2010年3月期第3四半期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- 固定通信事業のネットワークスリム化に関するコストが、第2四半期で見込んでいた約400億円規模から拡大した理由は?
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第2四半期の決算発表以降、継続的に対象案件の詳細なリストアップをしてきた結果、ネットワークスリム化に関する部分は第2四半期でお示しした約400億円規模から、今回の約500億円に増加した。
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- ネットワークスリム化に関するコストのうち、営業費用はあるのか?
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ネットワークスリム化に関するコストは、減損損失や撤去費などすべてを会計上「事業構造改革費用」として特別損失で処理する見通しがついたため、今回業績見通しに反映した。
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- 固定通信事業の通期業績見通し400億円の営業赤字に対して、第3四半期までの累計の営業赤字が348億円となっているが、通期業績見通しの達成確度は?
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ハードルは高いものの、通期業績の達成に向けて第4四半期は取り組んでいきたい。
質問者2
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- 移動通信事業における第3四半期の販売手数料平均単価が30,000円まで低下しているが、端末販売価格も含めてどう見ているか?
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端末・サービス・料金の総合的な商品力を強化すべく、昨年来取り組んできている。特に料金面では他社に先んじて、利用しやすいプランを投入してきた。端末では秋冬モデルにおいて、12メガピクセル、8メガピクセル、世界最薄スライドなどを発売しご好評を得ている。サービス面でも音楽・映像・電子書籍・スポーツなどを強化してきた。これらの取り組みや、秋冬モデルでのミドルレンジの端末ラインナップの充実化などもあり、第3四半期の販売手数料平均単価の引き下げ、適正なコントロールを図る事ができた。なお、第3四半期の端末調達コストは36,000円までに引き下げる事ができている。
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- 第4四半期の春商戦における販売手数料平均単価の水準見通しは?
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第4四半期は、スライドに掲載している「ガンガン学割」を投入する。ご存知のように、1月~3月は需要が大きく、特に高校生・大学生の約4割がこの時期に集中する事もあり、このような学生向けキャンペーンを展開していく。また、端末面においても「mamorino (マモリーノ)」といった小学校低学年向けに、Webにつながらない、通話・メール先限定など、安全・安心に特化した商品も投入していく。これらの取り組みによって、端末販売手数料平均単価も第3四半期同様の水準で考えている。
質問者3
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- 固定通信事業の特別損失が今回550億円に増加しているが、今後も増加するのか? また増加した内容の詳細と来期業績への影響額は?
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ネットワークスリム化の大枠は変更しておらず、対象案件をより精査した結果、第2四半期時点よりも金額が増加した。なお、今回の業績見通しに織り込んだ特別損失約550億円のうち、50億円はネットワークスリム化の対象外であり、これは例年発生しうるものである。なお、今期に約550億円の特別損失を計上する事に伴い、来期の営業費用は約170億円減少する見通しである。
質問者4
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- 関連会社のUQコミュニケーションズ (以下UQ) の状況は? (1) 基地局設置の計画比前倒しにより設備投資は増加しているのか? (2) 契約加入状況は想定と比べどうか? (3) 今期の全体収支と来期業績の見通しは?
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(1) 基地局建設をかなり前倒しで進めているため、設備投資も前倒しで進んでいる。したがって期末に向けて資金需要は旺盛となる。(2) 契約数は12月末の段階で63,600契約であるが、UQの社内計画に対して若干ショートしている状況である。今後、拡販を図っていく予定である。(3) なお、来期業績は現在策定中でありコメントを控えさせていただく。
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- WiMAX内蔵パソコンも増えてきたが、足元1月の手応えはどうか?
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PCの新機種発売も先週あたりから始まっており、これからに期待している。
質問者5
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- プレゼン資料15頁の、シンプルコースのうち56%が一括支払を選択していると記載があるが、顧客の購買傾向に何か変化があるのか?
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一括支払とは、すべ安売りしたものではない。2万円台~5万円台までさまざまな販売価格がある中で、これらを一括購入しているお客さまも、この数値の中に入っている。
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- プレゼン資料13頁の、ARPUに関する記載のうち、音声部分の前年同期比440円減少の要因と、MOUの前年同期比10分増加の要因は?
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音声ARPUの前年同期比440円下落の内訳は、シンプルコースへの移行分が約5割、「ガンガントーク」(指定通話定額) が約2割弱、アクセスチャージの着信単価下落が約1割、残り2割はその他要因である。また、MOUは前年同期比10分増加は、ほぼ「ガンガントーク」(指定通話定額) の影響である。
質問者6
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- 移動通信事業における今後の販売手数料平均単価水準は?来期も第3四半期の水準を維持できるのか?
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今後も、端末調達コストの低減を図っていきながら、販売手数料の適正コントロールを続けていく。
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- 固定通信事業の来期黒字化に対する現時点での考え方は?
