2014年3月期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2014年4月30日 (水) 17:00~17:50 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋専務、石川専務、福﨑常務、田島常務、内田常務、東海林常務、本田本部長 明田室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算プレゼンテーションでは、「2014年3月期の業績」と、「2015年3月期の業績予想」、そして「新たな成長ステージを目指す」今後の事業の方向性について社長の田中が説明いたしました。
2014年3月期 (2013年4月~2014年3月) の業績
連結業績は、連結営業収益4兆3,336億円 (前期比+18%)、営業利益6,632億円 (同+29%)、経常利益6,629億円 (同+29%)、当期純利益3,220億円 (同+33%)、EBITDA1兆1,861億円 (同+24%) の、中期的な目標を掲げた初年度として、営業利益2けた成長を達成しました。
なお、今期から連結化しましたJ:COM影響は、営業収益+3,490億円、営業利益+633億円となりました。
また、「パーソナル・バリュー・ビジネス・グローバル」の全4セグメントにおいて、前年同期比増収増益を達成しました。
オペレーションの状況
第4四半期のau通信ARPUは前年同期比+2.2%の4,120円となり、「第4四半期における前年同期比較での反転」を実現しました。
au純増数は通期で281万の純増を達成し、累計の契約数は前年より7.5%拡大しました。
2014年3月期末のスマートフォン浸透率は49%まで上昇し、うちLTEの比率も35%となりました。ひきつづきスマートフォンの浸透がデータARPUの上昇に寄与します。
「auスマートバリュー」を開始してから2年、モバイルにおけるauスマートバリューの浸透率は22%まで上昇しました。
ネットワークは、「速いが広い」を追求し、今年3月14日にau 4G LTE 800MHzプラチナバンドの実人口カバー率99%を達成しました。
また、今期は「新たな市場開拓に向けた取り組み」として、固定ブロードバンド回線を必要としない単身世帯向けに「auスマートバリューmine」をスマートフォンとセット割引の形で、モバイルWi-Fiルータを、「データシェアキャンペーン」としてスマートフォンとセット割引の形で4G LTEタブレットの販売を強化しました。
ほかにも、付加価値ARPUの拡大にも注力し、「auスマートパス」はサービス開始から2年で1,000万会員を突破し、スマートフォンとフィーチャーフォンユーザの全体ベースで330円、スマートフォンユーザのみでは560円、auスマートパスユーザに限ると720円になりました。
CATV No.1のJ:COMと、No.2のJCNは、4月に合併し新J:COMが誕生。6月には、サービス統合を予定しています。J:COMとのクロスセル推進については、「auスマートバリュー」の適用条件を拡大し、両社のクロスセルをスピードアップします。
通期業績予想の見直し
2015年3月期の連結業績予想値は、営業収益4兆6,000億円 (前期比+6%)、営業利益7,300億円 (同+10%)、EBITDA1兆2,780億円 (同+8%) を予想しています。
連結営業利益の2期連続2けた成長を目指します。
一株当たり当期純利益 (EPS) は508円 (前期比+27%) の成長を目指します。一株当たり配当は160円 (前期比+23%) とひきつづき株主還元を強化します。
また、au通信ARPU (注) は通期で前期比反転となる4,250円、au純増数は265万を目指します。
新たな成長ステージを目指す
これまでの2つの成長基盤として、(1) 4,000万のau契約数と付加価値サービスであるauスマートパスの1,000万会員を突破した「顧客基盤」、(2) au 4G LTEの主力の800MHzプラチナバンドで実人口カバー率99%を達成した「インフラ基盤」の2つの基盤を基に、新たな成長ステージを目指します。
成長のキーファクターとして、マルチデバイス化が加速する中、ユーザ数であるIDの拡大とID当たりのARPUの拡大を目指します。
また、本年2月に発表しました「au WALLET」はいよいよ本年夏から始め、新しい電子マネーカード事業に進出します。
さらに、本年夏の対応端末より、LTE-Advancedにおけるキャリアアグリゲーションにより受信最大150Mbpsとなる超高速通信を提供します。
グローバル戦略においては、ICTビジネスでデータセンターを核として事業拡大、コンシューマビジネスは、新興国・アジアでの事業拡大を目指します。
まとめると、3ヵ年計画の初年度である2014年3月期は、2けたの利益成長を着実に達成しました。
2年目である2015年3月期は、この持続的な利益成長とともに、新たな成長ステージを目指してまいります。
質問者1
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- 今期のARPU見通しについて、前期4QのARPUが前年比+2%増加しているにもかかわらず、今期1.2%台の増加となっているが、保守的な見通しではないか。保守的な見通しとなる大きなマイナスの要因でもあるのか。一方で純増については、かなり高い目標となっているが、今期の取り組みについて、背景、考え方を教えてほしい。
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ARPU増については、保守的と言えば、保守的である。前期はiPhone販売の比率が高かった。今期もその比率が高い水準になると予想され、結果としてARPUの伸びが少し鈍化すると予想される。
他社が発表した新プランへの対抗については、価格競争に陥ることなく、価値訴求に訴えていきたい。即応型ではなく、キャリアアグリケーション、VoLTE、au WALLETを組み合わせて価値訴求を全面に打ち出して、推し進めていきたい。
ARPUの見通し値については、若干弱めに読んでいるかもしれないが、データARPUは堅調に推移する一方、今年度、割引適用を極力抑えたが、年度の後半になると例年のように上がるため、そのあたりを強めに織り込んだ。特に大きな料金変更を想定している訳ではない。
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- 2014年3月期は、かなりの高配当であるが、今後は、利益成長率より配当成長率が上回っていくのか。
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今後は、キャッシュの使途について、成長投資を中心に割り振っていきたい強い思いはあり、今期はM&Aを進めていく。配当もEPS成長にあわせて実施する。顧客基盤、ネットワークもある程度確立してきており、次の成長ステージに進んでいくべく、M&Aなど積極的に実施したい。
質問者2
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- ドコモの新料金プランについて、ドコモは考え自体を大きく変えたと認識している。これにより、auスマートバリューの有効性が薄れる可能性もあると思うが、auスマートバリューの優位性に与える影響について教えてほしい。
