2025年3月期第2四半期決算説明会(決算ハイライト・質疑応答)

日時
  • 2024年11月1日(金)
    15:30-16:30(決算プレゼン)
    17:15-18:00(アナリスト・投資家向け質疑応答)
場所 KDDIホールよりオンライン配信
登壇者 代表取締役社長 CEO 髙橋 誠
代表取締役執行役員副社長 ビジネス事業本部長 桑原 康明
取締役執行役員常務 CDO 先端技術統括本部長 松田 浩路
取締役執行役員常務 CFO コーポレート統括本部長 最勝寺 奈苗
取締役執行役員常務 パーソナル事業本部長 竹澤 浩
執行役員 コーポレート統括本部 経営管理本部長 明田 健司

決算ハイライト

決算説明会の模様

決算説明会では、「25.3期上期連結業績」について、社長の髙橋より説明しました。

1. 25.3期上期連結業績

  • 25.3期上期の連結業績は増収増益。通期予想に対し、順調に進捗
  • 売上高は2兆8,557億円、対前年比+2.8%、通期予想進捗率49.5%
  • 営業利益は5,731億円、対前年比+2.3%、通期予想進捗率51.6%
  • 通信ARPU収入は1Qに続き増収、DX(ビジネスセグメント)の営業利益は二桁成長、金融・エネルギー事業も増益を達成
  • 26.3期のEPS目標に向け、サテライトグロース戦略の推進により、主要事業と新事業領域の成長を目指す

2. パーソナルセグメント

  • 総合通信ARPU収入が拡大、通信、付加価値ともに順調に増加
  • 各ブランドの通信ARPUは成長しており、UQ mobile→auへの移行数も順調に推移
  • ARPU成長に貢献するスマートフォン稼働数は引き続き順調に増加。au解約率も低下
  • モメンタム強化に向けて、au、UQ mobile、povoのマルチブランド戦略と体感品質No.1の高品質ネットワークで、KDDIならではの魅力を訴求していく
  • ローソンとの連携について、9月より三菱商事50%、KDDI50%の新経営体制がスタート。Real×Tech Convenience、Ponta経済圏拡大、社会課題の解決などにより、ローソンとKDDIの成長の実現を目指す

3. ビジネスセグメント

  • グロース領域の成長により、通期二桁成長に向けて順調に進捗。高利益率のIoTやデータセンター事業が成長を牽引

    • 売上高は6,724億円、対前年比+13.1%
    • 営業利益1,137億円、対前年比+11.1%
  • AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」は、あらゆる機能にAIをインフラとして実装し、さまざまな業界課題や社会課題の解決に取り組む
  • 通信網とデータセンター事業の知見を活かし、WAKONXを支えるAIインフラを構築

4. 経営基盤強化

  • 新たな個人投資家層の拡大を目的に、株式分割による投資単位の引下げを決議(分割比率:1対2)
  • 1,000億円(上限)の市場買付けによる追加の自己株式取得を決議。25.3期の取得総額は4,000億円(上限)

NTT法についての当社の考え

  • 総務省(審議会)の取りまとめの方向性に賛同
  • 時代の変化に即したNTT法のアップデート(維持・強化)が必要
  • 現在の法体系をあえて変更(NTT法を廃止)する論拠は見当たらない

質疑応答

質問者1

  • Q自己株式取得について、来期以降も年間4,000億円という水準を継続するのか、政策保有株式と市場買付けのバランスをどうしていくのか、京セラ社の決算発表で発表されたKDDI株式売却方針に対する影響と合わせて基本的な考え方を教えて欲しい。
    A
    京セラにしても、トヨタ自動車にしても政策保有株に対する見方は厳しくなっている。トヨタ自動車からは今のところ追加申入れを受けていない。京セラも今回3分の1を売却ということで、5年間で当社持ち株比率の約10%程度までの水準となる。当社としては、できるだけ保持して欲しいという思いは強く、両社に当社とのシナジーを主張し、保持していただけるように継続してお願いしていきたい。
    来年度以降は、26.3期EPS1.5倍を目標として掲げており、この中の一つの要素として自己株式の買付けというものを、京セラの方針を含めて設計をしていきたいと考えている。
    キャッシュアロケーションは26年3月までのものを公開しており、2年間で約3兆円程度の営業キャッシュフローと見た時に、設備投資約1.3兆円、戦略的事業投資約2,000億円、それ以外で約1.5兆円程度ある。配当として毎年3,000億円程度、それ以外がその他の自己株もしくは政策保有株の取得などで構成される。この辺りのから推察していただきたい。
  • QPontaパスと、UQ mobileの新料金プランについて下期以降の影響の見立てを教えて欲しい。
    A

