2015年3月期第1四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2014年7月30日 (水) 17:00-17:50 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、高橋専務、石川専務、福崎常務、田島常務、内田常務、東海林常務、本田本部長、明田室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、(1) 2015年3月期第1四半期の業績に加え、(2) 新たなステージに向けた取り組みとして、[1]「IDxARPU」の拡大、[2]グローバル戦略の推進の2点について、社長の田中より説明致しました。
(1) 2015年3月期第1四半期 (2014年4月~2014年6月) の業績
2015年3月期第1四半期の連結業績は、営業収益 1兆206億円 (通期業績予想に対する進捗率 22%)、営業利益 1,948億円 (同27%)、EBITDA 3,264億円 (同26%) となりました。
このうち、営業利益は、パーソナルセグメントにおけるモバイル通信料収入の大幅増収等が貢献し、前年同期比で+161億円の増益となりました。通期業績予想に対する利益進捗は27%となり、二期連続の二けた成長に向けて順調に推移しています。
好調な業績を支える主要KPIの状況
パーソナルセグメントにおけるモバイル通信料収入 (=ID (お客さま数)xARPU) の大幅な増収は、1) ID (お客さま数) が前年同期比で+5.4%成長したことに加え、2)「au通信ARPU」が同+1.7%成長したことによるものです。
また、付加価値ARPUについても、auスマートパスご利用者の増加などが牽引し、同+11.1%上昇しました。
さらに、当第1四半期の連結ベースのau契約数は、前期末比49.4万増の4,102万契約となるなど、主要KPIはいずれも堅調に推移しています。
(2) 新たなステージに向けた取り組み
[1]「IDxARPU」の拡大
国内事業については、お客さま数である「ID」の拡大と、「ID当たりARPU」の拡大との両立により、持続的な成長を目指します。
まず、「ID」は、高品質なLTEネットワークを基盤に、auスマートバリューを契機として拡大していきます。また、「ARPU」は、スマートフォン向けの新料金プラン導入などによりスマートフォンシフトを促進させ、ひきつづき上昇を目指します。
さらに、付加価値売上は、これまでのauスマートパスを中心とした「オンライン」市場に加え、au WALLET等により新領域である「オフライン」市場への拡大を目指していきます。
[2]グローバル戦略の推進
KDDIのグローバル事業は、2015年3月期で売上規模3,100億円を見込んでいます。グローバル事業においては、1) 成長を支える礎としての「ICTビジネス」と、2) 規模拡大のエンジンの役割を担う「コンシューマビジネス」の2本の柱を軸に展開していきます。
まず、ICTビジネスにおいては、20年以上の実績を持つKDDIグループの海外データセンター「TELEHOUSE」を中核に据え、事業基盤として注力していきます。一例として、英国最大のネットワーク集積地であるロンドン・ドックランズに、投資規模240億円をかけた新棟「North Two」を建設予定です。
また、コンシューマ事業においては、今後、携帯市場の急速な拡大が期待されるミャンマーにおいて、ミャンマー国営事業体「MPT (Myanma Posts and Telecommunications)」と共同で通信事業を展開・拡大してまいります。
質問者1
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- 昨年度、向こう3年間の利益成長2けた増をコミットする中期計画を立てられ、昨年度に大幅達成し、今年度、来年度も着実に達成されると思うが、スマートフォンを軸とした成長が一定程度と見えてくると、そのあとの成長を牽引していく事業は何かと市場では議論されている。その中で、申し込みが好調なau WALLET事業、ミャンマーでの通信事業、海外でのデータセンター事業拡大など、成長を牽引していくものが見えてきたように思われるが、17.3期でどれくらいの利益寄与を見ているのか。
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昨年度、3年間で2けた増益の成長をコミットさせていただいた。昨年度はコミット以上の成長を達成。今年も順調に進んでいる。来年も当然コミットしている。
我々の一番の課題は17.3期以降も、成長していけるのかということである。前期から経営層の間で、今後どうしていくのかいろいろと議論をしてきた。議論の答えのひとつが、国内のオフライン市場に参入していくということである。
au WALLETはそのひとつのツールになると思っている。オフラインにおける利益の貢献だけでなく、オンラインとオフラインをぐるぐる回して、経済循環を起こしていきたい。加えて、お客さまのタッチポイントをオンラインの世界だけでなく、オフラインの世界を含めて強化していくことがIDの増加にも寄与していくと思っている。
ミャンマーでの共同事業は以前から取り組んでいたことが第1四半期での公開となった。これからいろいろと準備していることをお披露目することができると思う。
今期の我々の目標は、新しいステージに向かっていくことである。au通信ARPUはすでに反転しており、セカンドデバイスであるタブレットの販売も予想以上に伸びており、国内通信事業は確実にプラスになっていく。さらに新しい事業に取組み、さらなる成長を目指していきたい。具体的な数字は、本決算でお応えしたい。
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- 足下の純増数は伸び悩んでいるようであるが、2Q以降どのような取り組みをするのか。
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他社の純増数やMNP純増数の数字が公表されているので、KDDIは悪いと思われているが、そんなことはまったくない。
通信市場全体の純増数とMNP純増数は、前期4Qに大きなアップリフトがあったので、4月・5月はその反動で、市場自体の規模が小さくなっているが、競争軸という観点でみるとauの通信市場全体に占める純増数とMNP純増数のシェアは変わっていない。足下の6-7月の総販売台数、純増数の数字は回復してきているので、市場がこのまま縮小するとは思っていない。通信業界は下期に端末がよく売れるイベントが多い。新端末販売や年末商戦があり、期初に掲げた目標は修正することなく、下期に向けて気合いを入れていろいろな取組を行っていきたいと思う。
質問者2
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- 第1四半期のau通信ARPUが好調である。好調なau通信ARPUにより、中間決算にて、通期営業利益見通しを上方修正することは考えているのか。
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基本的には余程のことがない限り、中間期での業績修正は考えていない。
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- 新料金プランの最低料金コースが上限2GBからとなっているが、既存料金プランから新料金プランの最低料金コースへ変更する、すなわち、ダウングレードによる減収リスクについてどう考えているか。また、ダウングレードを回避するキャンペーンを実施するのか?
