2024年3月期第2四半期決算説明会(決算ハイライト・質疑応答)
日時 | |
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場所 | KDDIホールよりオンライン配信 |
登壇者 |
代表取締役社長 CEO 髙橋 誠 |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「24.3期上期連結業績」について、社長の髙橋より説明しました。
1. 24.3期上期連結業績
増収増益で、通期予想に対し、順調な進捗です。売上高は、2兆7,790億円、YOYプラス1.4%の増収で、進捗率は47.9%となりました。営業利益は、YOYプラス0.2%の5,603億円と、10億円の増益で、進捗率は51.9%となっています。グループMVNO収入・楽天ローミング収入はマイナス203億円、マルチブランド通信ARPU収入はプラス8億円、DXはプラス54億円、金融事業はマイナス99億円、エネルギー事業はプラス95億円です。楽天ローミング収入減に対し、通信ARPU収入と注力領域の成長により、増益となりました。
25年3月期以降も見据え、持続的成長の核となる主要事業が着実に成長しています。5G通信は、マルチブランド通信ARPU収入が上期に反転、DXは着実に増益幅を拡大、金融事業は上期二桁成長、エネルギー事業は2Qで増益となりました。
2. 通信ARPU収入の反転と成長
通信ARPU収入は反転、付加価値ARPU収入も増収し、総合ARPU収入が増収しています。2Qの通信ARPU収入は、YOYプラス37億円となりました。マルチブランドIDは3,094万となり、YOYでプラス28万、QOQでプラス4万となりました。増加トレンドを維持し、順調に推移しています。マルチブランド通信ARPUも3,960円とQOQプラス30円伸長しました。
そして、さらなる通信事業の成長に向け、auの魅力化を進めます。まずは、「auマネ活プラン」です。KDDIは、従前から、お客さまニーズに合わせた、通信×付加価値のセットプランを他社に先駆けて提供してきました。9月1日より開始の「auマネ活プラン」は業界初の「通信×金融」のセットプランです。使い放題MAXプランご選択のお客さまの3人に1人がご加入いただいており、会社計画対比でも好調な滑り出しとなっています。
auの魅力化の2つ目の取組みはスマホでの配信コンテンツの拡充です。昨今、スポーツやライブコンテンツなどのネット配信が増加し、スマホ視聴ニーズが拡大しています。このようなニーズに安心の使い放題で応えていきます。強みであるパートナリングを活かし、スポーツの無料配信を強化しています。バーチャル高校野球は、地方予選から全試合を配信し、過去最多視聴数を記録しました。また、この10月からは高校サッカーや春高バレーの配信も開始しています。このような取組みを進め、スポーツで誰もが「ワクワクできる未来」を目指します。
UQ mobileも、データ利用増に伴い、多くのお客さまに中・大容量プランを選択いただいております。月間データ利用量は二桁成長を背景に、UQ mobileでは、6月に3つの新プランを開始しました。新プランはご好評いただいており、足元では約7割のお客さまが、コミコミプランとトクトクプラン、すなわち、大容量・中容量のプランを選択されました。
また、KDDIの使命である「つなぐ」を支える5Gネットワークは、生活動線に沿ったエリア拡大を進めており、お客さまの日常をつないでいきます。10月末時点で、鉄道は47路線、商業地域は384エリアにまで拡大しました。特に、山手線では、全駅で5Gがご利用可能となっている中、通信速度はNo.1との調査結果が出ています。品質向上に向けた取組みとして、当社は従前から端末毎の品質データなどを活用してきました。様々なデータを用いて、自動で収集、分析、対策を行い、迅速な通信品質改善を実施しています。引き続き、生活動線に沿ったエリア展開と通信品質の磨き上げを推進していきます。
衛星通信「Starlink」を活用し、つながらないをなくす、取組みも進めています。Starlinkをau基地局に活用し、山やフェス、災害時など、非日常な場所もつなぎ続ける、エリアづくりを行っています。今年の8月には、衛星とスマホの直接通信サービスの開発に向け、スペースXと新たに業務提携をしました。2024年内のメッセージの送受信開始を目指し、空が見えれば、どこでもつながるようにしていきます。
3. KDDIグループの金融
KDDIグループは、お客さまの生活をサポートする、あらゆる金融サービスを提供しています。主要サービスの顧客基盤は順調に成長しており、au PAY カード会員数は10月に900万会員を突破しました。ほかにも、au PAY会員数は、9月末時点で3,373万、auじぶん銀行口座数は、545万、auカブコム証券口座数は、161万まで拡大しています。
金融事業の業績については、金融関連の付加価値ARPU収入はYOYプラス13.4%となり、付加価値ARPU収入の増加に貢献しています。auフィナンシャルホールディングスの上期営業利益は、前期の会計処理変更影響を除き、YOYプラス92.9%と拡大しました。決済・金融取扱高も、YOYプラス19.3%と順調に拡大しています。
