2005年10月 決算社長会見
日時 | 2005年10月21日 (金) 15:00~16:00 |
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場所 | 虎ノ門パストラル「ページュ」 |
発表案件 | 2006年3月期中間決算について |
携帯電話関連
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- NTTドコモがプッシュ・トゥ・トークのサービスを開始するが、auは。
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現在、サービス導入の準備を進めている。
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- ボーダフォンが音声定額サービスを開始するが、auは対抗するのか。
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1対1での音声定額制のニーズがあるかどうか検討をしている。市場に大きな影響があれば考える必要があるが、現時点では導入する予定はない。携帯電話は、音声の料金だけでなく、端末の魅力やデータ通信を利用するコンテンツや安心して利用できるデータ定額制など総合的に訴求していく必要がある。
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- 韓国パンテック社の端末を発売するが、ほかの海外メーカーはどうするのか。また、海外メーカーから調達するとコミッションは低下するのか。
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日本市場で発売する以上、海外メーカーだけの考え方ではなく、共同して開発し、より良いものにしていく必要がある。パンテック社とは同様の考えで共同開発した。コミッションに関しては、国内・海外メーカーを問わず、端末原価をどれだけ下げられるかメーカーと一緒に努力していく。経営としては、コミッションを減らしたいが、顧客基盤を拡大する必要もあり、このバランスをみている。
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- ヤフーが携帯電話でコンテンツを販売するサービスを開始するが、auに与える影響をどのように考えるか。
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モバイルコンテンツの拡大・活性化という意味で、いいことだと思う。ただし、ヤフーはオープンサイト上にあり、その決済含め携帯電話でどのように取り扱うかは課題がある。
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- 音楽携帯とEZ「着うたフル (R)」の位置づけをどう考えるのか。
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CDからメモリーカードにダウンロードして音楽プレイヤーで音楽を楽しむ方法と、1曲ずつ直接ダウンロードするEZ「着うたフル (R)」とは、別物と考えており競合はしないと考える。今後は、両方の機能を持ち合わせたものがでてくるのではないか。
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- 今後、テレビ電話サービスを提供していく予定はあるのか。
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回線交換でのテレビ電話サービスを提供する予定はない。IPでのテレビ電話サービスは検討しているが、どのようなタイミングで開始するか未定である。
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- ツーカーからauへの同番号移行について、現在受け付けを一時中止しているが、ユーザーはどう動くと予想し、実際はどうだったのか。
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お客さまにご迷惑をおかけしており、お詫び申し上げる。想定していた数の倍以上のお申し込みみがあり、予測が甘かった。現在、auに移行を希望するお客さま数を調べており、ご迷惑のかからない方法で再開したいと考えている。
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- ツーカーの代理店について、今後どのようにしていくのか。
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今後の番号ポータビリティを考えると、お客さまの窓口は多い方がいいと考えているが、未だ決まっていない。
決算関連
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- ARPUに関して下げ止まりの傾向がみられるが。
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第1四半期から第2四半期をみると、MOUが伸び音声ARPUが上がっている。これは、音声通話を安心して使っていただけるようになってきたのではないか。データARPUについては、WINの構成比率が上がれば全体のARPUが上がるので、今後、WINの契約者を伸ばすことでARPUを上げることができる。
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- 解約率の低下、純増数の伸び、どれをとっても順調だが、あえて懸念材料を挙げるとすれば何か。
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家族割などリテンション施策をとってきた成果だ。また、来年始まる番号ポータビリティまで買い替えを控えているお客さまもいるのではないかと感じている。
懸念材料はないが、あえて言えば、今後ボーダフォンがさらに魅力的なサービスを出して来た時に、auの契約者が影響を受けるのか、NTTドコモが影響を受けるのか、という可能性は考えられる。
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- 解約率の水準は過去最低なのか。また、第3四半期から第4四半期にかけてさらに下がるのか。
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解約率は過去最低である。現在の傾向からして、第3四半期から第4四半期にかけて解約率はさらに下がるとみている。
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- 固定系について、メタルプラスの進捗率に比べ営業赤字の進捗率が進んでいるが、通期では赤字はさらに膨らんでいくのか。
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固定系の現在の状況は、契約者数が計画どおりにいかないため収入が伸び悩み、一方費用が先行している。今後、GC数が増え確実にお客さまを取り込んでいくので、赤字は通期予想に収まるとみている。なお、固定系のコミッションは、ADSLの拡販を実施した昨年の方が大きい。
制度関連
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- 総務省で現在、固定・携帯の電話番号一本化について議論がなされているが、それに関して、どのような見解を持っているか。
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総務省で議論されているのは音声系の電話番号の一本化である。お客さまの利用シーンを考えると、家庭に着信して家族の誰がでてもいい場合と、携帯電話のように個人に着信する場合があり、電話番号一本化のニーズをよく調べる必要があるだろう。例えば、携帯電話に着信してもでることができない場合、固定電話に転送するサービスを考えると番号統一の使い勝手は良いかもしれない。
FMCのキーは、IPであると考えている。ウルトラ3Gのように、IPで網を統合するとさまざまなサービスが登場し、シームレスな環境が整うことになる。
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- IEEE802.16eシステムにおいて2.5GHz帯の周波数割り当てがあった場合、手をあげるのか。
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手をあげるつもりだ。大阪で実験をやっており成果を得ている。EV-DOのエリアと重ねて提供していきたいと考えている。
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- ユニバーサルサービス基金の発動条件が緩和されるが、どのように考えるか。
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ユニバーサルサービス基金の対象から市内電話が外れるなど議論した結果だと思う。ただし、対象として固定電話に限定しているが、今後、固定と移動体を対象にするなど視点を広げる必要がある。例えば、携帯電話を家庭内に固定して利用するなら別料金として設定したり、国などの補助を考えたり、さまざまな方法が考えられる。
東電関連
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- 東電との提携に関連し、今後、NTTが光ファイバー開放義務の撤廃と料金の値上げを言ってきたら、どのように考えるか。
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NTTの光ファイバー開放義務と東電との提携は、別の次元である。NTTの光ファイバーは、銅線の時代に築き上げた電柱や管路などを利用してつくりあげている。それらを利用し光ファイバーを敷設する場合、NTTと同じスピードで敷設することは不可能であり、公正な競争にならない。NTTが光ファイバーの規制緩和を要望するのであれば、現在特殊会社である意味を考えていただき、完全に資本分離するか、英国のように上下分離するなど公正有効競争条件をきちんと担保できてから主張すべきだろう。
また、光ファイバー料金は、原価回収期間に報酬を加えて算出した料金を国が認めている。これを不当というのだろうか。