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現在の経済環境による法人ビジネスの厳しい現状や、海外子会社の為替影響による円貨ベースでの売上減少があるものの、固定通信事業の来期黒字化に対する当社の決意は何ら変わっていない。コンシューマ部門では、auひかりのFTTHを中心に、今回エリア拡大した宮城県・栃木県・北海道や、これまでの関東・札幌でしっかり販売をしていく。FTTH以外の既存コンシューマサービスは、auショップを中心に、au携帯電話との連携により、リテンションと新規獲得を進めていく。また国際電話は既存売り上げを守っていく。一方、法人部門は顧客数が増加しているものの、電気通信事業売上・利益の維持は厳しく、音声系の落ち込みをデータでカバーしつつも、附帯事業売上の増加で全体をカバーしている。またグローバルビジネスは為替による影響を受けるものの、今後の成長事業として堅調に推移しており、国内・海外トータルで運営していく。
質問者7
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- 第3四半期に約70億円の端末評価減を計上しているとの事だが、その内容をもう少し詳しく教えてほしい。端末評価減を計上した端末を活用する事で、第4四半期の販売手数料平均単価の引き下げに寄与すると見てよいのか?
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端末評価減は社内で厳格なルールを設けて運用しており、今回それに基づいて実施した。決して売れない端末ではないため、第4四半期の販売に活用していく。なお、評価減実施の社内ルールは、端末保有期間が伸びている現状において、劣化していない端末も対象となってくるため、現状に見合った処理方法は今後検討していく。
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- プレゼン資料17頁記載の「アクティブエルダー向け取り組み」の背景と、今後に期待できる点、他社との差別化部分を教えてほしい。
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2008年夏から複数の端末を用意して、この層をターゲットした取り組みを行っている。第3四半期のデータARPUは第2四半期比で10円減少しているが、アクティブエルダーのデータARPU向上がデータARPU全体を押し上げる一つの鍵と見ている。実際、この層に向けたポータルを新たに設定しており、データARPUも向上し始めている。なお、当社は、アクティブエルダー向けに加え、ジュニア向け・法人ビジネス向けにも、自由にカスタマイズできるポータルを展開し、ターゲットに合わせたコンテンツ提供ができる点は、他社にはない要素であり、差別化できる部分である。
質問者1
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- 今後、J:COM社対して、実質的な持ち分や支配権を増やしていく合意もしくは可能性について現時点で言及できる範囲で教えてほしい。特にJ:COM社の大株主である住友商事株式会社 (以下「住友商事社」) との間で、経営陣の派遣などを含めた何かしらの合意がなされているのか?
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まず住友商事社とは特別関係者に当たるため、今後のJ:COM社の運営に関する話は一切していない。今後の住友商事社との話し合いは、すべて株式の譲渡が終了した段階で話を始めるしかない。したがって今後の持分をどのようにしていくかについても、現時点でお話する事は差し控えたい。
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- 今回のディールは現金 (Debt調達) による株式取得という株式の希薄化が発生しない手法だが、今後、あらゆる選択肢を模索していく中で、新株発行を伴うような場合はあるのか?
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今回の取引は株式の希薄化が発生しないよう現金 (Debt調達) による株式取得としているが、今後に関しては一つ目の質問同様に現時点でのコメントは差し控えたい。
質問者2
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- 今回の資本参加に連鎖して、今後もCATV事業者の買収を進めていくのか? 中長期的な見通しは?
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当社の基本的方針として、例えば、現在連結子会社化しているジャパンケーブルネット株式会社 (以下「JCN」) や中部テレコミュニケーション株式会社 (以下「CTC」) の事例も当てはまるが、先方からの要請があった場合に検討していくという立場を取っている。したがって先方からKDDIグループに入りたいという意向があれば検討をしていく。これまでも当社側から積極的に買収を働きかけてきた事はなく、今後も同様のスタンスである。例えば今期JCN傘下の局として、JCN関東・JCN川越が新たにKDDIグループに加わっているが、これも両社の株主から要請を受けて応じたものである。
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- 今回の発表はJ:COM社をKDDIの持分法適用会社にするという事だが、今後J:COM社の経営にどのくらい関与していくのか? KDDIはすでに連結子会社にCATV事業のJCNを保有しており、このままだと単に競争しているだけの状況になりかねないと見るがどうか?
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先ほども申し上げた通り、少なくとも住友商事社とは現時点でお話をできる状態にないため、本件について一切お話をしていない。ただし、当社としては当然の事ながら、J:COM社の経営に関与していきたいという希望を持っている。本日、J:COM社の森泉社長に本件の当社決議を申し上げているが、具体的な話はまだこれから先となる点については皆さまにもご理解をいただきたい。なお、ほかのCATV事業者の売却案件があった場合に、J:COM社とJCN間で買収に関する競争が生じる可能性はあるものの、J:COM社とJCNでは展開エリアが異なるため、同一エリア内での顧客獲得競争は一切ない。したがって協調関係は構築できる。
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- J:COM社の今後の経営の主体はKDDIに移るのか?
