2011年10月 決算社長会見
日時 | 2011年10月24日 (月) 15:00~15:45 |
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場所 | KDDIホール (KDDI大手町ビル 2階) |
発表案件 | 2012年3月期第2四半期決算について |
決算
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- 新800MHz帯非対応端末の対応端末への巻き取りコストの実績は。
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新800MHz帯対応端末への巻取りは、順調に進捗している。期初から追加コストは年間約700億円程度発生すると申し上げていた。見通しに対する進捗率は64%で400数十億円程度。下期は残りの36%で、200数十億円程度。
ただし、今後残っているお客さまに対しては、手厚くアプローチをし、個別にお宅訪問するなども考えているので、コストは若干上ぶれる可能性もあるが、予定通りである。
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- 固定通信の営業利益の改善要因となっているコスト削減は、どのようなものか。営業関連費用を絞った結果なのか、去年からのコスト削減策の効果なのか。もう少し詳しく教えてほしい。
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固定通信のコスト削減について、321億円の改善は、KDDI本体の経費削減。ネットワークスリム化推進による設備にかかわるコストの減少である。
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- 持分法投資損益の悪化要因は。
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持分法投資損益は、今期81億円と、前期より5億円の減少。J:COMの前上期の持分法投資損益は3ヶ月分のみの取り込みであったが、今上期は6ヶ月分となり、のれんの償却額が増加している。その結果、持分法投資損益は▲5億円程度。個別の増減要因はあるが、全体としては悪くない。
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- 移動通信の減収要因について詳しく教えてほしい。
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移動通信の営業利益の減少要因の中に、電気通信事業営業収益が、▲708億円とある。これは音声ARPUの大幅な減少が影響している。約900億円が音声ARPUの減少分。一方で、約195億円がデータAPRUの増加分。
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- 営業キャッシュフロー増加の理由は。税金還付のせいか。
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営業キャッシュフローの増加は、J:COM中間持ち株会社清算の節税効果。それがそのまま効いた。
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- スマートフォンに関して、通期で500万台を超える観測にも関わらず、通期の総販売台数の見通しを据え置いている懸念点は何か。
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通期見通しは、iPhoneの影響が読みきれていないので、第2四半期決算の段階においては修正しない。必要であれば、1月の第3四半期決算発表のときにお伝えする。
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- スマートフォンの販売台数は期初の見通し400万台から、500万台を超えるということだが、通期の総販売台数の見通しである1,210万台も上ぶれるということか。上ぶれによる収益への影響は。
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総販売台数の上ぶれは、まだ現時点では状況をみていきたい。スマートフォンによる新規比率が増えれば、販売数が加算されることになる。総販売台数も変動するとみているが、今日の時点ではスマートフォンの数字だけとしたい。業績も第2四半期の段階では何ともいえない。総販売台数や、新規比率も変わる可能性があるので、必要であれば第3四半期以降に修正する。
移動通信事業
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- iPhoneの12年3月期における販売台数見通しは。
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まだ開示できるレベルになっていない。発売したばかりなので、11・12月を過ぎないと全体の数字の見通しは立てられない。とはいえ、足元の数字からするとスマートフォンの販売台数は500万台は越えるのではないかと見ている。
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- MNPの純増が急拡大しているとあるが、この4週間の実数は開示可能か。増えている理由のうちiPhoneの効果はどのくらいあるのか。
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8・9月は数字が公表されているので、そこから逆算していただきたい。iPhoneは14日より発売しているので、影響があるところは、プレゼンテーション10ページ、一番右端の棒グラフ。9月までの実績では、Android(TM)やWindows(R)Phoneを中心にして、auモメンタムが回復してきたと見ている。今後の進捗は引き続き見ていかなくてはならないと思っている。
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- iPhoneを発売してから10日だが、足元の状況を把握した上での評価は。スマートフォンの販売台数見込みが500万台を超えるということだが、400万台から差し引くと、iPhoneの販売台数は100万台ということか。
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iPhone販売状況については、現時点では足元については何ともいえないが、新規と機種変更の割合では、新規がかなり増えており、3割弱。この点はiPhone効果と言える。全体では、見込みを100万台超上ぶれると申し上げたが、まだ慎重に見ており、幅は読みきれていない。
また、当初iPhoneの取り扱い店舗が1,200店でスタートしたが、今月中に2,600店くらいまで拡大させる予定。販売チャネルの増加の影響もあるため、もう少し見極めたい。
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- スマートフォンを法人向けにどう拡販していくのか。
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法人向けのスマートフォンの拡販はコンシューマ向けに対して遅れてやってくる。法人はセキュリティ面などを気にされるので、3LMのようなスマートフォンにおいてのセキュリティを守るプロダクトが出て来てから拡販していくつもりだ。スマートフォンを使った既存業務への適用は遅れてさまざまな提案が出てくると見ている。
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- 総務省から900Mhz帯については、1枠かつ、負担可能額が最大2,100億円を上限とする指針案が公表された。参入希望調査ではKDDIは700MHzか900MHz帯を希望していたが、どちらを取りに行くのか。周波数帯獲得への意気込みは。
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答申が出たばかりなので、まだ社内として意見をファイナライズしていない。われわれにとっても、トラフィックがオーバーフローする状況の中では周波数の割当は大事なポイントである。これを勘案した上で900MHz帯を取るのか決める。内容は現在精査段階であり、現時点では差し控えたい。
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- 設備投資について、ドコモはLTEを前倒しするということだが、KDDIは来年12月からの計画を前倒す予定はあるのか。
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LTEは2012年12月サービス開始で、3,000億円の設備投資を予定している。他社よりも積極的に投資する。2012年12月段階で7割のエリアカバーでスタートする。積極的にエリア展開していくスタンスである。
その他
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- タイの大雨の日本法人への影響は。端末部品メーカーへの影響など、供給懸念は。
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タイは現在16社22回線の法人のお客さまが、地域通信網において影響を受けている。携帯電話のローミングサービスについても、地域においてつながらないというケースがある。
端末供給に関しては、端末メーカーのサプライチェーンの中に、タイ工場が含まれているので、一部影響が出てくるのではないかと見ている。
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- 16社22回線への対策は。
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現地キャリアと回復に努めているが、洪水の影響で水に浸かっているところがあり、回復見通しは現時点で申し上げられない。
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- 東電の保有株に関して、何か進展はあったか。
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東電は第三位の株主であるので、引き続き検討しているが、現時点ではお伝えできない。