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当社スマホユーザの月間の平均データ使用量は3GBを少し切るところ。上限2GBの最低料金プランでは、逆に超過料金が発生し、料金が高くなってしまう。また、スマホユーザの裾野拡大が進むなかでも、平均データ使用量は毎月伸びていることから、ダウングレードによる減収リスクはないと考えている。
自分のデータ使用量に適したプランを選べることが新料金プラン"デジラ"であり、レイトマジョリティー層にとって、エントリープランを選べることは、結果として、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行につながり、デジラはau通信ARPU向上に貢献する。
一方、既存のスマートフォンユーザやヘビーユーザにとって、エントリーポイントはどこが一番いいかということは、非常にいろいろなことが考えられる領域であり、そこは今後のキャンペーンで対応していきたい。
質問者3
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- au WALLETの申し込み者のプロファイルを教えてほしい。
また、チャージが5%増額するキャンペーンを現在展開しているが、それ以後の販売促進としては、どのようなものを考えているか。
au WALLET戦略が成功しているが、立ち上げにどれ位のコストをかけたのか。 -
au WALLET申し込み者のプロファイルに特別なものはない。幅広い世代からの申し込みがあり、1Qの関連立ち上げ費用は約40億円。今期は新しいフェーズに向かっていく年だと思っている。ガイダンスの利益ベースを守りながら、来期、その次の期に利益貢献できるようau WALLETを積極的に立ち上げていきたい。
足元の状況を報告すると、オンライン経由でキャンペーンのアプローチをした後、au WALLETの利用率が伸びている結果が出ており、au WALLETがオフラインでの新しいユーザ接点になりえる可能性を非常に感じている。オフラインとオンラインの経済循環を大きくすることをまず、ここ一年間実施していきたい。
- au WALLETの申し込み者のプロファイルを教えてほしい。
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- NTT光卸への対抗策について、教えてほしい。
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NTT光卸については、断固反対の立場をとっており、総務省の委員会での検討内容を注視していきたい。
質問者4
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- ミャンマーでの共同事業への投資はどれくらいの期間で、どれくらいの投資額で、どういうリターンを見込んでいるか。
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共同事業者との守秘義務契約もあるため、詳細は言えないが、10年間で2,000億円の投資。その半分 (1,000億円) は、事業運営で得た資金の再投資を考えている。連結PLへの影響は、二年目ぐらいから黒字寄与できるような計画になっている。危険性の低い投資のスキームを採用しており、外部が心配する程リスクはないと考えている。
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- ミャンマーでの共同事業への投資拡大の計画はあるのか。
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事業計画は先ほど説明した通りであり、周辺ビジネスを含めて魅力的な市場であることは変わらない。事業運営を進める中で、ポジティブに振れた場合、追加投資や事業拡大の可能性はある。
質問者5
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- 現行のスマートフォン料金プラン (上限7GB) の受付停止について、auだけが実施時期を明言していないが、その背景は? また、店頭での現行料金プランと新料金プランの売り分け方法は?
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現行料金プランの廃止時期は決めていない。
プランの売り分けについては、レイトマジョリティーの方には新料金の方がいいと思うが、逆にアーリーアダプターの方は通話をほとんどしない傾向がある。また、現行の料金プランをご利用されている方も多数おられるので、新料金プランに強制的に移行してもらう接客は現時点で行わない。できるだけ、"選べる自由 au"ということで、ユーザニーズに合わせたプランをおすすめしていきたい。
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- 秋以降、他社は現行料金プランの受付停止をするが、唯一、新旧料金プランが併存するauとして、マーケティング上の優位性につなげて行こうと思っているのか?
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店頭や営業の現場からは優位だと聞いているが、本当に優位につながるか否かは現時点では、分からない。
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