2011年1月 決算社長会見
決算
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- 固定通信事業の前年度に対する増収の要因を具体的に教えてほしい。
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海外で買収した会社の連結子会社化と、それ以外にも好調に推移しているグループ会社の売上増と合わせて増収となった。
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- 「IS03」ユーザのARPUは想定通りか?
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音声ARPUは、毎月割やシンプルコース移行の影響で下がっており、想定通りである。
データARPUの伸びは期待以上の結果であるが、あくまで初期動向なので今後注視していきたい。
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- データARPUが音声ARPUを上回るのはいつごろと想定しているのか?
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来期は、音声ARPUとデータARPUが逆転すると見ている。再来期には、総合ARPUが増加に反転すると見ている。反転する年度内の時期については、スマートフォンの売れ行きにもよる。
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- スマートフォンが普及するという中で、減収減益になっているが、今後スマートフォンは収益構造にどう寄与し、利益を出していくのか?
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当社はシンプルコースの導入が、3キャリアの中で一番遅かった。シンプルコースを入れるとARPUが落ち込むのは傾向として分かっていた。シンプルコースの契約率は2010年12月末でまだ62%なので、来期も影響はある。また、スマートフォンに移行が進むと、データARPUが上がるので、来期は少しプラスの効果が出ると思う。再来期には総合ARPUが増加に転じると見ている。
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- JCNの電話とテレビとインターネットの各サービスの売り上げを教えてほしい。
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サービスの個別の売り上げについては開示していないが、圧倒的にテレビの売り上げが多く、次いでインターネット、電話と続く。
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- 損益計算書にある、持分法による投資損失の127億円の内訳は?
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UQコミュニケーションズの赤字を取り込んでいるのが一番大きい。
自己株式取得
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- 予定していた自己株式取得が終わり、使途は見えてきたか?
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何も決まっていない。
移動通信事業戦略
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- スマートフォンの今期の販売台数の見通しは?
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100万台を超えると見ている。
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- 「IS03」が好調だというものの、機種変更が多いのは想定通りか? 来期には純増に寄与するという期待は持てるのか?
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12月は、「IS03」の予約が一杯で、お客さまに充分に端末をお届けできず、ほとんどが機種変更だった。在庫が十分にあれば、新規にも回せたと思う。今後は、ほかにもスマートフォンの機種が出てくるので、純増にも寄与するものと考えている。
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- Skype(TM)やjibeの登録率が3割とあり、「禁断のアプリ」として登場したわりには、登録率が低いように見受けられるが、今後登録率をアップさせる施策はあるのか?
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社内の計画に比べれば多く登録されている。まずまずの滑り出しだと思っている。
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- CDMA版のiPhoneが米国で出たが、KDDIはどうするのか?
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ノーコメントとさせていただきたい。
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- ベライゾンがLTE対応のスマートフォンを4機種出したが、KDDIもサービス開始時機を前倒しする予定はあるか?
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前倒しの予定はない。周波数再編のスケジュールで考えると、旧800MHzを停波した後に、LTEの試験などを実施するので、前倒しは無理だろう。
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- 電子書籍について今年はどうなると見ているか?
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電子書籍は、色々なプレーヤーが出てきているが、まだ時間をかけて大きくなる市場である。キャリア間で叩き合うのではなく、市場を育てる時期である。今後、スマートフォンへの配信も考えているので、市場を盛り上げていきたい。
接続料
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- NTT東西の接続料の値下げについて感想は?
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値下げについては、適正な判断だと思う。
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- 接続料の値下げを受けて、KDDIへの影響は? KDDIの値下げにつながるか?
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発表されたばかりなので、当社の損益に与える影響はまだ分からないが、接続料の値下げなので当社にはプラスになる。当社の料金サービスについては、まずは、お客さまに魅力的なサービスを提供することを考え、総合的に判断したい。現時点では値下げは未定である。
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- 今回、8分岐については見送ったようだが、KDDIとしての意見は?
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8分岐については、お客さまが増えている現時点では、特にこだわっていない。それより、情報開示や手続きのスピードが課題であると認識している。
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- ドコモも接続料の値下げを申請したが、KDDIは?
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当社も、近々申請する。数値はその時に確認してほしい。
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- 接続料の値下げによって、FTTHのエリアを広げていく考えがあるのか?
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アクセスチャージの値下げの有無にかかわらず、固定通信事業については、エリアの拡大を進めていくべきだと認識している。
固定通信事業
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- KDDI単体のFTTH契約の純増数が下がっているが、今後の対応は?
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純増数が低くなっている理由は、FTTHを獲得する必要リソースが確保できず、お客さまを獲得できなかったこと。今後は新たな販路の立ち上げの準備も進めており、お客さまの獲得に努めていく。
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- 新体制になって、CATVに対する方針や、戦略をどう考えているか?
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CATVは、現在ホームパスで4,500万世帯までつながっている。NTTに対抗していくために、CATVと目的を合わせて提携を進めていく。現在、Android STBを開発しており、FTTH事業とCATV事業を組み合わせて付加価値を出していく。充分に競争力があると思う。