2003年10月 決算社長会見
日時 | 2003年10月30日 (木) 16:30~17:25 |
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場所 | 経団連会館 |
発表案件 | 2004年3月期中間決算について |
質疑応答
中間決算業績関連
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- 前期PDCの費用は通期で800億円計上しているが、上期、下期でどれくらいか。
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上期370億円、下期430億円である。
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- 来期のコミッション単価は、36,000円よりも下げるのか。
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単価は、36,000円を維持したい。
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- 来期の成長をどのように描いているのか。
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来期の成長のドライバーは、ユーザーの純増傾向とデータARPUの向上である。
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- 番号ポータビリティの考え方について教えて欲しい。
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顧客ニーズが、番号ポータビリティと料金などのどちらに優先順位があるのか、費用対効果など考慮する必要がある。当社としては、顧客の利便性を考えて積極的に検討している。
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- NTTがドライカッパー (敷設済みのNTT電話回線のうち、電話加入のない状態) の料金を値下げしたが、それを利用した直収サービスを検討しているか。
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検討中であるが、今のところ、明確な結論は出ていない。
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- マイクロ波設備の除却による費用削減効果は。
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5年で減価償却費が200億円、保守運用費が50億円。
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- 先程のドコモの会見で、獲得のため販売促進費が増加したので利益が減った、と言っていたが、販売促進費の減少により増益となり、かつ獲得も順調だったのはなぜか。
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他社との比較は難しい。我々は昨年、一昨年から販売促進費を減らしているが、裏返すと端末の店頭価格は上がっている。それにもかかわらず売れているというのは、ユーザーが商品に対して値頃感を持っているのではないか。増益の要因については、PDCサービス終了と商品力の強化でユーザー獲得ができたためである。
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- 先日破綻したCWC (クロスウエーブ・コミュニケーションズ) を買収して、BBC・ソリューション事業に取り込む可能性は。
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何とも申し上げられない。当社は、何の動きもしていない。
移動体事業関連
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- PCカード型での料金フラットレートの導入は。
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EV-DOでAirH" と同じことは、現状ではできない。システムがもたないだろう。
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- 音声通話における定額制の導入は。
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システムキャパシティの問題があり、大幅にトラヒックが増加した場合、システムがもたないので無理である。
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- WINとAirH" のデュアル端末の可能性は。
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需要がどれくらいあるのかによる。また、音声と定額データ通信のデュアル端末はすでに、DDIポケットで提供されているので意味がなく、データ同士のデュアル端末、例えばAirH" と無線LANとか、WINのカード型とAirH" の融合は、考えられるのではないか。
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- 先日、ソニーとドコモが非接触型ICカード「Felica」で合弁会社を設立する、というニュースが出ていたが、auでも対応するのか。
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技術面での検討をしている。今後、何が使いやすいのか、普及していくのか見極めたい。
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- WINのデータARPUをどのくらいとみているのか。
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データカードについては用途によって違うので何ともいえないが、携帯型のWIN端末は限りなく4,200円に近いのではないか。
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- WINを導入することにより、チャーンをどのくらいと見ているのか。
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まず、auのユーザーが機種変更でWINに移行すると見ているが、他社からのチャーン・インがどのくらいかは、わからない。
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- 2GHz帯のEV-DOの位置付けは。また、キャンペーン期間中のみの定額料金になっているが、キャンペーン後も定額料金とする予定は。
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10月31日からサービスを開始するが、今設定している2GHzの料金では使っていただけないと思う。キャンペーン期間中は定額料金ということになっているが、これは、料金計算システムが整うまで、ということである。料金について、どういう形がよいのか検討している。
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- 2GHz帯のEV-DOについて、モジュール事業を検討しているのか。
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モジュールを採用する事業者は全国を対象としているが、2GHz帯のEV-DOは、現在サービスエリアが全国展開になっていない。従って、今のところモジュール事業を検討してはいない。
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- EV-DOの設備投資額を教えて欲しい。
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今期900億円、来期900億円、前期からの4年間で計3,000億円の設備投資を予定している。
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- WINにおいて定額制を導入した理由は。
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新しいコンテンツを導入するのに、定額制にしないと受け入れられないと思ったからである。定額制であれば、お客さま、CP (コンテンツプロバイダ)、当社の3者がWIN-WINの関係になる。また、EZwebであればデータトラヒックがコントローラブルであることも決め手となった。
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- 定額制を導入することにより、特に都市部においてトラヒックの集中という問題がおきるのではないか。
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チャンネルを1波増やすことにより、セクタースループットが増えるので、安定したサービスが提供でき、さらに設備投資はそのエリアのみになるので、少なく抑えられる。
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- TVチューナー搭載の携帯電話は検討しているのか。
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アナログ波では、画像の乱れがあるので無理であると考える。近く発売される、ソニー端末でメモリースティックを利用して録画番組が見られるのでそれで十分ではないか。また、電池が1時間しか持たないのでは、携帯電話として使えない。FMラジオを搭載したのは、電池が長時間使えることも考慮した。
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- 東芝が出資しているモバイル放送株式会社が提供するサービスについてはどうか。
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開発されたチップを搭載することは可能だが、有料放送なので、それが受け入れられるかどうか。
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- 3年先、5年先のモジュール事業については。
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5月予想していた契約者数よりも、本年度の予想を下方修正している。お客さまが既存業務の効率化よりも新しい付加サービスをモジュールによる通信で行いたいなど、我々が想定していたものと違う利用の仕方を望んでおり、想定外の所から市場が動いている。来期以降は十二分に伸びると考える。
ブロードバンド事業等
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- 光プラスについて、個人向けだけでなく、今後、法人への展開は。
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今回は、マンション向けにサービスを始めた。法人といっても色々とあり、小規模法人であれば同じ仕組を使うことは可能であろう。大規模法人については、IP電話・IPセントレックスなど、料金メリットを含めて検討している。
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- 光プラスにおいて、NTTの加入電話に置き換わることが可能ということで、ユニバーサルサービスの問題 (全国均一料金提供の義務) が出てくると思うがどう考えているのか。また、アメリカではIP電話について規制を設ける動きがあるがどのように考えるか。
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ユニバーサルファンド (ユニバーサルサービスのための基金) は規定されたが、まだ発動されていない。発動については、NTT東西がどう考えるかによる。NTT東西が合理化されていけば、なくてもいいかもしれない。また、IP電話における規制については、品質面で加入電話と同等ならば規制する必要はないと思う。品質が劣るなら、規制の有無に関わらず、現在の加入電話は残るだろう。従って、大幅な規制が必要になるとは考えにくい。