今後の成長ドライバーとなるau PAY ゴールドカードの会員数は9月末時点で97万会員、YOYプラス54.0%と大きく伸長しました。さらに、この10月には100万会員を突破しました。住宅ローン残高は2.3兆円と、YOYでプラス56.2%となりました。魅力的な金利により、お客さまから高い満足度をいただいております。加えて、金利優遇割の対象もKDDIグループ内で拡大させています。9月には、J:COM NETやJ:COM TV、11月1日からは、ctcのコミュファ光とのセットも対象になりました。
そして、金融事業のさらなる成長に向けて、通信とのシナジーを活かし、金融顧客基盤を拡大させていきます。auマネ活プランにより、金融サービス連携が加速しています。プラン開始以降、店頭での金融サービス加入率はそれぞれ上昇しています。このような通信とのシナジーを活かし、金融サービスの顧客基盤のさらなる拡大を目指していきます。
KDDIグループの金融事業の戦略は、「通信と金融の好循環」です。「auマネ活プラン」などで、auの魅力化を推進し、通信事業のARPU増加と解約率低減を目指します。さらに、その通信のお客さま基盤を活かし、auフィナンシャルグループの金融事業の成長も加速させていきます。
4. DX/LX (Transformation)
まず、ビジネスセグメントの業績です。上期の営業利益はYOYプラス5.7%の増益と、想定通りの進捗です。NEXTコア、特にIoTが成長を牽引したほか、既存通信もモバイル通信料収入が増加しました。上期は一部、前年対比で燃料高騰影響もありましたが、下期は影響がない見込みです。通期では、IoTやデータセンターなど、NEXTコアを中心とした事業成長とM&A効果を見込み、YOY二桁成長を目指していきます。
次に、KDDIの強みであるIoTについてです。IoT回線数は、KDDIで3,700万、10月にはSORACOMで600万を超え、合計で4,300万回線を突破しました。この成長を牽引するのがコネクティッドカーです。グローバルで2,200万回線以上を提供しています。この度、新たに海外メーカーにも提供させていただくこととなりました。加えて、さらなる成長に向け、海外コネクティッド事業の新会社設立を決定しました。高い市場成長が見込まれるコネクティッド事業で、多くのお客さまに選ばれる高品質な通信基盤を強みに、グローバルでさらなる拡大を目指します。
データセンター事業も、強みのコネクティビティDCが好調です。データセンター事業の売上高はCAGR20.4%で大きく成長し続けています。KDDIのデータセンター事業を展開するTELEHOUSEは、接続数において、通信事業者で世界1位です。このコネクティビティの強みを活かし、グローバル展開をさらに拡大しています。北米ではカナダNo.1のコネクティビティDCの取得と移行が無事完了し、欧州では、高まる需要に応え、10月にフランクフルトとパリに新棟を開設しました。
KDDIならではのDXの強みとして、グループアセットの活用が挙げられます。ID基盤や管理など、通信事業で培ったノウハウに加え、データ活用を支える多様なグループケイパビリティを有しています。不動産業界のA社様の事例を紹介します。事業毎にバラバラだった顧客IDを統合し、データ活用基盤を構築することで、マーケティングの高度化と、新たなお客さまニーズの発掘に貢献しています。SIerなどとの競合の中、KDDIのグループ連携の強みを評価いただき、お客さまのビジネスのDX化に貢献しています。
事業を通じたカーボンニュートラルにも取組んでいます。自社の取組みとして、データセンターで再エネ化と省エネ化を推進しています。2026年度の全データセンターにおけるカーボンニュートラル実現を目標に、取組みを加速させていきます。DXを活用し、お客さまのカーボンニュートラルも支援していきます。KDDIグリーンデジタルソリューションは、パートナー連携により、排出量の可視化から削減案の立案・実行までワンストップで提供します。
続いて、LXの取組み、αU(アルファユー)についてです。3月にαUをローンチして以降、ユースケース毎のメタバースが次々と出てきており、ニーズが拡大しています。特に、法人向けが好調で、売上はYOY約5倍規模に伸張しています。また、to C領域も、配信者が1,000人を超えています。そのような中、この度αUのサービスを拡充し、クリエイターエコノミーの加速に向け本格始動しました。αU placeでは、実店舗とネットの良さを融合したバーチャル店舗で、新たな買い物体験を提供します。αU metaverseでは、カラオケ機能を追加、αU liveではアーティストのパフォーマンスや楽曲を世界に配信し、クリエイターをサポートしていきます。さらに、生成AIを活用することで、より多様なコンテンツが溢れるクリエイターエコノミーを創出していきます。
そして、DXやLXの成長に向けた基盤強化として、生成AIを活用していきます。まず社内でのKDDI AI-Chatの活用を推進し、作業の高度化を図っていきます。生成AIのビジネス展開に向け、9月には Azure Open AI ServiceやAWSと連携を発表しました。KDDI社員1万人のユーザー体験やユースケースをもとに、生成AIの社会実装に向けたサポートを行います。業務効率化と並行し、人財戦略も加速させます。DXやLX領域への人財シフトを行うとともに、Web3やAIの研修も拡充し、成長を支える人財育成を強化します。