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ドコモの新料金プランには、音声定額とファミリーシェアという二つのパートがある。前者は、広く理解度が上がっている。後者はマーケットがどう考えているかまだまだ、認識が浅いレベルにあり、さらに検討を重ねる必要がある。
提供側から見ると、auスマートバリューは一人で加入しても、家庭内における連鎖契約獲得型の商品であるが、ファミリーシェアとは性格が異なると見ており、そこが優位性である。また、営業活動で必要な行動面においても、auスマートバリューは優位性がある。最終的な判断はお客さまにあるので、もう少し待っていただきたい。
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- ドコモ新料金プランに対抗するプランを出すのか。
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いつかは出したいと思う。多様な料金プランを考えており、直接的な対抗型とは少し異なるものになるかもしれない。
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- 成長のためにお金を使いたいということであるが、業績推移が堅調になってきており、お金の使い方について、特にバランスシートの考え方について、ポリシーを明言した方がいいと思うが、どうか。
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当社のマネジメントスタイルは対外コミットメントには必ず達成するスタイルをとっており、これまでコミットした各種値については数字はすべてカバーしている。今後のキャッシュの使途については、成長投資型にシフトしていくことは明言したい。
質問者3
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- 成長のために、M&Aを含め、投資をしていくということであるが、どんな分野に投資していくのか。トラフィックに関する分野なのか、SBのような海外キャリア買収、あるいは、ドコモのような本業と関係ないようなところなのか。
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IDとARPUの掛け算を最大化することが成長のフレームワークである。また、グローバル事業の構成比率を拡大していくことも検討している。直接関係のないアイランド型の投資はしない。具体的なところはご容赦願いたい。M&A個別案件を発表した後に、皆さんに深く考えていただくと、それなりの理由があったと理解いただけるような投資を行っていく。
質問者4
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- 過去最高の現預金残高と思われる。今のペースだとFCFが毎年2,000~3,000億円積み上がると思われる。また、配当は増配含みであると思われる。成長投資の考え方は、発生するFCFプラスαの投資なのか、それとも、さらに財務的なリスクを負っても、大規模な投資をするのかどちらか。
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発生するFCFを想定しながら、投資をしていきたい。負債を伴う大規模な投資をドカンと実施することはしない。例えば、1兆円ぐらいの大規模な投資はない。
質問者5
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- 純増、ARPU、利益の今期計画について、一番未達成リスクのあるKPIは何か?
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とんでもないことが発生しなければ、どのKPIもクリアできると思う。
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- J:COMについては、今回auスマートバリューの契約適用条件を拡大しているが、その効果は出ているか。また、契約適用条件を拡大し、テレビ契約単体のユーザにもauスマートバリューの契約適用していくのか。
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現時点では、まだ大きな変化は出ていないが、J:COMとしても、auスマートバリューは成長戦略のひとつとして契約獲得に取り組んでいる。ネット+テレビ契約の拡大を重視しており、ネット利用拡張に取り組んでいるところ。テレビ単体ユーザへのauスマートバリュー適用は現時点では考えていない。
質問者6
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- 今期のM&Aは、2けた増益のコミットメントを踏まえたものなのか。それとも、リーズナブルな大規模投資が出てきた場合は、コミットメントを修正してでも実施するのか。
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昨年春にもお話ししたが、3期連続営業利益10%成長はコミットメントである。事業投資については臨機応変に対応していきたい。大型投資案件は現時点でないので、利益計画に足枷になるものはないと見ている。仮に、必要な事業投資を行うことにより、利益コミットメントが守れないケースが発生すれば、コスト削減しても、利益コミットメントは達成する。
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- 海外投資をする際、カントリーリスクに対して、国ごとにディスカウントレートをしているのか。
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海外の投資に関しては、さまざまなリスクファクターをレビューしているが、具体的な対象が明確になった時に、その都度評価している。
質問者7
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- M&Aに関して、成長のためにということであるが、保有している子会社 (J:COM、UQコミュニケーションズ) の持分引き上げなどは想定していないのか。
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J:COMは考えていない。UQはBWAへの出資規制ルールがあるため、現時点では議決権を上げていくことはできない。
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- 純増の中身について、スマートフォン比率はいくつか。今までの傾向から変わると想定しているのか。ヤフーのYモバイルは6月から低価格ユーザ向けのビジネスが想定されるが、純増に影響を与えないのか。
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純増内訳については開示していないが、タブレット、ルータの割合が増えていく。とはいえ、M2M (スマートメーター) などは含んでいない。
Yモバイルみたいなことは考えていないわけではない。
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- 5月8日の新商品発表会にて、新料金プランは発表しないのか。
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5月8日においては、その予定はない。
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