2008年3月 社長会見
日時 | 2008年3月12日(水) 13:30~14:30 |
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場所 | 経団連会館クリスタルルーム |
発表案件 | ICT事業のグローバル展開 |
質疑応答
ICTのグローバル展開
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- ICT事業のグローバル展開について、営業体制の拡充はどのように考えているのか。
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現在、世界に約1,600名を配置しているが、テレハウス事業、ネットワーク事業の要員は別々に動いている。今後、これらを組み合わせて効率を上げていきたい。また、拠点も増やしていくので、要員も増えていく。
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- テレハウス・ヨーロッパの顧客は約300社とあるが、日系企業が多いのか。
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非日系企業の方が多い。特にニューヨーク、ロンドンの顧客は圧倒的に海外の現地企業である。
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- 今後競合他社もデータセンター事業を増強してくると思うが、KDDIとしての強みはどこにあるのか。
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80年代からサービスを提供し、トップを走り続けている。特にロンドン、パリは、その実績も含めて高い評価を受けている。そうした中で積み重ねてきた実績とブランド力、さらにはIX (Internet Exchange point) を誘致したことが、KDDIの強みと考える。
au事業
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- 3月1日から家族間無料通話サービスを開始した。ドコモも追随してくる中で競争環境は厳しいと思うが、3月の携帯純増数の状況についてどのように見ているか。
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3月は、例年、市場が最も活性化するので、それに合わせて料金施策を導入した。目標のau累計契約数3,000万台達成を目指して拡販に努めているところだ。
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- 家族間通話無料はソフトバンクの料金を意識した施策と考えてよいか。
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ソフトバンクを意識したのは事実だ。競争に勝ち残るためには、料金競争も一部やらざるを得ないと考えている。これまで、auは料金パーセプションについて安いと評価されていたが、最近は状況が変わりつつある。トータルな顧客満足度向上のためには、ある程度の値下げは止むを得ないと考える。
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- 2月の純増数において、プリペイドの比率が高いのはなぜか。また、このような状況は今後も続くと見ているのか。
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これまでも申し上げてきたとおり、プリペイドについては一定の需要があるので、しっかり本人確認を行い販売していく。2月の実績ではプリペイドの比率が高かったと認識しており、一部行き過ぎがあったので今止めにかかっている。そのため、3月は減少すると思う。プリペイドの販売は、どこまでがノーマルでどこからがノーマルではないかと分けることはできないので、これからも注意していく。
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- 昨今の携帯端末メーカ再編について、どのように見ているのか。
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携帯端末メーカとはWIN-WINの関係でやっていく必要がある。ソニー・エリクソンとの関係は、今の時点で変わるものではない。いいものを製造できる端末メーカは商品力が高く、ひいては海外進出も含めた競争力の向上にもつながることから、今後そうした端末メーカが強くなると考える。海外進出も含めた端末メーカの競争力向上に向けて、オペレータとしても可能な限り協力していきたい。
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- ディズニーやイー・モバイルなど、新規キャリアの参入による影響はどのように見ているのか。
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さまざまな携帯電話が市場に出てくることは、お客さまの選択の幅が広がり、競争も進むので歓迎である。
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- ドコモがmovaを中止するが、cdmaOneの取り扱いは今後どのようになるのか。
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システムについては、1X/WINとバックワードコンパチビリティがあるので影響はない。端末については、お客さまはいずれ1X/WINに切り替えていただけると思っているので、特別な措置は必要ないと考える。
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- フィルタリングサービスについてさまざまな議論があるが、今後変更する予定はあるのか。
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フィルタリングサービスについて、社会的必要性は認めた上で、事業者が内容をコントロールしないというのが当社の考えである。フィルタリングサービスついては現在さまざまな議論があり、その動向を踏まえる必要があるので、当社としては現時点でのコメントは差し控えたい。
NGN
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- NGNについて、今後KDDIに対するサービス面での影響はどのように見ているか。
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NGNが始まってもフレッツとサービス面では変化がないので、すぐには当社への影響はないと見ている。しかし、相互接続については、NNI (Network Network Interface: 網網インターフェース) で接続するだけなら、他社は事業として成立しない。特に、独占性の強いアクセス回線の開放は必須であると考える。
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- FTTH事業について、関東・中部は自営設備での展開だがそれ以外の地域については8分岐の切り出しを求めていくというのが方針と理解しているが、その場合、自営設備展開への影響はないのか。
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長期的には競争力があると判断したからこそ、関東、中部域では自営設備展開を実施した。設備競争がなくなれば、NTTの光ファイバーのコストが妥当かどうか誰にも判断できなくなり、国民のためにはならないと考える。設備競争をやっていくことがKDDIの責務である。
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- NGNの展開にあたり、NTTはグループ一体経営を目指しているとも言われているが、その点についてはどのように考えるか。
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NGNをテコに、活用業務でNTT東西の一体化が進むことは問題である。例えば、中国では旧中国電信が北と南に分かれた上で相互参入が認められ、実際に厳しい競争を行っている。テレハウス北京にも、北のCNC、南のCT、両社の回線が引き込まれ競争が進んでいる。一方、日本はNTT東西を分割してヤードスティック競争をすることになっていたが、実際には競争の実効性を伴っていない。
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- 2010年のNTT再編議論再開に向けてのKDDIの考えは。
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電気通信事業の公正競争をめぐる議論については、なぜNTT東西のヤードスティック競争が進まなかったのかなど、これまでの政策を評価、検証した上で、将来どうあるべきかについて、国民や産業界のメリットという観点から議論してもらいたい。
そのほか
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- ここ最近KDDIの株価は60万円を割るなど値下り・低迷を続けているが、どう見ているのか。
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株価についてはさまざまな要因で動くことなので、妥当性についてのコメントは差し控えたい。