さいごに、「MWC Barcelona 2024」についてです。KDDIとして、来年2月に初めて出展します。出展テーマは、「Enhancing “the Power to Connect”」です。我々のビジョンにもある「つなぐチカラ」をテーマに、ビジネス分野をはじめ、準備を進めています。具体的な出展内容は、また今後、発表していきます。
NTT法のあり方についての当社の考え
NTT法見直しについて、現在、自民党では、防衛関係費の財源検討に関する特命委員会での「日本電信電話株式会社等に関する法律」の在り方に関するPTのもと、総務省では、情報通信審議会のもと、議論がされております。
それぞれのヒアリングの場でも申し上げておりますが、当社は時代に合わせたNTT法の見直し、例えば、研究成果の開示義務、社名変更、取締役選任といった規定の見直しは行っていけば良いと考えています。一方で、国民の利益が損なわれるNTT法の廃止には反対です。3つの重要な点について慎重な議論を尽くすべきと考えております。一つ目は、NTTグループと他事業者との公正競争の確保。これは、NTTグループの統合、一体化を防止するもの。二つ目は、既存6,000万ユーザーの保護、あまねく提供義務の確保。三つ目は、公益性の高い通信に対する国のコントロール権の確保で、外資規制によるNTTの特別な資産に対する保護。これらが保たれない場合、国益・国民生活への影響が出てくるものと、強く懸念しています。
また、10月19日には、電気通信事業者や地方自治体など180者の連名で、NTT法の見直しに関する要望書を、自民党と総務大臣に提出いたしました。この180もの数、こちらには数多くのケーブルテレビの皆さまなど、日本のさまざまな地域の方々が入っておられます。これだけ多くの方々が、NTTグループの統合・一体化に対し、公正な競争環境を損なうものと懸念しています。このような状況、そして国民の利益も考えると、より慎重な政策議論を行っていただきたいと、強く感じております。
質問者1
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- 上期の連結営業利益の増減要因について、特に2Qにおけるエネルギー事業および「その他」の構成要素について説明をお願いしたい。
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エネルギー事業は2Qで大幅な増益を達成した。これは、燃料高騰に対して6月に実施した料金見直しにより業績が安定したことに加え、猛暑による電力使用量の増加の影響である。また、「その他」は中期計画で掲げているコスト構造改革の一環として、設備投資の徹底管理により償却費が削減された影響があり、これは下期も継続すると考えている。さらに、端末の補償サービスなどがうまく機能し、収入と利益の増加に寄与している。
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- 2Qの利益水準が1Q対比でも上がっている要因について教えて欲しい。
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エネルギー事業の増益が最も大きく、補償サービスの利益も2Qに増加した。さらに、販売促進費の削減により2Qの利益は大幅に上昇した。ただし、販売促進費は季節性やキャンペーンにより増減するため、下期は状況に応じて費用を投下することも想定している。
質問者2
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- 今期の事業については、ARPUの上昇、楽天ローミング収入の安定、エネルギーの増益、DXと金融の拡大といった要素が一つ一つ確実に積み重ねられ、計画達成の方向は見えてきている。中期計画では、さらに4~5年の期間をかけて、会社の大きな屋台骨となるような新たな施策を考えることもあれば良いと思うが、それを現在の3年の中期計画の期間で作るのは難しいのではないか。3年という中期計画期間の是非も含め、長期間で大きな柱を作る計画や、その具体的な領域について、考えを聞かせて欲しい。
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ここ数年間苦しんだ料金値下げ影響もなくなり、それを打ち返す成長領域であるDX、金融、エネルギーなどが安定し、これからも着実に伸ばしていく。日本の人口が25年頃から将来的に減少することは皆さんの認識の通りだと思う。その中で、端末に生成AIの新機能が搭載されたり、Google 社も注力しており、伸ばしていきたい領域になると思っているが、やはり圧倒的に大きく伸びているのはビジネス領域である。特にIoTは4,300万回線を達成。利益貢献はまだ小さいが、非常に商機であると考えている。ただし、回線収入だけに留まらず、すべてのものに通信が入っていくこれからの時代に、付加価値領域も含めてビジネスにしていく必要があり、その中でデータドリブンや生成AIが大きな役割を果たすと思っている。現在ローリング中の中期計画では、この領域を重視するとともに、宇宙分野などにも可能性があると思っている。
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- 中期計画の財務に関して、現在は3年に1回の株主還元サイクルが設けられているが、これが適切かどうか疑問を持っている。政策保有株の縮小は時代の流れと認識しており、株主還元の計画期間をより長く設定し、柔軟な対応を可能とすることも必要ではないか。この点に関して見解をお聞かせいただきたい。
