IPV6接続問題は、NGNの問題そのものである。NGNをクローズドネットワークとしてしまったことが問題で、ネットワークのオープン/クローズドの問題を議論することなく、現状のNGNの在り方ありきで、IPV6問題を議論していること自体が問題であると考えている。
アクセス部分は、電話系・データ系・IP系のすべてのサービスで使用するものであり、かつ、お客さまが専有する部分である。しかし、NGNではアクセス部分まで一体でクローズにしている。したがって、IPV6の問題というより、NGNそのものの在り方を議論する必要がある。
NGNについて、本質的な問題が議論されないまま、既成事実として進んでしまっていることが問題である。
NTTは日本の情報通信のリーディングカンパニーであり、日本や業界の発展に資するような今後のネットワークの在り方を自ら示すべきである。
その一例がユニバーサルサービスであり、NTTは、ユニバーサルサービスのコストを出すだけではなく、ユニバーサルサービスを今後どうしていくのかを示すべきである。
1985年の通信自由化以来、競争によって、通信料金は下がり、携帯電話も普及したため、国民の皆さまは現状に問題点を感じていない可能性があるが、その現状は、競争の結果にもたらされたものであることに理解を得る必要がある。