    中容量帯の競争が少し激しくなってきている。33GBで料金はそのままにし、他社と違い固定をセットしない条件として手を打った。povoでも毎月1,980円程度となる強力なプランを入れ、中容量帯の競争でしっかりと戦っていこうと考えている。安価の料金プランからの移行により、ARPUにも良い影響を与えることを想定している。
    加えて、povoのData Oasisによる新しい体験としてローソンに行くと毎回100MBがもらえるので、auユーザーだけではなく、他社のお客さまのセカンドSIMとしてご利用いただけるよう、積極的に推進していく。
    Pontaパスは提供開始後、非常に好調。一番大きな効果は、今までのauスマートパスはauユーザー向けのサービスに見えていたのが、オープンなサービスに見えるようになり、ローソンチャネルで新規契約が取れ始めたこと。ローソンの特典がたくさん入っており、ローソン店頭でローソンフランチャイズの方々がPontaパスを売り始めてくれたので、下期に非常に効いてくる。現在の会員数は約1,500万会員だが、2,000万会員まで持って行くのが目標となっており、今後力を入れていく。
    Pontaパスは、デイリーアクティブユーザー数が1.5倍、ローソンへの送客が2.5倍に上がっている。ローソンの日販が上がると同時に、お客さまにPontaパスをご利用いただくことで、当社の収入アップに貢献すると見ている。また、UQ mobileのお客さまに対しても、UQ mobile新プランと合わせてPontaパスをお選びいただくことで、通信ARPUと付加価値ARPUの両面で効果が出てくると考えており、力を入れていきたい。年明け目途にテレビCMなど色々な媒体でPontaパスの存在とローソンの便利さを伝えていく。

    UQ mobileの新プランは、キャンペーンにより33GBで提供。中容量帯について、他社も新プランを開始しているが、UQ mobileの元々の魅力であるくりこしと10分間の通話定額などは他社と比較して優位となるため、お勧めしていきたい。また、新プランに移行していただくことでARPU収入にもポジティブになると捉えており、UQ mobileの稼働が上がると共にARPU向上にも直結するものだと考えている。

  • QUQ mobileの稼働が増えることは良いことだと思うが、auからUQ mobileへの移行が進むということにならないか。
    A
    現状もハードなオペレーションで対応しているが、再度auの定額プランを強化する方向で検討を進めている。auのプランの魅力を高めることによって、30GBまでUQ mobileで使った後、auの無制限プランにプラン移行していきたいと考えている。

質問者2

  • Q直近でUQ mobileやpovoの魅力がかなり高まっている一方で、ブランドミックスが改善しないと感じる。今後の方向性を教えて欲しい。
    A

    当社はブランド戦略について、他社と異なっている。povoがauとUQ mobileと一緒に見えてくることはない。なぜかといえば、povoはWebに寄った作りになっていることと、au Style/auショップでは一切取り扱っていない。povoのユーザーインターフェースは非常によく、そういったものを新しいチャネルのローソンで活用することは、他社と大きく戦略が異なる。auとUQ mobileはau Style/auショップで取り扱い、ブランドの特色を出しながらできるだけauの方に移行していただき、外からはUQ mobileの方に来ていただくという発想。

    povoは、いろいろなキャリアのセカンドSIMとして入っていきたい。セカンドSIMだが、ネットワークは体感No1であり、その品質を安心してセットいただける。また、セカンドSIMからメインに変えていただけるようにpovoを育てていきたい。
    auの魅力化は継続していく必要がある。マネ活などバンドルでお客さまに価値を提供してきた歴史があり、これからも色々パートナーとセットできるようなプランを開発し、お客さまにお届けしたい。

