2023年3月期第2四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)

日時 2022年11月2日 (水) 15:30-16:00 (決算プレゼン)、17:15-18:00 (アナリスト向け質疑応答)
場所 KDDIホール (東京都千代田区大手町)
登壇者 【決算プレゼン】髙橋社長
【質疑応答】髙橋社長、村本副社長、森副社長、雨宮副社長、吉村専務、明田経営管理本部長

決算ハイライト

決算説明会の模様

「決算説明会」では、「通信基盤の強靭化に向けて」、「23.3期上期連結業績」、「中期経営戦略の進捗」について、社長の髙橋より説明しました。

1. 通信基盤の強靭化に向けて

通信障害の再発防止に向けた取り組みとして、組織横断的な体制として、運用部門、技術・建設部門、カスタマーサービス・広報部門、営業部門が連携して推進しています。9月には、定期的な災害訓練に加え、通信障害の全社対策訓練を実施しました。生活インフラを支える私たちが、災害に直面し、通信障害を引き起こした際に何が起こるのか、そしてどのように行動すべきなのかを検証しました。
総務省による「検証会議」においては、事故発生時の周知広報・連絡体制等の改善、業界全体のルール策定等について議論されました。これらの議論をふまえ、スライドに記載の6つの観点 ([1] 作業手順・基準の見直し、[2] 輻輳検知・制御の設計見直し、[3] 輻輳状態からの早期復旧手順確立、[4] 周知広報内容・手法の改善、[5] 代替手段の確保、[6] 訓練の実施・品質管理体制強化) で報告書を提出しております。その中でも、[4] 周知広報内容・手法の改善と、[5] 非常時の緊急呼など代替手段の確保については、総務省のWGにて議論が継続されます。
また、お客さまの期待に応えるため、仮想化技術を中心とした中期500億円の追加コスト投下により品質を向上します。長期的な投資の前倒しとして、仮想化基盤の早期移行により、輻輳制御の強化、運用の自動化につなげます。加えて、運用の高度化も推進し、異常検知および復旧対応の迅速化を実現します。

2. 23.3期上期連結業績

連結営業利益の進捗率は50.8%でした。通信障害対応と燃料高騰影響もあり上期は減益となりましたが、注力領域は、NEXTコア事業および金融事業においてKPIが順調に推移しており、業績も好調です。引き続き、連結業績の増益と、注力領域の拡大を目指します。
連結営業利益の増減については、上期は、通信障害対応および燃料高騰影響のマイナス148億円により減益となりました。同影響除きでは、マルチブランド通信ARPU収入がマイナス539億円、グループMVNO収入・ローミング収入はマイナス69億円、注力領域は、プラス106億円、さらに3G関連コスト減などもあり、トータルで微増益となりました。
マルチブランド通信ARPU収入については、ID増があったものの、ブランドミックスの影響により、返金影響除きでYOYマイナス539億円。付加価値ARPU収入は、でんき、決済、コンテンツ、補償等が成長し、YOYプラス608億円となりました。
マルチブランドID数は、9月末で、3,093万とYOYで成長しました。7月の通信障害により新規契約が落ち込みましたが、UQ mobileを中心に8月以降は回復傾向です。引き続き、期初目標の達成を目指します。

