2019年3月期第3四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
日時 | 2019年1月31日 (木) 17:00-17:50 |
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場所 | ガーデンエアタワー会議室 |
登壇者 | 髙橋社長、石川副社長、内田副社長、東海林専務、村本専務、森常務、森田常務、最勝寺経営管理本部長、堀井IR室長 (司会) |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「1-3Q業績ハイライト」、「国内通信事業」、「新たな成長領域」の3点について、社長の髙橋より説明しました。
1. 1-3Q業績ハイライト
2019年3月期第3四半期の連結売上高は、前年同期比で0.3%増加し、3兆7,717億円となりました。連結営業利益は、モバイル通信料収入が減収となったものの、付加価値ARPA収入の増加に加え、ビジネス・グローバルセグメントの増益により、8,225億円 (同1.1%増) となりました。
親会社の所有者に帰属する利益は、同3.1%増の5,058億円となり、売上高・利益ともに持続的に成長しています。
2. 国内通信事業
3Qにおいても、「auピタットプラン」「auフラットプラン」の影響などにより、au通信ARPA、au通信ARPA収入は減少しました。しかし、auピタット/フラットプラン導入時のキャンペーン影響が一巡したことや、データ利用増に伴う大容量プランの拡大、スマホ浸透率の上昇などにより、au通信ARPAは4Qには対前年で反転する見込みです。
au解約率については、auピタット/フラットプランをはじめとする料金プランや、au STAR会員特典、ライフデザイン商材とのバンドル等の取組みにより、前年同期比でマイナス0.06ポイントの0.72%に改善しました。
3. 新たな成長領域
ライフデザイン事業について、au経済圏流通総額は3Qで6,580億円、1-3Q累計で1兆8,260億円となり、通期目標の2兆4,600億円に対して、進捗率は74%と順調です。またau経済圏売上高は1-3Q累計で4,910億円となり、前年同期比23.7%増と2桁成長となりました。
付加価値ARPAは720円 (前年同期比 22%増) となり、決済手数料やauスマートパスプレミアム会員の増加など非通信分野の収益基盤拡大によって成長率が伸びています。
事業戦略として「通信とライフデザインの融合」を進めており、3Qにおいても「コマース」、「エネルギー」、「金融」、「エンタメ」、「エデュケーション」の各分野で新サービスやパートナーシップ構築を図り、ライフデザインの事業領域を拡大しました。今後も、通信と親和性の高い非通信サービスを複数ご利用いただくことで、お客さまとのタッチポイントの増加、リテンションの強化を図ってまいります。
「au経済圏の拡大」においては、2019年4月からQRコード決済の「au PAY」を開始する予定です。現在2,000万超のau WALLETユーザーのうち月間900万人が利用するau WALLETアプリですぐに始められるようにし、さらに楽天様とのパートナーシップにより開始早々に100万カ所で利用が可能となる見込みです。また現在、au WALLETのポイントとチャージは合計で1,000億円超の残高があり、QR決済により使い勝手を良くすることでこの残高の循環を加速し、au経済圏の拡大につなげます。
5G時代に向けた取組みとして、5Gへのマイグレーションを進めるにあたり、昨年11月に、2022年3月末の3Gサービス終了を発表しました。現在3Gサービスをご利用のお客さまが安心して4GのVoLTE対応スマートフォンへ変更いただけるように丁寧に対応をいたします。また、3Gからの移行を早く進めることでスマートフォンへの移行促進と、シンプルなネットワーク設備への切り替えを進めると同時に、既存4Gネットワークのさらなる強化を実施します。
次に、IoTでは、トヨタ自動車様と取り組んできた「グローバル通信プラットフォーム」を用い、2019年秋から全米で発売するトヨタ車、レクサス車の2020年モデルからコネクティッド環境を提供することを、1月初旬に発表しました。米国に加えて、日本、中国も2019年に提供を開始する予定です。また、このグローバル通信プラットフォームを活用する「IoT世界基盤」の2019年度の商用化に向けて準備を進めており、現地キャリアとの直接接続に加えて、グループ会社のソラコム社との連携により、120超の国と地域での接続を行う予定で、今後の新たな成長領域となります。
5Gは、その特性を活かして新たな用途での社会課題解決へ向けた活用が期待されています。昨年12月には大林組様、NEC様と共同で、人手不足や災害対応への活用に向けた建設機械遠隔操作の実証実験を行いました。また当社では「スマートドローンプラットフォーム」の構築を推進し、様々なパートナーさま、地方自治体様との取組みを実施しております。地方創生や災害対策、人手不足、物流といった社会課題の解決に向けて、今後もパートナーさまと共に5Gの新たな活用を推進してまいります。
質問者1
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- 3Qは端末等の乱売影響があったのではないか? あったとすればどれくらいか? また、その影響は今後いつまで続く見通しか? 来期まで継続するのか?