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中期計画においては、まず約束しているEPSの1.5倍の達成が必要で、料金値下げなどの問題もあったため、1年程度の猶予をいただきながら目指していきたい。中期計画で示した営業キャッシュフロー5兆円のキャッシュアロケーションについては、株主還元や成長投資にどう使うかを考えていく必要がある。政策保有株などの変動要素に対しては、中期計画のキャッシュアロケーションを守りつつ、柔軟に対応することが重要だと考えている。
質問者3
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- NTT法見直しの業績への影響について、特にNTTの組織一体化やユニバーサルサービスの見直しがKDDIにネガティブな影響を及ぼす可能性について教えてほしい。また、料金の高止まりにより、それがKDDIのシェア拡大の機会になる可能性はあるのか。
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短期的に影響が出てくるような議論ではない。電気通信の自由化以来、競争政策が進められ、NTTの分割によりサービス向上が図られてきた歴史がある。しかし、NTT法の廃止により巨大な企業が再び形成され、競争環境が阻害されることでサービスレベルが低下する可能性がある。また、NTTが1つになると、接続料金の上昇などによりNTTグループ以外の企業へ不利益をもたらす可能性がある。
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- 京セラ決算説明会での保有株式についての議論がKDDIの株価に若干、影響していると思うが、トヨタ自動車や京セラなどが大量保有するKDDI株式を売却する場合、自己株式取得の枠で受けるのか、新たに自己株式取得を設けるのか教えてほしい。
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正式に申し出があったことではないので、コメントしにくいが、売却の申し出があった時点で会話をしていけば良いと考えている。
トヨタ自動車のKDDI株式の売却の際には、申し出があってから色々と議論をした。基本的に株主に迷惑をかけるのは得策だと思わない。しっかりと会話をしながら株主の失望に繋がらない方法で検討していけば良いと思う。
元々キャッシュアロケーションとしては5兆円の営業キャッシュフローを見ており、そのうち設備投資が2兆円、うち成長投資が1.3兆円、なおかつ戦略的事業投資は7,000億円の設計である。
そして、1.5兆円の株主還元というのが、中期経営計画で示したものである。株主還元の内訳は配当で3,000億円が3年間、自社株式取得2,000億円が3年間という姿である。キャッシュ的には余力があり、正式に申し出があった時に相談しながら、株主に失望感を与えない方向で対処していくというのが我々の方針になる。
質問者4
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- 決算詳細資料の2ページ記載されているパーソナルセグメント売上高の中の「その他」が、第2四半期単体でかなり伸びているが、どんな子会社で、売上や利益が伸びているのか教えて欲しい。また、持続性があるのか教えて欲しい。
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具体的な数字は非開示だが、主に金融事業であるauフィナンシャルホールディングスである。同社では付加価値ARPU収入に加えて、それ以外も伸ばしている。また、J:COMも、1Qから2Qにかけて伸びが大きい。その他、BIGLOBE、海外子会社であるモビコム、ミャンマー事業についても、1Qに比べ2Qの利益が増加している。
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- プレゼン資料6ページで5G通信、マルチブランド通信ARPU収入の反転について記載されているが、昨年の障害返金影響59億円含みであり、3Qになると反転のハードルが上がるのではないかと思う。3Qのマルチブランド通信ARPU収入についてコメントをいただきたい。
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ご指摘のとおり、通信障害返金影響59億円込みでプラスとなっている。通信障害返金影響を除くとマイナスとなるものの、四半期単位でみると1Qが▲29億円、2Qが▲22億円と改善しており、計画内で推移していると認識している。
ARPU上昇に向けた取り組みとして、「auマネ活プラン」を2023年9月から開始し、好調に推移。このプランによりauのARPUも上昇すると見ている。また、UQの新プランも好調で、ARPU向上に寄与すると見られる。マイナス面として、auからUQ mobileへの移行があるが、ARPU収入もARPUも上昇傾向にあり、右肩上がりで上昇するのは確実と見ている。
質問者5
