2014年3月期第3四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2014年1月30日 (木) 17:00~17:55 |
---|---|
場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋専務、嶋谷専務、石川専務、福﨑常務、田島常務、東海林事業本部長、本田本部長 明田室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
第3四半期累計の業績は、前年同期対比で大幅な増収増益となりました。
決算プレゼンテーションでは、「2014年3月期第3四半期までの業績」と、事業の「オペレーションの状況」、そして第3四半期までの事業進捗を踏まえた「通期業績予想の見直し」について、社長の田中が説明致しました。
2014年3月期第3四半期累計 (4月~12月) の業績
連結業績は、前年同期比で大幅な増収増益となり、連結営業収益3兆1,799億円 (前年同期比+17.3%)、営業利益5,332億円 (同+34.8%)、経常利益5,386億円 (同+36.7%)、当期純利益2,687億円 (同+49.0%)、 EBITDA9,181億円 (同+28.1%) と、いずれも第3四半期までの累計ベースで過去最高を達成しました。
尚、今期から連結化しましたJ:COM影響 (注) は、営業収益+2,630億円、営業利益+502億円となりました。
また、「パーソナル・バリュー・ビジネス・グローバル」の全4セグメントにおいて、前年同期比増収増益を達成しました。
オペレーションの状況
3Qのau通信ARPUは前年同期比▲0.7%の4,190円となり、「第4四半期における前年同期比較での反転」が目前となりました。
好調なデータARPUの上昇に貢献するスマートフォンの浸透率は、今期3Qで44%と前年同期から12ポイント上昇しました。
また、スマートフォン販売に占めるLTEの比率は今期3Qには99.5%まで上昇し、足元の販売においては、スマートフォン = LTEとなっており、データARPUの上昇に寄与しています。
au純増数は順調に進捗しており、3Q累計で191万純増 (前年同期比+11.7%)、MNP純増は27カ月連続No.1を達成しました。auは、ARPUの高いスマートフォンなどの携帯電話の販売に力を入れてきた結果、第3四半期累計のモジュールを除いた純増数で業界1位となっています。
一方、au解約率は3Qでは「0.71%」となり、業界最低水準をキープしています。
続いて、固定とモバイルをセットで提供する「auスマートバリュー」の進捗状況です。昨年12月末のau契約数は611万契約、固定回線の契約世帯数は321万世帯と着実に拡大しています。
また、1世帯当たりのau契約数は、前期3Qの1.7から今期3Qでは1.9となり、世帯内におけるauスマートフォンの連鎖獲得についても着実に拡大しています。
パーソナルセグメントのau契約数全体に占めるauスマートバリュー浸透率は、18%と前年同期比で2倍になりました。
「auスマートパス」は昨年12月末に累計888万会員となり、今期末予想の1,000万に対する進捗は74%と順調に推移しています。これを受けて、フィーチャーフォンを含む付加価値ARPUは3Qで290円、スマートフォンのみの付加価値ARPUは470円となりました。
通期業績予想の見直し
3Qまでの好調な進捗を反映し、連結営業収益・同営業利益及び1株当たりの年間配当金の通期業績予想を上方修正しました。
連結営業収益は期初予想に対し+1,400億円の4兆2,800億円、連結営業利益は期初予想に対し+300億円の6,600億円に。
また、好調な業績を踏まえ、1株当たりの年間配当金を+10円の130円に各々上方修正しました。
主なオペレーションデータについては、au通信ARPUを期初予想に対し+70円の4,130円に、連結のau純増数を+40万の270万に、それぞれ上方修正しました。
決算発表のまとめ
-
(1) 連結営業収益・同営業利益ともに通期予想を上方修正。
-
(2) au通信ARPUは、4Qで前年同期比反転。
-
(3) 株主還元として、配当予想を上方修正。
