2005年12月 社長会見
日時 | 2005年12月21日 (水) 13:30~14:30 |
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場所 | 経団連会館 |
発表案件 | シャープ製 au携帯電話の採用について |
シャープ製au携帯電話の採用
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- 本日発表したシャープ製au携帯電話の採用について、機種の特徴や販売目標などを教えてほしい。
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詳細については、現時点では検討中であり、申し訳ないが公表を控えさせていただく。
NTT問題
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- 昨日より、NTTグループによる「NTTグループ コミュニケーションエキスポ」が始まり、和田NTT社長の基調講演もグループ一体を進めるというものであったが、どのように考えるか。
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純粋な民間会社であれば、グループ経営を考えるのは当然であるが、NTTは政府が株を持ち、また過去には完全な独占企業であった点が大きく異なる。
NTTとKDDIを比較すると、連結営業収入で3倍以上の差があり、ほかの業界を見ても、1位と2位の会社がこれだけの差がある業界はない。まして、通信業界では2位以下の企業を合算しても、1位のNTTが50%以上のシェアをもっており、明らかに独占禁止法上の問題があると考える。この状況で、NTTがグループ一体化の経営を表明することは、NTTは、自分の置かれた立場をどう考えているのか、疑問に思う。
かねてから、NTTグループは完全資本分割しなければいけないと主張してきた。例えば、通信業界の中で同等規模の会社がいくつかできる単位に分割しなれば公正競争は担保できない。
過去において、NTTは、地域ごとに分割すると地域会社によっては赤字になる、市内料金は値上げになると言ったが、NTTを再編し、東西を分割した後、当初赤字だったNTT西日本は企業努力し、現在はしっかり黒字を出せる会社になった。これは再編の成果である。
1999年の持株会社のもとでのNTT再編は最低限の条件と考えており、NTTは、法の主旨を守ってほしい。NTTグループ内での人事交流は認められるべきではないし、また、NTTグループの購買力にも影響を受けている。
完全に資本分割されたJRは、JR東日本、JR西日本ほか各社が競争することで、値上げもされずサービスも良くなっている。
また、NTTは米国を引き合いに出し、中継系とローカル系通信事業者の統合が起こっているとの主張をするが、これは米国の事業者の成り立ちを無視している。米国では完全資本分割されて、100%民間会社となり、独占禁止法による当局のチェックがあり、その上で合従連衡している。完全資本分割した米国と比べること自体、大きな間違いである。
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- 完全資本分割以外に、KDDIはNTT東西のアクセス部門の分離を主張している。ソフトバンクの孫社長なども主張しているが、KDDIの主張のポイントを教えてほしい。
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NTT東西のアクセス網の分離については、NTTグループを完全に資本分割したうえで、NTT東西の利用部門と同様の取引条件を確保するという主張をしている。資本分割すればNTT西とKDDIが一緒になってもおかしくないし、NTT東とケイオプティコムが一緒になってNTT西に対抗してもよい。これこそ本当の合従連衡であり、競争状態だと思う。
東京電力との包括提携・FTTHサービス
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- 東京電力との包括提携による個人向けFTTHサービスは、プレセールスの発表はあったが、進捗はどうか。また、両社のFTTH事業について年内に方向性は出るのか。
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東京電力との個人向けFTTHサービスは、本格的な展開に向けて詰めを行っている。また、FTTH事業についても、今詰めているところだ。
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- Yahoo! BBが映像系を強化しているが、KDDIは東京電力との提携による足回り強化に加えて、上位の放送、コンテンツ系の展開はどうか。
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放送、コンテンツ系の拡大については、コンテンツプロバイダと相互に協力して進める考えであり、出資は考えていない。今後FTTHによる映像は、ハイビジョン (HD) が急速に普及すると考えており、ハイビジョンに対してどのような対応をするかを社内で検討している。
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- 自社、東電、CATVなどいろいろあるが、KDDIのアクセス系の戦略は。また、ほかの電力系通信会社との提携は。
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アクセス系はいろいろな手段があり、KDDIは高品質なバックボーンネットワークを持っているため、組み合わせによりお客さまに魅力的なサービスを提供していきたい。