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- 戦略投資について、中計の3年間で7,000億円が計画されており、半分が過ぎた現時点でどの程度が実際に投資されたのか、また、今後の投資計画や対象領域について可能な範囲でお伺いしたい。
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7,000億円の戦略的事業投資計画に対し、現段階で2,000億円の投資を実施した。主な投資先はカナダのデータセンターやIIJなどである。現在はまだ大型案件の準備段階であり、適切なタイミングで公表する予定である。
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- 計画に対して投資枠を使い切らなかった場合、髙橋社長として、それを株主還元に振り向けるという考えもあるのか。
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現在のキャッシュアロケーションは中計の一部であり、大幅な変更予定はない。ただし、株主への自社株買いを例に挙げると、2,000億円から3,000億円へと変動している。そのあたりは柔軟に組み替えていく方針である。現段階で具体的な変更を発表する必要はないと考えている。
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- モバイルの競争環境について、7~9月における各社新プラン投入や新ブランド投下によって、解約率の悪化や各社とのMNP状況にどのような変化が起きているか。またその対策や将来的な見通しについてお伺いしたい。
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モバイルの競争状況は、新プランや新ブランドの投入後、少しずつ落ち着いてきていると感じる。最近では各社がARPU向上を目指したプランを展開し、競争も一定の均衡に達していると思っている。今年の秋のiPhone商戦や1月から始まる新しいインセンティブルールとなる「4万円ルール」が新たな動きを生む可能性があるが、端末単体販売に関して劇的な流動性をもたらすとは思っていない。この辺りは、年度末に向けて状況を注視していきたい。
質問者6
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- マルチブランド通信ARPUがプラスに転じ、その影響が現れ始めることは喜ばしいことではあるが、本当に大丈夫なのか。また、政府からのプレッシャーあった際に、採算性が確保されなければ5Gなどへの投資がどうなるのか、設備投資に関する具体的な見解を伺いたい。
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実際には、当社は既に多額の設備投資を行ってきており、料金値下げがあった際にはさらに投資を抑制したかったが、開設計画実行に向けて、今年9.1万局設備を設置しなければならなかった。ただしこれがピークで、あとは品質を担保していくことになるため、これ以上大きく増加することはない。実は、我々の5G周波数であるSub6は衛星との干渉の影響を受けており、今年度末にはこれが解消され、品質の向上が可能になると見込んでいる。
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- 現在、ハイエンドプランで契約しているユーザーは、動画などの既存サービスの充実を期待していると思っているが、コンシューマの新サービスあるいは追加サービスについてのビジョンについてお伺いしたい。
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5G導入により、顧客体験とデータ利用方法が大きく変わってきていると思っている。具体的な例としては、これまでテレビで視聴していた高校野球がスマホでのストリーミング視聴に変わったことが挙げられる。このような変化がデータトラフィックの爆発的な増加を誘引している。更に、これからはコンテンツ作成もユーザーが中心となり、生成AIを活用することで、よりリッチでクリエイティビティなコンテンツが作られる時代になると考えている。これにより、データトラフィックはさらに増加する。ただ、これらはあくまで私の主観的な見解であり、具体的な変化は今後の市場状況などによると考えている。
質問者7
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- コスト面と設備投資に関連する高インフレや円安の影響について、公開されている業績数字ではエネルギーコストを除いて大きな負の影響は見られないように感じているが、具体的な調達環境とその対策について詳細をお伺いしたい。
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調達に関しては、中期的な視点では円安の影響が出てくると思っているが、基本的に円建てでの調達となるため、現段階では大きなインパクトはないと思っている。ただし、円安が更に進行すると、海外から輸入している仕入価格に影響が出る可能性がある。今のところ大きなインパクトはない。
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