2017年3月期第2四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2016年11月1日 (火) 17:30-18:30 |
---|---|
場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋副社長、石川副社長、田島専務、内田専務、東海林常務、村本常務、本田経営管理本部長、堀井IR室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「2017年3月期第2四半期の業績」と「新中期目標の達成向けた国内外事業の推進」の2点について、社長の田中より説明致しました。
1. 2017年3月期第2四半期の業績
2017年3月期第2四半期 (2016年4~9月) の連結売上高は2兆3,016億円 (通期予想に対する進捗率 49.0%) となりました。連結営業利益は、主にau通信ARPA収入の増収とau端末販売コストの削減、加えてバリューセグメントの増益などが貢献し5,326億円 (同進捗率 60.2%) となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,261億円 (同進捗率 60.4%)、EBITDAは8,155億円 (同進捗率 55.1%) と、順調に推移しています。
2. 新中期目標の達成に向けた国内外事業の推進
国内通信事業においては2016年9月よりデータ新料金プラン「スーパーデジラ」を開始し、データの大容量ニーズに対応したほか、2016年11月より4G LTEケータイ向け新料金プランを開始しました。今後も、サービスラインアップの拡充により、多様なお客さまに選んでいただけるプランの提供を目指します。
また、UQ mobileでは、2015年10月に本格的にスマートフォン事業を開始して以来、サービスや販売チャネルの強化に注力し、契約者数を順調に伸ばしています。2016年秋冬モデルにて、さらに端末ラインアップを拡充するとともに、2016年10月25日より新CMのオンエアを開始するなど、他社の格安スマートフォンをご利用のお客さま、手軽にスマートフォンを利用したいお客さまへのプロモーションを強化し、事業を推進します。
ライフデザイン事業においては、事業を構成する「サービス」「お客さまタッチポイント」「イネイブラー」それぞれの取り組みを強化します。
まず、「サービス」については、DeNA社より取得するショッピングモール事業とau WALLET Marketやジュピターショップチャンネルなどの物販事業とのシナジーの創出に加え、auのお客さま向け会員制プログラム「au STAR」との連携により、利用層の拡大とau経済圏の拡大を目指します。
次に、「お客さまタッチポイント」については、オンラインとオフラインの両面を強化していきます。2016年9月末に会員数1,487万となった「auスマートパス」に加え、お客さまとのダイレクトコミュニケーションを実現する、新たなスタイルの直営店を拡充することで、au経済圏の拡大を目指します。
最後に、「イネイブラー」である決済プラットフォームについては、「auかんたん決済」と「au WALLETプリペイド・クレジットカード」の利便性の強化をします。「auかんたん決済」では、2016年8月、国内通信事業者としては初めて、App Store (注1) などiPhone (注1) でご利用いただけるサービスに対応しました。また、「au WALLETクレジットカード」については、2016年10月25日より、Apple Pay (注1) への対応を開始しています。
グローバル事業においては、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体 (MPT) との共同事業により、モバイル契約者数が順調に伸びています。2016年9月からは、スマートフォンエントリー層向けにMPTブランドのスマートフォンの販売を開始しました。また、データセンター事業「TELEHOUSE」では、2016年8月に英国・ロンドンのDocklandsで4棟目のデータセンターの運用を開始したほか、フランス・パリ、Voltaire (ボルテール) において、日系企業では初めてAmazonのAWS Direct Connect (注2) のロケーション提供を開始しました。コネクティビティの高い立地を生かし、誘引力のあるパートナーとの協業を推進することで、データセンターサービスの優位性を高めていきます。
質問者1
-
- 上期のフリーキャッシュフローの実績が4,400億円と、すでに通期計画3,500億円を達成しているが、下期以降のフリーキャッシュフローの使途は。
-
上期のフリーキャッシュフロー実績が計画対比で上振れした要因は3点。まず、販売コストが予想以上に削減されキャッシュアウトが減少したほか、au通信ARPA収入と付加価値ARPA収入が順調に増収し、キャッシュインが増加したため、EBITDAが計画を上回った点。次に、設備投資については、下期の比重が大きい計画となっていることに加え、設備投資について、上期の進捗が若干遅れている点。最後に、17.3期より3ヵ年で計画している5,000億円規模のM&A投資について、上期は約150億円にとどまった点があげられる。
