2014年3月期第2四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2013年10月28日 (月) 17:00~17:50 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋専務、嶋谷専務、石川専務、福﨑常務、田島常務、東海林事業本部長、本田本部長 明田室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
上期の業績は、通期の営業利益「前年同期比+20%」に向けて好調な進捗でした。
決算プレゼンテーションでは、「2014年3月期上期業績」と、それを支える「主要KPIの進捗」、そして2Q以降の「モバイルの取り組み」について、社長の田中が説明致しました。
2014年3月期上期 (4月~9月) の業績
連結業績は、過去最高で初の2兆円超えとなる、2兆538億円 (前年同期比+18.0%) となりました。
さらに、連結営業利益3,476億円 (同+50.3%)、経常利益3,521億円 (同+55.1%)、当期純利益1,630億円 (同+104.4%)、EBITDA6,009億円 (同+36.3%) と、いずれも過去最高となりました。
尚、今期1Qから連結化しましたJ:COM影響は、営業収益+1,740億円、営業利益+347億円です。
上期業績のポイント
上期の好調な業績のポイントは、(1) モバイルと固定双方の通信料収入が増益に大きく貢献したこと、(2) モバイルは、ARPU・純増ともに好調に進捗したこと、(3) 固定は、FTTH・J:COMともに好調に進捗したこと、の3点です。
主要KPIの進捗
通信料収入の増収を支える好調なオペレーション状況について、「主要KPIの進捗」をもとに、ご説明致します。
2Qのau通信ARPUは前年同期比▲1.4%の4,180円となり、長年下がり続けていた下落幅が、本年2月の月次ベースでのARPU底打ちを境に、今期の重点課題である「第4四半期における前年同期比較での反転」に向けて、急速に改善致しました。
au通信ARPUのうちの、データARPUの上昇に貢献するスマートフォンの浸透率は、今期2Qで42%と前年同期から14ポイント上昇し、順調に伸びています。
また、au通信ARPUが急速に改善しているもうひとつの要因が、毎月割のコントロールであり、今2Qの「毎月割設定単価」は前年同期比▲20%の1,400円と、着実にコントロールしています。
au解約率は「0.67%」となり、業界最低水準をキープ。au純増数は前年同期比+33.4%となる134万純増で、通期純増予想230万に対し、進捗率は58.1%と好調な進捗です。MNP純増は、24カ月連続でナンバーワンとなりました。
モバイルの競争力を支える 各種取り組みについて
今後、(1) ネットワークの強みをベースに、(2) 端末、(3) 料金、(4) サービス、(5) サポート、の合計5つの領域全てにおいて拡充・強化し、auの総合力のさらなる強化を図ります。
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(1) ダントツの au 4G LTEネットワークについて。主力800MHzプラチナバンドは、日本全国で受信最大速度75Mbpsを提供。
2.1GHz帯も足元約78%のカバー率となっており、来年3月までには80%を超え充実化を図ります。 -
(2) 端末について。iOSとAndroidの新型スマートフォンと、タブレットの充実したラインナップ。さらに、UQコミュニケーションズが新たに周波数を取得したWiMAX 2+の商用開始がいよいよ10月31日となっており、auとしてはこの「WiMAX 2+」と「WiMAX」、「4G LTE」にも対応したトライブリッドモバイルルータを発売。
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(3) 料金について。好評のauスマートバリューを単身世帯にも拡充しました。
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(4) サービスについて。「auスマートパス」は、これまでの「アプリ取り放題」中心のサービス構成に加え、iOSユーザーのさらなる満足度を高めるため、「iPhone/iPad」修理補償の拡充と、さらにO2Oビジネス提携を拡充・強化しました。
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(5) サポートについて。「auスマートサポート」を強化。楽しみながらスマートフォンの利用方法を学べるイベント参加型のスマートフォン教室開催や、ギフトチケットの販売など、スマホ利用者の裾野拡大に向けたサポートを強化しました。
その他
一昨年発行した『ユーロ円建転換社債』の償還は、先月9月17日付で転換社債の要項に定める120%コールオプション条項の条件を満たし、年内12月16日に繰上償還することを決定しました。ただし、直近ですでに約90%が転換済であり、希薄化による株価への影響も小さくなっていると認識しています。
株主優待の導入
今年4月1日付の株式分割に続き、個人株主の満足度向上と、株主数拡大を目的として、株主優待制度を導入しました。 保有株式数、期間に応じて、回線契約を伴うau端末購入にご利用可能なクーポンを贈呈します。株主優待制度の導入を通じauユーザーかつ株主となる、ロイヤルカスタマー層の拡大を目指します。
決算まとめ
