2022年3月期第2四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)

日時 2021年10月29日 (金) 17:30-18:30
場所 KDDIホール (東京都千代田区大手町)
登壇者 髙橋社長、東海林副社長、村本副社長、森専務、吉村常務、最勝寺経営管理本部長、本郷IR室長 (司会)

決算ハイライト

決算説明会の模様

決算説明会では、「上期連結業績」、「マルチブランド戦略」、「成長領域」、「非財務の取り組み」の4点について、社長の髙橋より説明しました。

1. 上期連結業績

上期の連結の売上高は2兆6,252億円、進捗率は49.1%、連結の営業利益は5,731億円、進捗率は54.6%となりました。上期は増収減益ですが、通期予想に対して順調な進捗となっています。
上期の連結営業利益は前年同期比マイナス157億円の減益となりました。マルチブランド通信ARPU収入の減少は304億円となり、値下げ影響は想定内で推移しております。また、グループMVNO収入とローミング収入が寄与し、モバイル通信料収入はプラス117億円となりました。加えて、ライフデザイン領域とビジネスセグメントの成長領域がプラス118億円となり、増益に貢献しました。一方、先を見据えたオペレーションを実行しており、3G関連費用の計上や販促費等を投下した結果、減益となっております。

2. マルチブランド戦略

UQ mobile、povo含めた全てのブランドで5Gの取り扱いを開始しました。「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」をスローガンに、生活動線にこだわった5Gのエリア化を推進するほか、バーチャルシティなどをはじめ、多様な体験価値をお届けしてまいります。
au 5Gのネットワークは、鉄道や商業地域など、お客さまの生活動線上に展開し、22年3月末にはJR・私鉄を含む関東21路線、関西5路線のエリア化を目指します。また、通信品質においては、パケ止まりを抑制しつつ、エリアを最大化できるよう基地局パラメータを設定することで、繋がりやすさを磨き上げています。
4G LTEと5Gの累計契約数は、9月末で2,978万と伸長しております。5Gの累計販売台数については、9月末で470万台となりました。22.3期末には800万台を目指します。
auでは、5Gの一人当たりのモバイルデータトラフィックは4G LTEの2.5倍超となっている中、安心の使い放題、充実のセットプラン、おトクな端末ご購入など、5Gを安心してご利用いただけるよう、フルラインアップのサービスを推進します。
UQ mobileは、シンプル・お手頃価格を安心のサポートとともにご提供していきます。2Qには自宅セット割を開始し、でんきとのセット割に加え、多くの世帯に浸透しているインターネットとの割引も提供し、さらにおトクな内容となっております。また、au同様の安心のサポートと充実のサービスをご利用いただけます。
povo2.0は、基本料0円をベースに、サービスをトッピングすることによって、お客さまのライフスタイルに合わせられる革新性を目指したサービスです。これからのeSIM、SIMフリー時代の新たな使い方にも対応できるようになり、高アクティブのデジタルネイティブ層のお客さまニーズにもこたえていきます。
5Gならではの体験、メタバースについては、リアルの街などと連動したバーチャル空間を構築し、様々なイベント体験や経済圏などを創造していきます。5Gの魅力を高めていくべく、最先端の技術を活用し、パートナーと共に多様な体験価値をお届けします。
また、スペースX社「Starlink」と業務提携し、高速・低遅延の衛星ブロードバンドインターネットを提供する「Starlink」をauのバックホール回線に利用する契約を締結しました。これまでサービス提供が困難とされていた山間部や離島、災害対策においても活用し、お客さまに安定的な通信サービスを提供します。