設備投資については、下期にauの700MHz/3.5GHz帯基地局の開局を計画しているほか、遅れていた基地局建設において、お客さま体感速度を最大化するプロセスが定着化してきたことにより、計画通り進捗するとみている。M&Aについては今期、1,700億円の枠を持っているが、対象案件があれば使っていく。以上のことから、下期のフリーキャッシュフローはマイナスになるとみているが、通期ベースではEBITDAの計画上回りもあり、フリーキャッシュフローは計画を上回るとみている。
株主還元については、現時点では何も決まっていないが、成長と株主還元強化の両立を基本方針として、下期のキャッシュフロー、および業績をふまえ、検討したいと考えている。
-
- 17.3期2Qのau通信ARPA収入の増収幅が、1Qと比較して少ないようだが、下期および来期に向けた増収施策をどのように考えているのか。
-
契約者数については、MVNOへの流出により、契約者数の伸びが厳しくなっているが、今後は、「UQ mobile」側でIDの獲得が進むと見ている。
一方で、ARPAの面においては、持続的成長の観点からすると付加価値ARPA収入の増収だけでなく、それ以外の非通信収入も増やしていく必要がある。これが「ライフデザイン戦略」であり、先行する指標として、17.3期au経済圏流通総額1.2兆円を計画しているが、上期実績は順調であり、au経済圏を拡大することで、全体としての増益シナリオは描けると考えている。
-
- 「スーパーデジラ」の増収効果は、中長期的に期待していないのか。
-
まず、8GBプラン以上のお客さまが「スーパーデジラ」へ移行し減収影響が先行すると見ているが、来期以降、5GBプランのお客さまが「スーパーデジラ」に移行する増収効果がそれなりに期待できるとみている。
-
- au経済圏流通総額が順調に進捗しているようだが、下期以降、どのような施策を計画しているのか。
-
上期のau経済圏流通総額は5,560億円、進捗率は46%。au経済圏流通総額の最大化を牽引しているのが、「au WALLETクレジットカード」である。17.3期2Q末では170万枚まで増加しているが、クレジットカードは通信との相乗効果もあり、順調にau経済圏流通総額を拡大できると考えている。また、エネルギーなど新サービスも順調に進捗にしているほか、キャリアビリングである「auかんたん決済」についても、au以外のサービスの決済対応を順調に拡大している。
-
- グローバル事業については、通期見通し達成のためには、下期かなりの増益が必要だと思うが、下期見通しは。
-
円高による為替影響により、上期実績では20%超の営業利益の減益インパクトが発生しているが、現地通貨ベースでは着実に成長している。データセンター事業などの、各事業において現地通貨ベースで成長をしていくことが大事と考えており、下期もしっかりと取り組んでいく。
質問者2
-
- ミャンマー通信事業におけるモバイル通信ARPUは安定しているようだが、今後、下落するリスクはあるか。
-
ミャンマーでは携帯電話の普及期おける通信ARPU下落局面が終わり、今後安定化に向かっていると見ている。競合他社の動向によるが、過当競争にならない限りは大きく下落することはないと見ている。通信ARPU向上策として、データ通信の利用拡大を推進しており、データ通信を快適にご利用いただけるように、ネットワーク品質の向上や魅力のあるコンテンツの提供に取り組んでいる。
-
- 17.3期2Qの付加価値ARPA実績が500円と好調だが、要因は何か。
-
auスマートパスは解約率が低下してきたこともあり、会員数が着実に増加したことに加え、au WALLETクレジットカードやau WALLET Marketの利用増により、前年同期比で付加価値ARPA+70円伸長した。1Q比で+30円伸長については、パス系サービスの学割対象者の無料期間が7月で終了したことにより、パス系サービスの売り上げが伸びたことが主な要因と見ている。通期計画の500円についても、達成できると考えている。
質問者3
-
- 従来のauショップとは違うスタイルの直営店舗を続々と開店しているが、どのような効果があるのか。また、auショップ店頭での「au WALLET Market」の取り組状況はどうなっているか。
-
直営店舗はこれまで7店舗開店したが、au以外のお客さまの来店を狙っている面もあり、さまざまなトライアルを実施することで、従来のauショップと比較して物販は伸びている。こうした結果を今後の店舗開発の参考にしていきたいと考えている。また、全国2,500店舗における物販の状況は、初動で苦戦したが、17.3期2Qでは計画通り順調に進捗している。なかでも、ウォータサーバー販売は好調で、継続利用も順調に伸びており、「au WALLET Market」の収益に貢献できると考えている。
-
- 「スーパーデジラ」や4GLTEケータイ向け料金プランをリリースしているが、両方とも他社に追随した形になっているが、今後、他社に先行して料金施策を取っていく考えは?
