2007年4月 決算社長会見
決算関連
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- モバイルビジネス研究会の検討結果が、チャレンジ2010における携帯電話事業にどのような影響を与える可能性があると考えているのか。
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モバイルビジネス研究会については結論が出ていないので、2008年3月期の見通しでは考慮していない。モバイルビジネス研究会の議論の方向性を考えると、携帯3社間の競争環境に大きな変化はなく、むしろ端末メーカーや、販売店・代理店に影響があるのではないかと考えている。
チャレンジ2010
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- 2002年に発表した中期経営計画では、有利子負債削減などの課題があったが、チャレンジ2010の背景となる危機感はあるのか。
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auを中心として業績が好調な中で、社内が次の目標を失うのではないかという危機感が背景にあった。従来の事業だけではなく、新たな事業にも参入して、事業領域を拡大していきたい。
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- 法人向け事業については、ソリューション志向で取り組み、単純な音声サービスでの取り込みは行わないのか。
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従来から、法人向け事業についてはソリューション志向である。ただし、通信から上流のソリューションについては、ユニアデックスなどさまざまな企業とコラボレーションして取り組み、そうしたソリューションの中で、音声サービスも提供していく。
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- 携帯のコンシューマ市場が縮小していく中で、コスト削減の観点からショップなど販売拠点の見直しは検討するのか。
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現時点で販売拠点を見直す予定はない。今後、新規は減少していくと見込んでいるが、機種変更などを考慮すると端末販売数は現行と変化はないと見込んでおり、そうした販売に対応していくためには販売拠点は必要である。
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- 2010年には、携帯電話市場の契約者数と、その中でKDDIのシェアをどのように想定しているのか。
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2008年3月期に携帯電話市場でシェア30%を達成し、これまでの実績から年間1ポイントずつシェアをアップしていくと想定している。
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- 設備投資について、2010年に向かって年間5000億円を超えない範囲で、減少していくトレンドとなるのか。
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800MHz帯の周波数再編などで、一時的には5000億円を超える可能性もある。
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- ポストRev.Aシステムとは、具体的にどのようなものか。
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2010年までには、ポストRev.Aとなるシステムが決定されているというもので、現在、検討中で、具体的に決定されているわけではない。
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- KCP+などの導入など、今後もクアルコムのような特定のメーカーへの依存度が高まっていくのか。特定メーカーへの依存度が高まることへの課題は。
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クアルコムのチップセットが使用されている現状が変わるものではない。お客さまにとって大切なことは、何を使用しているかではなく、何ができるかであるので、大きな問題はないと考えている。
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- 2010年にはFTTH事業を含めて、固定事業は黒字化するのか。
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2010年にはFTTH事業を含めて、固定事業を黒字化したいと考えている。
ただし、チャレンジ2010では、関東圏のみFTTHを自前展開すると想定しているので、それ以外の地域でも自前展開することとなった場合には、状況が変わるものと考えている。
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- 株主還元方針として、総分配率はどれくらいを目指すのか。
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自社株式の取得を含め、具体的に決めているわけではない。弾力的に行うという意思表示である。
固定通信事業
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- FTTH市場の今後の料金水準の見通しと、KDDIの販売拡大策について聞きたい。
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FTTHの料金は、現行水準が適当と考えており、料金水準よりも、むしろFTTHならではのサービスを充実させることが大切である。
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- 今年、NTTの光ファイバー接続料はどのようになると見通しているのか。KDDIとしては、NTTは接続料を下げることは可能と見ているのか。
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当社としては、下げてほしいと考えているが、最終的には情報通信審議会が決定することである。当社が自前設備でサービス提供している状況から見ると、NTTが接続料を下げる要素はあると考えている。
役員人事
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- 役員人事に対してどのように考えているのか。
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大株主である京セラ・トヨタ・東京電力から、非常勤役員に就任していただき、さまざまなアドバイスをいただきたいと考えている。退任する牛尾取締役も顧問に就任いただき、引き続き、アドバイスいただきたいと考えている。また、新任取締役については、若手の抜擢で、次の経営陣を育てたいと考えている。
そのほか
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- モバイルネット銀行の開業が遅れた経緯は。
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準備を進める中で、お客さまにご満足いただくためのサービス充実を図るためには、システム対応の時間が必要となったためである。
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- 銀行業に関する定款変更を行う戦略的意味合いは。
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当社が、金融サービスに関連した手続きなどの業務を行うために、必要となる定款変更を行った。