2004年10月 決算社長会見
日時 | 2004年10月28日 (木) 15:00~16:00 |
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場所 | 経団連会館 |
発表案件 | 2005年3月期中間決算について |
減損前倒しなどに関して
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- 上期に減損会計を前倒しして適用しているが、なぜこの時期にやるのか。
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来年度から強制適用になる。財務体質を強化するために、早期に減損を適用した。
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- BBC&ソリューション事業において、下期は上期に比べて除却費、償却費が増えているのはなぜか。
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一般論からいうと、電気通信事業の固定資産除却費は、下期に増えるのが通例である。償却費はメタルプラス関係で設備を増やしているため。
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- 自社株の買付は今回初めてなのか、また、今後もやっていくのか。
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ストックオプションでの自社株買いは2回行っているが、それ以外では初めてである。
今までは、配当で株主に還元すべきであろうと考えていたが、機関投資家から自社株買いの要望もあり、また今期DDIポケット売却における売却益が出たこともあり、自社株買いを決めた。今後については、毎年やると決めたわけではなく、キャッシュフローの状況を見つつ、キャッシュの有効な使いみちがなければ、自社株買いもあり得る。
コミッション、定額制関連
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- コミッションの単価が、時期によって上下するのだが、なぜか。また、長期的には今期の水準を維持するのか。
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コミッションは時期によって変わるものではなく、他社との競争関係によって変動する。ただし、端末の購入単価を下げればコミッションも下げられるので、その努力をしている。長期的には、端末の購入単価をどう下げていくかが今後の課題である。
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- 定額制の収益への影響を教えてほしい。
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「ダブル定額」を導入したため、WINのデータARPUは下がっていると考える。しかし、今後はEZ「着うたフル(TM)」によって、「ダブル定額」の上限の価格まで使っていただけるようになり、データARPUも上がっていくと見込んでいる。
モバイルソリューション関連
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- モバイルソリューション事業を立ち上げて1年たつが、手ごたえは。また、「OFFICE WISE」がどのくらい売れているか、数字を教えてほしい。
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販売数は競争上言えないが、かなりの手ごたえを感じている。また、GPSのソリューションも伸びている。下期はかなり良い業績を残せるものと期待している。
メタルプラス関連
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- メタルプラスの下期の拡販について、目標ユーザー数は? また、申し込み開始時期の前倒しはあるのか。
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目標数の発表は控えさせていただいている。また、申し込み開始時期は12月ということで変えるつもりはない。0AB~J系のサービス (NTT電話番号とのナンバーポータビリティ) を行うためには、総務省から緊急通報 (警察、消防) への対応が義務付けられているので、その準備をきちんと整えた上で、来年2月から販売を開始する。
光プラス関連
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- 光プラスの加入状況が、なぜ予測より遅れているのか。
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前回、通期予想を発表した際、年度末20万と予測していたが、今回10万に変更している。今、マンションを中心に営業しているが、マンションの場合、棟に引き込むのは順調でも各家庭との契約が遅れている状況だ。一方でADSLについて、これは将来光プラスに巻き取っていくつもりではあるが、まだ伸びており上期はADSLの販売に力をいれた。下期については、光プラスも販売していくが、メタルプラスの拡販により力を入れていきたい。
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- 光プラスの販売内訳 (電話、インターネット、TV) を教えてほしい。TVはあまり売れていないのではないか。
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内訳は公表していない。ちなみにTVについて、冬のソナタが人気番組の2番目と聞いている。コンテンツが重要であり、魅力あるコンテンツを提供できればまだまだ伸びると思う。
800MHz周波数、プリペイド携帯関連
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- 800MHz帯の問題についてどう考えているのか。
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周波数の使い方が諸外国と違っていること、および周波数が分割されていて使い勝手が悪いことから、現在、周波数帯の再編成を行っているところである。再編成を行うとコストがかかるが、国の方針でもあり、アメリカ、韓国とも周波数帯の使い方が同じになってローミングがやりやすくなるというメリットもあるので、総務省の意向に従う。周波数変更を行った後、現在利用している15MHz分を利用させていただくということは当たり前であり、これは新規割当てではない。ソフトバンクは何か勘違いしているのではないか。
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- プリペイド携帯の問題についてどのように考えているのか。
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ドコモが廃止したいと言っているが、当社は、海外から日本に来た方には使い勝手の良いサービスであると考えており、本人確認をきちっとすれば問題ないと思う。諸外国に比べて日本だけプリペイド利用率が低い。法律で決まれば従うが、お客さまのことをもっと考えても良いと思う。ただし、仮にプリペイド携帯が廃止されても経営的に影響はない。
ソフトバンク関連
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- auが好調、固定が不調な中、ソフトバンクがC&Wを買収し、法人市場に強みを見せている。今後、固定の法人市場においてKDDIはどうするのか。
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音声の売上げが落ちても、データ系サービスでカバーできると思っていたが、現状カバーできていない。なお、11月1日に子会社4社を統合し、KDDIネットワーク&ソリューションズを発足し、今後中小企業向けの営業を強化するが、法人固定市場で増収を望むことは難しく、今の利益をどう守っていくかが重要である。ソフトバンクがなぜ、C&Wを買収したのかわからないが、厳しい市場の中で利益をだすことは難しいのではないか。
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- ソフトバンクが先日、GE-PON (光ファイバー回線の分岐システム) によるBBサービスを開始すると発表したが、KDDIはどうなのか、ソフトバンクとの差別化はどうしていくのか。
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我々は、GE-PONを使う場合でも従来通り3点セット (電話、インターネット、TV) を提供する予定であり、ソフトバンクのサービスに対して差別化できる。もともと光プラスでは、多チャンネル放送やVODのためのセットトップボックスを開発してきているので、今の時点で競争力はある。
新潟の災害関連
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- 新潟で災害があったが、災害対策について考え方を教えてほしい。
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auの1基地局がいまだ停波している状況である (山古志村の1局) 現在、ほかの基地局は稼動している。新潟はauのシェアが一番低い地域であるが、基地局をしっかり設置していた。今回は、他社に比べて携帯電話の絶対数が少なかったので、復旧は早かったと思う。問題だったのは電源についてであり、基地局のバッテリーの持ち時間が必ずしも充分でなかった。今回、当社は新潟だけでなく関東、北陸からも移動電源車を送った。それにより、かなりをカバーできた。今後は、今回を反省し、災害対策に対して見直しをかけていきたい。ただ、コストがかかる問題なので、よく検討しながら災害になっても必要最低限のトラフィックは確保できるようにしたい。
電話加入権関連
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- 加入権の問題に関して、どう考えているのか。
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会社として見た場合、連結で約28億円を資産として持っているので、償却方法など何らかの対策を講じてほしいという考えをもっている。事業者として見た場合、電電公社が民営化された20年前から問題であることがわかっていたことであり、携帯電話の場合、数年かけて廃止した経緯もあるので、なぜ、いままで放置してきたのか、対応が余りにも遅すぎるのではないか。