2024年3月期決算説明会(決算ハイライト・質疑応答)
日時 | |
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場所 | KDDIホールよりオンライン配信 |
登壇者 |
代表取締役社長 CEO 髙橋 誠 |
決算ハイライト
決算説明会の模様
決算説明会では、「2024年3月期決算」について、社長の髙橋より説明しました。
1. 24.3期 連結業績
2.「つなぐチカラ」×AI
3. 新サテライトグロース戦略
4. 経営基盤強化および25.3期業績予想
質疑応答
質問者1
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- 26.3期のEPS目標 388円は達成できると思っていたが、3,000億円の自己株取得が続く前提でも、今期の営業利益の計画だと少し到達しないのではないか。今期の営業利益が想定より300億円程度低く、2年ではさらに減少。EPS目標達成に向け、来期までにどのような計画か。
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今回は、EPS目標達成が大きなポイントだと思っている。今期の増益は通信ARPU収入で+140億円、注力領域のDX、金融、エネルギーの合計で+330億円、と合算して+500億円弱となる。これを来期も引き続き継続していく。加えて、楽天ローミング収入が今期は約170億円の減収だが、来期には数十億円程度の減収で留まり、YOYで百数十億円の改善となる。また、Orbit2としてLXで仕込んでいるもので数字を作り100億円規模にもっていきたい。ローソンの取込み利益は、もともとスクイーズアウト後の取込み利益として今期100億円程度を計画に織り込んでいたが、TOBが早く完了して保有比率が41.1%となったことで、1Qから持分法として利益を取込むことが可能となり、計画よりも80億円程度の利益増となる見込み。もう1点、技術コスト構造改革として前期より3年間、毎年180億円程度の4G設備を除却していくことで、OPEXに効いてくる。除却費用の半分程度、26.3期には200億円程度の効果を想定している。また、今期の営業利益が想定より300億円程度低い、という点はこの技術構造改革費用とローソンの取込み利益の増分である程度、理解いただけると思う。
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- LXの100億円規模の利益は、具体的にはどんな事業か。
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ドローン、Starlinkなどを想定している。特にドローンは順調に推移しているので積み上げていけると思っている。初期から手掛けてきたtoBのビジネスで、ドローン、Starlink、メタバースなど多くの引合いを受け、今期のトップラインを伸ばす要因、来期の利益貢献の要因となる見込み。
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- ドローンで100億円規模の利益が出るのか。
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いくつかの事業の組合わせで100億円規模ということで、ドローンはそのうちの一つという位置付け。
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- 技術構造改革費用の200億円程度というのは、今期の計画に含まれていないのか。
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前期からの3年間で合計600億円の計画。前期、今期、来期とも毎年約200億円の想定で、今期分は計画に含まれている。この除却の影響は、OPEXに半額程度が効いてくると想定しており、来期は2年分の効果で約200億円のコスト減、今期は実施時期が期末に寄っている影響もあり、数十億円程度のコスト減となる見込み。
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- 2年間の新たなキャッシュアロケーションの計画について、総額3兆円から設備投資1兆3,000億円、事業投資2,000億円、配当が年間3,000億円、合計6,000億円として計算すると、余力があるように見える。自己株取得に柔軟に使える枠が残るという理解であっているか。
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自己株取得は今期、来期とも3,000億円の前提としているが、今期分の3,000億円は10月末までに完了する計画であり、そのあとの猶予もあると思っている。我々が目指すEPS1.5倍実現のために総還元性向100%を上限として、機動的な自己株取得も含めて対応していきたい。
質問者2
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- 総還元性向100%を上限、とのことだが、大株主対応などで1次的に100%を超過する可能性はあるか?
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今のところ想定しておらず、基本的に100%を上限として考えている。今期はトヨタ自動車からの申し出に応じた自己株取得を予定しているが、実行後のトヨタ自動車の当社株式の保有比率は10%となり、以降は継続保有される見込み。大株主であるトヨタ自動車や京セラとは、保有株式について継続的にミーティングを行っている。トヨタ自動車様とは特にコネクティッドサービスでのつながりも大きく、今後も継続保有を希望している。
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- 来期のEPS目標達成に向けて、資産売却などを行う可能性はあるか?