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3Qのコスト増の要因は3つある。(1) 競争激化による端末販売コミッション・ポイントの増、(2) 3G停波に伴う加速償却コストの計上、(3) 特定の端末の販売が伸びず在庫が増加したことによるIFRSによる費用増影響。今後の見通しは正直良く分からない。現在も3Qとあまり市場環境は変わっていない状況であるが、3Qのようにコストが過剰に発生しないよう、端末ライナップの構成比の調整を含め、コストコントロールをして行きたい。
数字としては、3Qのパーソナルは115億円程度減益となっているが、主な内訳としては、機種別奨励金・即時ポイントの増、在庫増影響の合算で▲99億円。
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- ドコモの値下げ予告に対する考え方、来期の業績影響は?
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分離モデルを入れるべきという方向の中、KDDIは17年7月にピタット・フラットプランを導入済み。その影響としては、これまでに3,800億円程度の顧客還元を実施している。先日、ドコモが4,000億円程度の還元を実施すると言っていたが、単純に考えるとこの差分が200億円程度ある。ドコモは今年4月あたりに分離プランを発表すると思われるが、その料金水準を見た上で、市場の競争環境を踏まえて、現状のピタット・フラットプランで足りないようであれば、その分の値下げはしていかないといけないと思っている。単純にドコモと同額の4,000億円の値下げということではなく、すでに3,800億円の還元をしている前提での差分、と考えている。ただし、前回の決算でもお話ししたように、我々は持続的成長をしていくことが非常に重要であると思っており、筋肉質な経営でこのような競争環境にも対応して行く。
質問者2
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- 3Qの解約率はYoYでは下がっているが、2Qに対しては若干増加している。この増加は季節要因とみてよいのか? 端末値引き競争の激化は、解約率にどのような影響を与えたのか?
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MNPでの流動は、YoYで若干上昇している。また、前年度はピタットプラン導入により2Qから3Qにかけて下がっているが、例年は2Qから3Qにかけて解約率は上がる傾向にある。トータルでの解約率は抑えられており、心配ないと見ている。
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- au WALLETカード発行枚数が2,000万枚を超えている中で、実際の利用状況は? au経済圏流通額拡大の背景として、アクティブユーザの裾野が拡がっているのか? 特定のユーザの利用頻度が上がっているのか?
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au経済圏流通額は順調に伸びており、それを牽引している要因はご認識の通り「決済」である。決済額の増加要因は、特定ユーザに偏った利用増加ではなく、利用ユーザの裾野の拡大であると分析している。また流通総額の中でエネルギーの伸びも強くなっている。アクティブユーザの比率に関しては、回答はご容赦願いたい。
質問者3
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- 顧客還元3,800億円の内訳は、毎月割圧縮によるプラス効果を含むのか、それともタリフ減のみの影響か、キャンペーン影響は含むのか? また、4Qにau通信ARPAは反転し、何もなければ今後は上昇すると思われるが、ドコモへの対抗は、どのように影響すると考えているか?
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3,800億円には、分離プランによる料金値下げ、キャンペーンによる減収、三太郎の日などのリテンション強化費用、ポイント還元などが含まれる。
au通信ARPAについては、分離プラン導入により通信料金は下がるが、それに伴う毎月割の減はプラス要素となる。またキャンペーン影響も一巡することが今後はプラス要素となり、1月からau通信ARPAは反転しており、プラスの方向に向かっている。
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- ドコモの新料金への対応はあったとしても、来年度のau通信ARPAは上がっていくという見立てか?
