2004年6月 社長会見

日時 2004年6月16日 (水) 13:30~14:30
場所 東海大学校友会館 望星の間
発表案件 「CDMA 1X WIN」における「ダブル定額」の導入及び「パケット割WIN」の値下げについて

移動通信

固定通信

制度

  • 公開ヒアリングで「競争政策」より「産業政策」が必要だと言っていたがどういうことか。
    国に対し産業政策を講じて欲しいと言ったわけではなく、事業者自らが将来のことを考えなければならないと言ったつもりだ。ブリティッシュテレコムがオールIP化を行うと発表したが、日本の事業者も、固定通信のトラフィックが減少している中で今のままの料金でサービスを提供するのか、などのテーマを話し合う場が必要なのではないか。これからもアナログの電話を残しておく方が良いのか、などを事業者間で話し合わなければならないだろう。
  • NTTグループと総務省の動きをどう見ているか。
    常に総務省に言いつづけていることは公正競争条件の整備をしてくださいということだ。公正競争条件とは、各事業での競争条件がそろっていることが重要となる。NTT東西とNTTコムに分離したことは一定の評価ができると思うが、マイライン営業の際、NTT東西が営業した場合、県間通話の部分でもNTTコムを選択するといったようなことがあるので、営業的には条件が充分整備されたとは言えない。
    そもそも、どうして分割させたのかということを再度考えなければならない。NTT東日本とNTT西日本が競争し、NTT東日本の地域にNTT西日本が入ってきてシェアをとるといったようなこともかまわない、といったものだったはずだ。中継系ではNTTコムの請求書をNTT東西が発行しているといったこともあり完全ではないだろうが、ある意味では我々と同じ立場で戦っているといえるだろう。
    本来ならば米国型の競争が良いのだろう。言い変えると、NTT東西、NTTコム、NTTドコモ、そしてNTTデータも含めて資本分離をしなければ公正な競争はできない。例えばJRの場合、激しい競争をしているのは、資本が完全に分離されているからだ。東京駅でもJR東日本とJR東海の売り場は別になっている。資本が分離されていれば、当然それぞれの株主のために利益を上げるといった経営になる。それが、JRが分割されて非常にうまくいっている理由だと思う。
    ところがNTTの場合はNTTの持ち株会社のもとに分割されたが、アクセスチャージですら競争になっていない。アクセスチャージ問題とエンドユーザー料金問題は違う。アクセスチャージに差がつくと、エンドユーザーの料金が地域によって差が生じると考えるが、間違いである。コストからルールに基づいてアクセスチャージを算出した場合、NTT東西でアクセスチャージに差が出るのは当然のことだ。それをもとにどういった料金でエンドユーザーに提供するのか、同じ料金にするのか経営上の判断である。NTT東西の料金に差があれば、それをもとに東が西へ進出するといったようなこともありうる。これこそがヤードスティック競争である。電力は各地域で料金が違っている。
    電気通信事業は競争政策の優等生だと考えている。NTTが独占を続けていたらこれほどまでに料金が下がっただろうか。今のNTTの動きというのは、持ち株会社の下、昔のNTT独占に戻そうとしており、グループ内での競争を排除したいと考えている。この状況が日本経済のためになるのだろうか。NTTだけがADSLを提供していたら、ADSLは現在のように普及していなかっただろう。光ファイバーが非指定設備になったら、あっという間に昔の独占状態に戻ってしまうだろう。
  • 平成17年度以降の接続料算定についての要望は。
    先月総務省のヒアリングでも述べたが、事後精算を無くすこと、アクセスチャージの算定方法をLRIC (長期増分費用方式) でやるということだ。LRICがベストとは思っていないが、全てがオープンで、誰が計算しても同じになる方式は今のところこれしかない。NTTはヒストリカル方式に戻せば、アクセスチャージを下げられると言っているが、そのアクセスチャージが正しいコストを反映しているかどうかは、NTT以外には分からない。

そのほか

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