2017年3月期第3四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2017年2月2日 (木) 17:00-18:00 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋副社長、石川副社長、田島専務、内田専務、東海林常務、村本常務、本田経営管理本部長、堀井IR室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「2017年3月期第3四半期の業績」、「事業戦略の推進」、「通期業績予想の見直し」の3点について、社長の田中より説明致しました。
1. 2017年3月期第3四半期の連結業績
2017年3月期第3四半期 (2016年4~12月) の売上高は、3兆5,222億円 (期初予想に対する進捗率 74.9%) となりました。
営業利益は、パーソナルセグメントにおけるモバイル通信料収入 (注) の増収と端末販売コストの削減に加え、バリューセグメントにおける増益などが貢献し、7,757億円 (同 87.7%)、EBITDAは12,034億円 (同 81.3%) となりました。
2. 事業戦略の推進
国内通信事業においては、au契約者数に、当社の連結子会社などが提供するMVNO契約者数を加えた「モバイルID数」の拡大を図っていく方針であり、その成長を支える「UQ mobile」において、MVNO新規市場で30%のシェアを目指してまいります。
また、本年1月末に、FTTH・MVNO事業において240万超のお客さまを擁するBIGLOBE社を連結子会社化しました。今後は、BIGLOBEの持つ顧客基盤と、KDDIのライフデザイン事業・ネットワーク技術を、相互に活用することでマルチサービス利用者を拡大し、さまざまなシナジー創出を図ってまいります。
ライフデザイン事業においては、昨年8月に開始した長期利用者優遇サービス「au STAR」をさらに拡充するとともに、本年1月には「auスマートパスプレミアム」、自社物販サービス「Wowma!」を開始するなど、さまざまな施策を展開してまいりました。
その結果、au経済圏拡大の基盤となる「auスマートパス会員数」は順調に拡大し、1,500万会員を突破しました。
また、au WALLET決済が大きく牽引し、2017年3月期第3四半期のau経済圏の流通総額は8,970億円まで拡大しました。通期予想1兆2千億円に対する進捗も74.8%となり、順調に推移しています。
なお、当社サービスを複数ご利用いただいているお客さまの解約率は、auスマートフォンのみご契約いただいているお客さまに比べて低水準であることが実績としても表れていることから、今後もライフデザインサービスの拡充を図ることで、リテンションを強化してまいります。
最後に、「IoTビジネスの創出」に向け、さまざまなイネイブラーを整備し、パートナー企業さまとの新たなビジネスモデルを構築してまいります。
開発支援においては、AWSプレミアコンサルティングパートナーに5年連続で認定されているアイレット社を子会社化し、今後、同社のノウハウをIoT開発支援に活用していくほか、プラットフォームでは、すでにソラコム社と共同開発したIoT向け回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」の提供を開始しています。
さらに、ネットワーク・デバイスにおいても準備を進めており、来期より、本格的にIoTビジネスを展開していく方針です。
3. 通期業績予想の見直し
足下の好調な業績進捗を受け、当社は、連結営業利益の通期予想を9,100億円 (対期初予想 +250億円)、EBITDAを1兆5,000億円 (同 +200億円) へ上方修正しました。
なお、本日付の取締役会において、一株当たり期末配当金を、期初予想から5円増の45円に上方修正することを決議しております。
質問者1
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- 今回の業績修正の詳細について教えてほしい。
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契約者のLTE化が予想以上に進み、3G設備の稼働率が低くなっていることに伴い、当社では来期に計画していた稼働率減損 (300億円超) を17.3期4Qに前倒して計画していることが、営業利益予想がコンセンサス予想より低い要因である。
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- 来期以降の設備投資の見通しは。
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今期は進捗が遅れているため、設備投資の下方修正を発表したが、来期については、今期のように後倒しすることなく、平準化して設備投資を行いたいと考えている。オペレーションには影響は出ていない。
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- 3Q単独のモバイル通信料収入、au通信ARPA収入の伸びが好調であるが、「スーパーデジラ」の現状と今後のARPA上昇期待をどのように考えているか。また、UQ mobileの来期の目標は。
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デジラ8GBプラン以上ユーザーやデータチャージを多用しているLTEフラットユーザーの移行による減収影響とデジラ5GBプランユーザーのリフトアップによる増収効果のバランスがとれており、初期減収分をある程度カバーしている状況である。
UQ mobileの来期目標については、UQが決めるところであるが、UQの野坂社長が「新規契約者の3割くらいを獲得していきたい」とコメントしていたように、ひきつづきアクセルを踏んでいくのではないかと思っている。当初は、MVNO市場の拡大は鈍化すると想定していたが、ひきつづきMVNO市場の拡大は続いていくとみている。
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- バリューセグメントは17.3期3Q単独の営業利益は1Q,2Qと比較して大幅に伸長しているが、状況を教えてほしい。
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付加価値ARPA収入の増収に加えて、ジュピターショップチャンネルが3Qに実施した大創業祭において一日で20億円超を売上げたことなどにより、売上・利益ともに順調に伸びたことが要因。また、au経済圏流通総額についても、17.3期目標1.2兆円に向けて、計画通り順調に推移しており、上方修正した営業利益予想950億円を実現したいと考えている。
質問者2
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- 当期利益予想 (親会社の所有者に帰属) を修正しない理由は?