以上の3つのポイントから、中期3年計画の初年度として、良いスタートが切れたと認識しています。今後は着実な利益拡大フェーズに入ると見ておりますが、成長のスピードをゆるめることなく、事業成長を推進していきます。
質問者1
-
- 今期の営業利益予想を6,600億円に上方修正したが、最終着地は6,600億円からの上振れはないのか。また、来期10%増益は達成できそうか。来期の配当性向の方向性はいかがか。
-
6,600億は必ず達成するという、マネジメントのコミットメントだと思っていただきたい。来期の増益目標は期初の中期計画発表の通りであるが、今期の最終着地にもよる。配当性向は、期初に示しているガイドライン通り、30%以上がターゲットである。
-
- スマートフォン販売台数が前年対比で減少しているという状況を、どのように解釈すればよいか。
-
スマートフォン浸透率は現在44%まで到達しているが、最終的には80%程度まで行くものと予想している。一般的に、アーリーアダプターからレイトマジョリティへと移行するにつれて浸透スピードは鈍化していくものであり、現在のスマホシフトの状況は自然な動きであり、特段心配はしていない。これからも、魅力ある端末を出す努力をしていきたい。
質問者2
-
- 今回の業績修正値から1-3Q累計の数値を差し引いて4Q数値を算出すると、4Qに何かしらの費用拡大か或いはバッファーをみていると想像するが、いかがか? 費用増を見込んでいるのであれば、内容を聞きたい。
-
来期に向けて、営業利益6,600億円というガイドラインを下回ることのない範囲で可能な限り獲得をしていくということである。獲得費用は適切なレベルに抑制しながら、獲得を推進していきたい。
-
- バランスシートについての考えを聞きたい。ネットデットがEBITDAをはるかに下回る水準になりバランスがいびつになってきているが、財務戦略・資本政策についてどのように考えているのか。
-
今期は、期初に発表した中期計画の1年目なので、まずは株主に報いるために増配を決めさせてもらったというのが今回の3Q。中期計画上の残りの2年を視野に入れながら、バランスシートを適正なレベルに保つオペレーションをしていきたい。
質問者3
-
- 今後1~2年を見据えた時、スマートデバイスの普及が次のベンチマークとなると考えるが、スマートデバイス全体での普及率がどの程度になるか、どの程度を目指すのかを聞きたい。
-
スマートフォン浸透率が限界値 (8割程度と想定) の半分くらいまで来たので、これ以上の成長には、加入者を獲得するか1契約あたりのARPUを上げていくしかないと思っている。そうなると、タブレットやルーターなどの比較的ARPUの高いものを積み上げていくことが基本となる。これらのスマートデバイスを普及させていくという意味でも、昨年、データシェアプランという新しい料金プランを打ち出したり、+ WiMAXのルーターとスマートフォンのセット割であるauスマートバリューmineを開始するなどした。また先日の春端末発表会では、スマートフォンとタブレットの中間的なサイズであるファブレットを中心に据えたが、こういったデバイスが日本のユーザーに受け入れられるのかという課題への取り組みである。これまで、日本の市場ではタブレットは受け入れられ難いという思いも多少持っていたが、徐々に受け入れられ始めてきている。こうしたARPUの増やし方も追及していきたい。世の中の流れと我々の施策がうまく組み合わさってきたと思っている。どういったKPIで外部に示していったらよいのかは、もう少し時間をいただきたい。
-
- スマートフォン以外のスマートデバイスも含めた浸透率は、年に10%程度は上昇することが可能と考えているか。
-
中期的な展望として確固としたことは言えないが、立ち上がりは悪くないので、もう暫く動向を見て判断していきたい。 プレゼンテーション資料の15ページで、スマートフォンユーザーの付加価値ARPUは470円と説明したが、さらにそのうちのauスマートパス会員の付加価値ARPUは720円(注)まで来ている。通信ARPUだけでなく付加価値ARPUでのプラス効果もあり、うまく噛み合ってきていると考える。
-
- 2010年12月の社長就任以来、戦略・施策が噛み合って成功してきたが、3M戦略の完成形が見えてきた今、3Mの次の戦略の骨子をお伺いしたい。今後、同業他社も同時期に同じようなことを打ち出してくる可能性があるが、他社との差別化戦略は?