  • Q来期の株主還元について具体的に教えて欲しい。
    A
    大きく3つをクリアしようとしている。一つ目は、26.3期までのキャッシュアロケーション方針を守っていくこと。二つ目は、来期のEPS成長1.5倍達成に向けて社内で真剣に取り組んでいること。三つ目は、総還元性向100%を上限として機動的に検討していくこと。これを解いていくと、株主還元がどれくらいか分かっていただけるのではないか。

質問者3

  • Qマルチブランド通信ARPU収入について、下期にオーガニックで140億円に戻していくための戦略を教えて欲しい。
    A
    マルチブランド通信ARPU収入について、マルチブランド通信ARPUで10円程度の減、ID数はSIM単体の流動が想定以上に各社の競争的な施策展開もあり、微減の状況。
    今後ARPU収入を戻していくために、UQ mobileの新料金プランにより稼働構造があがっていく見立てをしており、そこに注力して競争力を上げていく。もう一つはauの定額プランについて、全体の料金プランの中でのミックスを一番収入があがるようオペレーションしながら、当初目標の140億円に戻していきたい。
    また2Qが少し弱含みで見えている理由は、昨年の6月にUQ mobileの新料金プランを開始した影響がある。マルチブランドID数についても、UQ mobileの新料金プランとauの施策で上げていきたいと考えている。
  • Q中容量帯の競争環境について、今回の20GBから30GBへの拡張で終わりと見てよいか、もしくは今後も中容量帯の範囲が広げられる余地があるものか伺いたい。
    A
    20GBから30GBへの拡張は、中容量帯の料金プランの転換点と考えている。一方、auのお客さまの最近のトラフィックはYOYで約18ポイント、UQ mobileのお客さまも約6ポイント伸びているため、お客さまの使い勝手を考えると使い放題の方に移行していくと見ている。
    色々な付加価値をつけた上でauのプランにお客さまが入っていただきたいと考えているため、中容量帯の容量をこれ以上増やしていくことは考えていない。

質問者4

  • Qネットワークの品質について、Opensignalのユーザー体感評価で1位を取ったが、2位以下とのリードはどれくらい持続性があるか。
    A
    4Gのネットワークを5Gに入れ替えて、その上にSub6を重ねるというNTTドコモとは逆の戦略を取ったが、その戦略がうまくいっている。既存周波数帯の5Gを大きく整備した上で、Sub6でほかのキャリアよりも圧倒的に多い基地局数を打つことができ、衛星干渉もスカパーJSATに3月末に移動していただいたことで拡大できたため、戦略的に品質を向上してきた。NTTドコモが、もう一度ネットワーク戦略をやり直すとご苦労されると思う。また、ソフトバンクがSub6を申請されたが、現在2ブロックを持っているのはNTTドコモと当社だけなので優位性がある上、新しく獲得される周波数はSub6のブロックがかなり離れており一つの機材ではカバーできない。当社は、Sub6の周波数が非常に近いブロックで保有しているため、設備投資効率が非常に良い。さらにD2C(衛星との直接通信)も加わり、これらの要素を複合すると当社のネットワーク優位性はかなりある。
  • Qネットワークの設備投資の来期以降の見通しを教えて欲しい。
    A
    開設指針を前年度末まででカバーしたので、設備投資額については昨年がピークで少し落ちていくことになる。
  • Qローソンの取り込み利益について、通期で見込んでいる利益貢献額を教えて欲しい。
    A
    下期の見通しについて具体的な数値は申し上げられないが、期初に発表した100億円プラスαくらいとなる。
  • Qビジネス領域でのローソンとのシナジーについて教えて欲しい。
    A
    9月18日に発表した通り、リテールテックとしてサイネージや、バックヤードの品出しをまずは進めている。また、ローソンのシステム更改にも関与させていただけるよう取り組んでいる。全般的にローソン社との取り組みは非常にうまくいっており、社内で複数のプロジェクトが立ち上がっているので、今後良い話をさせていただくと思う。
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