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具体的なことは言えないが、一部海外子会社の不採算事業の整理による営業外損失あるいは繰延税金資産取崩しの発生と、拡大傾向にあるJ:COMやUQなどの非支配持分利益などが要因。
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- 設備投資を下方修正した理由は。
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もともと下期にauの700MHz/3.5GHz帯基地局の開局を計画しており、計画自体が下期に偏重していることや、基地局建設が遅延し、支払いベースで遅れていること、さらにJ:COMの設備投資の見直しが主な要因。
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- 19.3期までの中期計画における株主還元の考え方に変更はないか。
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変更ない。株主還元のさらなる強化についてはひきつづき検討する。
質問者3
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- ビッグローブの買収についてこれまでアプローチできなかった顧客基盤へのタッチポイントという説明があったが、具体的に教えてほしい。
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具体的には、ビッグローブ光を含めたFTTH顧客に対してのauのクロスセル、ドコモ回線を利用したMVNOユーザーに対しての付加価値ARPU向上や端末セット販売、そして、日本で3番目に大きいポータルサイトを活かしたオンラインでのライフデザイン商材の提供が考えられる。
また、FTTHはCAGR3%で成長しており、ISP事業も堅調に推移するビジネス、MVNOについても今後成長すると考えており、ビッグローブ自体が今後も成長できる余力を持っていると見ている。また、これまではネット上でビッグローブ光の販売をしてきたが、今後はauショップのリアル店舗で販売するなど、auショップとビッグローブのポータルサイトで相互送客することにより、シナジーを出せるのではないかと考えている。
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- 17.3期フリー・キャッシュ・フロー見通しが期初見通し比+1,500億円となる要因は? また、フリー・キャッシュ・フローの使途に変更はないか?
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要因は以下4点。
EBITDAの増により+200億円、設備投資の減により+300億円、M&A先のビッグローブから引き継いだ借入金返済が財務キャッシュフローに計上されることなどにより+430億円、残りはミャンマー事業への設備投資が支払いベースで遅延していることなどが要因。フリー・キャッシュ・フローの使途については、現在のところ変更はない。
質問者4
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- au通信ARPAを+100円上方修正したが、要因を教えてしてほしい。
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ARPAはARPU x 1人当たりモバイルデバイス数に分解できるが、1人当たりモバイルデバイス数については、「スーパーデジラ」をリリースした影響もあり社内計画に対して弱含み。ARPUについては、スマートフォン浸透率が前年比+3.7%拡大したことにより、着実に成長していることが主な要因。
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- グローバルセグメントの業績見通し修正の詳細は?
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グローバルセグメントは1-3Q累計で前年比▲51億円の減益となっている。これは円高の進行による海外子会社の為替変動影響やハイリスク・ローリターンの事業を整理した一時的な影響が主な要因であり、その影響を除けば実質増益。これまでの状況を受けて見通しを修正した。
質問者5
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- ビッグローブの買収額800億円はどのようにバリュエーションをしたのか。また、今後のM&Aのバリュエーションの考え方を教えてほしい。
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詳細はお話しできないが、フィナンシャルアドバイザーの客観的な意見をもとに、事業計画およびシナジーを精査したものであり、妥当と考えている。
今後のM&Aの方針については、中期計画で発表した「au経済圏の最大化」「グローバル事業の積極展開」の領域で行うことに変わりはない。ビッグローブの買収はM&A方針と違うのではないかと思われているが、ライフデザイン戦略を推進するに当たり、タッチポイントが重要となってくる中で、240万の顧客基盤へのタッチポイントを活かしてライフデザイン商材を販売していくことがシナジー効果を生むポイントと考えている。
当社がさらに利益成長していくためには、MVNOを含めたIDを拡大することに加えて、付加価値ARPAを積み上げて、ライフデザイン戦略を推進していくことが重要となる。
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- UQ mobileを拡販する場合、UQ側の販売コストが増加した分、auの販売コストを減少させ、パーソナルセグメントトータルで販売コストをコントロールするという考え方でよいか。また、その場合、UQの持分比率を考慮すると、UQ mobileの販売コストが増大するとことでKDDI株主には有利に、UQ株主には不利に働くと思うが、株主間の利害調整をどう考えているのか。
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UQ mobile、auの販売施策は各社独自に判断して行っている。
UQの収入の多くはWiMAX事業であり、利益を生んでいる。同社としては、次の事業の柱となるUQ mobileを立ち上げるために、先行して宣伝費などを使っていると見ている。株主間の利害調整はうまく進めたいと考えている。
質問者6
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- ビッグローブ顧客基盤に対してKDDIサービス・商材を提供するに当たり、どのような制約があるか?
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一部で制約はあるが、それほど大きなものではない。FTTH事業にしろMVNO事業にしろ、他社ネットワークを利用していても、当社グループのお客さまであり、KDDIサービス・商材を提供し、シナジーを出していきたいと考えている。また、KDDIネットワークを使うことによる効率化も期待できる。
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