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現時点ではJ:COM社の森泉社長が継続していくと、当社は理解している。当社の関与については今後の話とお考えいただきたい。
質問者3
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- 今回の取得価格の算定根拠は、1加入者当たりの価値などを見ても大きなシナジー効果を期待した数値に見えるが、第三者機関の評価はさる事ながら、KDDIとしてはどのように評価しているのか?
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価値算定にさまざまな方法があるのは、皆さまがご存知の通りである。本件の場合、例えばJ:COM社の多チャンネル放送の1加入者当たりの価値に引き直すと、現在のJ:COM社の株価水準では1加入当たり約30万円程度になる。当社としては、このような値段が付いている中で、+ αの価値を付けて今回取得する事にした。この + αの価値はJCNの連結子会社した場合に比べると高くなっているのは事実であるが、JCNの場合、基本的に多チャンネル放送の数が価値算定の大きな根拠になっている。一方、EBITDAマルチプルで算定すると、これまでに当社がJCNを連結子会社化した場合、JCNがCATV局を買い増した場合に比べると、今回のEBITDAマルチプルは低くなっている。当社の見解としてはJ:COM社の価値算定に関してお客さまの数は一つ大きな要素であるものの、J:COM社の連結子会社に多くのCATV番組供給会社を抱えている点を重要視している。例えば、今後、ジュピタービジュアルコミュニケーションズ社、ジュピターゴルフネットワーク社などといった会社によるauひかりへの番組供給にも期待が持てる。また、現在当社で検討している携帯電話向けの放送 (MediaFLO) に関してもライセンス取得の問題は残っているものの、番組供給会社がある事は非常に大きな効果を得られるだろうと見ている。なお、JCNでは残念ながら番組供給会社を保有していない。これらの点を踏まえると、今回の取得価格は高いものではなく妥当だと見ている。
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- 現時点で言及するには早いかもしれないが、過去に実施した固定通信事業の買収による拡大と同様に、今後ネットワークの統合などにおいて新たな資金投入や減損が必要となるのか?
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現時点では回答を控えさせていただきたい。
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- 今回の価値算定と同じような試算ならば、今後さらにJ:COM社株式を追加取得し、過半数を取りにいくのか?
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法律的に非常にクリティカルな時期なので回答は控えさせていただきたい。
質問者4
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- J:COMの番組調達と制作能力は魅力的で、加えて関西地区での強みもある一方で、今後連結子会社化などの実を取れる確証がないといけないと考えるがどうか?
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さまざまな事を考慮して動いている段階なので回答は控えさせていただきたい。
質問者5
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- J:COM社の経営に関与していきたいとの意向だが、マーケティング・技術・財務など、どの部分で関与し、シナジー効果を見出していくのか?
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先ほど同様の回答になるが、どのように関与していくかは現時点では保留させていただきたい。当社としてはJ:COM社をより発展させる事が、当社、J:COM社、J:COM社株主の方々にとってもメリットがあると考えている。
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- J:COM社を持分法適用会社とする事によるプラスの効果と、今回の取引によるのれんの償却発生などのコストを勘案した場合、KDDIの当期純利益に与える影響は?
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今の時期は非常に重要な時期であるため、詳細の回答は控えさせていただきたい。なお、J:COM社は米国会計基準、当社は日本会計基準を適用している事に加え、将来的なIFRSへの移行時期の問題もあり、のれんの考え方、のれん自体を見込みにくい状況でもあり、現時点では回答いたしかねる。
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- 4月の本決算発表時には何かしらの前提を置いた形の数値を発表するのか?
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当然、業績見通しを策定する際には、何かしら仮定を置かなければならない。しかしながら現時点で確実に申し上げられるものはなくJ:COM社側ともまだ話をしていない状況である。なお、米国会計基準を適用しているJ:COM社の会計基準に関する部分が今後の優先事項だと考えてはいるが、現時点ではまだはっきりした事は何も申し上げられない。
質問者6
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- 固定通信事業の今後の戦略は、FTTHなのかCATVなのか? これらをどのようにマネジメントしていくのか? また固定通信事業の軸足はどこに置いて展開していくのか?
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当然、相手がいる中での話になるのでさまざまな形を検討していく。したがって当社は地域によって、FTTH、CATV、もしくはその両方を、使い分けていく事になる。以前から申し上げているが、最終的にはある時期に (現時点でいつ頃とは申し上げられないが)、FTTHとCATVはほぼ同じようなサービス、仕組みになっていくと見ている。現在、CATVはTV、映像が主体サービスであり、高速インターネットや電話は付加サービスになっている。一方で、FTTHは高速インターネットが基本サービスで、付加サービスとして電話と映像がある。これらはそれぞれの料金体系を見てもらえればわかる。当面の間は、FTTH・CATVそれぞれの棲み分けが可能だと見ているが、将来的には両方のサービスが近づいてくる時期が到来すると見ている。
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- FTTHとCATVのどちらかに統合するのではなく、それぞれのインフラで展開していくという事か?
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FTTH、CATVというそれぞれの言葉が適切であるかは別として、最終的にはどこかの時点で設備的に統合が可能だと考えている事をご理解いただきたい。
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