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ドコモの料金施策次第ではあるが、スタンスとしては持続的な利益成長が出来るよう、現在計画中である。
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- 中期の新しい成長ドライバーとして、金融、eコマース、グローバルプラットフォームを含めたビジネスのIoTなどの説明があったかと思うが、それぞれの中期の利益寄与度はどう考えているか?
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引き続きライフデザインを牽引するのはauスマートパスプレミアムや決済が中心と思っている。eコマースについては、ビジネス的には薄利のモデルであり、利益貢献はまだまだだろう。スマートバリュー導入当初にも同じような議論があったが、このようなストックビジネスを重畳していくことで、利益への貢献に加え、エンゲージメントへの貢献が大きく出てくる。スマートバリューは通信と通信の組み合わせであったが、これを今度は通信とライフデザインの組み合わせにして行くということ。これについては、単純に利益だけでは測れない大きなシナジーというものを、中期計画の中でご説明していきたい。
グローバル通信プラットフォームを活用したサービスは本年より開始。売上・利益は国内、グローバルの両方で発生する。国内については、これまで綿々と積み上げてきた既存サービスが継続して増加するとご理解頂きたい。グローバルにおいては、毎年数百万台の通信契約が生まれ、それが継続して非常に大きな規模になると期待している。ただし先行投資をかけているので、利益の貢献という意味では、2020年以降、順次あがってくると想定している。
質問者4
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- じぶん銀行、ライフネット生命の効果はどれくらいあるか? 今後の見通しは?
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両社とも関連会社であり、個別の状況についての回答はご容赦願いたい。金融については、今までauのお客さまへ、ホワイトレーベルとしてauブランドを付けて提供しているが、特に保険に関しては非常に長期的なエンゲージメントをお客さまと築くことの出来る商品であると認識しており、auのリテンションに貢献していると考えている。また、じぶん銀行については、スマホを中心とした「スマホの銀行」として、そのサービスについて内外から高く評価を受けている。これからも「スマホを中心とした金融」、というところについて力を入れていきたいと思っている。
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- 金融事業は、まだまだこれからの部分が大きいと思うが、現状どういうところが足りないか、金融事業を今後のどのようにしていく方針か?
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金融については、ライフデザイン事業の一つの大きな柱として考えている。次期中期計画でも重要なパートとなってくる。今日のところは、回答はご容赦願いたい。
質問者5
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- 3QのライフデザインはYOYの増収幅に対して、利益の伸びが上期より低い理由は? 今後、増収していくなかで限界利益はどう変化していくか?
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3Qの営業利益の伸びは若干弱く見えるが、基本的には増収基調であり、従前より実施している戦略コストの影響を除けば、着実に二桁成長をしている。売上については、基本的に増収基調は続けて行きたい。今後、金融は大きな柱にしていきたい。またコマースも今後は規模拡大に伴い利益貢献していく。エネルギーもau経済圏流通額の伸びに大きく貢献し始めている状況。これまで種を蒔いてきた分野がようやく果実を結びつつある状況であり、これらを大事に育てて増収基調を続けていきたい。
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- 3Qのライフデザインの限界利益の鈍化は、戦略コスト増の影響と捉えてよいか? 戦略コストによる影響はいつ頃なくなるか?
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3Qはご認識の通り。今後については、計画中の段階であり、回答はご容赦願いたい。
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- au PAYの業績影響は今後、既存の決済ビジネスに追加されるのか? 新規事業として別に区分されるのか? 新規の設備投資などコスト発生すると思うが、開始当初はしばらく赤字となるのか?
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au PAYは本年4月開始予定だが、決済手段の1つとして増える形。QRコード決済市場は低い手数料率で各社が競っている状況で、決済における収益は早い段階で大きな数字になるとは考えていない。すでにあるau WALLETの大きなストックに対し、これまでのカード以外の、新たな決済手段を提供することで、さらに裾野を拡げていくというのが大きな目的になっていくだろうと考えている。それによって、よりポイントやバリューが貯まって、さらに大きくなり、金融やコマースに還流していくモデルを目指している。
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