3. 中期経営戦略の進捗

最初にサステナビリティ経営です。事業を通じて社会にポジティブなインパクトを生み出し、その新たな社会価値が、次の我々の事業戦略に活かされる好循環を目指します。サステナビリティ目標のうち、地域デバイド解消数は、中期1,500万の目標に対し、275万となりました。人的資本については、社員のDX講座の受講が本格化し、IoT累計回線数は、モビリティを中心に2,800万まで成長しました。
経営基盤強化の取り組みとして、総額1,000億円の当社初のサステナビリティボンドを発行しました。資金はサテライトグロース戦略の中核となる5G設備投資を中心に、カーボンニュートラルの推進等への充当も予定しています。加えて、スタートアップへの出資により、最先端技術を支援し、グリーンイノベーションの発展に取り組んでいます。また、世界的な人権意識の高まりを受け、人権方針を改定し、より具体的な取り組みを明示しました。
通信障害により、様々な業種・生活インフラに影響をおよぼしたインパクトから、社内に意識転換が起こっています。サテライトグロース戦略の核として、強靭な通信ネットワークの構築に加え、社会をより良くするソリューション提供を目指します。法人のお客さまの場合は、その先のお客さまの影響まで踏み込んだ分析と深堀を実施し、新たな価値を創造する、強靭な社会インフラとしての基盤構築を目指してまいります。
注力領域のDX、金融、エネルギーでは、それぞれDigital Divergenceホールディングス、auフィナンシャルホールディングス、auエネルギーホールディングスが出そろい、KDDIの強みである通信事業とのシナジーを発揮することで、企業価値最大化を目指してまいります。
ビジネスセグメントは、NEXTコアが増収を牽引しました。営業利益においても、NEXTコア事業が増益を牽引し、中でもコーポレートDX、ビジネスDXが大きく貢献しました。ビジネスDXでは、お客さまのDX実現に向けて、開発、プロダクト、BCPにより業界別DXの土台を構築しています。KDDI Digital Divergenceグループでは、クラウド、アジャイルをはじめDX推進に必須となるケイパビリティを持つ事業会社をつなぐことで、開発案件の拡大を目指します。また、パートナリングによるDXプロダクトの拡充にも取り組み、AIや映像データ、au位置情報の活用など、付加価値提供を強化しています。BCP関連では、IoTにおけるSORACOM SIMの組み合わせ提供や、さらに今後、予備回線ソリューション等の提供で、BCP対応メニューを強化します。
「ビジネス共創事例」を紹介します。KDDI Video Management Serviceは、複数拠点の監視カメラからの映像データを高セキュリティなクラウド上で統合管理出来るプラットフォームで、AI映像解析と組合わせ、業務の高度化を実現します。今後も、通信が溶け込む時代に付加価値提案を強化してまいります。
金融事業は、1Qの会計処理変更に伴う一時的な影響もあり、上期は大幅増益となりました。主要KPIの「決済・金融取扱高」「ローン商品残高」は順調に拡大し、カードローンについては、9月に融資残高が2,000億円を突破しました。
金融事業におけるKDDIとのシナジーについて、ポイントを中心とした金融サービスがあります。Ponta会員は1億超の会員基盤となっており、この連携によりポイントを使ったり貯めたりできます。さらに、ポイントを通じて、他の金融サービスとの連携を推進しております。今後も、auのお客さまとPonta会員基盤を中心に、魅力的な金融サービスの提供を目指します。
サービスの魅力化に加え、au PAYの加盟店の皆様とともに利用拡大を目指す取り組みも開始しました。「au PAYグロースパック」は、au PAY会員に向けて、きめ細かくクーポンを配信でき、加盟店の皆様の「新規のお客さまを獲得したい」などの声にこたえ、販促活動をサポートします。会員基盤のさらなる拡大を目指し、収益性の高いクレジットカード事業の成長にもつなげてまいります。
デジタルツインとしては、夢のある仮想世界を創造し、生活圏と経済圏を拡大する取り組みを進めています。行政・スタートアップと連携したバーチャルハロウィーンフェスの開催は今期で3回目となります。また、現実世界のデータを収集し、3次元上に都市空間を再構築することで、精緻なシミュレーションが可能となり、これにより様々な産業に活用できるデータプラットフォームを目指します。さらに、高精細リアルタイムXRを用いて、アパレル業界における購買体験の多様化とサステナビリティを両立した、ワクワクするショッピングの実現を目指します。
地域共創については、つくば市の協力のもと、地域DXを推進します。中でも、ドローンの取り組みの例では、自動配送ロボットと組み合わせ、物流サービスの検証をします。全国に展開するauショップでは、地域とのつながりも大切にし、スマートフォン教室やおもいでケータイ再起動など、数多くのお客さまに体験いただいています。
衛星通信「Starlink」の活用については、au基地局のバックホール回線への利用に加え、国内の法人企業や自治体への提供に合意しました。山・島が多く、自然災害も多い日本だからこそ、デジタルデバイドを解消し、さらには安心して暮らせる社会を目指します。
上期決算のサマリーとして、中期経営戦略において、サテライトグロース戦略は、注力領域のDXと金融事業におけるKPIが順調に進捗しており、センターの通信事業は、5Gを中心に、引き続きマルチブランド通信ARPU収入の23.3期中の底打ちを目指します。通信障害を教訓として取り組みを推進し、強靭なネットワーク基盤の構築に加えて社会をより良くする新たな価値の創造を目指します。中期を見据えたオペレーションを推進してまいります。

質問者1

質問者2

質問者3

質問者4

  • Q同じユーザーが4Gから5Gに移行するとどのくらいデータ利用があがり、どのようなコンテンツが牽引しているのか。精神的プレッシャーがなくなって動画視聴が増えるのか。
    A
    4Gユーザーと5Gユーザーの平均トラフィックを比較すると約2.5倍。お客さまが5Gに移行した際の一人一人の状況は、いろいろなお客さまがいるので一概にはいえないが、ヘビーユーザーだけが移っているわけではないと思う。キラーアプリケーションができないとデータが上がらないという人もいるが、5Gになると道路が広くなるのに加え5G端末のパフォーマンスがあがっているので、同じ動画を観るとしてもダウンロードのスピードも速くなり、知らずとどんどん動画を観てしまうということもある。ヘビーユーザーに限らず動画系を中心にトラフィックを押し上げているので、いかにコスト効率よくネットワークを作りながら通信ARPUにつなげていくのかが課題だと思っている。
  • Qpovoは差別化商品だと思うが何か新しい動きがあるか。
    A
    povoにもいろいろなユーザーがおり、0円であまり使わないユーザーもいれば、楽天モバイルから移ってくるARPUがあまり高くないユーザーもいる。その中、Z世代と言われる方々にむけ、多様化した価値観ごとにインフルエンサーにpovoを紹介してもらうことによってARPUやトッピングが高くなる傾向もある。こういったところを分析し、契約したあとのバリューを上げていくテクノロジーをもっているCircles Lifeと一緒に取り組んでARPU向上につなげていく。
  • Q6カ月入金のないpovoの解約が出始めてARPUトレンドに有意なマイナスになることはないか。
    A
    そこは特に考えなくても良いと思う。楽天モバイルユーザーが入ってくることによって当初の想定よりARPUが低いユーザーがいるのは事実だが、他のブランドでカバーしながら平均値をあげていきたい。

質問者5

質問者6

質問者7

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