2017年3月期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2017年5月11日 (木) 17:00-18:00 |
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場所 | ガーデンエアタワー20階会議室 |
登壇者 | 田中社長、両角副社長、髙橋副社長、石川副社長、内田専務、東海林常務、村本常務、本田経営管理本部長、堀井IR室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「2017年3月期の業績」と「中期目標の達成に向けて」、そして「2018年3月期業績予想」の3点について、社長の田中より説明致しました。
1. 2017年3月期の業績
連結売上高は、前期比で6.3%増加し、4兆7,483億円となりました。また、連結営業利益は、国内事業が増益を牽引し、9,130億円 (同 9.7%増) となりました。
また、1株当たり配当金は、期初見通しに対して5円増配し、同21.4%増の85円 (15期連続増配) を予定しています。
2. 中期目標の達成に向けて
2019年3月期を最終年度とした中期計画 (連結営業利益 年平均成長率 7%・配当性向35%超など) の達成に向け、当社は、「国内通信事業の持続的成長」「au経済圏の最大化」「グローバル事業の積極展開」の3つの戦略を軸として、国内通信事業の持続的成長と新たな成長軸の確立を目指します。
[1]「国内通信事業の持続的成長」に向けて:
auブランドで展開する長期利用者優遇サービス「au STAR」においては、ご契約年数とデータ定額料に応じて毎月WALLETポイントをお客さまに還元すると同時に、WALLETポイントで交換可能な商品を充実し、WALLETポイントの魅力度を向上させることで、お客さま体験価値向上を図ります。
また、2016年9月から「スーパーデジラ」として開始した20GB/30GBの大容量データプランと併せて、映像コンテンツをはじめとした付加価値サービスを拡充し、ご提供することで、総合ARPAの拡大を目指します。
さらに、拡大する格安スマートフォン市場において、KDDIグループのMVNO事業者それぞれの強みを生かし、グループ全体でのモバイルID数最大化を目指します。
[2]「au経済圏の最大化」に向けて:
当社は、非通信事業領域の事業拡大に向けて、新たな事業ノウハウやお客さま基盤の獲得を目的として、さまざまな提携・出資を進めてきました。
コマース事業では、2016年12月にDeNA社よりショッピングモール事業を取得し、本年1月に、新たなショッピングモール「Wowma!」を立ち上げました。出店店舗数・商品ラインアップ数拡充のための出店者向けキャンペーンを展開するなど、サービスの質的向上に向けた施策を強化しています。
金融サービスについても、2008年に「じぶん銀行」(ネットバンキング) を設立して以降、2014年には決済サービス「au WALLET」、さらに2016年4月からは、auブランドの金融商品取扱いを開始するなど、サービスラインアップを充実させています。
エネルギーサービスでは、2016年4月に「auでんき」を開始したほか、2017年4月には、関西地域において、新たにガスサービスの取り扱いを開始しました。
また、当社は、お客さまとのタッチポイントである「auスマートパス」を積極展開してきましたが、本年1月より、会員特典を強化し、安心機能を追加した「auスマートパスプレミアム」の提供を開始し、お客さまとのタッチポイントをさらに強化しました。
さらに、コンシューマ向けビジネスに加え、企業向けIoTビジネスの展開も進めています。
そのひとつの事例として、各種センサーを活用し、トイレの空室管理・節水管理を行うことで、企業のお客さまのコスト削減に貢献するソリューションサービスなどを提供しています。
[3]「グローバル事業の積極展開」に向けて:
グローバルコンシューマ事業としては、ミャンマー・モンゴルにおいて、LTEサービスを本格展開しています。また企業向けには、世界最大規模の接続数を誇る欧州のデータセンターを中心に高品質なサービスを提供しており、ひきつづき、アジア新興国モバイル事業と、データセンター事業を推進していきます。
3. 2018年3月期の業績予想
2018年3月期は、連結売上高4兆9,500億円 (前期比4.2%増)、連結営業利益9,500億円 (同4.1%増) を見込むほか、1株当たり配当金90円 (配当性向39.2%、前期比5円の増配) を予定するなど、2019年3月期を最終年度とした中期目標の達成に向けて、ひきつづき、持続的な利益成長と株主還元の強化の両立を目指してまいります。
なお、同日開催の取締役会において、1,000億円を上限とする自己株式取得に係る事項について決議しています。
質問者1
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- au STARなどのリテンション強化に、18.3期は費用をいくら見込むか?
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約250億円を見込んでいる。
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- 17.3期の端末販売コスト削減は850億円であったが、18.3期の端末販売コスト削減はいくら見込むか?
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パーソナルセグメントにおいて、約250億円を見込んでいる。
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- 主要KPIとして、モバイルID数の拡大を目指すとのことだが、今期のMVNO契約数の拡大次第では、モバイル通信料収入全体の増収に影響を及ぼすことも考えられる。モバイルID数の拡大とモバイル通信料増収のどちらを重視していくのか、改めて教えてほしい。
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ID×ARPA最大化の考え方に変わりはないが、現在の市場はMNOのIDは減少トレンドで、MVNOのIDは増加トレンドである。au通信ARPAは堅調に伸長しているので、ID×ARPAでモバイル通信料収入を最大化していきたい。
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- au経済圏流通総額の18.3期予想1兆7,000億円の内訳は?