-
目先のオペレーションは、プレゼンテーション資料の17ページで説明した通り、「NW」「端末」「料金」「サービス」「サポート」のそれぞれの分野で差別化していき、総和として他社比較優位性を確保していく。
それ以降の戦略は、いずれ発表する時が来るので楽しみにしておいていただきたい。
質問者4
-
- 今後の戦略の考え方について伺いたい。3M戦略を推進していくだけで来期・再来期の10%増益は達成可能ということか。それとも、3M以外の新戦略があって、先行投資をしても10%増益は達成できるということか。
-
3年間10%増益を続けるというのはマネジメントの方針で、どのように達成するかというだけの議論。来期の10%増益は照準に捉えているが、再来期の10%増益のためには何か新しいものを準備しないといけない。さらに、その先の成長のための準備も必要。それらを踏まえた上での、3期2ケタ増益という中期計画である。
-
- 今期予想から1-3Q実績を差し引いて計算される4Q見通しは、パーソナルセグメント以外の各セグメントで対前年同期比営業利益減に見えるが、何か特別な要因があるようであれば教えてほしい。
-
ビジネスセグメントについては、今年度から「まとめてオフィス」を全国展開したことでかなり積極的な販売計画となり、増収の一方で相応の獲得コストがかかっているということが主要因。バリューセグメント、グローバルセグメントについては、特筆すべき事象はない。
質問者5
-
- 4QのARPU反転後、来期は毎月割設定額の多少の増加は厭わないというオペレーションになるのではないかと懸念するが、いかがか。
-
ARPUの今期見通し上方修正の要因は、毎月割の抑制もあるが、主にはデータARPUが期初計画に対して上振れているということ。来期計画は現在まさに策定中でリスク要素も様々あるとの認識だが、毎月割設定額を上げてコミッションを減らし一時的な利益を創出しようという考えはない。現在と同レベルで行けるかどうかは確たることは言えないが、抑制していきたいという意思はある。
一時コストである販売手数料と毎月割設定月額×24カ月の合算値を獲得コストと考えた場合、3Qは前年同期比で3,600円抑制できている。こういったオペレーションをして来期に積み残しがないようにしたい。
-
- 来期計画では、スマートフォン販売台数は今期に対して伸びるのか、横ばいなのか。
-
現在計画策定中であるが、スマートフォン販売台数に大きな変動はない。現在、スマートフォン販売の主体は3GからLTEへの機種変更というトレンドだが、これは来期も変わらず、スマートフォンからスマートフォンへの機種変更の比率が幾分上昇するであろう。
-
- 同業他社が地域限定でauスマートバリューに類似したサービスを展開しているが、仮に全国展開してきた場合にどのような影響があるか。NTTの在り方の見直し論議もある中で、auスマートバリューの効果はいつまで持続できると考えるか。
-
他社では中部・東北でトライアルをしているが、ほとんど影響がないというのが現在の状況。移動通信と固定通信のバンドルサービスには、当社に先行優位性があると考えており、もう暫く様子を見てから判断したい。規制緩和については、当社のスタンスをお話しする機会がいずれ別途あると思うのでその時までお待ちいただきたい。auスマートバリューが有効に働くマーケットサイズや適切な時期があるし、移動と固定をセットで販売していくオペレーションはそれなりの経験も必要。auスマートバリューの効力が永遠に続くとは言わないが、まだまだ有効であろう。
- 決算説明会
- 決算説明会2025年3月期
- 決算説明会2024年3月期
- 決算説明会2023年3月期
- 決算説明会2022年3月期
- 決算説明会2021年3月期
- 決算説明会2020年3月期
- 決算説明会2019年3月期
- 決算説明会2018年3月期
- 決算説明会2017年3月期
- 決算説明会2016年3月期
- 決算説明会2015年3月期
- 決算説明会2014年3月期
- 決算説明会2013年3月期
- 決算説明会2012年3月期
- 決算説明会2011年3月期
- 決算説明会2010年3月期
- 決算説明会2009年3月期
- 決算説明会2008年3月期
- 決算説明会2007年3月期
- 決算説明会2006年3月期
- 決算説明会2005年3月期
- 決算説明会2004年3月期
- 決算説明会2003年3月期
- 決算説明会2002年3月期
- 決算説明会2001年3月期