3. 成長領域

成長領域は通期予想に向けて順調に進捗しており、ライフデザイン領域の営業利益は1,200億円と、前年同期比プラス100億円の増益、そのうち金融事業がプラス49億円と、増益をけん引しております。営業利益の進捗率は48.0%ですが、前期のエネルギー事業の影響もあり、下期は増益を見込んでいるため想定通りの進捗です。また、ビジネスセグメントの営業利益は923億円となり、NEXTコア事業、コア事業ともに増益、通期予想に対する進捗率も50.1%と順調に進捗しています。今期は中期経営計画の最終年度であり、成長領域のトップライン目標である、ライフデザイン領域1.5兆円、ビジネスセグメント1兆円の達成に加え、利益においてもCAGR2桁成長を目指します。
ライフデザイン領域の金融事業においては、金融サービス間連携も強化しております。au PAYを通じた銀行とクレジットカードの連携に加え、その先の金融事業への連携も推進、さらにはauじぶん銀行をはじめとした金融サービス間の連携強化により、最大200倍の金利優遇が受けられるなど、KDDIならではの強みを活かした取り組みを実施しています。金融サービス連携も奏功し、au PAY会員数は前年同期比プラス430万、au PAYカードは前年同期比プラス120万の700万会員まで伸長したほか、auじぶん銀行の預金口座数は448万口座、ローン商品残高は1.7兆円と、主要サービスも大きく成長し、着実にお客さま基盤と当社アセットが拡大しております。
ビジネスセグメントは、成長をけん引するNEXTコア事業の売上高が前年同期比プラス17%の2桁成長となりました。NEXTコア事業においては、トップランナーのIoTを中心に、KDDIの持つ総合通信とグローバルベースの強みにより、国内外でシナジーを創出していきます。グローバルベースで展開するコネクティッドカーに加え、電力、ガスのスマートメーター等の社会インフラにおいて、急速に回線数を拡大しており、23年3月期には3,000万回線を目指します。IoTを展開した先には、5Gによる高度化とともに、お客さまとの新たなビジネス共創を目指します。現在展開しているIoT回線や付帯サービスを基盤に、今後は幅広い産業のお客さまに対し、ビジネスのリカーリング化などを支援していきます。21年9月には、お客さまのリカーリングビジネス実現を支援する顧客ID管理サービスの「KDDI IDマネージャー」の提供を開始し、さらに、5G SA時代のビジネスユースケースの創造に向け、商用環境での通信試験を開始しました。

4. 非財務の取り組み

地球環境保全の取り組みにおいて、カーボンニュートラルの実現に向け、当社は2030年度のCO2排出量を19年度比で50%削減することを目指しております。2030年度までの電力消費予測を立てた上で、実行計画を策定し、PDCAを回しながら、実質的な削減にこだわって進めていきます。今年度進めている3Gの停波は、削減における重要な要素であり、電力効率の良いネットワークへのシフトを推進していきます。また、21年11月には「KDDI Green Partners Fund」を設立し、スタートアップとのイノベーション創出という当社の強みを生かし、パートナーシップを通じて社会課題の解決に貢献してまいります。
さらに、DX人財を拡大させることで、人財ファースト企業への変革を推進し、ライフデザイン領域やビジネスセグメントなどの成長領域を強化するとともに、事業を通じた社会課題の解決を目指します。グループ全体のDX人財を24.3期で4,000名まで拡大させ、前倒しも視野に入れながら、取り組みのスピードアップを図ってまいります。

質問者1

質問者2

  • QUQ mobile、auのID数のトレンドはどうなっているか。解約率は2Qおよび足もとでどのような状況か。いろいろなプロモーションを実施したと思うがどのようなものが成功してきているのか。
    A
    解約率はもう少し下がっても良いと思っていた。2Qは0.74%ということで、もう一歩努力不足だと思っている。一方お客さまには想定していた以上にauに残っていただいている。もう少しUQ mobileやpovoに移行すると思っていたが、iPhone旧バージョンの拡販などもあり、auに残っていただいているお客さまは想像以上。一方、UQ mobileもUQでんきとのセット、固定系とのセット等ラインアップが揃い、さらにauショップ全店での取り扱いができるようになった。ソフトバンクさんの後追いになっているという声もあるが、反省点を活かしてよい循環にもっていけるのが我々の姿であり、今のところはそのあたりがうまくワークしていると思っている。また、販売台数を見ていただくとわかるとおり昨年対比で販売台数がかなり伸びていて、解約率も上がってしまったがそれだけマーケットが活性化し新規の販売台数が伸びている状況。
    プロモーションに関してはauの夏のCMが非常に好評で、auのモメンタムに寄与した。UQ mobileの新CM「UQUEEN」という格言めいたことを話す点も評判になっている。久しぶりにプロモーションとしてよい動きをしているので期待している。UQ mobileの販売チャネルを短期間で確立しすべてのauショップ/au Styleで取り扱えるようになったので、力を入れていろいろな販売促進活動を実施した。
  • Qプレゼンテーション資料P.4の階段グラフにおいて、値下げ影響は想定で推移とのことだが、2Qまでにどのような値下げ影響が推移してきたのか。また、今を踏まえて下期がどのようになる可能性があるのか教えていただきたい。
    A
    値下げ影響は今期スタートした際に年間6-700億円程度と推察した。半期終わって304億円で想定線と見ているので、この範囲の中でいけるのではないかと思っている。全体の構造からすると、値下げ影響が304億円あるが、これをローミング収入で打ち返し、若干余裕がある分を3Gの巻取りコストとして先行して使い、他社より3G終了を早め償却の前倒しを今年度やっていることに加え、来期に向けて戦略投資を使ってこのような状況。2Q減益というのは社内でも見えていたことであり、これを前提として1兆500億円の開示をしているので、必ず実行できる範囲でコントロールしていく。

質問者3

質問者4

質問者5

質問者6

質問者7

質問者8

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