-
市場の変化に合わせて検討が必要であるが、MNOとしては解約率を下げていくことが非常に重要だと認識している。IDが減少すると、いくらMVNOで契約者をリクープし契約者を増やしても減収幅が大きくなる。そのためにau STARを開始した。また、MVNOへ流出するユーザーは、ハイエンド層からローエンド層に変化しているので、解約率を下げていく点から観ると、ローエンド層に向けた料金施策の導入も必要と認識している。
一方で、通信事業全体をみるとMVNOとMNOが同質化しては意味がなく、MNOとMVNOの差を維持しながら必要な施策は検討していきたい。
こうした観点のもと、料金施策においてキャッチアップ型の方針としているわけではなく、タイムリーに取り組んでいきたいと考えている。
質問者4
-
- 「au」と「UQ mobile」を合算した通信料収入や契約数、ARPAを開示することはできないのか。
-
詳細はお答えできない。auの契約者数は減少しているが、「au」と「UQ mobile」を合算するとほぼ横ばいと見ている。
-
- ソフトバンクモバイルとワイモバイルのように「UQ mobile」を一体的に運営していく計画やauの第二ブランドとして育てる計画はあるのか。また、通信以外の部分での「UQ mobile」との連携や展開はあるのか。
-
一体的に運営する計画はない。「UQ mobile」はひとつのMVNOとして、サービス・料金など他のMVNO事業者と同じく公平に取り扱っている。ただし、UQコミュニケーションズは連結会社であり、UQスポットや通信以外のサービスなどにおいて、auとUQ mobileで相互にメリットがあるものは、是々非々で検討したいと考える。
-
- 17.3期は営業利益の進捗率が高く、通期では計画を上回るとみているが、19.3期までの中期計画においてCAGR7%成長を掲げている中で、来期以降の業績をどう考えているか。
-
現時点では営業利益CAGR7%は変更するつもりはない。また、今期業績が上振れる場合は3Qで修正するが、ライフデザイン企業への変革期間と認識しており、重要なのは、持続的成長を担保できるか、その施策がドライブされているか、準備ができているかということである。そのために、上振れた利益を使って来期以降の成長を見据えたオペレーションをしたいと考えている。また、来期以降の成長に向けた指標を開示したいと考えているが、具現化できるまでもう少しお時間を頂きたい。
質問者5
-
- 解約率が低下している一方で、IDが減少している要因は。
-
IDには、「契約者数」と「契約数」があるが、ARPA収入を構成する「契約者数」が減少している。解約率が低下しているものの、特にフィーチャーフォンのMVNOへの流出拡大に加え、総務省のガイドラインにより、新規獲得に向けた取り組みが制限されているため、新規獲得が減少しているのが大きな理由。
-
- グローバルセグメントの事業内訳において、利益の絶対額として寄与している事業や今後成長ドライバとなる事業を教えてほしい。また、グローバルコンシューマ事業における成長はM&Aも選択肢としてあるのか。
-
「TELEHOUSE」ブランドによるデータセンター事業をコアとしたICT事業を堅調な利益基盤として、ミャンマー事業やモンゴル事業などを含むグローバルコンシューマ事業を成長ドライバとして、車の両輪に例え、この二つの事業を伸ばしていきたいと考えている。M&Aは成長の選択肢のひとつであり、さまざまな方法を検討していく。
質問者6
-
- パーソナルセグメントの増益要因と「その他494億円」に含まれる端末販売コストの削減が340億円あるとのことだが、それ以外の要因は。また、来期以降の増益をドライブする要因は。
-
端末調達費の減少が10億円、固定通信料収入の増加が61億円など。固定通信料収入は右肩上がりで伸びているため、来期以降も増益に寄与できると考えている。端末販売コストの削減については、総務省のガイドラインにより、端末の販売価格に下限が設定されたため、来期以降もコスト削減効果が期待できる。
- 決算説明会
- 決算説明会2025年3月期
- 決算説明会2024年3月期
- 決算説明会2023年3月期
- 決算説明会2022年3月期
- 決算説明会2021年3月期
- 決算説明会2020年3月期
- 決算説明会2019年3月期
- 決算説明会2018年3月期
- 決算説明会2017年3月期
- 決算説明会2016年3月期
- 決算説明会2015年3月期
- 決算説明会2014年3月期
- 決算説明会2013年3月期
- 決算説明会2012年3月期
- 決算説明会2011年3月期
- 決算説明会2010年3月期
- 決算説明会2009年3月期
- 決算説明会2008年3月期
- 決算説明会2007年3月期
- 決算説明会2006年3月期
- 決算説明会2005年3月期
- 決算説明会2004年3月期
- 決算説明会2003年3月期
- 決算説明会2002年3月期
- 決算説明会2001年3月期