2011年3月期第3四半期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
-
- 来期 (2012年3月期) の端末販売台数全体に占めるスマートフォンの販売比率をどのくらいの前提で考えているのか?
-
来期の計画は現在策定中であり、対外的にお話するにはもう少しお時間をいただきたい。なお、「IS03」は、われわれの想定以上の販売となっており、この状況を勘案する必要があると考えている。
-
- スマートフォンの販売が好調な反面、従来型携帯電話の在庫が増えている状況だと思うが、第4四半期において、これらの在庫処分によるコスト増の可能性はあるか?
-
在庫が増えているのは事実だが、現在、当社が進めている非トライバンド端末のトライバンド端末への移行に活用する事によって、期末の在庫水準は今よりも低水準に抑えられると見ている。
質問者2
-
- 現行のトラフィックを前提とした上で、全体契約数に占めるスマートフォンやPC接続デバイスといったワイヤレスブロードバンド系のデバイスはどの程度まで収容可能と見ているのか?
-
3Gの時代は、ある帯域に対してどの程度の端末数量が収容できるかといった見方をしていたが、スマートフォンにおけるトラフィック状況は大きく異なる。トラフィックの集中時間帯は従来の携帯電話同様、23時ごろであることに変わりはないものの、局所的にはトラフィックの収容能力のピークに達している場所も出てくると見ている。例えば駅周辺、マクドナルドなどの店舗の中といった場所が該当すると見ており、これらのトラフィック対策が当面の課題となる。
なお、スマートフォンに移行していく状況下でのトラフィック吸収には限度があると考えており、トラフィックのオフロードが必要となる。当社は幸いにも持分法適用会社も含めFTTHやCATVといった固定ネットワークを有しているため、Wi-Fiを利用したオフロード対策をどのように組み立てていくのかといった点が重要になってくる。現在、来期に向けて、当社が保有する複数のネットワーク資産を、いかに効率的に利用していくかを検討している段階である。
-
- トラフィックが急増する中、今後のネットワーク合理化・統合をどのように考えているのか?
-
一つのネットワーク、従来のマクロ基地局の形態では今後のトラフィックは吸収できないと見ている。都心ではすでに300~400m間隔で基地局が設置されており、これ以上細かい間隔での基地局設置は困難である。今後はネットワークごとの特性を活かした網全体の設計が必要となる。これまでも当社は会長の小野寺から「WiMAXはPCなどのデータ通信、LTEはスマートフォンをはじめとする従来の携帯電話の延長」といった話をさせていただいている。なお、2012年のLTE開始まではWiMAXをハイスピードネットワークとして活用し、LTE開始以降は複数のネットワークを用いてトラフィック分散を図っていく。鍵となるのは、3Gネットワークだけではトラフィックが吸収できないのは明らかな中、Wi-Fiを活用したFTTHやCATVといったバックホール回線へのトラフィックのオフロードをどのように図るかといった点である。
質問者3
-
- プレゼン資料19ページにおいて、「IS03」への機種変更後のデータARPUが約40%上昇とあるものの、「毎月割」導入によってトータルARPUは減少しているように見える。「毎月割」導入の戦略的意義と、増収へ向けた今後の取り組みは? さらには2~3年後の収益構造をどのように考えているのか?
-
「毎月割」導入による販売時の一時コスト低減が見込めるため、先に利益が出る構造になっているものの、今回の初期動向のままではトータルARPUは下がり、増収にはつながりにくいのは事実である。したがってモバイル全体の増収に向けては、今後新たな取り組みや異なるスキームを取り入れていく必要がある。ただし、今回お示しした内容は、あくまでも「IS03」販売直後のデータに基づくものであり、社内では今回の初期動向のまま進むのかといった議論もしている。データARPUについても、さらなる押し上げ効果を期待しているものの、現時点でははっきりしない面も多いため、次の本決算の際に改めてお話できればと考えている。なお、今回「IS03」に機種変更したお客さまのトータルARPUは3Qのau全体のARPUに対して約1.5倍となっている。当社としては、当面、データARPUの上昇に注力していきたい。
-
- 持分法適用会社であるUQコミュニケーションズ (以下「UQ」) は、KDDIにおける持分法投資損益から勘案すると、営業利益ベースで約500億円弱のマイナス、第2四半期から債務超過状態と思われるが、今後、半年ぐらいの間に、出資関係含めて何か変化が出てくるのか?