今第2四半期は、今年の4月に発表した、16.3期まで毎期連続営業利益2ケタ成長に向けて、順調な進捗となりました。
質問者1
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- 音声ARPU反転の兆しがあるようにも見え、LTEプラン (他社宛の無料通話が含まれていないLTE向け基本料金コース) が課金呼を増加させている恩恵ではないかと推察するが、今後もこの調子で推移すると考えるか。
また、割引適用額のボトムアウトの時期をいつ頃と見ているのか。 -
データARPUはスマートフォンシフトによる裾野拡大で上昇している。音声ARPUはYOYで110円マイナスだが、ご指摘の通りLTEプランが課金MOUに対しプラスに働いており、今期目標の4QでのYOY反転に向けて好調な進捗と認識している。
割引適用額は前年同期比▲340円で、そのうち毎月割はだいたい▲230円となっているが、この部分はもうフラットになってきている。
- 音声ARPU反転の兆しがあるようにも見え、LTEプラン (他社宛の無料通話が含まれていないLTE向け基本料金コース) が課金呼を増加させている恩恵ではないかと推察するが、今後もこの調子で推移すると考えるか。
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- 今回、業績予想の修正発表はなかったが、加入者の進捗は非常に良く、また、ARPUもここまでの推移から想定すると通期では期初見通しに対し+50円程度になるのではないか。期初見通しに対して最終的な着地はどのくらいになる見込みか、また、いつ業績予想の修正を発表するのか。
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ARPU・加入者獲得ともに、順調に推移している。今期はiPhoneの影響も見極めたいと思っており、例年通り年明け3Q決算発表時に必要に応じて見直したいと考えている。年末商戦を見極めたいので、今回は業績予想の修正はしない。
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- 会社の優先順位としては、獲得できるうちにできるだけ獲得して、来期以降の収益に繋げるとの考えか?
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この2Qは多額のコストを使ったとご想像する向きも多かろうが、毎月割はフラットにし抑制している。対前年同期でコミッション単価が12,000円増加しているが、毎月割の月額設定単価を350円減らしたことで24カ月分の影響総額は8,400円となるので、実質的にはその差額分である3,600円の獲得コスト増というのが2Qの結果である。加えて、他方で割引ポイントを利用した端末値下げを抑制したことから、トータルでの販売コストはそれほど増えた訳ではなく、しっかりコントロールしている。余剰気味の特定端末に販売コストを多く投入することもあったが、あまり踏み込んだ販売戦略は取りたくない。マーケットの状況を見ながら適切な処理をしていきたいという考えは変わらない。利益は確保したうえで、できるだけ多くの契約獲得を行いたいということ。
質問者2
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- ドコモiPhone発売の影響でさまざまなマーケティング費用が積み上がっている一方で、J:COM・JCN統合やタブレットの新データ料金 (スマホセット割)、WiMAX 2+が利用できるバンドルプラン (auスマートバリューmine) などで加入者増が狙え、またモバイルのARPUも上昇の兆しが見えている。そういった中、今後どの程度売上を伸ばしていくことができると考えているか。
最後のスライドに「16.3期まで毎期連続営業利益2ケタ成長」と改めて記載しているが、2ケタ増益を再確認したとの認識でよいか。 -
モバイルの純増は目標設定に対し好調に進捗しているし、ARPUも予想より好調である。このまま好調に進捗していくと認識しており、現時点ではその傾向に大きな変化は想定していない。
- ドコモiPhone発売の影響でさまざまなマーケティング費用が積み上がっている一方で、J:COM・JCN統合やタブレットの新データ料金 (スマホセット割)、WiMAX 2+が利用できるバンドルプラン (auスマートバリューmine) などで加入者増が狙え、またモバイルのARPUも上昇の兆しが見えている。そういった中、今後どの程度売上を伸ばしていくことができると考えているか。
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- キャッシュの使い方について確認したい。ネットキャッシュがプラスとなるフェーズが近づいており、果たしてこの状態でよいのかという思いが市場にはあるが、それについての考えを聞きたい。
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必要なM&Aをし、配当し、その上で残ったキャッシュでさらに負債を減らすということはあまり考えていない。M&Aの金額規模については、これからの話なので明確には言えない。今後さまざまなことを考えていく。
質問者3
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- M&Aは、どういった分野のどのような事業に投じていくつもりか。トップマネジメントとして戦略的にどのようなM&Aが必要だと考えているのか。
