2016年3月期第3四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2016年2月9日 (火) 18:30-19:15 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋専務、石川専務、福﨑常務、田島常務、内田常務、東海林常務、本田経営管理本部長、明田IR室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「2016年3月期第3四半期の業績」と「新たな成長ステージに向けた取組み」の2点について、社長の田中より説明致しました。
1. 2016年3月期第3四半期 (3Q) の業績
2016年3月期3Q (2015年4月~12月)の連結売上高は、前年同期比で3.8%増加し、3兆2,990億円となりました。
連結営業利益は、au通信ARPA収入と付加価値ARPA収入を合計した「総合ARPA収入」の増収などにより、前年同期比11.0%増の6,724億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、4,085億円となり、前年同期比13.4%増となりました。
通期の連結営業利益計画に対する利益進捗は82.0%と、順調に推移しています。
業績を支えるオペレーションの状況 (パーソナルセグメント)
2016年3月期3Q (2015年4月~12月) のau純増数 (パーソナルセグメントベース) は136万純増となりました。「お客さま1人当たりのモバイルデバイス数」は、四半期を追うごとに着実に拡大しており、2015年12月末時点で1.40台 (2015年9月末は1.39台) となりました。
加えて、スマートフォン浸透率の着実な上昇もあり、2016年3月期3Qのau通信ARPAは、前年同期比で2.9%増加し、5,720円となりました。
「auスマートバリュー」は、現在も着実に契約数を伸ばしており、2015年12月末時点で、前年同期比で28.0%増加し、1,092万契約となりました。auスマートフォン契約者に占める「auスマートバリュー」の利用率は2015年12月末時点で56%となり、着実に拡大しています。
2. 新たな成長ステージに向けた取り組み
国内における新たな成長領域「付加価値領域」においては、2015年12月末のauスマートパス会員数が、前年同期比 16.4%増の1,402万会員となるなど、堅調に推移しました。リアル店舗でも利用可能な決済サービス「au WALLET」は2015年12月末時点において、プリペイドカード・クレジットカード累計で1,810万 (注) まで拡大しました。2015年8月より開始した「au WALLET Market」は、2015年12月7日に全国2,500のauショップで展開し、販路拡大と商品力強化を推進しました。会員数は順調に伸び、2016年1月末時点において170万会員を超えました。
また、2015年12月、テレビ通販市場においてトップシェアを持つジュピターショップチャンネル株式会社への資本参加を発表しました。両社の経営資源を活用し、ネットとテレビ通販の連携を推進していきます。
さらに、2016年1月20日より、auケータイ・スマートフォンをご利用のお客さま向けに提供する電気サービス「auでんき」の受け付けを開始し、2016年4月1日より提供を開始します。一般電気事業者やさまざまな事業者と連携し、提供エリアのご家庭などに電気を提供していきます。今後も、当社の事業基盤と相乗効果のある分野においてグループ全体で事業領域の拡大を行い、通信料収入以外の付加価値売上の拡大を目指していきます。
一方、グローバル事業においては、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体 (MPT)・住友商事株式会社と共同で推進するミャンマー通信事業のモバイル契約者数が2015年12月末時点で約1,800万契約となりました。これは、共同事業契約締結時 (2014年7月) の契約者数の約3倍となります。今後もお客さま満足度向上やサービス利用率拡大に向けた取り組みを続け、事業の拡大を進めていきます。
質問者1
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- 今回行う500億円の自社株買いのうち、おそらく300億円は京セラ社からの購入となると思うので、マーケットインパクトはそこまで大きくないという印象である。株式市場の中で、自社株買い、配当など、株主還元の強化がここ1~2年で高まっており、業績の上方修正や増配の期待もあった中で、今回はいずれも据え置いた。その中で500億円という規模かつ京セラ社からということとなると、今回の自社株買いの発表は必ずしも市場の声に応えたものではないと思う。来期以降のキャッシュ創出も考慮した上で、来期以降の自社株買いに対する考え方は?
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この3年間は、業績向上 (営業利益2けた増益) や配当性向30%超という目標を掲げて頑張ってきた。今期の本決算時に発表する次期中期計画で、新たな資本政策について発表したいと思っているので、お待ちいただきたい。今回の自社株買いは、京セラ社からの御意向に応えた形ではあるが、500億円のうちの一部は京セラ社以外からの買い取りになると想定している。今回は自社株買いを発表したが、あとは本決算発表時までお待ちいただきたい。
質問者2
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- パーソナルセグメントの費用増加要因は何か? また、グローバルセグメントの売上高が、16.3期2Q比で減収となっている要因は何か? 減収は今後も続くのか?
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パーソナルセグメントの費用増については、ご存知の通りMNP獲得の競争激化に伴い、3Qの販売奨励金が前年同期比140億円増加している。しかし、競争が激化している中でも、我々はうまくオペレーションを行い、毎月割は前年同期比で大幅に減少できている。
グローバルセグメントについては、ミャンマーにおける料金競争激化や、DMXの取引減少もあり減収減益となっている。2Q比での減収には、ミャンマー事業の連結取込期間である15年7~9月のチャット安やKDDIアメリカのコーリングカード事業の一部売却が影響している。今後は、DMXなどの一時的な減収要因はなくなり、チャット安も落ち着いてきたミャンマー事業の増収が続くとみている。
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- 解約率の上昇要因は何か? また、今後のコントロールはどのように行っていくのか?