-
UQが第2四半期で債務超過になっているのは事実だが、当社がしっかりと支えていく考えに変わりはない。モバイルのデータトラフィックが増える状況下においては、UQの保有する30MHz幅の帯域は貴重な資産であり、活用していく。半年以内での追加出資などはまったく考えていない。
質問者4
-
- 冒頭のあいさつにあった「マルチネットワーク」において、今後、WiMAX搭載スマートフォン、LTE搭載スマートフォンをどのように並存させていくのか? またFTTHの契約数はどのように増やしていくのか?
-
当社は2012年12月にLTEを開始するため、当面の間、WiMAX搭載スマートフォンによってNTTドコモのLTE搭載スマートフォンに対抗していくことになる。なお、当社のLTE開始以降の取り組みについて、現時点においては、まだはっきりとイメージできるものがあるわけではない。今後、WiMAX、LTE、3Gが搭載されたチップセットも出てくるようにも聞いているので、これらを見極めた上で、判断すればよいと考えている。
また、第3四半期のFTTH純増の出力が若干落ちているのは、営業面でのリソースが足りなかったという内部的な事情によるものである。第4四半期は出力を上げ、販売チャネルの整備も含めて挽回を図っていく。なお、FTTHは当社の固定通信事業を引っ張っていくサービスであり、エリア拡大、営業力強化によって、契約数を増加させていきたい。
-
- これも冒頭のあいさつの中で言及していた「マルチデバイス」について、コンテンツ利用における著作権上の問題などがある中で、どのように推進していくのか?
-
これまでの携帯電話、パソコンに加え、さまざまなサイズのスレート型端末が発売される中で、TPOに合わせ、これら複数の機器を利用していく時代になると見ている。現在、著作権の問題などによって、複数の機器でのコンテンツ共用ができない状態になっているものの、世の中ではクラウドの流れも見え始めてきている。当社は3M戦略 (マルチネットワーク、マルチデバイス、マルチユース) をベースにした計画を策定中であり、4月の本決算の際にはこれら戦略面をお話していきたいと考えている。
質問者5
-
- 今後スマートフォンの調達単価が低下する局面を迎えた際に、「毎月割」の設定額はどのように変化していくのか? 「毎月割」の設定額に関する考え方を教えてほしい。また「IS03」の機種変更後のデータARPUの伸び率が高いが、来期以降はさらに伸びていくのか?
-
「毎月割」は当社がコントロール可能なパラメータであり、現時点ではスマートフォンの「IS03」と「IS06」に適用している。今後の当社スマートフォンは、グローバルモデルや日本定番機能を搭載したモデルを発売していく予定であり、ハイエンドに加えミドルレンジも含めた価格帯で構成されると見ている。その中で「毎月割」の設定額は機種毎に考えていくことになる。なお、データARPUの伸びは「ISフラット」導入による効果が大きい。
-
- 第3四半期の販売手数料平均単価が24,000円と、第2四半期比4,000円減少している要因のうち、「毎月割」による影響はどのくらいあるのか? また第4四半期の販売手数料平均単価のイメージは?
-
第2四半期比4,000円の減少は「毎月割」導入による効果である。なお、第4四半期の具体的な数値開示は控えさせていただくが、第3四半期よりも低下すると見ている。
質問者6
-
- スマートフォン販売が想定以上に好調に推移している事によって、今後の設備投資水準は現状レベルで収まるのか?
-
今回、設備投資の通期見通し (連結 4,900億円) は変更していないものの、第3四半期までの進捗から考えると、期初見通しの設備投資水準までは最終的に到達しないのではないかと見ている。なお、来期の計画は現在策定中のため、お話するのはもう少し待っていただきたい。
- 決算説明会
- 決算説明会2025年3月期
- 決算説明会2024年3月期
- 決算説明会2023年3月期
- 決算説明会2022年3月期
- 決算説明会2021年3月期
- 決算説明会2020年3月期
- 決算説明会2019年3月期
- 決算説明会2018年3月期
- 決算説明会2017年3月期
- 決算説明会2016年3月期
- 決算説明会2015年3月期
- 決算説明会2014年3月期
- 決算説明会2013年3月期
- 決算説明会2012年3月期
- 決算説明会2011年3月期
- 決算説明会2010年3月期
- 決算説明会2009年3月期
- 決算説明会2008年3月期
- 決算説明会2007年3月期
- 決算説明会2006年3月期
- 決算説明会2005年3月期
- 決算説明会2004年3月期
- 決算説明会2003年3月期
- 決算説明会2002年3月期
- 決算説明会2001年3月期