2012年3月期決算説明会 (質疑応答)
質問者1
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- auスマートバリューの獲得数について、発表直後で一番認知度が高く、かつ引越しシーズンという時期であるという割には、想定より少ないという印象を持っているが、獲得数は会社計画どおりだったのか?
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通信キャリアとして、モバイルのみを売るビジネスはネットワーク的に支え切れなくなってきており、固定とモバイルをセットで販売することが必須になってくると考えている。
4Qでauスマートバリューをご契約いただいたお客さまについては、データARPUの裾野が広がっており、ターゲットを有効に押さえることができた。
また、現時点ではサービス訴求が不十分であったり、お客さまが多数来店されても店頭での対応が十分できていないといった課題もある。こういった課題を克服すれば、今後さらなる事業成長を実現できると確信している。
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- ARPUについて、音声・データ別の開示はしないのか?
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移動セグメントベースの音声・データARPUについてはプレゼンテーション資料P.48に記載がある。
パーソナルセグメントベースについては非開示とさせていただく。
質問者2
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- 今回のセグメント変更に合わせて今後組織をどのように変えていくのか?
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新セグメントと現在の組織は既にマッチしている。売上規模については、現在は売上が小さいセグメントがあるが、今後伸ばしていく。
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- 今後2~3年で、付加価値ARPUはどの程度まで上昇すると想定しているのか?
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付加価値ARPUは、自社・協業サービス、決済手数料、広告収入などにより構成されており、将来的な付加価値ARPUの水準についてはM&Aの要素もあるので予想は難しいが、今後着実に成長させていきたい。
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- プレゼンテーション資料P.48の11年度のトータルARPU 4,510円と、P.31のau通信ARPU 4,530円の差は?
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4,510円は移動セグメントベースのトータルARPU。
4,530円はパーソナルセグメントベースのau通信ARPU。
質問者3
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- auスマートバリューの固定側の獲得はハードルが高いと考えていたが、想定よりも獲得が順調である理由は?
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auひかりの2~3月新規受付数の前年同期比増加分11万契約のうち、2月14日以降のエリア拡大による効果が5~6万、auスマートバリューによる獲得が5万程度寄与している。現在auスマートバリューを契約いただいているユーザーは、契約前からスマートフォンを利用している比率が高く、通信サービスに関心の高いお客さまがご契約いただいている状況。
また、スマートフォン1回線▲1,480円×家族の人数分の割引が適用されるので、お客さまにとってはかなりインパクトがある。
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- 今年は各社LTE同士の競争になるが、NW・端末・料金面においてどういった戦い方をするのか?
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「3M戦略のロードマップ (P.32) 」のStep3にあるとおり、今後は3Mの拡大フェーズへ移行していく。LTEのエリアについては一気に立ち上げ、料金については従量課金制を採用している米国や韓国、ドコモの料金などを参考にしつつ、LTE向けの料金として検討していきたい。
質問者4
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- 12年度は毎月割単価が上昇し、コミッションも横ばいの見通しだが、auのモメンタムが回復してきた中で、獲得コストを抑制するといった考えはないのか?ドコモが防戦のために獲得コストをかけるという記事も出ているが、価格競争についてどう見ればよいのか?
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12年度の毎月割単価の上昇要因の一つとして、パーソナルベースの新規販売比率が11年度の28% から12年度は36% に上昇することが挙げられる。単価としては前年度とあまり変わらないが、内訳としては新規獲得の比率を高めた形でコントロールができている。
また固定側については、販売手数料単価の低いauショップの販売比率を、11年度3Q実績の10%から、12年3月実績で20% まで上げており、12年度通期としてはさらに比率を上げていく予定。全体としてコスト抑制に向けた計画策定をしている。
また、12年度の計画策定で意識したのは、他社との競争環境をどう織り込むのか、純増をどの程度の水準に設定するのかといった点だが、計画としては競争激化を想定して保守的に考えている。
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- 競争が激化する環境の中で、毎月割水準を下げていくことはできるのか?今期中にARPUの反転を達成することはできるのか?
