2010年1月 決算社長会見
日時 | 2010年1月25日 (月) 15:00~16:00 |
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場所 | KDDIホール (KDDI大手町ビル) |
発表案件 |
質疑応答
決算
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- 端末販売の見通しを1,000万台としているが、第4四半期に300万台販売しなければならない計算になる。達成可能と見ているか?
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かなり厳しい数字であることは理解している。ただし、3月は最大の商戦期であり、どれだけのお客さまに反応していただけるかが勝負になると考えている。目標の数値は変更していない。
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- 販売手数料を第3四半期はかなり抑えられており、理由として端末調達コストの削減が挙げられていたが、この金額は標準的なものになるのか、一時的なものか?
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端末調達価格と販売手数料は直接関係ない。年間平均での36,000円を達成するために端末調達コストを下げ、第3四半期のこの数字 (30,000円) を出した。一方、端末にどういうデバイスを搭載するかによって、その端末の調達コストは大きく変わる。今後もコストを削減する努力は続けていく。
移動通信事業
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- 春は携帯電話市場にとって最大の商戦期であり、エルダーやジュニア向けなどの施策を用意しているということだが、スマートフォンの動向も含めてどのようなラインナップで戦っていくつもりか?
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スマートフォン市場でKDDIが出遅れているのは事実。したがって、春商戦については、エルダーやジュニアなど、戦える市場で戦っていく。
法人
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- 2012年度までに国際事業の売り上げを倍増する計画の進捗はどのような状況か?
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海外事業は、TELEHOUSEの展開やDMXとの協業など、さまざまな事業に取り組んでいる。海外での売り上げについては、円高の影響を受けているものの、現地通貨ベースで見れば、順調に売り上げは増加しており、目標どおりの進捗状況である。
ジュピターテレコムへの資本参加
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- 資本参加の交渉を始めたのはいつからか? そして、どちらから持ちかけたのか? また、今後ジュピターテレコム (以下 J:COM) の子会社化や、JCNとの一体化などの可能性はあるか?
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交渉をはじめたのはごく最近である。リバティ側から持ちかけられた。今後の展開については、現時点で何か申し上げる段階にはない。
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- J:COMへの資本参加の狙いはなにか?
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327万世帯の顧客基盤を持つJ:COMと、戦略的なパートナーシップを強めることで、KDDIグループの顧客基盤を広げる。また、J:COMが保有する固定アクセス回線を活かすことで、KDDIグループのNTTへの依存度を低減し、競争力を一層強化したい。さらに、JCNとのパートナーシップの強化や、FMBCの加速・発展にも寄与すると考えている。
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- J:COMの契約者数が327万というが、ブロードバンド契約数ではどれほどのシェアを占めることになるのか?
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J:COM契約者のうち、12月末の高速インターネット契約数で158万。ISPへの契約数ではJ:COMとKDDIをあわせて12%を超える。
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- KDDIは東京電力の光ファイバー事業を買収して以来、JCNやCTCなど買収を続けたが、一方で、NTT光ファイバーの8分岐の議論などもあった。やはり自前の設備を持つ方がいいということか?
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アクセス回線で利益を出せるようにしなければいけないという考えは変わっていない。まずはできるところからやっていくという考え方であり、その一環として今回の資本参加がある。NTTのアクセス網の開放問題については、組織問題も含めてKDDIから何かを言うつもりはない。総務省でレビューを行ったうえで、方向性を示してほしい。
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- J:COMの取得価格は巨額だが、資金調達はどのようにするのか?
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基本的には銀行借り入れによる調達となる。
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- 2月にJ:COMの株式を取得するということだが、持分法の適用になるのは何月からか?
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4月から適用となる。損益計算上は今期の決算に影響は与えない。
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- 出資比率の37.8%という数字について、このままでいくのか、連携の強化などを踏まえてもう少し引き上げるのか?
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リバティが所有していた割合というだけで、ほかに意味はない。今後の展開についてはまったくの白紙である。
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- J:COMへの出資方法を直接出資にするなど、整理する予定はあるか?
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今のところ予定していない。
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- KDDIから役員を派遣するのか?
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今は申し上げられない。
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- NTTへの依存度を低減することを目的に挙げているということは、現在NTTに依存して思うようにできていない、ということか?
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たとえば約15年前までは、アクセス回線部分は収入に対する比率が非常に小さかった。それがIP時代に入り、アクセス回線部分での収入が増加し、中継部分での収入は非常に少ない。IP時代は7割強がアクセス系の支払いであり、ISP事業のみでは収入は2割強しかない。ISPの顧客が増えれば増えるほど、NTTの収入が増えるのでは、誰のためのビジネスか分からないので、KDDIがアクセス回線を持つことが絶対必要である。
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- ネットワークのスリム化などにより、来期の固定通信事業の黒字化を目標としているが、J:COMへの資本参加により、達成時期は早まるのか?
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J:COMはあくまで持分法が適用されるため、損益計算書上は直接には影響がない。従来の営業利益で黒字化という目標は変わらない。
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- 原口総務大臣が「NTTのアクセス部門を共同出資の会社にする」や「切り離す」など発言し始めている。もし実現すれば、安く光ファイバーを借りることができるようになるかもしれないが、今回の出資のタイミングでそのようなリスクは考えなかったのか?
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原口総務大臣は、お考えを述べられていることは承知している。われわれとして今回の資本参加を決断する際にいろいろなことを考慮したが、設備競争によるコスト低減効果にかんがみ、設備競争が可能なフィールドでは競争するべきだと考えており、今回もその考えの一環である。
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- J:COMの高速ブロードバンドなどサービスの競合があると思うが、どう考えるか?
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競合サービスの整理については、今後話し合いをしていくことになる。ただし、ケーブルテレビのエリアとFTTHのエリアが重なるのは事実だが、現在のJCNも同様である。ケーブルテレビは映像中心であり、付加価値としてのインターネットサービスを提供している。FTTHは「ギガ得」をはじめとする超高速インターネットに、付加価値としてのテレビサービスを提供している。ターゲットが違っており、競合する部分は多少あっても、お互い切磋琢磨していけばいいと考えている。
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- J:COMの取得金額はどのように評価しているか?
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適正だと考えている。
そのほか
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- UQコミュニケーションズが苦戦しているが、今後どのように巻き返していくのか?
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UQコミュニケーションズが苦戦していると言われているようだが、計画に対して多少の遅れはあるものの一生懸命やっている。auとのハイブリッド端末の発売などで巻き返していきたい。また、基地局がかなり整備されてきておりエリアも広がっているので評価も上がっている。今後も協力して頑張っていきたい。
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- ウィルコムが苦境に立たされているが、どう考えているか?
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KDDIとしてウィルコムを支援するつもりはない。
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- NTT西に対して業務改善命令が出たが、彼らの営業体制をどのように見ているか。今後、どのようにあるべきか?
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われわれは以前から類似の事象について現場から聞いていたが、証拠がなかった。今回明確に認められる案件が2件あったと聞いている。一番の問題は、現在のNTTのグループが、持ち株のもとで、NTT東西があるにもかかわらず、子会社経由で営業していることである。連結子会社も対象にした規制のあり方が必要である。今後のあり方についてはNTT自ら発表するべきであり、NTTがどのように出るかは十分に注目していきたい。