2003年9月 社長会見
移動通信
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- 1x EV-DOの進捗状況について知りたい。
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EV-DOのシステムについては、順調に仕上がってきている。現在は端末を含めた総合的な試験を行っているところだ。今秋には予定通りサービスを開始したい。
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- EV-DOによるデータの高速化と、DDIポケットの定額制データサービスとは、重複する部分があると思うがどうか。
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DDIポケットは64Kbps・128Kbpsという通信速度を常時接続、定額料金で提供している。メールを常時やり取りしたり、テキストベースのWebを閲覧するには良いサービスだ。一方、EV-DOでは、システムキャパシティ上、使い方が大きく異なり、定額制というのは無理だが、最大2.4Mbpsという高速性を生かしてパケット単価が安いサービスが提供できる。一般的なデータ専用の無線という用途ではDDIポケットが優れており、EV-DOは今の携帯電話の進化型であると考えている。
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- 海外との間でデータを使った国際ローミングをいつ頃導入できる見通しか。
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日本の携帯電話を海外に持ち出して使う場合には、周波数とシステムを合わせなければならないという課題がある。音声でいえば、KDDIは「グローバルパスポート」端末を提供しているように、現在でも海外事業者とのコンパチビリティは取れている。一方、データの場合は、回線交換でやるのか、パケットでやるのかという課題がまだ残されており、日本はパケットで先行しているが、海外では今作りつつあるところだ。今後、海外でもデータ通信、Webや写真を送ることなどもできるようにしていきたいが、具体的な時期などは未定である。
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- 「着うた」の状況、好調の理由は。
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「着うた」は好調であり、8月に700万ダウンロードの実績を出している。好調の理由はコンテンツプロバイダーのみなさまが、最新の楽曲など積極的にプロモーションしていただいていることにある。従来のレコード会社の収入とならなかった着メロと異なり、レコード会社もCDの権利で収入を得ることができる。また、通信会社はトラヒックで、ユーザーはCDと同じ楽曲が聞けることで3者それぞれのメリットが得られたことが、好調の理由だと思う。
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- 1xと別のEV-DOのネットワークを拡充しているようだが、そのねらいは。
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1xは音声とデータで1つの無線キャリアを共有しており、データそのものの容量は大きくないため、IPバックボーンまでは比較的大きな設備を必要としない。一方で、EV-DOは、音声は1xを使用し、データは大容量のデータを扱うため、ダークファイバーにより基地局に直接IP網を接続したほうが効率的になるなど、1xとは別の設計を行う部分がある。新しいネットワークを作るか否かについては、まさに経済効率上の問題である。
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- 競合他社で法人相手に、携帯電話通話料の格安レートを設定する動きがあるようだが、料金競争について、どのように思うか。
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携帯電話についてもさまざまな料金プラン、タリフを作ってきている。料金競争は厳しくなってきているが、固定網の法人向けサービスで起こっているようなバックボーンの余剰感からくる極端な価格の下落はないのではないか。移動通信には、無線を使うため、周波数によってある程度のキャパシティが決まってしまう。無線のインフラのコストは限界があるので、それを下回ってまで提供するようなことは考えていない。
固定通信
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- NTT東西のIP電話進出について、昨日、総務省へ意見書を提出したが、最も重要な問題点は何か。
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NTT東西が地域通信以外の業務を行うことについては、総務省は、公正競争条件をきっちり整備して欲しい。NTT東西が加入回線の99%を占めるボトルネック構造はまったく変わっておらず、この問題が十分に解消していないのではないかということが、最も重要であり、NCC各社と共同で意見書を出すとともに、個別にも意見書を出している。また、競争は進展しているというが、もともとどういう分野での競争を想定しているのか、はっきりしていないのも問題だ。
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- NTTコムがIP電話網の開放を提案しているが、KDDIとしての対応について教えて欲しい。また、NTTコムは相互接続について有料化を提案しているようだが。
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KDDIとしても、お客さまの利便性を拡大する観点から、相互接続の拡大には賛成である。有料化については、まだ、詳細を承知していないが、DIONや先に提携した3社の中は無料でサービスしているので、それとの関係で整理が必要と思う。ただし、NTTコムが出した有料化という考えは、1つの見識ではあると思っている。
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- クロスウェイブ・コミュニケーションズ (CWC) は会社更生法の適用を受けたが、データ通信における厳しい競争についてどう思うか。
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データ通信といっても幅広いが、CWCも行なっていたイーサVPNやIP-VPNのサービスについては、価格競争が非常に厳しくなってきている。ただし、競争が進めば、過当競争になるのはやむを得ないことであり、価格競争に負けないだけの体力を持つ必要がある。
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- NTT東西の接続料に関連して、最近NTT東西から直近のトラフィックデータを提示されたと思うが、精算は発生するのか。
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当社以外のNCCデータが見えない状態だが、精算の可能性が高いと見ている。
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- 放送型を含むFTTHによるブロードバンド事業の進捗状況について教えて欲しい。
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FTTHによるブロードバンド事業については、放送事業の登録申請中である。認められた段階で、具体的内容について、発表させていただきたい。
業界再編
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- DDIポケットの買収提案について、一部報道されたが、DDIポケット、ツーカーを巡る新しい動きはあるのか。
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DDIポケットの売却については、具体的な交渉を行なっているという事実はない。以前から申し上げているように、DDIポケット、ツーカーについてはいろいろな選択肢がある。両社ともフリーキャッシュフローを生み出しているので、直ちに両社を売却する必要はないが、チャンスがあるならば全ての可能性について検討したい。ただし、こちらから働きかけることはない。
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- クロスウェイブ・コミュニケーションズ (CWC) が会社更生法の手続き中だが、KDDIとしてスポンサーになる考えはあるのか。傘下に収めた場合のメリットは。
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CWCについては、当社の回線を利用していただいている立場にあるが、支援するとか、しないとかは、こちらから申し上げる話ではない。
業績
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- 1xが1000万を突破したとのことだが、業績予想に修正はあるか。また、EV-DOのエリア拡大を前倒しで進めているようだが、設備投資の変更による影響はあるのか。
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業績予想については、現在、下期の集計中であり、現時点では何とも言えない。また、EV-DOの設備投資はほぼ予定通りであり、下期業績に影響はない。