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今後の成長のために必要なM&Aをしていく。通信だけではなく、通信をベースとしたアッパーレイヤーについても必要に応じて検討していきたい。具体的に言及したいところだが、本日のところはご容赦願いたい。
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- 営業利益は好調だが、営業利益率は同業他社に比べて上昇しきれていないという状況についてどう考えているか。モバイルだけを見るともっと上がっているなどという具体的な話があれば聞きたい。
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営業利益率は上昇してきてはいるが、急激に上昇するというわけにはいかない。子会社のCTCが利益率20%超なので、そのくらいの水準には持って行きたいと思っている。
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- 競合他社の利益率を意識しているか。
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会計基準の違いもあるので単純な比較はできないと考えているが、意識はしている。まずは営業利益をしっかり2ケタ増益にしていく。その結果として利益率も上昇してくると思っている。
質問者4
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- 付加価値ARPUについて、「auスマートパスユーザーは750円」との言及があったが、現在のトレンドと将来の水準・見通しを聞きたい。
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従来から開示している通り、2013年度通期で290円を目指している。2Qはスマートフォンユーザーの付加価値ARPUが440円、さらにそのうちのauスマートパス会員は690円(注)だった。1QではiOS向けが有料化されていなかったので610円(注)だったが、有料化後の2Qで690円(注)に上昇しており、今後もいい形で伸びていってほしい。引き続き、できるだけスマートパスの加入を促進していきたい。
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- 販促費について聞きたい。キャッシュバックを付けてMNPの取り合いをしているようにも見えるが、この状況は今後も継続するのか。あるいはどこかの時点で、そういうマーケットではなくしたいと考えているのか。
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ドコモからのiPhone発売により、今後の拡販は厳しいものがあるとの認識である。われわれの武器であるauスマートバリューやauスマートパスなどを前面に押し出して、そこを軸に拡販したい。われわれから競争を激化させるようなことはしないつもりだ。活かしきれていない販売チャネルの活用も促進し、拡販していきたい。
質問者5
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- パーソナルセグメントの顧客獲得単価は通期見通し対比で大幅に上振れており、3Qでは業績予想の修正をすると想像しているが、どういう水準になるのか。
今期営業利益のコンセンサスは6,500億円だが、その水準を守っていこうという考えか? -
期初でお約束した数字は当然超えていくつもりである。あとは、われわれ自身が過剰な販売競争に踏み込んでいくことはないと思うので、自然体で進んで行けばそれなりの水準になると思う。ただ、iPhoneの競争状況がどうなるのか現時点では読み切れないところがあり、今後の行く末を見極めていきたい。
- パーソナルセグメントの顧客獲得単価は通期見通し対比で大幅に上振れており、3Qでは業績予想の修正をすると想像しているが、どういう水準になるのか。
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- 毎月割が導入されて以降、売上と利益の関係が分かりにくくなったが、毎月割設定額が抑制されてきたことで、端末値引きは一時金払いで対応するという以前のモデルに戻りつつあると感じている。経営の意志として、毎月割の単価を今後どうしていく考えか。
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2Qの厳しい競争環境下においても毎月割設定額をコントロールしているというところで、われわれの意思をご理解いただきたい。
質問者6
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- ARPUは4QにYOY反転と言っているが、2Q実績の好調さから鑑みると3QのどこかでYOYプラスに転じる可能性も感じる。2Qを月次で見たときのYOYの水準はいかほどか。
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月次のARPU推移はご容赦願いたい。2QのARPUは好調ではあるものの、さすがに3QでYOY反転というのは厳しいと考える。今後毎月割を上げるという考えはないが、ARPUのYOY反転は4Qになると見ている。
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