ほかの電力系通信会社の提携については、まず東電との包括提携により成果を示せば、ほかの電力系通信会社も納得いただけるものと考える。まずは、ゆるやかな提携からはじめたい。
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- 1月1日にパワードコムと合併するが、法人固定系市場への取り組みは。
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パワードコムはイーサVPN市場で圧倒的なシェアがあり、合併後は、この分野でトップシェアをとることになる。また、KDDIは、モバイル系のソリューションをパワードコムのお客さまに提供し、固定系サービスと組み合わせが可能になる。これらにより、法人系ソリューションサービス全体が強化できると考える。
NTTドコモのフジテレビへの出資報道
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- NTTドコモがフジテレビに資本参加する旨の報道が本日された。KDDIにおける放送事業者への対応は。
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放送事業者を含め、コンテンツプロバイダは、幅広いお客さまの視聴を考えるはずであり、一部の通信事業者との間で資本関係を結ぶことは、コンテンツプロバイダからも大きなメリットはない、と考える。
KDDIとしては、資本関係ではなく、幅広く業務提携することが双方のメリットとなると考えており、出資をしなくても十分協力いただけると考える。
携帯電話
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- ワンセグ放送への対応は、NTTドコモもKDDIもまだ受信可能な携帯電話端末は1機種ずつしかでていない。市場に対するインパクトなどを教えてほしい。
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KDDIとしては、FM放送、アナログテレビ、ワンセグ放送など、放送を受信可能な携帯電話端末を市場に投入してきたが、なぜ放送を携帯電話に持ち込むかというと、EZテレビなどの仕組みによる事業面での連携とともに、災害時の利用が重要であると考えている。災害時には、携帯電話など通信サービスは輻輳の問題が起こり、どうしても通信ができにくい状況が起こる。災害時に有効なのは放送であり、ワンセグ放送などを介して、放送で情報の確認を行うことができれば、必要な人だけが通信を行うことが可能になる。通信・放送の融合は、災害時にも有効だと考える。まだ、ワンセグ放送対応の携帯電話は1機種だけだが、携帯電話の上で通信と放送が融合することにより、より安心で安全な社会に貢献できると考える。
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- NTTドコモは、韓国KTF社への業務・資本提携などを発表したが、auの海外展開などはどうか。
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海外においては、CDMAを採用する事業者同志で協力関係を築いているが、これが資本関係にまでなるかというと、長期的には分からないが、現時点ではない。また、端末の調達という意味で言えば、今年、韓国パンテック社の端末を採用している。海外メーカーとはKDDIと協調できるところがあれば進めていきたい。
CATV会社との連携
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- ケーブルテレビ会社への出資報道もあったが、KDDIのケーブルテレビ会社との連携の基本的な考え方について教えてほしい。
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出資の報道について、現在、話し合いをしているのは事実だが、具体的な内容については決まっていない。
考え方としては、KDDIは、IP電話、高速インターネットのバックボーンとして、現在も複数のCATV会社と提携しており、まず業務での協力関係を構築し、必要があれば資本提携も検討するという方向である。CATV会社は地域密着型であり、単純なM&Aなどをしても納得いただけないので、十分な時間をもってお話をしていきたい。
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- NTTへの対抗軸を形成するためにも、CATV会社の2500万とも言われるインフラをどのように評価しているのか。
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CATVのリーチ可能な世帯数については、かなりのものと評価している。
ただし、高度なネットワークから難視聴対策のためのネットワークなど多様であるため、個別に考えなければならないと思う。
そのほか
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- 2.5GHz帯の802.16e (WiMAX) への取り組みと課題はどうか。
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WiMAXは、カードタイプを考えているが、EV-DOのように全国では提供はできないため、WiMAXのエリアではメガ単位の通信を提供し、ほかの地域ではEV-DOで提供するような使い方が考えられる。提供においては、2.5GHz帯の利用を考えている。