2015年3月期第2四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2014年10月31日 (金) 19:00~20:00 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、高橋専務、石川専務、福崎常務、田島常務、内田常務、東海林常務、本田本部長、明田室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「2015年3月期上期の業績」と「新たなステージに向けた取り組み」の2点について、社長の田中より説明いたしました。
1. 2015年3月期第2四半期 (2014年4月~2014年9月) の業績
2015年3月期上期の連結営業収益は、前年同期比で3.8%増加し、2兆1,319億円となりました。
また、連結営業利益は、パーソナルセグメントにおけるモバイル通信料収入の着実な増加に加え、モバイル販売費用の抑制などにより、前年同期比10.7%増の3,848億円となりました。連結営業利益率は、前年同期比で1.1ポイント上昇し、18.0%となりました。
通期の連結営業利益計画に対する利益進捗は52.7%となり、二期連続の二桁成長に向けて順調に推移しています。
好調な業績を支える主要KPIの状況
2Qのau解約率 (パーソナルセグメントベース) は0.63%と、引き続き低水準を維持しました。また、au純増数 (連結ベース) は上期で107万契約となり、3期連続「上期100万純増」を突破しました。
2Qの「au通信ARPU」(パーソナルセグメントベース) は、前年同期比1.4%増の4,280円となり、通期ベースでの前期比反転に向けて順調に進捗しています。また、au通信ARPUの成長を支えるauスマートフォンの浸透率は9月末時点で52%まで上昇しました。
さらに、付加価値ARPUについても、auスマートパスご利用者の増加などにより、前年同期比11%増の310円となりました。
2. 新たなステージに向けた取り組み
国内モバイル通信各社の同質化が進む中、auについては、
さらに、本年8月に設立した「KDDIバリューイネイブラー」を通じてMVNO市場を活性化し、KDDIネットワークの利用者拡大を目指します。
一方、海外事業の注力分野であるミャンマーの通信事業については、9月単月で100万枚を超えるSIM販売を達成しており、引き続き事業拡大に向けて注力してまいります。
質問者1
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- スマートフォン浸透率が52%で、想定していたよりも浸透のスピードが遅く見える。期初想定していたよりも端末販売が下振れしているが、この状況をどのように考えているのか?
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端末販売について、1Qは去年の4Qの反動で落ち込んだが、2Qについては、前年並みに推移している。トレンドはどうかというと、10月については、前年同期比を上回っており、通期の端末販売は前年並みになるのではないかとみている。
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- スマートフォンのシフトが遅れているようだが、ARPUに関しては想定よりも良い。スマートフォンのシフトが進んでいれば、ARPUがもっと上昇していたと思われるが、そこのギャップについてどう思うか。
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ARPUを上げる要素の中でスマートフォンは非常に大きいが、スマートフォンの販売台数が計画をショートしたのは、4,5月だけで、全体としてみれば堅調。新料金プランのマイナス影響もなく、上期ARPUが推移しているのはスマートフォン販売が堅調だったからだと認識している。
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- 新料金プランのARPUへのマイナス影響が小さかった要因は? 新旧両プランの選択率は?
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新料金プランにおける5GB以上の割合が高いことが、新料金プランのARPUへのマイナス影響が少なかった要因。
新旧プランの利用率は非開示とさせていただく。一般的には、若い人は電話をしないでデータを多く使用する。そうでない人は、電話を頻繁に使い、データを余り使わない。今は、新旧両方のプランが選べる状態で、うまく整合が取れているため、ARPUの押し下げ効果があまりなかったのではないかと思う。LTEスマートフォンユーザーの月間平均データ量も3GB超えて、5GB以上のプランへの加入率も44%まで来ているので、うまくオペレーションができているのではないかと思う。
質問者2
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- 営業利益の通期計画に対する進捗が53%となっている。通期で前期比10%強の増益をオペレーションするのであれば、下期はかなり余裕があり、色々と戦略的な手を打てると思える。競争対抗とか、来期を加速させる前向きな投資など色々なオプションがあると思うが、どういうことを考えているのか?
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会社としては、昨年の春に発表させていただいた中期3年計画において、営業利益の毎期2桁成長を視野にオペレーションをしており、期間もちょうど半分まで来た。上期の進捗を見ると余裕があるのは事実である。もう一つは、さらにその先の成長に向けて、au WALLETやミャンマーでの事業も開始している。こうしたコスト要素も盛り込んで今回の業績に至っている。この後も色々なことが考えられると思うが、他社の動向を踏まえつつも、コミットしたことについては、しっかりと守っていきたい。
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- 他社の光回線のセット割が常識的な範囲での提供となれば、会社計画の利益を守りながら十分に対抗できるのか?
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できればキャッシュバック戦争にならないことを願うが、競争環境によっては、それなりの対応をしていく。
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- au WALLET流通額の目標1兆円を公表しているが、利益インパクトはどうなのか?
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au WALLETについては、プリペイド業界の中では、かなりのスピードで浸透しており、順調に進捗している。今後のO2Oのプラットフォームとして大きなものへと育成していくことに視野を置いている。先日クレジットカード進出についてもお話をしているので、そこに対するアップセルを進めることが今後収益に効いてくるのではないかと思う。au WALLET利用額は公表していないが、想定したよりも利用が増えているので、今後楽しみである。クレジットと少額決済の間のポジションに入っていき、2017年の流通額1兆円を目指して実現していきたいと思う。
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- クレジットカードの月間平均利用額が5万円で、プリペイドの平均が7千円なので、平均すると約2万円ということか?
