2009年4月 決算社長会見
日時 | 2009年4月23日 (木) 15:00~16:00 |
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場所 | 東海大学校友会館 富士の間 |
発表案件 |
質疑応答
決算関連
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- 携帯電話販売台数が32%減少したが、景気の動向や消費者マインドの冷え込みの影響をどのように受けたと考えているのか。
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景気動向や消費者マインドの影響は大きかったと見ているが、販売数は第4四半期に持ち直しており、努力することによって販売数を確保できると考えている。
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- 携帯電話販売台数は、2009年3月期よりも2010年3月期の見通しの方が少なくなっているが、厳しい状況が続くと見ているのか。
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楽観はできないと考えているが、4月7日に発表したiidaをはじめ、今後発表する夏モデルなど魅力的な携帯電話端末を市場に投入できるので、端末をきっかけとして販売を確保していきたい。
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- 2009年3月期第4四半期は、携帯電話の販売にかかる営業費用が増加したが、今後、販売にかける費用をどう見通しているのか。
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第4四半期は、魅力的な春モデルを投入したタイミングでシェアを増やすと同時に、それまでの在庫を処理するために販売手数料が増加した。
今後は販売手数料を抑制し、2010年3月期の携帯電話の販売手数料単価は36,000円を見込んでいる。
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- 端末の販売台数を確保するためは、価格を重視した施策をとるのか。
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価格は市場を重視して考える。他社との競争環境を考慮しながら、価格政策を検討していく。
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- KCP+の導入状況は。導入による携帯電話端末調達価格の低減効果はどの程度見込めるのか。
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KCP+の問題はほぼ解消しており、携帯電話端末の調達コストの削減効果は出つつあるが、ハイエンド端末については新たなデバイスなどの部材コストが増加しているため、トータルの削減効果は現時点では低く、次第に効果が出てくる。
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- 2010年3月期の携帯電話販売台数は1,000万台を見込んでいるが、長期的にはどう見通しているのか。
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メーカーを含め、販売台数1,000万台がひとつの水準であると考えており、この水準を維持することが課題ととらえている。今後、お客さまの買い替えサイクルも長期化していくが、魅力的な端末やサービスを導入することによって買い替えを増加させていきたい。
中長期計画
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- チャレンジ2010の達成をどのように見通しているのか。また、2010年以降はどのような事業運営を目指すのか。
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チャレンジ2010で掲げた売り上げ4兆円については達成が難しいと判断しているが、固定事業の黒字化は堅持し、2010年以降も持続的な成長を目指していく。
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- 2011年3月期の固定事業の黒字規模をどの程度と見込んでいるのか。
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黒字化を達成するということで、黒字幅が大きなものとは考えていない。固定回線が増加することによって、トップラインが向上して、売り上げ増加につながると考えている。
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- チャレンジ2010の達成が難しくなった背景は。
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チャレンジ2010の策定時には、携帯電話料金の通信料と端末価格を分離させたビジネスモデルの導入が予定されていなかった。販売方式の変更や景気動向によって、移動体事業で売り上げが減少したことが要因である。
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- 今後、新しい目標をどのように立てるのか。
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2010年10月1日は、KDDI発足10年の節目となるので、そこで2010年以降の新しいビジョンを出していきたい。
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- 今後、KDDIをけん引していく人材をどのように育成していくのか。
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後継者の育成は大きな課題であり、2010年以降のビジョンを検討していく中で、後継者が育っていくと期待している。
移動体通信事業
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- マルチキャリアRev.Aの導入時期、提供速度の予定は。どの端末から利用できるようになるのか。
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マルチキャリアRev.Aは、Rev.Bを導入する場合には必要となるハードウェアの設備の導入を伴わずに、Rev.Bの機能の一部をソフトウエアのアップグレードによって導入し、周波数効率とデータ通信速度を向上させるものである。
導入時期や提供速度は未定である。利用は新しい対応端末からとなる。
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- マルチキャリアRev.Aの導入周波数帯は、800MHzと2GHz帯のどちらを想定しているのか。
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使用する周波数は重要な問題であり、携帯電話端末のことも含めて検討中である。
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- マルチキャリアRev.AとLTEのすみ分けは。
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お客さまのデータ通信の利用方法が急激に変わる可能性は低いので、マルチキャリアRev.AからLTEに急速に切り替わることはなく、並存するだろう。
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- LTEはいつ導入するのか。
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LTEのパフォーマンスを十分に引き出すために当初から10MHz幅の帯域でサービスを開始したいので、新800MHzへの切り替えが終了する2012年7月以降になる。
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- NTTドコモがメーカーへの開発支援を行なっているが、KDDIはメーカー支援を行うのか。
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KCP+そのものがメーカーを支援する仕組みである。ベーシックな部分をKDDIがKCP+として費用を負担して開発したので、メーカーはKCP+の上で、自由に各社の特色を生かした開発を行なって、魅力的な端末を製造できるようになっている。
販売台数の減少についてはすでにメーカーとは話し合っており、これまでの対策を進めていくことで対応できるので、新たな措置は考えていない。
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- 携帯電話の総販売数が減少することによって、機種数やラインナップ数にどのような影響があるのか。
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機種数やカラーバリエーションを削減する考えはなく、お客さまのニーズに合わせて考えていく。
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- 販売台数が減少することに伴い販売店に何らかの措置を行うのか。
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販売店とお客さまの接点を増やして、来店するお客さまの数を増やすとともに、固定系のサービスなど、販売店に新しい商材を増やすことによって、販売店の経営をサポートしていく。
携帯電話の接続料見直しについて
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- 携帯電話の接続料見直しが総務省で検討されているが、KDDIの考えは。
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携帯電話の接続料については、競争が促進しているので、ルール化の必要はない。
むしろ、競争が進んでいない固定通信市場についてきちんと議論してほしい。
携帯電話のネットワークでコストがかかっているのは、基地局とセンターを接続する光回線であり、NTTがほぼ独占している。NTTの独占が進めば、光回線のコストは高止まりすることなり、そのコストは移動通信事業に加算されることになる。携帯も含め、日本の通信インフラのコストはNTTの固定通信事業の在り方にかかわってくる。
接続料の議論については、短期的な視点ではなく、長期的に日本の通信事業の在り方を考えて議論するべきだ。