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18.3期予想の内訳はau WALLET決済9,700億円、auかんたん決済3,600億円、その他 (物販、エネルギー、金融など) 3,700億円を見込んでいる。
質問者2
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- au経済圏流通総額の17.3期実績の内訳も教えてほしい。
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17.3期実績の内訳はau WALLET決済7,230億円、auかんたん決済3,240億円、その他 (物販、エネルギー、金融など) 2,330億円である。
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- 18.3期営業利益予想9,500億円 (前期比+4.1%) どおりに着地した場合、19.3期の営業利益は前期比7%成長が必要だが、どのセグメントが増益に貢献すると考えているのか?
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来期以降の成長に向けて、18.3期はau STARなどのリテンション強化約250億円、auショップなどのチャネル改革約150億円、ライフデザイン事業拡大約100億円、合計約500億円の戦略的投資を行い、auをはじめとするお客さま基盤上でライフデザイン事業を拡大することで、中期目標で掲げた営業利益CAGR7%を目指したい。詳細は来期にお話ししたい。
質問者3
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- これまでの買収案件であるジュピターショップチャンネル、BIGLOBE、Wowma!それぞれの18.3期の見通しと500億円の戦略投資による効果をどのように見込んでいるのか?
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具体的な数字はお話しできないが、ジュピターショップチャンネルはシニア層の旺盛な購買需要により、17.3期は増益できた。18.3期もひきつづき、順調に増益を確保でき、事業を拡大できると見ている。auとジュピターショップチャンネルのシナジーについては、17.3期に同社で実施した大創業祭において、auからの送客も実現できており、お客さま基盤同士のシナジー効果は今後も期待できると見ている。
ライフデザイン事業拡大の戦略的投資の一部は、Wowma! の加盟店拡大のために使うことを計画している。一部3月から実施しているが、加盟店獲得が前月比で4倍以上に拡大している。モール事業の拡大はライフデザイン事業拡大において最重要と認識しており、今期は事業拡大のフェーズと捉えている。
BIGLOBEとのシナジーについては、BIGLOBEのお客さまとauのお客さまとの相互送客、ライフデザイン商材の提供によるBIGLOBEの売上拡大、そして、当社とBIGLOBEのネットワーク効率化によるグループ外へのキャッシュアウト削減があげられる。
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- BIGLOBEの利益貢献は社内計画でどれくらいか?
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2017年1月に連結したばかりであり、一部を社内計画に織り込んでいるが、現時点では具体的なお話は出来ない。
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- バリューセグメントの18.3期営業利益見通しが50億円の増益にとどまるのは戦略的投資が要因か?
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戦略的投資を除くと、18.3期のバリューセグメントは2けたの増益となるが、来期以降の成長に向けて必要なコストを使っていく。
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- 18.3期のフリー・キャッシュ・フローの配分と、成長に向けた投資の領域を教えてほしい。
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18.3期のフリー・キャッシュ・フロー見通しは4,800億円であり、約2,200億円を配当に、1,000億円を自己株式取得に使う。残りについてはある程度自由度を持たせた計画になっている。また、成長に向けた投資として、IoTを含めた非通信事業領域とグローバル領域において投資を行っていく。
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- 18.3期のMVNO純増数とau通信ARPAの見込みについて年間を通じたイメージを教えてほしい。
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18.3期のグループMVNO純増数は91万であり、UQモバイルが多いと見ている。一方、au通信ARPAは+1.2%の伸長、付加価値ARPAは+9.8%の伸長を見込んでいる。ID×ARPAであるモバイル通信料収入は+0.5%の伸長を見込んでいるが、MVNO市場の拡大については読めない部分もあり、保守的に計画している。
質問者4
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- auとグループMVNO契約数について今後の見通しを教えてほしい。
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18.3期のau契約者数は減少し、グループMVNO契約数は増加すると見ている。総務省が掲げているMVNO契約数の目標値 (1,500万) は達成されつつあるが、一方で、今後も拡大が続くという調査結果もあり、予測ができない。
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- 戦略投資の500億円の内訳をみると、一過性ではなく、継続的なコストのように見える。19.3期の増益には貢献しないと考えてよいか?
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1つ目のリテンション強化はau STARの会員数が拡大するので継続的に発生するコストとなる。2つ目のチャネル改革は18.3期に集中して実施する。3つ目のライフデザイン事業拡大も18.3期に事業基盤を拡大するために集中してコストを使うことを考えている。
質問者5
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- 18.3期のフリー・キャッシュ・フローが前期比で減少する要因は?
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18.3期については、中期目標で掲げている3期累計5,000億円のM&Aの3分の1に相当する1,700億円を投資キャッシュ・フローとして計画している。一方で、17.3期は、投資・財務キャッシュ・フローの合計で1,700億円超のM&Aを行った。財務キャッシュ・フローとしては、買収したBIGLOBEが保有していた有利子負債460億円を返済しており、フリー・キャッシュ・フローとしてはプラスに働いている。これを考慮すれば、フリー・キャッシュ・フローは前期と同水準と認識している。
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- 中期目標では配当性向35%超を掲げているが、今期は1,000億円の自己株式取得により、総還元性向が50%台となる。改めて株主還元方針をお聞きしたい。
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18.3期の総還元性向は56.8%。株主還元の基本方針は継続的な増配であるが、自己株式の取得については、株価水準、総還元性向などを総合的に勘案し、機動的に対応していきたい。
質問者6
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- 18.3期の総還元性向はNTTドコモより高い水準となっている。また、18.3期の配当性向についても39.2%と中期目標で掲げた35%超を大きく上回っている。中期目標よりも前倒しで株主還元が進捗しているように見えるが、株主還元方針が変わったのか?
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18.3期の配当性向は39.2%を予定している。減配しないことを基本として持続的な利益成長と株主還元の強化を両立させていく。
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