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選択肢としてはあるかもしれないが、今は考えていない。EPS目標達成に向けた当期利益の増加について、M&Aや現在保有している株式の保有比率を上げる、といった選択肢もあり、社内で色々と考えている状況。
質問者3
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- 通信ARPU収入が今期・来期と上がるように思われるが、契約数ではなくARPUのアップセルが効くのではないかと考える。一方で、アクセスチャージの減もあるので、今期は下がり、来期は上がると思うが、通信ARPU収入増の前提となっているIDやARPUの見通しについて教えて欲しい。
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まずIDは、24.3期は当初3,100万IDを予想していたが3,115万IDと目標をクリアしている。その結果、ARPU収入は50億円増と反転した。ただし単価がYoYで20円ほど減少している状況で、今後も通信ARPU収入を成長させなければいけない。まずはID獲得について、UQモバイル中心で順調あったが、ARPUの単価減に効いていることがある。ただし、auの料金プランではMAXプランの比率が好調である。また全体の解約率は上がっているが、auの解約率は0.8%程度で推移しており、auの解約が落ち着くことはブランドミックスでARPU増に寄与する。IDの関係もあり、UQモバイルの獲得を抑えることはないが、UQモバイルも4割程度であった中大容量の新規構成比が7割程度まで増加している。この組み合わせで全体の通信ARPU収入、および単価をあげていく。
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- 通信ARPU収入が26.3期にジャンプアップする理由について教えて欲しい。
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現状の要素をそのまま継続、オペレーションすることで可能と想定している。
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- 付加価値ARPUの二桁成長について、金融、決済、コンテンツのどこが牽引するのか教えて欲しい。また、ローソンとのシナジーはどこに効くのか。
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付加価値ARPUは、マージンの高い金融・決済と補償サービスが牽引する。金融・決済は好調な住宅ローン、クレジットカード決済など、補償サービスは使い方サポートなどが好調。ローソンとのシナジーは、auスマートパスをPontaパスとしてリブランドして、ローソンとともにお客さまに提供していきたい。仮に、会員数を1,500万から2,000万へ、500万のアップを何年で実現するかだが、極力前倒ししてお客さまに加入いただけるサービスとして組み立てたい。実現できれば、単価500円の会員数が500万増、となり、5年間で750億円程度となる計算。そのために、ローソン、三菱商事、ロイヤリティマーケティングとの連携を強化していきたい。
質問者4
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- キャピタルアロケーションについて、上限100%の総還元性向から逆算すると、2年で8,000億円くらいの自己株取得が可能という理解であっているか。EPSを増やすための手段としては、今期前倒しで実施することは望ましいと思うがどうか。
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そこまでの余裕はある。今期は3,000億円の自己株取得を10月までに完了すると公表しており、その時の状況に応じて検討していきたい。
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- 戦略投資2,000億円の投資先、分野についてお聞かせいただきたい。
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今回ビジネスセグメントに組み入れた事業創造本部の投資が中心になってくる。あとは金融関係もあるかもしれない。
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- パーソナルの競争環境が激化してきている印象。NTTは決算説明会で加入者獲得に費用を使うとのコメントもあった。KDDIの獲得費用の計画はどうなっているか。
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各社の決算では解約率が上がり競争激化とみているようだが、auの解約率はMAXプラン、マネ活プランの効果もあり、明らかに下がってきている。解約率が上がっているのはUQモバイルで、特にSIM単体の契約が悪化要因となっている。端末をバンドルしないSIM単体もスマホ契約数としてカウントされるため、コミッションを投下すると単価が上昇するが、短期で解約して流動するであり、解約率悪化につながってしまう。我々はID×ARPUに帰着してやっていかないといけないと思い、端末とのセット販売にこだわっていく。MNPのデイリーの動きでも、5月になってから落ち着いていて、そこまで競争が激化しているようには感じていない。
質問者5
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- ローソンTOBについて、元々は3社で実施する方針であったという報道や、直前でローソンの株価が上昇した、といった事象を踏まえると、投資額は当初の想定よりかなり増加したのではないか。それでもTOBを決断したトリガーは何であったのか?また、TOBを判断する上での財務的な考え方や、TOBによって最も見込んでいるPLインパクトなどについて教えて欲しい。
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おっしゃる通り、最終的に3社のうち1社がいなくなった段階ではかなり悩んだが、そこからまたスキームの再構成を行うと非常に時間がかかってしまうし、やはり今回のシナジーであるDX、コンビニの付加価値向上、そしてPonta経済圏の拡大について三菱商事と一緒に取り組むことには大きな可能性がある。三菱商事とは強みや事業領域の重複が少なく、スピード感を追い求めた時に、50:50で運営に踏み切る価値は充分あると判断した。投資効率で見ると今年度の利益は5%程度から始まるが、ローソンの計画では27年に7%程度となる想定で、当社はハードルレートを6.5%程度で考えており、シナジーなしでも充分に投資回収可能である。これに加えて、我々がDXを投入することによってローソンの計画が前倒し可能となること、またPontaパスなどによる利益増といったシナジーが見込めることから、投資価値は充分はあると判断した。今期も約180億円、来期は200億円程度の利益の取り込みを想定しており、EPS成長にも直接寄与することとなる。
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- ローソンTOBのシナジーとして金融事業の記載がないが、ローソン銀行とauフィナンシャルホールディングスとの関係についてはどう考えているか?
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現状、ローソン銀行の採算はまだそれほど良い状況でもなく、口座数もあまり多くはないため、TOBの完了後に議論はしたいと思うが、今の段階で大きなシナジーを生むとは想定していない。
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