントとビジネスセグメントそれぞれについて確認したい。
バリューについては7月からコンテンツプロバイダーに便宜を図ったという話も聞いているが、2Q以降の利益に影響を与えるようなものか。
また、ビジネスは前年比で相当な利益改善となっているが、その背景はどういったもので、それは継続性があるものかどうかを教えてほしい。 -
バリューセグメントは順調に推移している。CPに対するレベニューシェアを引き上げているのは事実。iPhone 向けのauスマートパスを6月から有料化した際の歩留まり率が9割程度と、想定よりも高止まっているので、auスマートパスはプロフィタブルなサービスに転換したと考えて頂いて結構だ。会員数も順調に増加しているため、レベニューシェアの額を増額したが、バリューセグメントの利益に悪影響を及ぼすものではない。お約束している今期の利益見通しや付加価値ARPUに対しての進捗は順調である。
また、ビジネスセグメントは、大きくはないが収益も増加している。利益増の要因は大きく2つあり、1点目は、前年度に計上があった周波数再編に伴う移行コストが今期はなくなったこと。2点目は、モバイルの累計稼働数が順調に推移しておりそれによる収入増及び利益増があるということ。2Q以降この利益水準が維持できるかは、競争状況を考慮する必要もあるが、落ち込んでいくような水準ではない。
- 1Qの前年同期比での利益改善に関し、バリューセグメントとビジネスセグメントそれぞれについて確認したい。
-
- J:COM連結影響について確認したい。当期純利益への影響は▲359億円とのことであるが、段階取得差損に対して若干マイナス額が大きいように感じるが特別損失などを出したのか。
-
J:COM連結影響は営業収益882億円、営業利益162億円だった。通期見通しの営業収益3,600億円、営業利益600億円に対してはインラインか、むしろ上回っているとの印象。段階取得差損は、期初予想では▲375億円を見込んでいると申し上げていたのに対し、▲384億円の実績となった。これは、当初資本参加した際の取得価格とTOB価格の差分について再評価し特別損失を計上したわけだが、スクイーズアウトは2Qとなるため、その時点で管理信託分が処理されて税効果が出るため、通期で見ると当初見込んだものと大きな変動はないと認識している。
既に、7月25日にJ:COMとしての決算を発表しているので、そちらを参照いただければ詳細をご確認いただける。J:COMは米国会計基準のため、これを日本会計基準に引き直し、J:COMの会計処理にJCNを合わせるなどの影響を全て織り込んだものが「J:COM連結影響」の数値となっている。
質問者4
-
- 毎月割の単価を下げたとのことだが、端末出荷価格やコミッションなども合わせた総合的な影響はどうなっているか。
-
マークアップを上げると毎月割を上げざるをえなくなるので、マークアップはできるだけ上げないでオペレーションしていきたいと考えている。
コミッション増と毎月割減との相関関係をご説明すると、コミッション単価は前年同期比+7,000円。一方、毎月割設定単価は昨年1Qの1,750円に対し今期は1,400円で、その差▲350円。総販売台数の約9割が毎月割適用であるため、▲350円×9割×24ヶ月=▲7,560円が毎月割による24ヶ月間トータルの割引影響額となり、これを一時金であるコミッションの+7,000円と比較すると、実質的にコストが▲560円下がっていると言える。去年は新800MHz帯非対応端末の移行があったため機種変更が多かったが、今期はそれがなくなったため新規の比率が上がっているので単純な比較はできないとはいえ、全体として総経費のコントロールはできている。
-
- プレゼンテーション資料23ページで示されているauスマートバリューの新規契約への貢献について、スマートフォン新規契約の36%がauスマートバリュー加入との数値は4Qに比べ若干低下しているが、どう解釈したらよいのか。今後はどうなるのか。
-
4Qはauスマートバリューとの親和性が高い学割を利用するユーザーが流動するシーズン真っ最中のため、4Qの比率は他の時期に比べて高めになる。1Qはその効果が薄れるため4Qに比べて若干下がっている。: 今後は、1Q水準維持もしくは若干下がる程度で推移できるのではないかと思う。
質問者5
-
- コストが非常に抑制されている。この状況は、年間を通して今後も維持されるものなのか。環境の変化などに対応する余力を持っておくためのマネジメントなのか、或いはEBITDAマージンがまだまだ引き上げられる状況に入っていると見てよいのか。
-
この状況は維持できるものと思っている。何か特別大きな問題が起こるとは思っていない。スマートフォン販売のモメンタムについては他社の状況次第で影響があるかもしれないが、スマートフォンの浸透率は約4割と、スマートフォンに対する需要はまだまだあると考えている。コストについてはしっかりコントロールできており、無理してコスト削減を進めているというわけではない。
-
- 通信障害が立て続けに起きていたが、設備投資についても問題はないか。継続的にコストを抑制していたために後になって多額のコストが一気に発生する、ということが起きるリスクを懸念している。
-
6月10日に発表した通り、通信障害に対応する設備投資については300億円上乗せしている。ソフトウエアの対応は、予定していた8月末に比べて前倒しで進んでいるので、ご心配をおかけするような事態はない。
質問者6
-
- スマートフォン利用者層の拡大に伴って、他社はシニア向け、或いは関連会社を使った廉価プランなどを出してきているが、類似サービスを考えているか。
-
いつまでも現在のやり方でやっていけるとは考えていないが、それらの導入には適切なタイミングがあると思っている。現時点で、時期までをお話しすることはできない。
質問者7
-
- 秋のJ:COMとJCNの経営統合がされた後の販売戦略について、主なユーザー層のシニアをスマートフォンに移行していくことが課題かと思うが、意気込みや見通しを聞きたい。
-
J:COMとJCNの経営統合は順調に進んでいる。間近に迫ったスクイーズアウト後は両社の統合準備委員会を立ち上げて、秋から年内に向けて統合を果たしたい。これまで、CATVを新しい販路として拡大してきた中で、シニア向けのマーケティングには有効だということが分かってきた。本格的にCATVとの相互販売を強めていきたいと考えているので、期待していただきたい。
- 決算説明会
- 決算説明会2025年3月期
- 決算説明会2024年3月期
- 決算説明会2023年3月期
- 決算説明会2022年3月期
- 決算説明会2021年3月期
- 決算説明会2020年3月期
- 決算説明会2019年3月期
- 決算説明会2018年3月期
- 決算説明会2017年3月期
- 決算説明会2016年3月期
- 決算説明会2015年3月期
- 決算説明会2014年3月期
- 決算説明会2013年3月期
- 決算説明会2012年3月期
- 決算説明会2011年3月期
- 決算説明会2010年3月期
- 決算説明会2009年3月期
- 決算説明会2008年3月期
- 決算説明会2007年3月期
- 決算説明会2006年3月期
- 決算説明会2005年3月期
- 決算説明会2004年3月期
- 決算説明会2003年3月期
- 決算説明会2002年3月期
- 決算説明会2001年3月期