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3Qは特定機種の商戦期であること、「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」での議論を受けて、お客さまに規制前の端末購入意向が働いたことにより、流動性が高まったことが要因である。また、MVNOへの買い換えによる解約も徐々に増加している。今後は、解約率を低く抑える効果のあるauスマートバリューやauでんきによって、解約率は低減できると考えている。
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- 付加価値ARPAが、前期比10円増加しているものの、今後さらに伸びてくるような兆候はあるか? また、今後はどの領域を伸ばすことで付加価値ARPAを増加させていくのか?
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付加価値ARPAの通期見通し500円の達成は、かなり厳しい状況である。auスマートパスは、計画を上回り好調に推移しており、解約率も1%未満で累計会員数が増加している。一方で、ビデオパスなどの他のパス系サービスに関しては、丁寧な販売を行っているため、付加価値ARPAへの増加影響は薄くなっている。今後は、ひきつづきパス系のサービスを伸ばしていくことに加え、au WALLET Marketなどのコマースに力を入れて取り組んでいきたい。また、NTTドコモのスマートライフ領域と当社のバリューセグメント比較されることが多いが、NTTドコモのスマートライフ領域 (その他事業) にはモジュール系サービスなども含まれており、同等の比較ではない。スマートライフ事業が、我々のバリューセグメントにあたるが、利益水準では勝っている。今後もそこを意識しながら、付加価値ARPAを伸ばしていきたい。
質問者3
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- au通信ARPAの伸び率が加速しているように見えるが、その背景は何か?
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2つ要素がある。1つは、au通信ARPUが、横ばいからプラスに転じていること。もう1つは、ルータやタブレットの販売好調に伴い、1人当たりモバイルデバイス数が計画を上振れていることが要因であり、今後も継続できると考えている。
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- au通信ARPUがプラスに転じているのは、音声/データどちらの要因と考えているか?
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データである。カケホとデジラ (スーパーカケホ含む) における5GB以上の選択率が向上しており、毎月割のコントロールもできていることがプラスに反転している要因である。また、音声定額プランによる音声ARPUの減少影響が落ち着いてきており、スーパーカケホの導入によるスマートフォンへのシフトも進んでいることもau通信ARPU上昇の要因であり、来期に向けてよい傾向であると考えている。
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- スーパーカケホや学割などを他社に先駆けて発表し、他社が追随するという傾向にあるが、来期以降どのような差別化施策を打っていくのか?
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さらなる成長に向けて我々が今期行っている施策 (au WALLET/au WALLET Market/auでんき) は、来期以降拡大させていくための準備である。垂直立ち上げは難しいと考えているので、今期中にしっかり準備をして、来期にはオーガニックな成長に加え、新しい領域での成長を拡大させたいと考えている。
質問者4
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- 3Qは、MNPの販売奨励金が増加しているということだが、4Qはその分鎮静化すると考えてよいのか? また、来期以降はどのようにコストコントロールしていくのか?
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1月は3Qにひきつづき販売奨励金が多く出ているが、2~3月は鎮静化してくると予想されるので、4Qの利益の上振れは多少あると思う。コミットメントである2けた成長は、確実に達成したいと考えている。来期以降については、現時点ではコメントできる状態になく、今後議論していく。
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- JSCへの資本参加によって、コマース事業に関しては強化できたとみてよいのか? 次の事業投資は、どのような分野を強化するのか?
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JSCは、J:COM側の成長投資という意味合いが強く、auの送客を加味すると最大化が図れるのではないかと思い資本参加している。KDDIとしては、LUXAを買収してau WALLET Marketを開始しているものの、楽天やヤフーと比べるとまだ規模が小さく、今後強化していく必要があるが、JSCほどの投資規模にはならないだろう。金融に関しては、銀行や生命保険、損害保険も事業を開始している。じぶん銀行は、住宅ローンを低金利で提供しているが、さらにお客さまに分かりやすいような打ち出し方を検討している。
質問者5
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- au通信ARPUが好調で推移している一方、業績は計画インラインということは、コストが先行しているということになる。au通信ARPUの上振れ分を、お客さまの獲得コストに使うという戦略をとった背景は何か?
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我々は、ID (お客さま)×ARPUで成長するオペレーションをしているので、一時的にコスト先行となっても、ID獲得後のARPUで回収することができれば、今後の成長につながる。モメンタムを維持したいという強い想いでオペレーションしている。
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- 今後は過度な獲得コストは自制しなければならなくなるが、今後2~3年で、パーソナルセグメントはどのような事業拡大を考えているのか?
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au通信ARPU/ARPAの拡大に、IDの拡大を積み上げていくことにこだわってオペレーションしている。
2~3年後は乞うご期待。
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- 総務省規格での通信速度は、下りは各社横ばい、上りはKDDIが劣後しているように見えるが、現在のネットワーク品質について他社比較でどのように考えているか?
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下りに関しては、業界随一の品質を確保できていると考えている。上りの速度が低めに出ている要因は、WiMAX 2+ (TD-LTE) では、周波数配分を「下り3:上り1」に設定している上に、「上り」においてはキャリアアグリゲーションに対応できていないことが要因と考えている。ただし、お客さまのトラフィックは「下り10:上り1」であり、お客さまの利用実態を踏まえた帯域幅の設計を行っているため、実利用上は問題なく、お客さまのニーズに耐えうる速度が出ていると考えている。
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- ネットワークでの差別化は、難しくなってきている認識か?
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そのような認識となってきている。
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