2006年6月 社長会見
日時 | 2006年6月21日 (水) 13:30~ |
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場所 | 東海大学交友会館「阿蘇の間」(霞ヶ関ビル33階) |
発表案件 | グローバルネットワーク戦略とKDDIグローバル・パワードイーサネットの導入について |
お客さま情報流出に関するステートメント
外部への流出経路については、社内調査を進めるとともに、警察当局の捜査に協力している。
その後、社内調査の結果、流出したお客さま情報は、2003年12月18日時点で、当社がISP様経由で提供しているIP電話サービスにお申し込みいただいたお客さま、1,892名様、が含まれていたことが判明した。
また、同じ時点で、インターネット上の決済サービスなどを提供している法人のお客さま、997名様、も含まれていた。
なお、13日に発表した、流出したお客さま総数に変更はない。
当社の情報セキュリティを点検・向上させるために設置している情報セキュリティ委員会に、特別対策委員会を6月14日に設置し、次のアクションプランを策定した。
6月末までに、これまで実施してきたセキュリティ対策などの実施状況の再点検を行う。
7月末までに、再発防止策およびその実行計画を検討・策定する。
8月上旬に、再発防止策の実行計画を発表する。
再発防止策を可能な限り早く策定し、また、実行可能なものは直ちに実施することにより、お客さまはじめ関係各位の信頼回復に努めていく。
質疑応答
お客さま情報流出
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- ISPのIP電話に申し込んだお客さまについて、流出した情報の内容は。
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DIONにお申し込みいただいたお客さま情報を管理するシステムから流出したので、情報の内容は、13日に発表したものと同じである。
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- 流出経路の調査はどのような状況か。
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現在、捜査の段階にあるため、申し上げられない。
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- 今回流出した情報以外の情報について、どのように再発防止策を検討するのか。
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今回の流出には含まれていないが、クレジットカード番号などの信用情報や通信の秘密に関する情報なども含め、6月末までに現状を再点検し、再発防止策を策定していく。8月上旬に、再発防止策の実行計画を発表する。
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- 経営責任については、流出経路が判明した時点で決めるのか。それとも8月の対策発表時に決めるのか。
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経営責任については、責任を痛感しているが、法律に違反した行為によって流出した場合も考えられるので、流出経路が判明したとき明らかにしたい。
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- 今回判明したお客さま数は、発表済みのお客さま数にさらに追加されるのか。
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13日の発表時、DIONのお客さま情報が流出したとお知らせしたが、その後の調査の結果、DION以外のお客さまも含まれていることが判明したので、本日発表した。したがって、流出したお客さま情報の総数は、変わらない。
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- 流出したISPの名前、社数を教えてほしい。
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現在、ISP様と対応協議中であり、公表は差し控えたい。
グローバルネットワーク戦略
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- 本日発表したグローバルネットワーク戦略の背景は、大口のお客さまニーズに対応するものか。
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昨今、グローバルに活動する法人のお客さまニーズが多様性に富んできていることから、それにこたえるための戦略である。当社は海外拠点も持っているので、それを生かしてお客さまの要望にこたえようというものである。
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- KDDIグローバル・パワードイーサネットの売り上げ目標は。
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2~3年後で、20~30億円程度を目指したい。
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- グローバルネットワークを構築するのに投資額はどのくらいかかるのか。
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具体的な数字は差し控えるが、膨大な金額ということではない。
NTT問題
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- NTTの在り方について、政府・与党が大筋合意したが、それに対する考えは。
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当社の考え方は、通信・放送の在り方に関する懇談会などに申し述べているが、第一に、NTTのドミナンス性を排除するためには完全資本分離が必要であり、第二に、NTTのボトルネック性を解消するためにアクセス分離が必要であると考えている。第三に、こうした問題を解消するための諸手続きには時間がかかることは承知しているので、それまでの間についても、現行法制下で、きちんとした競争政策を進めていく必要がある。
過去、NTTの在り方については、5年ごとの見直しがあったが、99年の再編成時には、見直し規定が定められていなかった。今回、一部報道によると、2010年に検討・結論を出すと時間を決めていることから、大きな意味があると考えている。
MVNO
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- 本日、総務省で開催されたIP時代の競争ルール研究会で、MVNO (仮想移動体通信事業者) は事業法32条の接続に当たるため、MNO (移動通信事業者) はMVNOからの申し込みに応じる義務があるとの見解が総務省から示されたが、これについてどう考えるか。
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本日の研究会の内容を把握していないので、何を意味してMVNOとし、その接続に当たるとのかよく分からない。
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- MVNOは現在3社で提供している携帯事業に、ほかの業界からも新たな参入を広げようという考えにたっているものだろう。これに対してKDDIはどのような考えを持つのか。
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今はどのような形でMVNOが参入してくるのか不明なので何とも言えないが、ビジネスベースで考えていけばよいと考えている。
ただし、現状のauのネットワークに余裕はなく、何十万ものお客さまを収容する必要があれば、それに対応する設備投資が必要になってくる。MVNOに応じる、応じないは双方で協議することになるだろう。
そのほか
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- グーグルとの提携を今後どのように深めていくのか。MNPの対策としての先行メリットは。
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グーグルとの提携強化については、現在検討中なのでコメントは控えたい。
短期的な視点でなく、長期的な戦略に基づいてグーグルと提携したものである。
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- FTTHの戦略として、地方の電力系事業者との交渉はどのような状況になっているのか。
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各地域の電力系事業者とは、2つのアプローチをとっている。まず、PEN (KDDI Powered Ethernet (TM)) を拡大していく上で必要になるPNJ (パワーネッツジャパン。電力系通信会社グループ) については、パワードコムを継承する形で参加していく。一方、FTTH事業については、状況をみながら進めていく。
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- 株主総会で、メタルプラスは来年度黒字になり、今後は光ファイバに移行させていくとの小野寺社長のご説明であったが、どのような時間軸で移行を考えているのか。
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来年度メタルプラスは単体で黒字になるが、その後、メタルプラスから光ファイバへの移行によってメタルプラスがなくなるということではない。
2010年でもNTTの6,000万回線のうち、光ファイバへの移行は3,000万回線である。お客さまの半数は光ファイバには移行しないこととなるが、そうしたお客さまの選択肢がマイラインか光ファイバしかないということでよいのかということだ。
光ファイバに移行しないお客さまのために、メタルプラスを提供したものであり、光ファイバはそれに追加される形だと考えている。
当社のCDN (コンテンツ・デリバリー・ネットワーク) を使う最初のサービスとしてメタルプラスを導入したものであり、CDNを提供している限り、メタルプラスやケーブルプラスの利用は継続することとなる。