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利用動向がはっきり見えてきてから発表したいと思う。
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- ミャンマーでの事業については、10年間で2,000億円の投資のうち、その半分の1,000億円については、事業キャッシュフローで賄いながら実施していくということを公表されているが、現状どうなのか?
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9月で100万枚以上のSIM販売実績は事業計画の予想を超えており、ハイペースで販売が進んでいる。ミャンマーは日本とは違い、まだまだ解約がない市場であり、販売がそのまま契約数になっている。9月末時点の累計契約数は800万を超えており、このペースで増やしていきたい。ARPUも落ちているわけではなく、滑り出しとしては非常にいい印象だが、競合他社2社がいるので、ARPUの先行きについての言及は控えたい。
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- ミャンマーでの競合二社の状況はどうか?
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競合はネットワーク整備を進めている。競合他社もSIMカードは順調に販売していると聞いているが、すでにネットワーク構築されている我々が現時点では、優勢な状況。我々のSIM販売価格は、他2社と比べ、流通市場において高値で流通しており、そのことからも利用者から高い評価を頂いているのではないかと思う。
質問者3
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- 完璧なオペレーションだと評価できるが、規模が大きくなっているので、今後の加入者数の増加は鈍化してくるのではないかと思う。現状5%伸びているモバイル通信料収入の成長率をどう見ているのか。
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純増はそれなりに確保しているが、旧来のスマートフォン中心のMNP純増市場は小さくなっている。その差分を埋めているのが、タブレット。タブレットは社内計画を超える出力がでているので、悲観的な見方をしていない。ARPUが下げに転じないよう常に着目しているが、今はそうしたことはない。
通信ARPUの上昇が鈍化した場合は、付加価値ARPUの上昇で支える。そこから先はO2Oなどラショナルなビジネス領域で支える。もう一方では、グローバルも寄与していく。これらいくつかの増収要素を組み合わせて、トップライン成長を持続させていきたい。
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- KDDI当期純利益予想は4,240億円、NTTドコモは下方修正後4,200億円とKDDIが上回った。一方で、時価総額は下回っている。このギャップに関する見解は?
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業績修正を行うのは3Q終了後かと思っている。この上期は皆さまに安心できる結果を示すことができたと思う。
引き続き、成長を目指したオペレーションを行い、ニュースがあるときは、3Q終了後に改めてお伝えしたい。
質問者4
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- スマートフォン一台当たりのデータ量が伸びているのは、何がドライバーなのか? 今後の推移は?
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ネットワークは速くなるとそれだけデータを使う。オーガニックにトラフィックが増えている事だと思う。特殊要因があるのではない。逆に言うと、これを支えるネットワークのキャパシティーの確保が課題であるが、キャリアアグリゲーションなど効率のいいネットワーク構築とUQ WiMAX 2+×20MHz幅追加枠活用のダブル施策でトラフィック増を支えていく。うまくいけば、「デジラ」の高データプラン契約比率がさらに上がり、さらなる増収も期待できる。現時点では、データ量が伸びていくことに否定的ではない。
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- 好調なオペレーションでキャッシュフローがどんどん出て、自己資本が積み上がり、自己資本比率も60%近くまで行くと思うが、キャッシュフローマネジメントと株主還元についてどう考えているか。
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今日の時点では新たなニュースを発表することはない。
質問者5
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- auスマートバリューの加入状況は引き続き好調である中で、J:COMでは本年10月からテレビ+電話のユーザー向けに条件を拡大しているが、出足の状況は。
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auひかりユーザーに占めるのauスマートバリュー浸透率は58%まで来ているが、ケーブルはまだそこまで浸透していない。主力のテレビを割引対象としていなかったこともあり、これから、他社で光回線のセット割が開始されてしまう前に、テレビユーザーの浸透率をもっと上げたいということでスタートした。今年の春からテレビ+インターネットの適用を開始し、着実に浸透してきている。テレビ+電話の適用も10月からJ:COMにおいて開始した。auスマートバリューを浸透させることで、競争環境の変化にも十分対応できるようしたい。
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- ビジネスセグメントが1Q,2Qと前年同期比で減益となっている理由は?
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ビジネスセグメントでは、前上期の毎月割設定単価が高水準となっていたため、前下期から毎月割抑制施策を始めた。その結果、今上期は、前年同期比で、利益が厳しくなった。加えて、端末販売台数が前年同期比で増加し、販売費用総額が増加したことも、利益を押し下げの一因となった。
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- ビジネスセグメントは通期計画に対しては、順調に進捗しているのか。
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法人モバイルの利用特性はコンシューマとは逆であり、通話量が多く、データ量が少ないため、短期的には、新料金プランの影響として、利益にネガティブとなる。一方でスマートフォンの浸透率は未だ低いため、スマートフォンの浸透とともに、今後のARPUは回復してくると見ている。今期のビジネスセグメントの営業利益水準は、通期ベースでの期初見通し達成は厳しいかもしれないが、今下期については、前下期並みの水準を確保できると思う。
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