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毎月割を含めた獲得コストの水準をコントロールしようという意志はある。
ARPUの反転については月次ARPUベースでみれば、年度末に反転できると考えている。
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- 11年度のEBITDAが前年度を下回っている要因として減価償却費の減少があると思うが、通期見通しとの比較で、設備投資の未達幅に対して減価償却費の未達幅が大きいのは何故か?
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EBITDAの減少要因は、設備投資が計画を下回ったことによる減価償却費の減少に加え、4Qにおいて販売台数が伸びたことによる経費増の影響など。
設備投資の未達幅に対して減価償却費の未達幅が大きいのは、設備投資における竣工ベースと支払ベースの違いなどが要因。
質問者5
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- 12年度の純増数見通しは、LTE開始時期の前倒しを前提としたものか?
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LTE開始時期の前倒しは、原則として考慮に入れていない。
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- 12年度は設備投資が増加する見通しだが、設備投資の内訳は?
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11年度の設備投資内訳についてはプレゼンテーション資料P.52に記載のとおり。
12年度の設備投資内訳は、移動通信が3,500億円、固定通信が約1,000億円。
移動通信については、LTE関連投資が340億円から約800億円へ増加することから、約500億円増加する見通し。
質問者6
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- 増配とは言うものの配当性向は下がっており、増益に見合った株主還元がなされていない。また、昨年の転換社債発行の件もあり、資本コストに対する考え方がまとまっていない印象を受ける。会社として株主還元を含めた資本政策を整理して説明してほしい。
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キャッシュフローの使途については、プレゼンテーション資料P.42の順番 (設備投資、事業投資 (M&A) 、配当、自己株式取得の順) で考えている。
株主還元方針としては、配当額については着実に上げてきており、フリーキャッシュフローに余裕があれば、自己株式取得も選択肢の一つとして考えていく。
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- 配当額と配当性向のどちらを伸ばす方針か?
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両方を伸ばしていきたい。
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- J:COMとのアライアンス効果について、KDDI側の売上増効果とJ:COM側のコスト削減効果をそれぞれ具体的な金額で教えてほしい。また、資本関係のあるJ:COMと、資本関係のないCATV事業者を比較して、資本関係があることによるメリットを示してほしい。
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具体的な売上増加額、コスト削減額については非開示。
auスマートバリューについては、J:COMを含めたCATV事業者にとって新しい販売チャネルの開拓につながっている。特にJ:COMのDSR (直接営業員) 販売においては新規獲得比率が大幅に上がっており、販売コストの低減効果や、KDDI・J:COM間でクロス獲得回線を増やしていこうといった良い循環が生まれている。
加えて、九州・中国地方のCATV事業者に対してauスマートバリュー提携事業者の第2次募集を行っており、今後さらなるエリア拡大を図っていく。
また、J:COMと資本関係があることで、1年前からクロスセルを始めることができており、クロスセルの枠組みを作りやすい環境ができている。
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- J:COMと他のCATV事業者との間で、コストの支払条件が違うといったような、KDDIにとってのアドバンテージはないのか?
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各提携事業者とは公平な条件で進めているが、J:COMと資本関係があることによって、パイロット的にクロスセルを先行できたという面がある。今後3M戦略を進めていく上で、J:COMとの提携関係は有効に働いてくると考えている。
質問者7
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- 当期純利益がアナリストコンセンサスを200億円下回っているが、持分法損益が改善し、法人税率も下がる中で、なぜ当期純利益の予想が低いのか?
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11年度は不稼働設備の減損損失を約100億円計上しており、12年度も最大限の減損を行った場合を想定し、約800億円の特別損失を見積もっている。
具体的には現行800MHz帯設備について、専用設備は全て減損済みだが、共用設備については流用を考えており、検討の結果として減損が発生する可能性がある。なお、現時点では具体的な設備は特定できていない。
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